高崎経済大学入試合格者の入学料1週間延納申入れを高崎市が拒否した事件の第3回裁判傍聴記録(その1)  オンブズマン活動

■平成25年12月10日(火)午前11時から同14分にかけて、前橋地裁高崎支部の3階にある2号法廷で平成25年(ワ)第99号損害賠償請求 慰謝料請求事件(民事部ロ係、裁判官・猪坂剛、書記官・横山雄一)の第3回口頭弁論が行われました。市民オンブズマン群馬は当日の弁論の全てを傍聴しました。


 原告の大城さんは、平成22年に高崎経済大学の入試に合格しましたが、入学金が期日までにどうしても工面できず、大学側に延納願いをするも拒否され、入学ができなくなりました。

 他の大学入試案内を見ると、入学金の延納についての記載がされています。「延納できない」との記載も無いうえ、書いていないから延納は絶対認めないなどという対応は問題があると言えます。公立大学であれば、なおさら分納・延納の対応ができた筈です。最近の格差社会の進行により、入学金が一括支払いできないケースは多くなっていると考えられます。

 学業意欲のある有能な若者であれば、就学の機会を与えるのが公的な教育機関としての責務のはずです。

■こうした観点から、市民オンブズマン群馬では、大城さんが直面した問題の再発防止の観点から、高崎経済大学の対応及び同大学を管轄している高崎市の対応を問題視し、改善を要請した経緯があります。

 その後、大城さんは希望した同大学に入学できなかった為、しばらく自分自身の勉学や仕事の両立を見直さざるを得ませんでしたが、高崎経済大学の対応について、しかるべき責任をとらせる必要性を痛感していました。

