2013/10/28  23:16

これでいいのか群馬県環境行政…東邦亜鉛サンパイ場の区長意見書を握りつぶした県が渋々写しを返却  全国のサンパイ業者が注目!


■安中カドミウム公害によるカドミウム等重金属を含んだ降下煤塵により東邦亜鉛安中製錬所周辺住民は、公害問題から半世紀近くが経過しているにもかかわらず、未だに放置されたままの重金属汚染土壌地での居住と耕作を余儀なくされています。住民軽視の東邦亜鉛と行政とのコラボの結果、東邦亜鉛安中製錬所の構内で、北野殿地区の住宅から300m以内に、サンパイ場がこっそりと作られてしまいました。


 そのため、地元北野殿地区の区長が、このサンパイ場の公告縦覧手続に基づいて生活環境上の観点から平成24年2月6日付けで住民意見書を群馬県知事宛に提出しました。

 ところが、その意見書は、群馬県の息のかかった有識者らによる審査会の席上に提示されただけで、東邦亜鉛には全く伝えられていないことが判明しました。そこで、地元住民が、再三にわたり群馬県廃棄物・リサイクル課に対して、意見書の写しを東邦亜鉛側に送付するよう懇願してきましたが、群馬県側は、「このサンパイ場は事前協議を省いているので、提出された住民意見書を事業者に渡す権限も義務もない」と繰り返すばかりでした。

■一方、東邦亜鉛側に確認すると「住民らから群馬県に対して意見書が提出されていることは、ひらく会のブログで知っており、そこに掲載されている住民らの意見書は読んで内容は把握しているものの、区長から出された意見書については記載がないので内容はわからない。勿論、群馬県からは住民側の意見書について何の連絡もない」とのコメントでした。

 このため、当会は北野殿地区(岩野谷第4区)の区長に経緯と事情を話し「平成24年2月に群馬県知事あてに(前区長名で)提出した意見書を取り戻し、あらためて直接、東邦亜鉛に提示できるようにしたい」と相談しました。

 現区長も快諾し、さっそく次の内容の手紙を群馬県知事宛(写しを安中市長)に送ってもらいました。

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                    平成25年9月1日
群馬県知事 大澤正明様
写し:安中市長 岡田義弘様
                    安中市岩野谷第4区区長
                    前川 澄夫
東邦亜鉛安中製錬所の安定型産業廃棄物最終処分場に関する意見書について
          お 願 い
 平素より、県行政の円滑な事務事業にご尽力賜り厚く御礼申し上げます。
さて、昨年1月に表記に関して、地元住民の意見を取りまとめて意見書を提出しましたが、その後、まったくどうなったのかわかりません。
 聞くところによると、群馬県が保管したまま、肝心の東邦亜鉛には提示されていないという話もあります。
 そうしたなか、先日、群馬県庁の廃棄物・リサイクル課の担当責任者のかたから、私どもで提出した意見書は、「群馬県として事業者である東邦亜鉛に提示する義務がない」という趣旨のお電話による連絡をいただきました。
 住民の意見を取りまとめて、提出した意見書がなぜ東邦亜鉛に届かないのか、わけがわかりません。
 つきましては、早急に文書でその理由を住民の皆さんにもわかりやすくご回答を下さるようお願い申し上げます。
 なお、もし、どうしても群馬県から東邦亜鉛に意見書が伝達されないのであれば、文書によるご回答とあわせて、私どもから送った意見書の原本を同封の返信用封筒に入れて返送してください。
 また、どうしても意見書の原本は群馬県で保管する必要があると言うのであれば、その理由をつけて、写しを返送してください。
 以上よろしくお願い申し上げます。
同封:返信用封筒
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 区長によれば、この手紙を県知事と安中市長に出したら、翌日、安中市の岡田義弘市長から「東邦亜鉛のサンパイ場は、安中市には関係ねえだんべえ」とわざわざ自宅に電話がかかってきたので驚いたそうです。東邦亜鉛から長年にわたり政治献金を受けている岡田市長としては、少しでも東邦亜鉛の立場を思いやりたかったのでしょう。

■その後、群馬県廃棄物・リサイクル課では、あれこれ対応策について内部で協議を重ねていたようです。おそらく、東邦亜鉛側に配慮して、行政として住民側の意向を伝える役目を回避すべく、相談していたに違いありません。

