2013/6/8  23:17

道路管理者として管理しきれない市道を沿線住民の善意に頼ろうとする安中市道路行政のホンネを質す  困ったちゃん岡田前市政

■道路という公共財産を特定の個人や法人のために便宜を図ってきた安中市の道路行政ですが、土地開発公社を舞台にしたタゴ51億円事件の負の遺産である103年ローンなどの影響で、市内の市道はひび割れだらけです。そのため、道路里親制度というものを設けて、沿線住民らに維持管理を肩代わりさせようとやっきになっています。


 もともと公共意識の強かった日本人は、自分たちの暮らす地域の道路や橋梁、用水路、寺社などのインフラ施設を自ら共同で整備してきました。それらは普請と呼ばれ、相互扶助や自治としての役割を担っていました。貨幣経済の発達とともに次第にそうした風習は廃れていきましたが、地方では未だに継続中のものもあります。安中市でも道普請という形で依然として残っています。

 しかし戦後、道路法という法律が整備され、道路整備は道路管理者以外の者はすることができなくなりました。それにもかかわらず、地元住民は営々と道普請の風習を続けてきました。

■平成15年、安中市岩野谷地区で民間業者のサイボウがゴミ処分場を作るため、ゴミの搬入用の道路を設けるために市道の拡幅工事を安中市に申請しました。その際に、市道に接する土地の地権者との境界確定手続きをしましたが、4件の手続きで、既に30年前に物故した地権者などを含め、勝手に業者が地権者の署名や印鑑を偽造して安中市に提出しました。

 こうした違法行為をする業者が、農業地帯の水源地に廃棄物処分場を設置するのは許されないとして、地元住民が業者を公文書偽造で告発し、さらに安中市に対して道路法24条による道路管理者以外の者による道路拡幅工事を承認しないように異議申立てを提起しました。

 ところが安中市は、偽造された境界確定書を平然と受理し、業者による市道拡幅工事に承認を与えたのでした。しかも、偽造行為を告発し、ゴミ搬入のための市道拡幅工事を差し止めようとした住民に対して、安中市は、道路法24条を盾に、違法業者による市道拡幅工事に対して、利害関係がないから差し止めを求める資格がないとして、異議申立てを却下しました。

 それを不服とした地元住民が行政訴訟を提起しましたが、安中市は法廷でも同様に主張し、毎年自主的に市道の道普請をしてきた住民に対して、利害関係がないということで、門前払いをしたのでした。

■このことを知っているはずなのに、平成19年、安中市は、今度は「道路里親制度」と称して、道普請を奨励する施策を打ち出してきました。サイボウのゴミ処分場にゴミを搬入させるために市道を差し出して拡幅工事を承認した安中市が、得意の二枚舌で住民を騙していることを懸念した当会は、平成25年5月20日付で、「「道路法に基づく市道管理と道普請について」とする公開質問状を安中市長宛に提出しました。

 その返事が同6月3日の提示後にファックスで当会事務局宛に送られてきました。

**********
6月3日(月)17:43(蓄積17:42)
ファクシミリ発信のご通知
平成25年6月3日
発信者 〒379-0192群馬県安中市安中一丁目23−13
    安中市役所 建設部土木課 新部
    FAX:027−381−8018
    TEL:027−382−1111内線1202
件名 質問の回答について
枚数 14枚(この発信通知書を含みます)
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【市土木課からの回答書】
                    平成25年6月3日
安中市野殿980番地
小川 賢  様
                   安中市長 岡田義弘
                      (建設部土木課)
          回答書
 日頃、地域のボランティアとして、道普請等による道路環境美化県境美化にご尽力いただき、深く感謝申しあげます。
 さて、平成25年5月20日付「道路法に基づく市道管理と道普請について(公開質問)」のご質問につきまして、下記のとおり回答させていただきますので、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
          記
(当会注:Q&Aが分かるように公開質問の内容を青字で示す)
 安中市は、安中市総合計画のパブコメへの回答として、「道路里親制度は、道路管理者と合意を取り交わすことにより、道路の一定区画が住民や企業によって愛情と責任を持って清掃美化されることから『アダプト(養子にする)』に例えられ、『アダプト・プログラム』と呼ばれています。ボランティア活動に意欲を持つ住民や企業にまちづくりに参加してもらい、美しい生活環境や快適な空間を作る新しいシステムです。2011年度末現在で、実施自治体数369自治体、傘下団体数約26,000団体、活動者数約140万人が参加しております。」と説明しています。このことについて
(1)現時点で安中市にはこの制度がありますか。

