「ガラガラポンする」ということを、政治の世界ではよく聞く。
いまだに政界再編が必要だという人がいる。自民党も民主党も、一度「ガラガラポン」で二つに分かれて、政策の対抗軸で再統合しろという。たぶんマージャンから来たはなしなんでしょうね。
そのように「理念」できれいにA党とB党に政党が再編されたとします。しかし、分かれたところで、既に小選挙区制になっているのが選挙の現実です。
同じ一つの選挙区で元自民と元民主の二人の候補が同じA党に入りたいと言い出したらどうするんでしょう。
A党に入れなかったほうの人は心ならずもB党に入り、ことあるごとにB党内でA党的な政策を通そうとするに違いない。
民主党の最大の支持基盤とされるのが労働組合の連合である。
今回の事業仕分けで、ジョブ・カード制度普及促進事業、キャリア形成促進助成金、財団法人の介護労働安定センターの交付金など、5事業が「廃止」とされた。
そして、制度のあり方についても、「雇用調整助成金以外の必要性の低い雇用保険二事業は、特別会計の事業としては行わない」、「労災保険の社会復帰促進等事業については原則廃止」とされた。
連合はこれに対して、雇用情勢が厳しい中で、労働保険特別会計について、十分な議論もなく、このような事業仕分け結果が出されたことはきわめて遺憾である、と強く批判した。
民主党内部には、北欧諸国の社会福祉が理想だと考えて、労働力の「アクティベーション」や「インクルージョン」を積極的に進めることこそが「民主党らしさ」だと思っている人がいる。
つまり、古い産業で働いていた労働者を職業訓練で新しい産業で働けるようにし、社会から排除されていた失業者を再び労働力として生かそうという考え方である・
しかし一方で、新自由主義的な「改革」というか、つまり小泉サンよりも小泉的な政策こそに「民主党らしさ」があると思っている人もたくさんいる。
政策的に「第3の道」を目指している政権だと思っていたはずの人たちは、民主党が事業仕分けの際に見せた「公的サービスはそもそも無駄だからそれを削らねばならない」という話に失望する。
事業仕分けこそが民主党の残された命と考える人たちは、小泉政権の郵政改革時と同様の国民の熱狂というか、「仕分けポピュリズム」にどんどん走っていく。
第三の道こそ民主党と思っていた人たちは、市場原理主義の経済政策を進める「第2の道」が再びあおりたてられていると感じているようです。
「民主党の仕分け担当者は自民党時代の公共事業中心の悪しき『第1の道』の無駄をたたきつぶすつもりで、アクティベーション型、インクルージョン型を目指す新成長戦略の『第3の道』の政策要素も『無駄』として切り落としてしまっている」という感じ?(
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2010/10/post-1218.html#comments)
29日に自民党本部で開かれた農林水産物貿易調査会で、農業分野を含めて貿易自由化の例外を原則設けないとする環太平洋パートナーシップ構想(TPP)への参加に反対意見が相次いだ、と読売新聞は伝えています。(「自民もTPP参加でジレンマ、賛成論根強く」30日読売)
だが、市場開放の国際潮流に乗り遅れるべきではないという賛成論も党内では根強いそうです。
党としては、11月13、14日のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議までに党の見解をまとめたい考えですが、結局は玉虫色になりそうです。
かくして政界再編、ガラガラポンなんて何回やっても、結局は同じことでしょう。
そんなことをしても、それだけで精力を使い果たして、肝心の政策を先生方が理解するアタマの余力がなくなるだけでしょうね。

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