通勤・通学者約1500名の帰宅の足を乱しても責任の所在を自ら特定できないJRグループの責任転嫁体質  国内外からのトピックス

■筆者は通勤にJRを利用していますが、昨日平成25年4月16日の晩、信越線のダイヤが大幅に乱れました。今朝の上毛新聞は次のように報じました。
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昨日の晩、安中駅構内で故障して立ち往生した安中貨物を牽引する電気機関車と同型のEH500。


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貨物列車に不具合 信越線が運休、遅れ JR安中駅構内
 4月16日午後5時50分ごろ、安中市中宿のJR安中駅構内で、車庫への入れ替えをしていた田端操車場発安中行き下り貨物列車が、下り線路上で動かなくなった。車輌を点検し、午後7時20分ごろ運転再開した。
 JR東日本高崎支社によると、信越線の上下2本が運休したほか、下り3本が最大1時間27分遅れ、約1500人に影響した。
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 この件で、ひょっとしたら、安中貨物を扱う東邦亜鉛の子会社である安中運輸も関係するのかもしれないと思い、JRに確認したところ、東邦亜鉛安中製錬所に亜鉛鉱石を運搬する貨物列車を牽引する電気機関車が、安中駅構内で何らかのトラブルのため立ち往生したことが判明しました。

■このトラブルの原因が、JR東日本にあるのか、それともJR貨物にあるのか、あるいは安中貨物を引き取って、引込み線で操車する東邦亜鉛の子会社の安中運輸なのか、確認しようと、とりあえずJR東日本高崎支社の販売促進課に電話(027-320-7157)で問い合わせてみました。

 しかし、上毛新聞が報道した以上のことはわからず、同支社の広報課(027-328-7258)に電話するように促されました。広報課でも、マスコミに発表した以上のことはわからないとの一点張りで、埒が空きません。そのため、こちらから、貨物の運行権を持つと思われるJR貨物に電話したほうが話が早いと考えて、広報課にJR貨物の窓口の連絡先を訊ねました。ところが、JR東日本の高崎支社では「(JR貨物の)鉄道電話(の番号)はわかるが、通常の電話番号はわからない」というのです。

 しかたがないので、ネットでJR貨物(正式名称は日本鉄道貨物株式会社)の電話番号を調べて、電話(03-5367-7396)しました。佐竹と名乗る営業部の人物が電話に出たので、事情を説明し、なぜ電気機関車が立ち往生したのか、その原因について説明を聞かせて欲しい、と依頼しました。JR貨物では、即答ができないとして、調査の上、折り返し電話するというので、返事を待ちました。

■2時間後に電話(03-5367-7397)がありましたが、今度は総務部の中村という人物でした。どのような原因か聞こうとしたら「確かに電気機関車は当社JR貨物の保有物だが、運行の手配等、運行権はJR東日本がすべて取り仕切っているので、そちらに問い合わせしてほしい」という返事でした。

 そのため、当方からは、「本件については、JR東日本高崎支社には既に問い合わせ済みでして、たらい回しにされた挙句、何も分からないと言うことで、貴社(JR貨物)に問い合わせたものです。またJR東日本に問い合わせるようにとのアドバイスですが、一体どこに問い合わせたらよろしいのでしょうか」と確認を求めたところ、驚くべきことに「こちらでは、把握していないので、もういちどJR東日本に聞いてみて欲しい」というのです。

 夕方の通勤・通学の帰宅時に長時間に亘り足を乱された1500人に与えた迷惑や、再発防止について、まったく反省の気持ちや、改善の気持ちが見られません。

 これが今年、就職情報会社マイナビがまとめた2014年卒業予定の大学生の就職人気企業ランキングで、1978年の調査開始以来、理系部門で初めて1位となった会社とは到底思えません。

■JR貨物が保有する電気機関車が、東邦亜鉛が所有する貨車を引っ張って、午後5時37分に安中駅に到着し、直ちに、安中駅構内で、貨車を引込み線に入れようとしたら、電気機関車が動かなくなったわけですが、新聞報道ではその時間が午後5時50分ごろとなっています。

