2013/11/2  12:21

海外逃亡3年余りで捕まった長野県建設業厚生年金基金の元事務長と24億円使途不明金の行方  他の自治体等の横領事件とタゴ51億円事件

■週末の夜、海外から思わぬニュースが飛び込みました。2010年9月11日に長野県建設業厚生年金基金を舞台にした総額23億8700万円の巨額横領事件で指名手配されていた同基金の元事務長が潜伏先のタイのバンコクで逮捕されたという知らせです。


**********NHK11月1日 23時56分
20億円余使途不明 年金基金元事務長をタイで逮捕
 長野県の建設業者で作る厚生年金基金の掛金の一部20億円余りが使途不明になっている問題で、数千万円を着服したとして国際手配されていた元事務長の男が、1日、不法滞在の疑いでタイの入国管理局に逮捕されました。
 逮捕されたのは「長野県建設業厚生年金基金」で経理を担当していた坂本芳信容疑者(55)で、基金の掛金の一部、数千万円を着服したとして業務上横領の疑いで国際手配されていました。
 タイの入国管理局によりますと、坂本容疑者は1日午後、滞在先のバンコクで、不法滞在の疑いで逮捕されたということです。
 坂本容疑者は問題の発覚直前から行方が分からなくなり、警察は国内と海外に指名手配をして行方を追っていましたが、3年前にタイに入国した記録があったことから、タイの警察でも行方を調べていました。
 タイの入国管理局によりますと、坂本容疑者は不法滞在の容疑を認めているものの、国際手配されている業務上横領の容疑については供述を拒んでいるということです。この基金を巡ってはおよそ24億円が使途不明になっています。
 関係者によりますと、坂本容疑者は今後、タイで不法滞在の処分が決定したあと、日本の警察に身柄を引き渡される見通しです。

**********スポーツ報知2013年11月1日22時31分
元事務長をタイで逮捕、長野厚生年金基金横領の疑い
 AIJ投資顧問(現MARU)の年金資産消失事件で被害に遭った長野県建設業厚生年金基金(長野市)の資金を着服したとして、長野県警から業務上横領の疑いで指名手配されていた同基金元事務長坂本芳信容疑者(55)が、潜伏先のタイの首都バンコクで1日午後(日本時間同)、地元入国管理当局に不法滞在の疑いで逮捕された。捜査当局者が明らかにした。
 同基金は、資産1458億円の大半を消失させたAIJに約65億円を委託。これとは別に2005〜10年に23億円超が使途不明となっている。
 坂本容疑者は使途不明金の一部を着服した疑いが持たれており、長野県警は今後、業務上横領容疑で逮捕する方針。他にも未公開株への投資による損失が判明。坂本容疑者は経理を一手に引き受けていたとされ、県警は不透明な資金の流れの解明を進める。
 調べによると、坂本容疑者は2010年9月にタイに入国。逮捕時にはバンコク西部のマンションで1人暮らしだった。逮捕時の所持金は数千バーツ(1万円前後)程度だったという。
 今後は、不法滞在容疑に関する司法手続きがタイ国内で行われた後、日本に身柄が移送される見通し。タイでの司法手続きは、早ければ一両日で終わる可能性もあるとみられる。
 同基金は長野県警に被害届を提出。県警は11年1月に坂本容疑者を指名手配していた。(共同)

**********時事通信 11月1日(金)21時19分配信
手配の元事務長、タイで逮捕=長野県年金基金横領事件
 【バンコク時事】タイ警察は1日、長野県建設業厚生年金基金(長野市)で2010年に約23億8700万円の使途不明金が発覚した事件に絡み、業務上横領容疑で長野県警が指名手配していた同基金の元事務長坂本芳信容疑者(55)を不法入国の疑いで逮捕したと発表した。
 タイ警察によると、坂本容疑者は9月10日にタイに違法に入国した疑い。1日にバンコクの自宅アパートで逮捕したという。
 同容疑者は長野県警に指名手配されたまま行方不明となっていた。近く日本側に身柄が引き渡される見通し。 

