市長コラムの公選法抵触記事で広報再発行に係る情報開示請求後2か月して百ページ開示した太田市役所  オンブズマン活動

■太田市の清水聖義市長が執筆した平成25年4月14日投開票の市長選の当選御礼挨拶文を表紙コラムに掲載し、記者クラブから4月30日に公選法違反が問われたため、既に8万3500部を印刷して新聞折り込みまで済んでいた5月1日号の広報おおたを急遽回収した件で、市民オンブズマン群馬が、確定したとされる約118万円の再発行費用の内訳や支払い先などを6月10日付で太田市長に情報開示請求しました。その後6月18日付で同市の広報課から補正通知が送られて来ました。オンブズマンは早期の開示を期待して6月24日に補正書を太田市に提出しました。すると太田市は6月27日付で開示をさらに45日延長し、お盆休みまで先送りしてきたのでした。
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太田市の真ん中で聳え立つ12階建ての市庁舎。


 その開示決定通知書が8月7日付で太田市在住の当会会員宛に送られて来ました。8月14日(水)午前9時から太田市役所3階の企画部広報課で開示してもよいというので、16日(金)午前9時に開示を受けるべく、同市役所を訪れました。

■広々としたロビーを通ってエレベーターで3階の広報課を尋ね、公文書開示決定通知書と公文書部分開示決定通知書を提示しました。しかし、当会の代表は太田市民ではないということで、取り合ってもらえませんでした。

 太田市から送られて来た2通の開示通知書は次のとおりです。

1.公文書開示決定通知書 広報第27号 平成25年8月7日
<公文書の名称>
(1)    平成25年度第2回定例記者会見について(報告)7ページ
(2)−@−1「広報おおた」印刷製本発行等業務の実施について(伺い)4ページ
(2)−@−2「広報おおた」印刷製本発行等業務に係る見積徴収について(伺い)5ページ
(2)−@−4「広報おおた」印刷製本発行等業務委託契約について(伺い)4ページ
(2)−A−1広報おおた新聞折込配布業務委託の実施について(伺い)7ページ
(2)−A−2広報おおた新聞折込配布業務委託に係る見積徴収について(伺い)3ページ
(2)−B−2広報おおた新聞未購読世帯広報紙配布業務委託に係る随意契約見積徴収について(伺い)3ページ
(3)    広報おおたの発行延期について(伺い)1ページ

2.公文書部分開示決定通知書 広報第27号 平成25年8月7日
<開示をしない部分の概要>
■全業務共通    (あ)契約相手の印
■@Aに関する部分 (い)代理人の氏名及び印
■Aに関する部分  (う)契約相手の取引金融機関、口座番号
■Bに関する部分  (え)単価及びそれを算出可能となる情報
          (お)契約相手の社員の個人印
<開示をしない理由>
■(い)(お)   太田市情報公開条例第6条第2号該当
  (理由)個人が識別される情報に該当する
■(あ)(う)(え)  太田市情報公開条例第6条第3号該当
  (理由)法人等の正当な利益を害する情報に該当する
<公文書の名称>
(2)−@−3「広報おおた」印刷製本発行等業務に係る見積開札結果について(報告)5ページ
(2)−@−5支出負担行為(「広報おおた」印刷製本発行等業務)7ページ
(2)−A−3広報おおた新聞折込配布業務委託に係る随意契約見積開札結果について(報告)9ページ
(2)−A−4支出負担行為書(広報おおた新聞折込配布業務委託)13ページ
(2)−B−1新聞未購読世帯広報紙配布業務の実施について(伺い)3ページ
(2)−B−3新聞未購読世帯広報紙配布業務に係る随意契約見積開札結果について(報告)4ページ
(2)−B−4支出負担行為書(新聞未購読世帯広報紙配布業務委託)29ページ

■情報開示請求してから約2ヶ月間待たされた挙句、わずか100ページ程度しか開示文書がなかったのには驚かされました。また、広報課に質問しようとすると、「とりあえず開示した内容を見てもらい、その結果、不足情報があれば、追加請求してほしい」と言うだけで、当会からの説明の求めには、応じようとしませんでした。

 さらに太田市側では「不足情報があれば、それは請求者が市役所側と事前打ち合わせをせずに、いきなり開示請求をしたからだ。市側では請求された内容や条件の範囲内で関係文書を準備しており、不足情報があってもそれは請求者の責任に帰する」と当会のクレームに対して主張しました。

 しかも、「最初に開示文書100ページ分のコピー代として1000円を1階の情報コーナーで支払って領収書の提示と引き換えに開示文書を渡す」というのです。

 太田市役所の建物は立派で、内部の事務スペースも他の自治体に較べると非常にゆったりしていますが、情報公開で、これほど誠意のない対応をする自治体も珍しいと思いました。

■開示された資料を、昼食をはさんで、約4時間にわたりチェックした結果、次のことが分かりました。

(1)タブロイド版の広報おおたの印刷製本は、平成23年2月にプロポーザル方式で株式会社上毛新聞社(所在地:前橋市古市町1-50-21、代表者:渡部幸男・代表取締役)を3ヵ年の随意契約特定業者に選定し、平成23年度から25年度の3年間で合計1億3200万円を予算化している。平成25年度の予算は4350万円。実際には、4月1日付で43,311,450円(消費税含む)で上毛新聞社と業務委託契約を締結している。