 その前後に高崎駅を出発する信越線下り電車を時刻表で見ると、普通列車149Mが高崎発17:18(安中着17:29)、同151Mが高崎発17:51(安中着18:02)、同153Mが高崎発18:23(安中着18:34)、同155Mが高崎発19:13(安中着19:25)、同157Mが高崎発20:02(安中着20:13)となっていることから、下り線で運休したのは普通電車151Mで、遅れた電車は153M、155M、157Mということになるため、午後7時20分に運転を再開したことから、1時間29分遅れとなったわけです。

 JR東日本では、振替バスの手配も検討したようですが、復旧作業の進捗を気にしながらズルズル判断に迷っているうちに、結局、何もせずに事を済ませたかたちです。結局、機関車のトラブルをあおりを食って、帰宅の足を大幅に狂わされたのは、毎日鉄道を利用している安中市民ということになったのでした。

■この貨物列車は、東邦亜鉛安中製錬所に毎日鉱石を運搬している列車です。亜鉛焼鉱を積載したタンク形貨車(タキ1200)と亜鉛精鉱を積んだ無蓋形貨車(トキ25000)をそれぞれ12〜13両と4〜5両牽引して毎日、福島県いわき市にある東邦亜鉛小名浜製錬所から、内陸の群馬県安中市にある東邦亜鉛安中製錬所まで、毎日往復しており(帰りは空荷の回送列車)、鉄道マニアの間では「安中貨物」と呼ばれています。

 安中貨物は、福島から常磐線を上ってきて、首都圏を経てから群馬に抜けます。この時、常磐線では架線種別が交流から直流に変化します。そのため交直流機という両電源に対応する電気機関車が必要となるわけですが、常磐線において、この電気機関車の運用はJR貨物ではなくJR東日本の機関車が行っています。今回、JR貨物が、故障した電気機関車の運行権はJR東日本だと主張する背景には、こういう事情があるのかもしれません。

 少し前までは、国鉄時代に作られた交直流の電気機関車であるEF81が投入されていましたが、その後、新型のEF510が使われたこともありました。そして、今年平成25年3月16日のダイヤ改正で、貨車を牽引する電気機関車がそれまでのEF510から、EH500に交替しました。この車輌の交替が、今回のトラブルの要因なのかどうかは定かではありません。
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3.11震災以前に安中貨物を牽引していたEF81形電気機関車。

 故障の原因が電気系統か機械系統か、それらの整備不良なのか、あるいは架線の継目で停止してしまうなど、操車ミスによるものか、きちんと原因究明と責任の所在の明確化をした上で、再発防止の対策を講じなければ、また安中市民約1500名の通勤・通学の足が乱されかねません。