**********フジテレビ系(FNN)11月1日(金)20時39分配信
長野県建設業厚生年金基金不明金問題 タイで元事務長の身柄確保
 長野県建設業厚生年金基金で、23億円余りの不明金が出ている問題で、業務上横領の疑いで国際手配されていた基金の元事務長の男が、潜伏先のタイで、現地当局に身柄を確保された。
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 坂本芳信容疑者(55)は「(横領した事実については認めるか?)そうですね、はい。(被害者に対してどう思うか?)大変申し訳ないと。すみませんと。(現在の所持金は?)あと数万円...」と話した。
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 身柄を確保されたのは、長野県建設業厚生年金基金の元事務長・坂本芳信容疑者で、1日午後、潜伏先のタイの首都バンコクで、不法滞在の疑いで現地当局に身柄を確保された。
 基金の掛け金の23億8,700万円の行方がわからなくなっていることが発覚したあと、坂本容疑者は、国外に逃亡していた。
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 長野県警は2011年、基金の口座を1人で管理していた坂本容疑者が、基金の金の一部を着服した疑いが強まったとして、国際刑事警察機構を通じて国際手配していた。
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■この事件の発覚当時の出来事を時系列的に並べてみました。

2010年8月19日 運用委託先の生命保険会社が掛金入金額の不自然な減少を基金に指摘。
同8月23日 元事務長が理事長に、掛金を南信地区の組合員に返還していたとウソの説明。
同8月25日 理事長と元事務長の2人で監督官庁の厚労省関東信越厚生局に事情説明。
同9月2・7日 基金が同局からの特別監査を受け調査委員会設置を求められる。
同9月9日 午後、元事務長が姿をくらます。
同9月10日 第一回調査委員会開催。
同9月11日 基金が長野県警長野中央署に被害届を提出。
同9月12日 基金の理事長が2006年7月〜2010年9月までの4年余りで約21.9億円(その後の調査で約23.87億円と判明)の不明金発生を発表。
同9月16日 長野中央署が捜査を本格化。関係書類入手。
同9月17日 第二回調査委員会開催。
同9月24日 第三回調整員会開催。
同9月25日 長野中央署捜査員10名が基金の事務所等に入り捜査。
同11月 基金が元事務長を相手取り総額5500万円余りの損害賠償請求を提訴。
2011年2月 長野地裁が基金の請求通りの支払いを元事務長に命じる判決。その後、5500円の財産差押えと、追加の損害賠償を提訴。
2011年6月 長野県警が元事務長を国際手配。
2011年9月6日 長野地裁が、元事務長欠席のまま2億10万円の支払いを命ずる判決。
2012年1月〜6月 AIJ投資顧問詐欺で、基金が約65億円の損失を被る。
2013年10月 基金が未公開株の投資で得たはずの70億円の価値が、20億円に目減りしていることが判明。
2012年8月24日 昌栄土建興業が基金からの脱退を求めた訴訟で、長野地裁が脱退を認める判決。
同9月4日 基金が東京高裁に控訴。
2013年9月19日 基金が東京高裁の和解を受け入れる議決。
2013年11月1日 元事務長がバンコクで身柄確保され、不法滞在の容疑でタイ入国管理局に逮捕される。

■ニュースで報じられた元事務長の坂本芳信容疑者の様子を見ると、随分やつれて見えます。到底、24億円を持ってタイで潜伏していた人物とは思えません。おそらく横領金は誰かに預けていたか、あるいは預けざるを得なかったのではないかと思われます。

 まもなく帰国するでしょうが、その際、ぜひ高崎駅で下車して、安中市に立ち寄っていただきたいものです。最初に、現在、高崎市西部に住んでいるといわれている安中市土地開発公社元職員タゴと会い、ぜひ、互いの境遇について語り合ってもらいたいものです。