(2)上毛新聞社は、協力事業所として、ソニック株式会社(所在地:太田市吉沢町1035番地5、代表者:大久保與志雄・代表取締役)を起用し、同社に印刷・製本・配送業務を委託している。全部丸投げかどうかは不詳。

(2)広報おおたは、原則的に毎月3回(1日・10日・20日)で、1月のみ月2回(1日・20日)。年間合計35回発行。

(3)広報おおたは、太田市内全域の対象新聞(朝日・産経・上毛・東京・日経・毎日・読売)購読世帯に対して発行日の朝刊に折り込んで毎回77,970部が配布されている。その業務は、群馬連合新聞折込梶i住所:前橋市古市町1-50-24、代表者:関根正志・代表取締役社長)が随意契約で請け負っている。年間予算額=業務委託料は10,028,865円(税込み)。折込料は協定価格として1部当たり3.5円という驚異的な金額。なお、後述の未購読世帯への配布業務も含む平成25年4月1日時点の予算残額は16,588,950円。

(4)広報おおたは、新聞折込による配布を基本としているが、市が指定する新聞(朝日など7社)を未購読の世帯のうち、広報誌配布を希望する人には宅配を行っている。その業務は日本郵便鰍ェ随意契約で請け負っている。年間予算額は6,456,240円(税込み)。ただし、配布件数は何部なのか不詳、従って単価も不詳。隠す理由は「単価及びそれを算出可能となる情報であり、開示すると事業者の正当な利益を害する」というもの。
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日本郵便との新聞未購読世帯広報配布業務委託基本契約書。

(5)広報おおた平成25年5月1日号83,500部の印刷代は、フルカラー刷りが1ページ当たり1.76円(消費税別途)、二色刷りが1ページ当たり1.31円(消費税別途)であり、フルカラーのページ数4ページと二色刷りページ数5ページであったことから、次の計算式で試算できる。
  (1.76×4+1.31×5)×83,500×1.05=1,191,503.25円

■当会による開示文書の内容分析作業の結果、次の情報が不足しているため、追加情報として開示請求を太田市長宛に行いました。

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公文書開示請求書
          平成25年8月16日
太田市長
           請求者 住所 太田市××町×××−×
           氏 名 (当会メンバー)
<開示の請求に係る公文書の名称又は内容>
 別紙のとおり
<請求の目的>
 学習の為

【別紙】
太田市長の当選御礼記載広報おおた平成25年5月1日号刷直しに係る次の情報
1.平成25年6月10日以降の本件に係る記者会見についての情報
2.新聞折込業者の選定について、特定の1社が他2社に比べて著しく有利な金額で契約できるとして根拠がわかる情報(3社からの事前見積りや3社見積比較表等を含む)
3.上記2に関連して、選定理由として特定の1社が「本市の意に沿って誠実に業務を執行している」とした判断の根拠が具体的にわかる情報(“本市の意に沿う”及び“誠実に”の定義を含む)
4.「広報おおた印刷製本等業務仕様書」の「7.その他」の別表として示されている前々年度実績、前年度実績及び今年度実績についての情報
5.「広報おおた印刷製本等業務仕様書」の「2.広報紙の仕様」の「J納品」に示してある指定場所の各々の内訳と、各指定場所における納品部数のわかる情報(指定場所には、太田市役所、新聞折込業者、宅配業者(日本郵便を含む場合は、これも含む)の区分に関する情報を含む)
6.「広報おおた印刷製本発行等業務」契約書において、第三者委託条項が見当たらないが、平成25年4月1日決済の「見積開札結果について(報告)」に見積もり業者からの見積書に「協力事業所」が添付されている。この見積提案を有効として判断したことがわかる情報
7.平成25年4月1日付「広報おおた印刷製本発行等業務に係る見積徴収について(伺い)」の「6.随意契約理由 地自法施行令第167条の2第1項第2号による※平成23年度から25年度まで3ヵ年の随意契約対象者特定のためのプロポーザルを平成23年2月に実施」とあるが、このプロポーザルと評価の内容と結果がわかる情報
8.広報おおた印刷製本等業務と新聞未購読世帯広報紙配布業務に係る支払い条件として定めた月締めの業務実績書(ないし業務完了報告書)のうち、平成22年度から現在までに受領済みの内容がわかる情報
9.広報おおたに掲載される広告料に関する情報(標準価格表や価格条件がわかる情報を含む)
10.太田市長が自己弁済するとした金額と広報刷直しに要したとされる費用の内訳がバランスしていることがわかる情報
**********

■このように、沢山の不足情報があるため、追加情報開示請求として8月16日に提出しました。よもや、今回も、補正命令書や開示延期通知書などを乱発し、徒に開示を先送りすることのないように、釘をさしておく必要がありそうです。
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太田駅南口。あまりの猛暑の為、噴霧装置が設置してある。

【市民オンブズマン群馬からの報告】
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