【ひらく会情報部】

※参考資料
【EF510形電気機関車】
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EF510形電気機関車は、日本貨物鉄道(JR貨物)が2002年(平成14年)から製作している交流・直流両用電気機関車。東日本旅客鉄道(JR東日本)においても、2009年(平成21年)から同形機(EF510形500番台)を導入している。
日本海縦貫線・常磐線などで1968年(昭和43年)から使用されてきた交直両用電気機関車EF81形の取替えを目的に1990年(平成2年)にEF500形が試作された。しかし、定格出力 6,000 kW の同形式は輸送量に比べ過大な出力や技術上の問題などで量産に至らず、輸送量に適合した性能を有する新型機関車の開発が以後の課題とされた。一方、東海道・山陽本線を主とする直流電化区間用としては、運用コストを適正化した形式として同時期にEF210形が製作され、同形式の設計を基にして交直両用機の開発が進められ、2002年(平成14年)2月[1]に三菱電機・川崎重工業で先行量産車のEF510形1号機が完成した。本形式は2003年(平成15年)から量産を開始し、老朽化の進むEF81形を徐々に淘汰しつつある。
車体は高運転台式非貫通の前面形状を有し、正面窓上に短い庇を設けた意匠はEF500形に類似する。機械室内の機器配置はZ形通路形式とし、車体中央で通路配置が逆転する。これは機器室内の通路幅を確保し、整備性の向上に配慮したもので、このため側面の窓配置は向かって左側に採光窓が並び、向かって右側に通風孔を設ける配置となる。室内に設置する補助電源装置の冷却方式は夏季と冬季で異なり、夏季は外気を直接取り入れ換気を促し、冬季は内部で空気を循環させ、機器室を密閉する。これは冬季に雪の侵入を防止するための機構である。屋根上の特別高圧機器類は寒冷な気候条件と塩害への対策として、パンタグラフと保護接地スイッチのみを屋根上に設置し、従来機では屋根上に設けていた断路器や遮断器などは室内に配置している。パンタグラフは上昇動作時の鉤外し機構を空気式としたシングルアーム式のFPS5形で、関節部を車体中心に向けて搭載する。制御装置は、EH500形から採用された高速トルク制御機能を有する三菱電機製のVVVFインバータシステムで、制御素子はIGBTを用いる。主電動機はEF210形と同一のかご形三相誘導電動機FMT4形を6基装備し、1台のインバータで1台の主電動機を個別に制御する1C1M方式である。定格出力はEF210形と同等の3,390kW(1時間)・3,540kW(30分)で、12パーミルの勾配上で1,300tの列車を1両で牽引することが可能である。台車はEF210形と同様の軸梁式ボルスタレス台車 FD7N 形(両端)・FD8A形(中間)で、ブレーキ装置は単機ブレーキが発電制動併用の電気指令式ブレーキ、編成ブレーキが電磁自動空気ブレーキである。基礎ブレーキ装置は耐雪ブレーキ機能を装備し、車輪と制輪子の間に雪を侵入させない構造としている。運転室は気密性を高め、空調装置を配置した。運転席周囲の機器配置は既存の新型機とほぼ共通の構成とされ、運転中の各種情報や、点検時の自己診断結果などを集中して表示するモニター装置を設ける。

【EH500形電気機関車】
EH500形電気機関車は、日本貨物鉄道(JR貨物)が1997年(平成9年)から製造する三電源方式交流直流両用電気機関車。
形式は、日本国有鉄道(国鉄)時代に製造され東海道本線で使用されたEH10形以来となる2車体連結・主電動機軸8軸使用のH級機。従来、首都圏 - 函館・五稜郭間は直流機-交流機(重連または単機)-青函用交流機(重連)と機関車の付け替えがあり、到達時間にロスが生じていた。これを解消してJR貨物の保有機関車数を削減する目的とともに、東北地方のED75形電気機関車や、津軽海峡線のED79形電気機関車老朽取替え用として開発・製造されている。また、東北本線藤田-白石間および十三本木峠の急勾配・青函トンネルの連続勾配を走行するため、高い粘着性を軸重を増大させずに確保する必要があったことと、第二種鉄道事業者として線路保有会社に支払う線路使用料を軽減するために2車体永久固定方式のH型機関車となった。
交流区間では、交流20kVを主変圧器から主変換装置に導き、主電動機を駆動する。直流区間では、直流1,500Vを主変換装置のインバータ部に導き、主電動機を駆動する。主変換装置1台で2台の主電動機を制御する1C2M方式を採用する。主変圧器(FTM3)は送油風冷式を採用し、2,598kVAの容量を備える。1両あたり2基搭載する。主変換装置は沸騰冷却強制風冷方式を採用し、IGBT素子を使用した3レベルPWM方式コンバータ+3レベルPWM方式インバータで構成される。補機類の電源として、容量150kVAの補助電源装置(SIV)を搭載する。主変圧器の3次巻線を電源とし、交流100Vおよび直流100Vを供給する。なお、直流区間ではインバータ部から供給される三相交流440Vを降圧・整流することで補機類の電源としている。1両に2基の補助電源装置を搭載することで、冗長性を確保している。主電動機(FMT4)は、1時間定格出力565kWのかご形三相誘導電動機である。ED75形やED79形で行われていた重連運用解消のために、短時間出力を4,520kWに設定しているが、地上設備などとの兼ね合いから、通常は直流区間では3,400kW程度、交流区間では4,000kW程度で運用される。台車は、EF210形量産車と同形式の軸梁式ボルスタレス台車を装着する。台車形式は、1エンド側からFD7F、FD7G、FD7H、FD7Iである。ヨーダンパを備える。集電装置は、PS22E形下枠交差式パンタグラフを2基搭載する。補機類や計器類の電源を供給する補助電源装置には、静止形インバータ(SIV)を搭載する。空気ブレーキなどで使用される圧縮空気を供給する電動空気圧縮機は、FMH3015-FTC2000形を2基搭載する。電動機などの冷却に使用する電動送風機は、FMH3016A-FFK16形を搭載する。

