回答遅延を通知してきたガスパッチョ東京ガスに回答を担保すべく経済産業省に苦情の申出を提出  東京ガス高圧パイプライン問題

■東京ガスが平成25年9月18日から19日にかけてに高崎市、前橋市、渋川市に及ぶ群馬地区の約8万2000戸のガス使用者に対して臭い付けをしないまま、約24時間、不安全なガスを供給していた問題で、当会は9月23日付で、同27日期限で東京ガスに公開質問状を提出していましたが、東京ガス群馬支社から同27日午後4時8分にFAXで、回答期間の延長を通知してきました。
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平成20年10月、東京ガスが地元の一部に配布した野殿バルブステーション建設計画のチラシ。




 これではこの問題の経緯と原因、責任の所在、再発防止策について、東京ガスは本当に肝に銘じて対応を取っているのかきわめて疑わしいため、ガス事業を管轄する通商産業省にも、次の文書を提出しました。

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                     平成25年9月25日
〒100-0013東京都千代田区霞が関1−3−1
経済産業大臣 茂木敏充 様
                  苦情申立人:
                  〒379-0114群馬県安中市野殿980
                  小川賢
          苦情の申出
 前略 ガス事業法第51条に基づき、一般ガス事業者である東京ガス株式会社によるガスの供給に関して苦情があるため、下記の理由を付して苦情の申立をします。。
          記
1.事象の概要
 東京ガスの9月19日付ホームページやマスコミの報道によると、同日、同社はガス漏れ事故防止の臭いをつけないままの都市ガスを群馬県内で供給したという。
 同社によると、供給地域は前橋、高崎市内の約8万2000世帯と、渋川市の工場だとされる。
 同社は9月19日午前11時半、群馬県内にある付臭装置が停止しているのを定期巡回で発見し、作動履歴を確認したところ、18日午前11時47分ごろから、約24時間停止していたことがわかったため、臭いのあるガスを送り、無臭のガスと順次入れ替わっていくという。臭いのないガスが供給されたのは同社で初めてのことだという。
 ガス漏れに気づかない恐れがあるため、ガス器具使用時に窓を開けて換気する必要があるが、同社が前橋、高崎市に市民への注意喚起を依頼したのは発見から5時間後の午後4時半。両市は同5時20分から防災メールを送信するとともに、フェイスプックなどで周知に努めたが、初めて事態を知った市民からは「危機管理上、時間がかかりすぎる」との批判の声が上がった。同社は「影響が及ぶエリアを確認するのに時間がかかった」と説明している。
 このあと同社は1.9日午後9時にホームページ上で復旧を発表した。また、午後10時12分頃、両市は防災メールで市民に復旧を知らせた。
 同社によると、ガスの供給地域10ヵ所で付臭濃度、7ヵ所で臭いの確認を行い、同日午後9時に「ガスに臭いがついた」と判断したという。同社は、臭いを付ける装置が停止した経緯の調査を進めているが、装置の異常を知らせる警報も作動していないことがわかった。
 ガス事業法で、供給するガスには臭いを付けることが義務づけられている。付臭装置の停止は19日午前11時半に判明し、同社は午後2時20分に経済産業省に第一報。前橋、高崎市への連絡はさらに遅れ、両市が防災メールで市民に注意を促したのは同5時20分からだった。

