「オタク」という語句には様々な定義があるようだけど、ここではそれは問題にしない。
「アニメオタク」とか「鉄道オタク」とかを個別に論じる積もりもない。
それらを含むオタク総体について論じていきたいと思う。
「オタク」を自分的に定義すると、「
大衆化したインテリ」ということになる。
今の時代、昔ながらの「インテリ対庶民」という二項対立図式は通用しなくなりつつある。一昔前には、インテリと庶民の間には明確に線が引かれていた。昔は、誰も彼もが大学に入る時代ではなかったし、思想書や哲学書の類なんかも(特に地方なんかだと)容易に手に入らなかった。
それが戦後になって、大学の数も増え、今や大学に入るのが当たり前(「大学を選ばなければ」という前提付きだけど)と言われる時代となり、インターネットや情報化社会の発達によって、思想や哲学にも容易にアクセス出来るようになった。
さらには、高度経済成長による豊かさも、こういった現象に拍車をかけることになった。
つまり金と暇さえあれば、庶民も容易に「疑似インテリ」になることが出来るようになり、「インテリ」の大衆化が始まったのである。

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