@道路里親制度がございます。
(2)もしあれば、どのような条例なり要綱等で規定していますか。
Aあんなか市道路里親制度実施要綱を定めております。
(3)それらの条例なり要綱等はホームページでダウンロードできますか。
Bホームページには掲載しておりません。(当会注:情報公開で後進的な安中市を象徴)
(4)もしダウンロードできなければ、どのような方法で入手できますか。
C建設部土水課及び松井田支所耕地建設謀に実施要綱と手続きに必要な様式がございます。
(5)この制度が安中市にある場合、それはいつから実施されているのですか。
D平成19年4月1日より実施されております。
(6)また、現在までにどのような参加団体がありますか。
E自治会や地域の道路愛護団体等で、平成24年度までに11団体が参加されでおり、平成25年度においては現在のところ新たに2団体が参加予定です。(当会注:具体的な参加団体名を質問したのに、なぜかはぐらかした)
(7)安中市でも活動者数は何人いますか。
F平成24年度までの参加者名端の合計では216名となっております。
(8)参加するための手続をわかりやくす教示してくださいますか。
G詳しくは実施要綱をご覧いただきたいと思います。
(9)道普請の法的根拠を市民に周知させるために、この制度を広報あんなかに掲載したいとの事でしたが、いつ広報に掲載する予定ですか。
H道普請については法や条例で明示されているものではございませんので、法的根拠等を周知する予定はありませんが、地域で道普請を行っていただいている場合は道路里親の活用をお願いするため、「おしらせ版あんなか平成25年5月11号No.164」に記事を掲載しております。また、この制度の記事については、過去にも何度か広報等に掲載しております。(参考:当該のおしらせ版あんなか
http://www.city.annaka.gunma.jp/kouhou/pdf/pdf250511/250511.pdf
(10)この制度が道路法に抵触しない根拠(道路管理者以外の者が道路工事を行うことができる根拠)をわかりやすく教えてください。
I道路法第24条のただし書と同施行令弟3条では、退路構造に影響を与えない道路の維持で、軽易なものについては道路管理者の承認を受けることを要しないとあります。従いまして、道普請や道路清掃について、道路管理者の許可等煩雑な手続きを強いる必要はないものと考えており、むしろ地域のコミュニティ形成と安全安心で快適なまちづくりに寄与するものとして、積極的な参加を期待しているところです。
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【実施報告に対する市土木課からの返事】
                    (事務連絡)
                    平成25年6月3日
安中市野殿980番地
小川 賢  様
                    建設部土木課
 お手紙にてご連絡申しあげました道路のコサにつきまして、早速の作業ありがとうございました。
 さて、ご連絡いただきました作業完了のご報告の中の道路コサ申出人の教示についてですが、小川様のお気持ちには大変感謝申し上げますが、プライバシーに配慮し、部外秘とさせていただきたいと思います。なにとぞご理解を賜りますようお願い申し上げます。
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【あんなか市道路里親制度実施要綱】
(目的)
第1条 この要綱は、市道において自発的に美化ヒ及び清掃活動を行う住民の団体等を道路の里親として認定し、住民及び行政が協力して快適で美しい道路環境づくりを推進するあんなか市道路里親制度について必要な事項を定め、もって道路愛護精神の高揚を図ることを目的とする。
(里親)
第2条 この要綱において市道の里親として認定する団体(以下「里親」という。)は、自治会、老人会、子供会、サークル、企業その他市長が認める図体で、次に掲げるものとする。
(1)自ら区域及び方法等を定めて市長に申し出るもの
(2)市長が区域及び方法を定めて募集するもの
(活動内容)
第3粂 里親の活動内容は、次に掲げるとおりとする。
(1)通路内の清掃及び除草
(2)道路の破損・危険筒所等の情報提供
(3)その他市が必要と認めた活動
2 前項第1号の活動により発生したゴミは、里親が市の分別方法及び指示に従って適正に処分するものとする。
(含意)
第4条 里親を希望する団体は、里親申請婁(様式第1号。以下「申請書」という。)を市長に提出するものとする。
2 市長は、前項の申請書の内容が適切であると認めたときは、当該団体と里親合意書(様式第2号。以下「合意書」という。)を取り交わすものとする。
3 里親は、申請書の内君に変更が生じたときは、逮やかにその旨を市長に届け出るものとする。
4 第2項の合意書は、取り交わした日の属する年度の末日まで有効とする。ただし、次条に規定する合意の解消がない場合には、1年間継続し、以後も同様とする,
(合意の解消)
第5条 里親は、合意の解消を希望するときは、里親辞退届(様式第3号)を市長に届け出るものとする。
2 市長は、次の各号のいずれかに該当するときは、合意を解消することができるものとする。
(1)前項の届け出があったとき。
(2)里親の活動がこの要綱に違反したとき。
(3)里親が公共の利益に反し、又は反するおそれのある行為を行ったとき。
(4)その他、市長が里親として不適当と認めたとき。
3 市長は、前項の規定により合意を解消するときは、里親合意解消通知書(様式策4号)により当該里親に通知するものとする。
(安全対策及び注意事項)
第6条 里親は、里親活動に係る安全対策について責任を持って行うものとする。
2 里親活動を行うにあたっては、公序良俗に反する行為、政治活動、営業活動、布教活動、その他ポランティアとしてふさわしくない行為を行ってはならない。
3 里親活動中に発生した事故及び第三者との紛争については、市と里親で協力して対応するものとする。ただし、里親の故意又は過失により生じたものは、保険で対応できるものを除き、里親が責任を持ぅて解決しなければならない。
(活動報告)
第7条 里親は、合意書の締結後、速やかに当該年度の里親活動年間計画書(様式第5号)を提出するものとする。
2 里親は、1年間の活動状況を里親活動年間報告書(様式第6号)により当該年度終了後速やかに市長に報告するものとする。
3 活動中に事故が生じたときは、里親活動中の事故報告書(様式第7号)により速やかに市長に報告するものとする。
4 市長は、必要に応じ里親に指導及び助言を行うことができる。
(市の役割)
第8条 市長は、里親活動に対し、次の各号に掲げる事項を行うものとする。
(1)里親活動に必要な物品(軍手等)や用具(ほうき・塵取り等)の支給及び貸与
(2)里親名を表示した看板等の設置
(3)里親活動に関する保険への加入
(4)里親に対する指導及び助言
(5)その他活動を支援するために市長が必要と認めた事項
(担当課)
琳9条 道路里親制度の担当部課は、建設部土木課とする。
(補足)
第10条 この要綱に定めるもののほか、必要な事項は市長が定める。
  附 則
 この要綱は、平成19年 4月 1日から施行する。