2.苦情の理由

(1)東京ガスのホームページでは、現時点で、付臭装置の不作動の原因については調査中だといっているが、調査結果をいつごろどのような形で、公表する方針なのかについて示していない。
(2)今回、付臭義務が果たせない原因となった作動トラブルを起こした付臭装置が設置されていた施設の所在地をあきらかにしていない。
(3)付臭に使用されている物質の名称とそれらの構成割合、また1ノルマル立方メートルあたりの添加量に関する情報が提供されていない。
(4)苦情申立人が居住する安中市北野殿地区にある東京ガスの所有施設である野殿バルブステーションで9月19日の夜から翌日未明にかけて目的不明の作業が実施されたが、この作業の目的、作業内容、作業人数、投入機材内訳、作業結果、作業の安全対策措置など、当該作業に関する詳しい情報が地元住民に提供されていない。
(5)当該作業が高圧導管内に滞留していた高圧ガスの除去であった可能性があるが、その場合、その必要性を判断するに至った経緯と理由について、東京ガスから地元住民に情報提供されていない。
(6)質問(4)にも関係するが、高圧ガスを除去する作業であった場合、高圧導管内からどのように高圧ガスを除去したのか、その除去方法の詳細について東京ガスから事前事後の説明がない。
(7)除去した高圧ガスの体積がノルマル表記で何・だったのかについても、東京ガスから説明がない。
(8)除去した高圧ガスは、フレアとして燃焼させたのか。それとも生ガスのまま大気中に放出したのか、東京ガスからの説明が無いので、まったくわからない。
(9)除去ガスが、生ガス状態で排出された場合に、主成分であるメタンの地球温暖化係数は、「21」と大きいため、大気への放出は避ける必要があると思われるが、なぜ東京ガスは、そのような環境配慮をせずに、生ガス状態で大気放出を行えるのか。
(10)東京ガスは、安中市磯部にある磯部バルブステーションで付臭装置を使って付臭作業を行っていた可能性があるが、その場合には、高圧の状態でガスに付臭していたことになる。ガスの使用者がガスを使う場合には低圧で使用されることから、高崎市下小塙町のガバナーステーションで減圧した段階で付臭するほうが、すなわちガスの使用者に近い段階で付臭するほうが合理的と考えられるが、東京ガスはなぜそうしなかったのか。そのために、野殿バルブステーションの放散塔から生ガスを大気放出したのか、それらの理由について東京ガスから説明が無い。
(11)付臭装置の作動が停止した場合、当該装置にはアラームなど異常を検知する機能はなかった可能性がある。異常検知機能が無い場合は、なぜそうした機能をつけなかったのか、その理由について東京ガスから説明がなされていない。
(12)マスコミの報道によれば、臭いの無いガスが供給されたのは東京ガスでは初めての事態だということだが、東京ガスとしては想定外ということで一件落着させるつもりなのかどうか懸念される。
(13)一般ガス事業者として、可燃性のガスの取り扱いについては安全第一が社是だと思われるが、東京ガスは、臭いの無いガスが供給された場合の対処マニュアルを事前に作成してあったのかどうか疑問である。
(14)今回の北野殿のバルブステーションで深夜にかけて行われた東京ガスの一連の作業は、そうした対処マニュアルに沿って実施されたものなのかどうか。
(15)今回の北野殿のバルブステーションで9月19日深夜から20日米明にかけて行われた一連の作業では、事前、事後、作業中のいずれの期間においても、地元住民への広報活動による周知徹底が行われた形跡がない。可燃性のガスが多量に放出されていたにもかかわらず、地元住民への情報不開示が許されるのか。
(16)東京ガスに対処マニュアルの類がある場合、地元住民等ステークホルダーに対する広報等による周知徹底義務に関する記載があるのかどうか不安だ。
(17)それとも東京ガスは、当初から地元住民等ステークホルダーに対する広報等活動による周知徹底は想定していなかったのかどうか、地元住民として懸念がある。
(18)苦情申立人は、東京ガスによる高圧導管敷設計画が地元で伝えられた当時、こうした事故やトラプル時に地元住民に対する説明責任を明記した災害防止協定の締結を、同社と地元との間で締結されるべきだと提案していたが、東京ガスは全く取り合わなかった。今回のトラブルを踏まえて、地元との災害防止協定の締結について、再考するつもりがあるのかどうか、東京ガスの意向が確認できない。
(19)東京ガスの9月19日付ホームページに「21:00 臭いの付いたガスヘの復旧」とあるが、この意味が非常にわかりにくい。即ち、臭いの付いたガスが末端の使用者まで届けられるようになった時点を指しているのか、それとも、付臭装置の再稼動により臭いの付いたガスの送出がスタートした時点を指しているのか、あるいはその他のどんな事象をさしているのか、など、どのような意味でこのように発表したのか東京ガスの真意がわからない。
(20)同様に「13:45 東京ガス本社ビルに『群馬支社米付臭ガス対応非常災害対策本部』を設置」「14:20 経済産業省に第一報を報告」とあるが、非常災害対策本部の設置や経済産業省への報告は、法令・規則等で義務付けられているのか。もしそうであれば、どのような法令・規則等なのか。
(21)群馬支社米付臭ガス対応非常災害対策本部とはどのような役割を義務付けられ、どのようなメンバーで構成されているものなのか、東京ガスのホームページを見ても何もわからない。また、この対策本部の設置の解除が発表された日時も不明である。
(22)今回の北野殿地区にある野殿バルブステーションにおける放散塔からの生ガスの大気放出が為された場合、それは東京ガスが、経済産業省に第一報を報告し、同省の許可をとったうえでなされた措置だったのかどうか、東京ガスから説明がない。
(23)本来、緊急時の安全のためだけに使用される放散塔であるが、今回のトラブルが緊急仕様に該当する事象なのかどうか、安直に放散塔から生ガスを垂れ流すようなことが許されるのか。本来は、高崎市の下小塙町のガバナーステーションで臨時に付臭する措置をとれば、放散塔から大量の生ガスを捨てる必要はなかったはずだ。
(24)今回のトラブルを踏まえて、東京ガスではどのような再発防止策を講じるのか。あるいは講じる予定なのか、全く分からない。
                    以上
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■今回の問題で、東京ガスの一般ガス事業者としての安全意識に大きく疑問符が付きましたが、これは同社の体質に起因するものだと考えられます。したがって、自助努力は期待薄なため、ガス事業を管轄する役所に、厳しく同社を監督してまともなコーポレートガバナンスを実現させるために、当会として、上記の苦情の申立をしました。

 東京ガスは、今回の未不臭ガス供給問題で、直ちに原因究明と対策を講じたはずであり、その過程は迅速にステークホルダー(利害関係者)に対して公表する義務があります。だから9月19日(木)のトラブル発生と復旧から1週間の猶予を置いた9月27日(金)には事の顛末について、当会からの公開質問の殆どの項目に対して回答が可能なはずです。

 もし、原因究明が、その時点で完全に掌握できていない場合でも、それまでに判明した事項や今後の見通しについて、回答できる範囲でコメントできるはずです。

 ところが、東京ガスではどうやら、群馬支社の管轄エリアで発生したトラブルを、群馬支社内でかたづけようとしている風情です。本社としては当然、群馬支社からいろいろ報告を受けて、それに対してあれこれ指示をしているはずです。当会はいつも東京ガス本社宛にこうした公開質問状を提出していますが、一度も本社から回答をもらったことがありません。また広報やコンプライアンス担当部署からもなしのつぶてです。

 これは、東京ガスの組織的な体質の問題として、コーポレートガバナンスの欠如が挙げられます。今回、経済産業省を通じて提出した当会の苦情の申出書が、少しでも同社のお粗末な体質改善へのカンフル剤になることを期待したいと思います。

【ひらく会情報部】


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