日曜日に早稲田大学で開かれたDAYS JAPANのシンポジウムで、初めて上杉隆さんの話を直接に聞いた。その後のパーティーにも上杉さんは出席していた。
上杉隆さんによれば、例のコペンハーゲンでのオリンピック開催地選考会のとき、鳩山首相が強行スケジュールで現地訪問をしたけれど、現地では日本の首相が来たという事を知らない人も多かったらしい。
なぜなら、首相が行った記者会見が日本人記者に向けてのものであって、海外メディア向けの会見がなかったからだそうです。
記者クラブ批判の急先鋒である上杉さんによれば、鳩山さんや鳩山さん側近は上杉さんに、何とかして日本政府も海外に向けて情報を発信するようにしたいが、どうしたらよいかと尋ねたそうです。
「そんなの簡単ですよ。記者会見をすべての人に開放して、常時海外メディアにも開けばいいんです。記者クラブ会員の日本の大手新聞社、放送局しか会見に参加できない状態を止めることです・・・」
まあ、確かに首相が海外に出かけるときも、大挙して記者クラブ会員会社の記者がそれに金魚のフンよろしくついて回るという図柄だけを見ても、あまり美しくない。
どうも日本語という障壁を築いて、その中で当りさわりのないぬるま湯的質疑応答に終始している現在の体制は、海外から日本の首相の顔を見えにくくさせているのだろう。
小沢一郎さんは政治家として毀誉褒貶があるけれど、少なくとも彼が民主党党首として党本部で開いた会見は、フリーのジャーナリストでも、個人のブログをやっている人も、参加できる体制だった。西松建設問題で秘書が逮捕された後も、それは変わらずに、記者の質問に答えていた。
党首が鳩山さんに代わっても、それは変わらなかったが、鳩山さんが首相になって場所が首相官邸になったとたんに、記者クラブ会員の社の記者でないと参加できなくなった。(またまた、平野官房長官なのかしら?)
亀井静香金融担当大臣は、記者会見を記者クラブ用とその他の場合に分けて行っているそうである。記者会見にだれでも出席できるようにしようとしたら、記者クラブからクレームがついたという。
記者クラブは、首相が記者クラブの許可なく一社とだけインタビューに応じることを禁じている。かつてニューヨークタイムズが小渕恵三総理に記者会見しようとして申し入れたら、首相側は承認した。しかし、記者クラブが許可しない。
同じく小渕恵三さんが総理大臣のとき、フリーライターの佐野眞一さんは総理官邸でインタビューを行ったが、そのとき新聞記者に見破られないようにと、官邸の裏側からこっそり入ったという。
総理が官邸から長時間出てこないことを不審に感じた記者たちは大騒ぎした。「総理、誰と会ったんですか」と質問すると、小渕さんは「日本人だ」と答えたらしい。
総理はどうやら創価学会の池田大作名誉会長と秘かに会ったらしい、という話になったそうである。

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