23日に中東問題に関するシンポジウムを聴講する機会がありましたが、その中で保坂修司さん(日本エネルギー研究所)が、アフガニスタンで自爆攻撃を行った男性たちの残した「ジハード(聖戦)への愛」を語ったインターネット上の書き込みが紹介されていました。
まあその分野には全く詳しくないし、ワタクシは中東の国へ行ったこともないですので、よくわかりませんが、少なくともアフガニスタンに「死に場所」を求める男たちは、いずれも家庭的に恵まれ、専門的な教育も受けている人々だということは、よくわかりました。
そして、現在の中東各国の首都の繁栄ぶりは目を見張るものがありますが、かなりの数の日本人から見れば、これがバブルだという感じを持たざるを得ないのではないかとも思います。
アメリカをはじめ先進各国の金融緩和の影響で、世界市場を漂う国際的資金は、どうしても資源に向かわざるを得ないでしょう。
そして、サウジアラビアに林立する高層建築を手がけた建設会社は、まさにビンラディン氏を輩出した一家の経営になるものなんだそうです。
もっとも、伝統的なイスラム教の教えは自殺を禁じているのだそうですから、ジハードが自爆攻撃に結びつくのは歴史的に見てごく最近のことだということ。「自爆攻撃は日本の神風特攻隊から影響を受けたというのは本当ですか」という質問が聴衆から出ましたが、その確証はいまのところないようです。
ただ、今のような自爆テロが起こり始めたのは1980年代からといいますから、日本の特攻隊の話が様々な経緯で伝わって、刺激を与えたということもあながち荒唐無稽とはいえない気が、ますますしてきます。
ただ、中東各国の政府では、いくら反米的な姿勢を取っている国でも、アルカイダなどのいわゆるテロ組織を公然と支持するところはないわけです。それはあくまでも、各国政府の政治や経済のあり方に対する押さえつけられた不満を背景にした支持の上に成り立っているようです。
あたかも中国国内の不満のはけ口が「反日」に向かうように、中東各国の国内の不満の向かう先として、アフガニスタンはまさに格好の標的になっているのだといえるのかもしれません。そんなテロリストにとっての格好の「死に場所」を作り出してしまった責任はまさにアメリカなんでしょうが。

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