 元職員タゴは、総額51億円を横領しましたが、使途不明金が14億円余りもあるのに、警察の追及をかわすことができたからです。そのノウハウを坂本芳信容疑者はタゴから伝授してもらいたいはずです。

 その後、坂本容疑者には安中市役所に来てもらい、人口6万人余りの安中市民が毎年納める税金を使って運営されている土地開発公社が、あと89年間かけて横領されたカネを横領した者に代わって、群馬銀行に返済している状況をよく見てもらいます。こういう世にも不思議な尻拭いの方法が存在することを認識してもらえることでしょう。それから、坂本容疑者には、安中榛名駅で再び長野新幹線に乗って長野市に行き、今後長野中央署で待っているきつい事情聴取に臨めば、使途不明金のありかをどうやって言わずに済むか、元事務長にとって少しくらいは自信がつくかもしれません。

■長野県建設業厚生年金基金を巡る巨額横領事件では、これまではなぜかフジテレビのFNNニュースが熱心に報道しています。今回、タイで逮捕されたニュースも同様です。

 安中のタゴ事件とは類似点とそうでない点があります。類似点としては、横領金の使いっぷりで、海外に出かけていることです。タゴの場合は骨董品の買い付けや、サイパン島のリゾートマンション利用権を購入していたことです。前者は友人らと、後者は家族で何回か出かけていました。坂本容疑者の場合は、東南アジアに頻繁にでかけていました。その為、海外の逃亡先に土地勘のあるタイを選んだようです。

 横領金の使い道では、両名とも車が好きだった模様です。タゴは外車、それもドイツ車が好みでした。坂本容疑者は、シルバーのレクサスや、その前はシーマの新車で、国産の高級車の買い替えが好きだったようです。

 タゴの場合には、本人の供述が得たうえで、ギャンブルと骨董品で巨額横領金の使途の辻褄合わせが行なわれましたが、それでも14億円余りの使途不明金が出ており、これらは未だに闇の中です。坂本容疑者の場合、本人の供述はこれからなので、殆ど横領金の使途は不明です。本人逮捕で今後どこまで明らかになるのか注目されます。

 両事件とも、親族にかなりつぎ込んでいるようです。タゴの場合は、配偶者に1億円(警察の捜査では1億50000万円)、母親にも300万円(警察捜査では140万円)を渡し、実弟には運送会社を立上げさせました。その後、首都高5号線の横転事故で一躍有名になった例の多胡運輸です。坂本容疑者の場合には、事件発覚の半年前の2010年3月ごろ坂本容疑者が実家に金をわたし、農機具など全部新調したりして2,000〜3,000万円くらい使ったという近所の噂話がありましたが、本人が逃亡中だったのでまだまだ使途不明なことばかりです。

 タゴの場合、逮捕時に群馬銀行に親族名義で億単位の預金があり、とりあえずこれらが回収の原資とされました。また、千点近い骨董品はオークションに掛けられ現金化されて回収の原資とされましたが、全体の1割程度に留まりました。坂本容疑者の場合には、生命保険など、資産5000万円余りを差し押さえたようですが、全体の5%程度に留まっています。

 そして横領金のつけは、タゴ事件の場合には、安中市民(7年前からは松井田地区の住民も巻き添え)6万人あまりが103年間かけて返済しています。サカモト事件の場合は、基金に加入している381社6889人の組合員らの掛け金209億円のうち1割以上が横領され、さらに3割がAIJ投資詐欺で消滅し、未公開株への投資で2割が目減りしており、それらが組合員らにツケがまわされてくることになります。

 坂本容疑者が来週にでも長野に戻ってくれば、長野中央署は再び忙しくなることでしょう。安中市の場合は、あと1年半で51億円事件の民事の時効が到来するため、タゴが既に隣接の高崎市西部に居を構えて、きたるべき凱旋の時を待っていることは既にお伝えしたとおりです。

【ひらく会情報部】
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