 そして、平成25年6月6日、大城さんは前橋地裁高崎支部に高崎市を相手取り訴状を提出しました。

 その後、2度の口頭弁論期日を経て、12月10日に3回目の弁論が開かれたのでした。

■それでは、これまでに原告と被告の間で交わされた裁判書類を順番に見てみましょう。

**********【平成25年6月6日 原告からの訴状】
          訴  状(訂正後)
                    平成25年6月6日
前橋地方裁判所高崎支部 御中
                    原告 大城 ■■
 〒290−×××× 千葉県■■市■■××××−×−×××
 電話 080−××××−××××
    04××−××−××××
               被告 高崎市(代表者市長 富岡 賢治)
〒370−8501 群馬県高崎市高松町35番地1
電話 027−321−1111
FAX 027−327−6470
国家賠償請求事件 
訴訟物の価格 金300万円
貼用印紙額 20000円
          請求の趣旨
1 被告は原告に対し、金300万円及びこれに対する平成22年3月24日から支払い済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 訴訟費用は被告の負担とする。
 との判決並びに仮執行宣言を求める。
          請求の原因
第1 当事者及び重要関係人
1 原告
 原告は平成22年度入試において高崎経済大学経済学部に合格し(甲1号証)強い入学の意志を持っていた者が被告、被告職員の違法な行政権不行使により同大学に入学出来なかった者である。
2 被告
 被告高崎市は平成22年当時、文部省の管轄外である公立大学高崎経済大学を管轄する自治体であり、同大学の学長や入試課職員は高崎市の職員という身分と同値であった(平成23年4月には公立大学法人に移行した)。
3 重要関係人
吉田俊幸は、平成22年当時高崎経済大学の学長であった者である。
 竹田玲子は平成22年3月24日午後4時40分において、原告からの初めての電話において対応し、以後も複数回原告と電話のやり取りをした当時、高崎市役所から高崎大学に出向入試課職員である。
第2 本件訴訟にいたる経緯
1 入学手続きについて
 原告は平成22年度入試の中期日程において、高崎経済大学に合格した(合格発表は同年3月21日)。原告は強い入学意志を持っていたが、入学手続き最終日(甲1号証に指定された期限日は同年3月27日であるが、土曜日であった為、事実上の学費納入期限は同年3月26日であった)までに学費納入が困難な状況であり、金策に奔走するが、間に合いそうになく、延納願いを申し出ることにした。
 国公立大学であれば、経済的困窮者である合格者に対して学費の免除や延納に関する書類が同封されているだろうと思っていたが、高崎経済大学においてはそのような書類は同封されておらず、学生募集要項(甲2号証)を確認するも免除や延納について全く言及されていなかった。
 受験を検討していた他の大学の学生募集要項(甲3ないし5号証)を確認したところ、免除や延納に関する記載があり学長判断についても記載されていたことから、これらを参考として原告は当時の高崎経済大学学長であった吉田俊幸に一週間弱の入学金延納願いを申し出するために高崎経済大学に電話をすることにした。
2 常識では考えられない高崎経済大学入試課竹田の対応について
 平成22年3月24日午後4時40分、代表電話の交換手に要件を伝えると入試課職員竹田玲子に電話が回され、延納についてお願いするが、竹田は原告に対しておよそ常識では考えられないほどの高圧的な態度で電話口の対応にあたった。
 原告が強い入学の意志を示し、延納措置をお願いするも断られたため、高崎経済大学学長の判断を仰ぐべく、学長であった吉田俊幸に電話を繋ぐように要請した。
 ところが、入試課職員竹田玲子の説明は「期日までに入学金を納めない者は入学の意思がないものとみなす、と募集要項に書いてある。学長に電話を繋ぐことはない。」というものであった。原告はこの説明を聞いてもう一度要項(甲2号証)をチェックしたが、どこにもそのようなことは書かれていなかった。
 期日までにお金を工面できなかった原告に落ち度があることは認めるものの、入試課職員竹田玲子からは、「入学手続き時の費用は前もって要項に記載されているのに、お金を準備出来ないのに受験するなんてどうかしている。」と、およそ教育機関で働く職員とは思えない台詞が発せられるなどして原告の切実な訴えに対して、入試課職員竹田玲子の対応は、終始不誠実で高圧的であった。
 原告は、再三学長である吉田俊幸に電話を繋ぐよう、入試課職員竹田玲子に懇願するも高圧的に拒否され、原告が裁判にて争う旨を伝え、竹田の名前を聞いたところ(最初の電話で竹田は名前を名乗らなかったので)、無言のまま、電話を一方的に切った(甲6号証 東京新聞記事)。
3 杜撰で隠蔽体質を強く感じさせる高崎市職員らの対応について