 その結果、1ヶ月以上も時間を費やした挙句、10月10日付で、群馬県環境森林部廃棄物・リサイクル課の根岸課長から回答書が、地元区長宛に送られてきました。区長の許可を得て、コピーをとらせてもらいました。
クリックすると元のサイズで表示します

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                    廃リ第401−110号
                    平成25年10月10日
安中市岩野谷第4区区長 前川澄夫 様
                  群馬県環境森林部
                   廃豪物・リサイクル課長  根岸 達也
東邦亜鉛安中製錬所の安定型産業廃棄物最終処分場に関する意見書について(回答)
 平素より、県の環境行政に関レ御理解と御協力をいただき感謝申し上げます。
 さて、平成25年9月1日付けで送付のあった標記について、下記のとおり回答します。
             記
 今回おたずねの、「岩野谷地区第4区区長 戸塚勝彦」様(以下「戸塚様」とします。)から平成24年2月6日付けで提出された『東邦亜鉛株式会社産業廃棄物処理施設設置許可申請にかかる意見書』(以下「意見書」とします。)は、東邦亜鉛株式会社(以下「事業者」とします。)からの産業廃棄物最終処分場の設置の許可申請に関し、廃棄物処理法第15条第6項の規定により、利害関係を有する者から知事あてに提出された、生活環境の保全上の見地からの意見書です。これは、知事が、申請が許可の基準に適合しているかどうかを判断するにあたって、より正確な審査を行うために求めるもの、とされています。
 本件の戸塚様からの意見書は、上記のとおり、法律の規定に基づいて知事あてに提出されたものであるので、その定められた日的(=「(県が)より正確な審査を行うため」)のみに使用されることが必要であり、申請者である事業者に提示するなど、それ以外の目的に県が使用することはできない、と考えております。
 以上が、戸塚様から提出された意見書を、県が事業者に提示しなかった理由です。
 なお、具体的な意見書の使用方法としては、当課において内容を確認したほか、許可に先立って、専門的知識を有する者として意見を聴いた群馬県廃棄物処理施設専門委員会の会議において、戸塚様を始めとする関係者や安中市長からの御意見の内容を説明しており、そのうえで意見をまとめていただいております。
 御参考までに、事業者に意見書そのものを提示することはできませんが、記載のあった「地元地区から災害防止協定の締結について要望がある」ことについては重要な内容であると考え、事業者に対して再三伝えてきております。
 また、戸塚様からの意見書の返送についてですが、上記のとおり、法律に基づいて提出され、その目的のために使用された文書は公文書として、県では原本の保存が必要です。今回は、地域住民の代表者である区長として御要望があったことをふまえ、その写しについて送付することとさせていただきます。
 以上、御回答いたしますので、何とぞ御理解を賜りますようお願い申し上げます。

