「女だけの死体ファイル」 著者 / 上野正彦
元東京都監察医務院長 医学博士の著書が関わってきた検死事件が数多く紹介されている。
タイトルにもあるように、全て女性が関与した事件ばかり。
著者は言う。
「何よりも驚かされるのは、そういった事件に至った動機の変化である。特に、女性が関わった事件が、大きく様変わりしたという印象を持った。・・・時代も変われば変わるものだという感慨がある。」
昭和の時代には、女性が騙される側であることが多かった。
時代が変わり、最近では、女性による凶悪犯罪が増えているという。女性が社会に出て強くなったのはいいことだけど、凶悪犯罪を犯してしまうまでというのはいかがなものか。
この本の中でも紹介されている、和歌山毒物カレー事件、九州美容師バラバラ殺人事件、久留米で起きた看護師仲間による保険金殺人事件など、マスコミでも大々的に取り上げられた有名な事件がいくつか思い出される。
事件に関わった女性は、妻であったり、愛人であったり、母であったり、立場は様々。加害者でもあり被害者でもある女性像が浮かんでくる、女性ゆえの犯罪について読んでいると、女のサガというものを考えさせられる。
女というのは、悲しい性なのだ。

0