 平成22年3月25日16時54分以降も当時高崎経済大学学長であった吉田俊幸に対し要望を伝えるため、高崎経済大学に電話するも、吉田俊幸は不在という大学側の対応であった。この時、電話に出た高崎経済大学の男性職員は、自分の名前を名乗ろうとはせず、原告の切羽詰った(といっても早口でまくし立てて冷静さを失った状態でという意味でない。後に提出する録音で明らかであるが。)電話に対しても無関心で、原告の名前や連絡先すら聞こうとしなかった。
 そのため、原告は、本件が解決されない場合は、訴訟を提起してでも大学側の酷い対応を是正せざるを得ないと決意し、この男性職員に対して、訴訟を提起する旨を伝えた。その際、敢えて原告のほうから原告の名前と連絡先を伝えることを控えた。なぜならば、入学金の取扱に関する重要性について大学側の認識を計ることが目的だったからである。
 結局、原告は高崎経済大学に入学することは出来なかった。
 続いて、原告は、平成22年3月31日16時45分、高崎経済大学に電話をしたが、同大職員は原告の名前、要件、連絡先をやはり聞こうとしなかった。
 同年4月2日13時55分の電話において、ようやく庶務課の学長秘書(当時)であった工藤さんまで繋がれた。その結果、原告が何度も学長の吉田俊幸に電話を繋ぐよう懇願していたにも関わらず、学長秘書の工藤さんが原告の事も要件も全く把握していなかった事が判明した。このことは、学長への電話があった場合でも、学長はおろか学長秘書に対してさえも、報告が行われないということを示すものであり、原告を含め、切実な思いを抱えた合格者や、何かしらの事情を抱え学長に陳情しようとする在学生に対して、極めて非礼で杜撰な対応である。
 この時点で、原告は敢えて詳細を伝えず、原告がなぜ何度も電話しているのか、について、大学職員に対してヒアリングで調査し、学長吉田俊幸から原告に連絡を入れるよう要請した。その後、同日17時21分に工藤さんから電話があったが、工藤さんは、学長である吉田俊幸ではなく、入試課職員竹田玲子に繋いだ。
 原告としてはこの時点で竹田玲子と話すことは何もないし、話を聞く気もないので、再三学長に繋ぐよう、竹田玲子に要請した。ところが、竹田玲子は、またしても、異常と思えるほど頑なに拒否し、「絶対に電話は繋がないし、大学に来ても絶対に会わせない」などと断言したのであった。そのため、原告は「再び工藤さんに電話を繋ぐように」とお願いしたが、竹田玲子はそれすら頑なに拒否をし続けた。このように、入試課職員竹田玲子からは、本件不祥事を隠蔽するために、原告を大学側の誰とも接触させないという意図が非常に強く感じられた。ともあれ、学長秘書の工藤さんが学長吉田俊幸に報告することを期待して連絡を待ったが連絡は無かった。
 平成22年4月12日15時15分、原告は、再び高崎経済大学に電話して、「工藤さんに電話を繋いで欲しい」とお願いした。しかし、電話は工藤さんに繋がれず、なぜか竹田玲子に繋がれる。原告は、竹田玲子に「私(原告)に電話を掛けなおしてほしい」と工藤さんへの伝言をお願いするも、竹田玲子は、「こちらから携帯に電話をすることはやっていませんので」と理解に苦しむ対応であった。高崎市役所職員は業務上でも携帯に折り返しの電話をすることはないようである。
4 原告の高崎市役所職員への相談について
 竹田玲子の一連のあまりに非常識な対応に関して文部科学省に電話で相談したところ、平成22年当時、文部科学省の管轄は国立大学で公立大学は管轄外との事であった。
 そこで、高崎経済大学は高崎市の管轄であることから、原告は、高崎市役所職員に平成22年4月14日14時に高崎市役所にて直接お会いして相談を行った。相談相手は当時職員課の深尾さんという人物であった。
 原告はこの時、深尾さんに対して、高崎経済大学職員の杜撰で隠蔽体質を非常に強く感じる対応の経緯について説明し、以下についての確認をお願いした。
(ア)高崎経済大学学長である吉田俊幸は本件について報告を受け、把握しているのかどうか、把握しているとしたらいつ把握したのか?についての確認。
(イ)高崎経済大学学生募集要項には延納について全く記載されてないが、延納について高崎市長(当時)と学長である吉田俊幸の見解。
(ウ)高崎経済大学では後援会が存在し、入学時に後援会費を7万5千円を徴収している。後援会の目的に大学教育の充実発展とある(甲7号証)が、高崎経済大学の一連の対応はこれと大きく乖離しているが、同大には被告高崎市からも補助金等が入っているのか?
 この結果、平成22年4月23日16時2分、上記(ア)について深尾さんから回答があった。それによると、同年4月2日学長秘書の工藤さんから学長吉田俊幸に報告がなされていて、状況を把握していたことが分かった。しかし、この時点においても吉田俊幸からは連絡がなかった。上記(ウ)については以後準備書面で述べる。
5 市民オンブズマン群馬への相談について
 原告の地元、千葉県市原市市議会議員に本件について陳情したところ、助言を頂き、個人で情報開示するよりもオンブズマンの名前で情報開示請求をしたほうが良いということで、群馬県で活動中の市民オンブズマン群馬にお願いすることにした。