(同封)
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     (写)
                    平成24年2月6日
〒371-8570前橋市大手町1-1-1
環境森林部廃棄物・リサイクル課 御中
   東邦亜鉛株式会社産業廃棄物処理施設設置許可申請にかかる意見書
1. 意見書を提出する者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあってはその代表者の氏名:
    岩野谷地区第4区区長 戸塚 勝彦
2. 意見書を提出する対象事業の名称: 東邦亜鉛株式会社産業廃棄物処理施設設置
3. 施設設置に関する具体的な利害関係:当該施設が設置される地区の住民自治の代表者
4. 生活環境保全上の見地からの意見:
(1) 施設の所在地は東邦亜鉛安中製錬所とあるが、持ち込まれるサンパイは同社の安中製錬所に限られていないため、同社の他の事業所からも搬入される可能性がある。その場合、例えば福島県いわき市にある小名浜事業者やその周辺の関連事業所から排出される放射線レベルの高い産業廃棄物が持ち込まれることが懸念される。このような危険なサンパイが安中製錬所以外の事業所から持ち込まれることは絶対に容認できない。
(2) 施設は安定型の産業廃棄物最終処分場のようだが、一昨年12月19日に地元の岩野谷公民館で開催された地元説明会では、安定5品目の廃棄物については説明があったが、石綿(アスベスト)含有廃棄物については何ら説明が無かった。にもかかわらず、石綿を含んだ廃棄物が施設に投棄されることは、絶対に許されるものではない。
(3) 一昨年の12月19日の地元説明会で東邦亜鉛は、「この安定五品目の処分に際しましては、各職場で必ず分別する、安中製錬所でもいろんな職場がございます。総務課という事務所もあれば、現場の方で煙を管理する職場、水を管理する職場等々ございますけども、そちらの職場で必ず分別する施設というものを持っておりまして、更には安中製錬所、今日ここに環境担当がおりますけども、この環境担当者が定期的に留意しまして、その安定五品目以外のものは処分させないという、管理するシステムを構築してございます」と説明した。この説明からすれば、事前に廃棄物を分別するのだから、石綿は専門業者に処理を委託すればよく、自社の施設に投棄する理由は見当たらない。
(4) 北野殿地区はもとより、岩野谷地区にはまだ一つも産業廃棄物最終処分場、いわゆるサンパイ場が稼働してはいない。もし、東邦亜鉛のこのサンパイ場が稼働するとなると、現在、岩野谷地区内で、群馬県に設置申請中の他のサンパイ場の設置計画申請に対して、前例となり、今後、業者によるサンパイ場設置の圧力がますます高まり、その結果、この地域がサンパイ場が集中するいわゆる、“サンパイ銀座”になってしまう。そうした事態を未然に防止するためにも本件施設の許可はやめてほしい。
(6) なお、どうしても許可するのであれば、これ以上東邦亜鉛による地域環境への悪影響を防止するために、東邦亜鉛と地元との間で「災害防止協定」が締結されなければならない。
             ■
※収受印:群馬県24.2.07廃棄物・リサイクル課収受
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■こうして、地元区長から地元住民の意見を纏めて提出された意見書は、とうとう群馬県から東邦亜鉛に提示されることなく、握りつぶされていたことが確認されました。地元区長から意見書の原本の返却を群馬県に申し入れて、ようやく原本の写しが返送されてきたわけですが、この間、約20ヶ月もの貴重な歳月が無為に経過してしまったのでした。

 群馬県が区長宛の回答書で「『地元地区から災害防止協定の締結について要望がある』ことについては重要な内容であると考え、事業者に対して再三伝えてきております」と記載していることについて、当会は10月25日午後3時40分に群馬県廃棄物・リサイクル課を訪れて同課産業廃棄物係の松本係長と小野里主幹に面談し、「いつ、どのように“再三”東邦亜鉛に伝えてきたのか」質問をしました。

 その結果、県の言う“再三”東邦亜鉛に伝えてきた経緯と内容について、次のことがわかりました。

(1)住民からの意見書については、生活環境保全上の観点から頂いたもので、賛成・反対についていただいた者ではないこと。あくまでも東邦亜鉛に対する意見書を県が戴いたのではなく、県が設置許可申請の審査に必要な者としていただいたものであること。

(2)東邦亜鉛に対して、住民からの意見書が(県に)出ているとは言ったことはない。ただし、県が東邦亜鉛に伝える必要があると思っているのは、地元が災害防止協定を締結する必要があると考えているということであり、県として、それだけを伝えるべきだと考えたこと。

(3)東邦亜鉛に伝えた時点については、区長から意見書の原本を送ってもらった時、当該サンパイ場の設置許可を下ろした時、そして地元住民小川が県庁に来庁して本件について問題視してきた時の3回であること。

(4)とくに今年、地元住民小川が来庁した後、県が東邦亜鉛に対して地元との災害防止協定について質したところ、東邦亜鉛は「現在、地元とは工場全体にかかる協定を結んでいるが、今まで定めている協定以上のものがあるのであれば、その中に加えて対応したい。要するに処分場のみについて協定を結ぶのではなくて、工場全体の協定の中に、(サンパイ場の設置に絡んで)必要があれば加えるという形で対応したい」と答えたこと。

■群馬県の担当者はこのように説明しました。一方、東邦亜鉛からも“再三”にわたり群馬県からいつどのような話があったのか、について経緯と内容を確認する必要があり、当会は同日午後1時に東邦亜鉛安中製錬所の事務所を訪れて、たまたまISO9001の外部審査中で昼休みを終えたばかりの環境担当の津金氏と中島氏に面談しました。さっそく、群馬県から地元区長宛に送られてきた文書の写しと同封の区長意見書の写しを提示して、サンパイ場に関する経緯と内容について質問しました。