【様式第1号(第4条関係)】
・あんなか市道路里親制度 里親申請書
・里親名簿

【様式第2号(第4条関係)】
・あんなか市道路里親制度 里親合意書

【様式第3号(第5条関係)】
・あんなか市道路里親制度 里親辞退届

【様式第4号(第5条関係)】
・あんなか市道路里親制度 里親合意解消通知書

【様式第5号(第7条関係)】
・あんなか市道路里親制度 里親活動年間計画書

【様式第6号(第7条関係)】
・あんなか市道路里親制度 事故報告書
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■安中市の説明によれば、道路管理者ではない地元住民による道普請は道路法24条のただし書により軽易な工事と見なすことができ、安中市としては黙認しているもので、住民が勝手にやっても法律違反にはならないということです。

 ところが、上述のとおりサイボウの廃棄物処分場設置に際して、安中市は、まだ市道認定もしていないうちから、サイボウの代行として搬入道路の橋梁部の河川協議や県道との取付部の交差点協議を率先して引き受けた経緯があります。

 さらに安中市は、ゴミの搬入道路をサイボウに作らせるためにサイボウに市道を提供し、廃棄物を運搬する大型ダンプが通行可能なように業者が市道拡幅工事をするにあたって、市道認定をしないうちから、道路法24条による承認工事として道路管理者以外のものであるサイボウに工事許可をあたえたのでした。

