「あたらしい教科書 1 雑貨」
この本は、タイトルのとおり雑貨の教科書。
雑貨を紹介した本って、写真がメインで、ちょこっとコメントが付くだけのものが多いけど、この本はまさに教科書的。
本文の上下段に、小さな文字の語釈・注釈が付いている。
先ずは雑貨を「一人で持ち運びができるまで」と定義。
本来、雑貨にとって大切なのはスケールではなく、視点の小ささであるとも言っている。
「いかに細かいところにまでこだわり、心をくすぐる意匠が施されているかどうか。そう、雑貨の神はディテイルにこそ宿るのです」
私って、創作する時(絵を描いたり、洋裁したり、家づくりの時もそう)、こういう精神でやってるわ〜。全体をイメージした後は、いかに細かいところにこだわるか。そこに腐心する。もしかしたら、誰にも気づかれないかもしれないくらいのスモールワールドなこだわり。でも、分かる人には分かるのよね。
テキスタイルの図案を描く仕事をしていた時、一ついい図案があると(そういうのは、トップの人が描いたもの)それと同じタイプのもので、いくつも発注が来る。それこそ取引のある会社から、一通り発注されるようなこともあった。(プリントブームの時代だったからね)
ちょっとモチーフを変えてみるとか、色味を変えてみるとか、ほんのちょっと構図を変えてみるとか。って、下手すると、ほとんど原図と変わらないような図案が(それぞれの人から)何枚も仕上がってくる。そして、全て売れていく。
そういう図案の資料(図案自体は売れていってしまってるので、写真として手元に残る)を後で見た時、どれが自分の描いた図案か分からなくなることもある。
でも、私は大抵自分の図案は判別出来た。(ま、下っ端で、こなしてる数がしれてるからってのもあったけど)
自分なりのこだわりを、作品に込めていたから。
そういうの、上司がちゃんと知っててくれたって分かった時は嬉しかった。仕事を認められるというよりも、自分なりのこだわりを理解してもらえたってこと。
今でも、「自分なりのこだわりのある人」と、人から言われることがある。が、そういうこだわりを持って主婦業するのは、しんどいだけだ・・・。

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