【トキ25000形貨車】
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トキ25000形は、1999年(平成11年)に製作され、日本貨物鉄道(JR貨物)に車籍を有する40t積の貨車(無蓋車)。亜鉛精鉱専用の私有貨車で、所有者は東邦亜鉛。

【タキ1200形貨車】
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タキ1200形貨車は、2010年(平成22年)から2011年(平成23年)にかけて製造された、亜鉛焼鉱専用貨車(タンク車)。積載荷重40.3tの粉粒体輸送用タンク貨車(タンク種別:第7種)である。以前はタキ15600形が使用されていたが、老朽化のため後継として製造された。
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以前使用されていたタキ15600形貨車。

【安中貨物の運航状況】
高崎線の貨物列車時刻表(2013.3.16改正)によれば、東邦亜鉛安中製錬所に毎日鉱石を運搬する貨物列車(通称「安中貨物」という)の運行時刻は次のとおりです。
http://tnk-ko.a.la9.jp/data/time_Takasaki20130316.html
■列車番号/高崎操/熊谷タ/大宮/備考
5781 500-146/17:15-17:17/16:42/15:57y/泉11:41発 安中17:37着 鉱石 5388-* 田500-146
また、空荷の返送列車の運行時刻は次のとおりです。
■列車番号/高崎操/熊谷タ/大宮/備考
5782 500-146/20:58/21:33-22:18/23:03m/安中20:41発 泉06:39着 鉱石空返 *-5387
 この貨物列車は、東邦亜鉛小名浜製錬所から同社安中製錬所に亜鉛精鉱と亜鉛焼鉱を運搬するための専用列車で、運転区間は福島臨海鉄道・宮下駅から信越本線・安中駅までとなっています。そのため鉄道マニアの間では、通称「安中貨物」とか「東邦号」とか呼ばれており、牽引機はJR線内は全区間田端操車場のEH500(JR東日本)が担当しています。通常は亜鉛焼鉱運搬用のタキ1200形タンク貨車(12〜13両)と亜鉛精鉱用のトキ25000形無蓋貨車(4〜5両)で編成されていますが、日によっては編成車輌数が大幅に変動し、トキのみやタキのみの場合もあります。かつてはトラやトキなどの無蓋車をどこででも見ることができましたが、現在では無蓋車を連結した定期の貨物列車は珍しく、そのため鉄道マニアの取材対象になっています。
 この列車の経路は、小名浜製錬所のある宮下駅から常磐線の泉駅までは福島臨海鉄道を経由して列車番号52レ(レは「列車」の略の意)で運行され、常磐線に入ると列車番号5388レとなり、武蔵野線を回らず田端操車場を経て、東北本線に入り赤羽駅経由で高崎線へ入ります。列車番号も田端操車場で5388レから5781レに変わります。
 一方、安中駅から泉駅までの5782レ〜5387レは大宮操車場から武蔵野線・南流山経由で常磐線へ抜ける経路で運転されています。上下で経路が異なっていることも、鉄道マニアの関心を引いているようです。
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