 こうして、あまりにもサイボウに対して優遇措置を与えている安中市のやりかたに疑問を抱いた地元住民は異議申立を行ないました。その際に、安中市は市道の道普請を行ってきた住民に対して「異議申立人の主張する『承認』が道路法第24条に規定する道路管理者の『承認』の無効を理由にその取消を求めるためには、その『承認』により、異議申立人が直接に事故の権利または利益を侵害されるものでなければならないにも関わらず、異議申立人は、本件の『承認』によってなんら直接にその権利又は利害を侵害されることはないのであるから、不服申立をする利益がなく、この点において本件異議申立ては適格を欠き不適法である」として、住民の申立を却下したのでした。

 さらに続く行政訴訟において安中市は「当該道路予定地の地権者ではなく、単なる周辺住民にすぎないのみではなく、そもそも道路法は『道路網の整備を図るため、道路に関して、路線の指定及び認定、管理、構造、保全、費用の負担区分等に関する事項を定め、もって、交通の発達に寄与し、公共の福祉を増進することを目的』とするものであって、周辺住民の個別的権利や利益を保護するものではなく、不特定多数者の利益を、それが帰属する個人の個別的利益として保護する趣旨でもない」「このように、原告らが、原告適格を有するためには、原告らが本件処分により、自己の権利又は利益を侵害され、又は必然的に侵害されるおそれがある必要であるところ、原告らには本件処分によって自己の権利又は利益を侵害され、または、そのおそれは考えられないのであるから原告らには原告適格がない。」と主張しました。

■これに対して原告住民らは、「原告らはサイボウ道路は市道ではないと認識して得るが、もしサイボウ道路が市道であると仮定した場合、原告らには、生活道路としての指導に対して、次のような行事を通じて、管理、保全、費用の負担の権利と義務がある。平成15年9月28日の朝8時から、地元岩野谷地区では、恒例の道普請が行われ、原告らも地元の生活道路である市道の整備、清掃にかかる共同作業に汗を流した。この行事は、その地区の人々が道路の受け持ち区域を決め、春の彼岸や秋彼岸の頃に土手の草を刈ったり道草の除草や平らにならし、側溝改修などを一戸一人ずつ出て、勤労奉仕をする年中行事であり、被告も知っているとおり、これを道普請と言う。(中略)社会が成熟し、価値観の多様化が進む中、住民の豊かで質の高い暮らしを支えていくには、道路を供給する行政とそれを利用する住民とが情報を共有し、知恵を出し合い、成果をともに作り上げてゆくことが肝要である。本来、道路は、大勢の人々にお願いして、行政と住民がともに働きながら作る者である。道路は、住民である『個』と、その集まりである『公』が共有する財産である。どちらも住民として関与している。原告ら住民は、納税や道普請を通して、道路つくりに関しても参加し、責任をシェアしているのである。被告は、市道という地元の生活道路に対して、原告ら地元の周辺住民の権利や利益を保護する必要はないと主張しているが、上記の原告らの主張により、これは法律を歪めた解釈であることがわかる。原告らが『原告適格』を有していることは明らかである。」と反論しました。

 ところが安中市は「進入道のうち、親切道路及び橋梁は、サイボウの負担で設置されるものであるが、(その他の進入道のうちの拡幅工事も同様)、工事完成後は安中市へ移管されることとされ、議会の議決を経て、道線として認定し公示されることになっており(その他の進入道のうちの拡幅部分も同様)、この面からも公共性大である。」などと、まだ市道認定していないのに、道路法を適用して承認工事をサイボウにさせた違法行為を正当化しました。そして、「原告適格」については、「原告らが提出した準備書面をみても、原告らに原告適格があるとは考えられない。」として、道普請をする権利やそれによる原告らの利益について全く言及せず問答無用の回答をよこしたのでした。

■こうした行政のご都合主義の二枚舌体質が依然としてはびこらないように、道路法の解釈と、道普請の意味について、安中市の道路行政の考え方を引き続き質していきたいと思います。

【ひらく会情報部】
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