 その結果、次のことが分かりました。

(1)サンパイ場には現時点ではまだ産業廃棄物は入れ始めていないこと。
(2)会社としては以前から協定として既に地元と結んでいるものがあること。
(3)今回のサンパイ場の件では、県からは住民意見に関する情報について、書類では何ももらっていないこと。
(4)したがって、今回質問のあった件で、「県が再三にわたり伝えた」ということについては、こちらとしても確認しないと分からないこと。
(5)県がそのように言っているというふうにここに書いてあるが、初めてみたので、逆に西部環境森林事務所に確認してみないと、この場で即答はできないこと。(※当会注:というので当会から「県に確認したら、また御社と県が口裏を合わせる恐れがあるので、これについては県に問い合わさないでほしい」と要請した)
(6)いずれにしても、サンパイ場の協定について記載した議事録はないと思われること。県からそのように伝えてきた経緯があるのかどうか、調べてみないとわからないこと。

■このように、群馬県と東邦亜鉛との間で、サンパイ場の災害防止協定に関する伝達の経緯と内容について、温度差があることが分かりました。

 今回の一連の経緯にも見られるように、群馬県の環境行政の姿勢は、あくまでも事業者主体で住民への配慮は二の次であることが分かります。

■このような群馬県の環境行政の体質を熟知しているのが、現在、安中市大谷地区で計画中の関東地方でも指折りの大規模な産業廃棄物・一般廃棄物管理型最終処分場計画の本申請手続を手がけている環境資源梶i代表者・鬼形忠男)です。

 同社では、同社専務の石原と業務下請コンサルタントである潟Wー・エイ設計(安中市安中1-3-11)の両名をもっぱら群馬県との手続きの交渉に当たらせ、サイボウ環境鰍フ一般廃棄物処分場設置申請手続きでの実績を買われて同社にスカウトされた角田穣が地元対策担当で、同じく元群馬県環境局林務部長で角田と共にサイボウ環境の処分場計画で行政への根回し役だった中島信義が、県大物職員OBとしてこの大規模処分場計画に関与しています。

 大谷地区では、大規模処分場の直下にある新山の灌漑用溜池から流出する水を利用して水田等を耕作する水利組合が、この処分場建設に反対の立場を表明しています。誰が考えても、サンパイ処分場から出た排水が流れ込む溜池の水でつくったコメが安全だと思う人はいません。

 ところが環境資源は、サイボウ環境の処分場設置計画で最後まで設置に反対していた水利権者に対して事業者が地下水を汲み上げた小さな溜池を作りそこに高崎市水道局の水道管の蛇口を取り付ければ水利権侵害にならないという行政のお墨付きをもらい処分場建設に漕ぎ着けたことに自信を得て、現在、水利権水利組合員の切り崩しに血道を上げています。

 地元情報によれば、環境資源は20万円のカネをちらつかせて(サイボウ環境のときは30万円を60軒に配布。区長宅は50万円だった)、組合員相互の不信感をあおるため「○○もカネをもらって、賛成に転じたから、あんたもこれにハンコをついたほうが得だよ」などと嘘八百をならべて一軒一軒反対派の組合員をつぶしにかかっています。

 当会はこうした情報も群馬県に伝え、環境資源の関係者が県庁を訪れた際にこうした強引な手法をやめさせるように強く要請しましたが、廃棄物・リサイクル課産業廃棄物係りの職員からは確たる返事はありませんでした。

■なにしろ、東邦亜鉛安中製錬所のサンパイ処分場計画では、アスベストも入れられるように群馬県が東邦亜鉛を指導し、大谷地区の環境資源のサンパイ処分場計画では、県環境局林務部長だった大物OBが許認可権を持つ県とのパイプとして暗躍しているのです。これでは、地元住民がいくら生活環境や営農環境保全、自然環境保全を叫んでも、群馬県の環境行政にとっては犬の遠吠えとしか聞こえないのでしょう。

 引き続き、産廃業者と癒着する群馬県の環境行政の実態にメスを入れ続けていく所存です。

【ひらく会情報部】
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