「映画 「Beautiful Islands」について」
感想
暑い日々が続いています。こんな暑い日が続くのは地球温暖化のせいだという人がいます。
いやそれは、みんなが冷房を使いすぎるからだというのが正解でしょう。それに、コンクリートやアスファルトが多いからですよね。それに、みなさん今年の冬は「寒い寒い」「例年にない寒波が来た」と言っていたのをもう忘れたんでしょうか?
しかしながら、今上映中の「ビューティフルアイランズ(Beautiful Islands)」(海南知子・監督)という映画を見ると、それを地球温暖化と呼ぶかどうかは別にして、気候変動が起こっていることは確かなようです。(
http://www.beautiful-i.tv/)
そして、それを引き起こしているのは間違いなく地球上で先進国と呼ばれる地域の、エネルギー多消費型の暮らしをしている人々の生活なのに違いありません。
この映画には、ツバル、ベネチア、アラスカのシシマレフの3つの地域の人々の暮らしが描かれています。
シシマレフ島では、永久凍土の浸食が進み、居場所を失った住民が島を出て行くことに決まっているのですが、伝統的に狩猟で生活してきた人々が移り住むに適した場所が、アラスカ本土にはもはやないようです。そして、ツバルは島全体が沈んでしまうと言われています。
この映画はBGMもナレーションもなく、気候変動でそれまでの生活の基盤に影響が及んでいる3つの島を淡々と記録していきます。
この映画に描かれる自然や人々の暮らしのありようから浮かび上がってくるものは、世界の中の一部の先進国や、中国などのエネルギー多消費型の社会や経済のあり方が、世界の周辺部で自然と環境に親和的な暮らしをしている人々の生活を追い詰めているという事実でしょう。
地球温暖化というにしろ、気候変動というにしろ、その影響はより深刻に中心よりも周辺に現れて来ています。そして、世界の中心にいる人間たちは確実に自分たちの暮らしがどのような影響を与えているかに鈍感になっているのかもしれません。

0