6月18日に改正貸金業法が施行されました。
それから約一ヶ月たちましたが、今回の改正で、無担保のキャッシングサービスは、各社合わせて年収の3分の1までという規制がなされました。収入が無い専業主婦の人は配偶者の同意が必要になりました。
これにより、新たに借入ができなくて困ってしまった人たちも多い、という報道があります。
大阪府の橋下知事は、大阪を「金融特区」にして上限金利の制限を上げる代わりに、一部の弁護士や司法書士が「暴利」を取って行っている債務整理を大阪府が無料で行うという提案をしているようです。
確かに、一方で多重債務に陥る人もいれば、綱渡り的に高利のお金を借り入れて返済を繰り返して、資金繰りをしてきた中小企業やら、個人もいたのかもしれません。
その意味では、最高金利の上限の厳格化や年収割合3割の貸金規制は、ある種のお金の流れをせきとめてしまったともいえるのかもしれません。
それにしても、ワイドショー視聴者の主婦層に人気のある大阪府知事は、目の付けどころが違います。
不倫のためのデート代、ホテル代、旅行代などのためにとお気軽に借金してしまう人が多かったのも事実のようですが、それはともかく、確かにそのために多重債務に陥った人よりは、綱渡り的に返済した人の方が数字的には多いのかもしれません。
中央の政治家やマスコミは、多重債務に陥った人々にのみ焦点を当てて、借り入れと返済を繰り返して毎日を切り抜けている人の方には注目しないと、批判する人はいます。
橋下知事は、「ボクは貸金業者を擁護しようなんてしてませんよ。大阪府が債務整理を無料で行えば、結局困るのは貸金業者なんだから、彼らもそのリスクを承知したうえで、大阪府内でビジネスをすればいい」などと述べていました。
多重債務問題が深刻だからといって、お金の流れの総量を規制するような政策を取ることは馬鹿げた政策だと言いたいわけでしょう。
要するに、一部の多重債務者のために、賢い多くの借り手がお金が借りられなくなっているのはけしからんということです。まあ、改正貸金業法のために、不倫が続けられなくなった人もいるけれど、不倫によって消費が増えるのは確かに経済活動全体にとってはいいことだったのかもしれません。
気軽に借りられる店がなくなり、手持ちの金が少なくなって、これまでのように格好いいことばかり言えなくなった人もいるのかもしれません。したがって、不倫相手にこっそりと別れを切り出す人もいるのでしょうか。
マジメな中小企業者の資金繰りの話と、不倫のために借金までしている男か女を一緒にするなと怒られるかもしれませんが、まあ所詮お金に色はついていないわけでありますから。血液は循環しなければ人は死ぬように、オカネも循環しなければ経済は死ぬと言われれば、そうかしらとも思ってしまいます。
改正貸金業法が、世の中のお金の流れにどういう影響を与えるのかわかりません。これまで借りられた人が借りられなくなるので、より危ないヤミ金に手を出す恐れも出てくるという話もよく出てきます。
個人に対しては、不倫だのデートだのはするなとは言いませんが、それは自分の収入の範囲内にしなさいとアドバイスするんでしょうが、経済全体から見れば、期限内に返すという「自己責任」の範囲内なら、不倫のためのデート代、ホテル代、旅行代を借りるのも、「デフレ克服」に役立つというわけでしょうか?
個人的には、「借金返して現金増やせ」をお勧めしますが、みんながそうしたら、ますますデフレが進行するともいいます。経済というものの矛盾がここにあるんでしょう。

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