 平成22年5月1日に高崎にて市民オンブズマン群馬の代表、小川賢氏と面会して経緯を話し、一連の電話対応を録音したものを聞いてもらった。小川氏も高崎経済大学側のあまりの酷い対応に驚いていた。そこで、同氏に依頼して、市民オンブズマン群馬の名前で高崎経済大学に対して情報公開開示請求を依頼した。
6 延納に関しての回答について
 上記(イ)に関して平成22年5月7日、高崎市長、学長吉田俊幸の延納に関する見解(甲8号証)に関する資料が送付されてきた。
7 高崎経済大学に対する情報開示請求における大学の対応
 平成22年6月11日10時より高崎市役所にて、市民オンブズマン群馬の代表及び事務局長、そして原告の3人で開示請求を閲覧した。
 高崎経済大学に対して三つの開示請求を行った(甲9号証)が、この中で二つ目の項目、原告の一連の要請に対する対応と判断に至る経緯等を示す一切の情報については、全く的外れで大変不誠実なものであった。そのため、この時対応した高崎経済大学(=高崎市職員)に対して開示請求の内容を改めて説明し、質疑応答により正しく理解させたうえで、再度開示請求を行った。ところが、この日の一連の説明と質疑応答と再度の開示請求に至る話し合いの間、この男性職員はメモすら取らずに話をただ聞くだけであった(上司への報告も成されてないものと思われる。が、後述する甲11号証によると、このような対応が大学にとって誠意のあるものであったらしい)
 さらにこの男性職員の話から、高崎経済大学においては業務上で文書を残すことがほとんどなされていないようであり、文書を残さないことはおろか、事務事業の基本である「ほう・れん・そう」(報告、連絡、相談)が日常的に行われていないようであることが伺えた。(終盤に市民オンブズマン群馬の証人尋問や、この日のやり取りの録音も後日証拠として提出することによって立証する予定である。)
8 学長吉田俊幸に対する質問状の送付について
 平成22年7月12日、原告は当時学長であった吉田俊幸に対して内容証明郵便で送付した(項10号証)。しかし、この質問に対して不誠実と思われる回答を受け取った(甲11号証)。
第3 被告の責任(行政裁量権の恣意的な不行使)
 高崎経済大学授業料等徴収条例施行規則(甲12号証)第5ないし6条において、「入学金の分割徴収等の申請について、学長に願い出るものとする。」という規則があるにも関わらず、竹田玲子はこの事実を隠し、それどころかこの規則趣旨に反して延納(分割は延納と同値であろう)は絶対に認めないと断言し、原告の再三にわたる切実な、学長に電話を繋いで欲しいとの訴え(原告は当初、この規則の存在は知らなかったのだが)を頑なに拒んだ。
ちなみに甲13号証で示した原告のみずほ銀行の残高証明書によると、高崎経済大学の入学手続き直前の平成22年3月26日に原告の口座には209608円あったのであり、被告がきちんと高崎経済大学授業料等徴収条例施行規則(甲12号証)を高崎経済大学学生募集要項に記載していれば、また、高崎市役所職員竹田玲子は高崎経済大学に出向していたので入学金分割徴収(延納)の制度、学長への申し出による手続きを知っていたのであるから、定められた制度を適切に運用していれば、入学金の分割徴収は常識的に考えて半額程度だと思われるので、原告は入学出来ていたことは明らかであり、被告や、被告職員竹田玲子の不作為により入学できなかったという有形の損害を被った因果関係は客観的な証拠から明らかである。
 これは行政権力の恣意的な不行使であり、原告は教育を受ける権利を奪われただけでなく、無形の損害、すなわち精神的被害を受けた。
 わが国の教育基本法第4条、「全ての国民は、ひとしく、その能力に応じた教育を受ける機会を与えられなければならず、人種、性別、社会的身分、経済的理由によって修学が困難な者に対して、修学の措置を講じなければならない。」とある。
 当時、被告の管轄する高崎経済大学は、甲12号証の規則に則した案内を当時の高崎経済大学学生募集要項に記載せず、また、被告の職員らは、甲12号証で示した規則や、日本国教育基本法4条、4条3に反する公権力の不行使を原告に対して行った。被告の行為は過失、被告の職員らの行為は故意に該当し、国家賠償法第1条1項の「国又は公共団体の公権力の行使に当たる公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。」に該当する。
 被告の不作為によって原告が有形・無形に受けた損害を金銭的に評価すれば300万円を下ることはない。そして、本件事件は憲法違反(教育基本法第4条違反)でもあるので、法律審である最高裁への上告理由となる。
第4 結語
 以上より原告は国家賠償法第1条1項に基づき、教育を受ける権利を侵害され生じた損害の賠償として、被告に対し、請求の趣旨記載の金員及びこれに対する被告職員の最初の恣意的な行政権の不行使が行われた平成22年3月24日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金を支払うよう求める。
          証 拠 目 録
甲1号証  平成22年度高崎大学合格通知
甲2号証  高崎経済大学学生募集要項
甲3、4,5号証  京大、一ツ橋大、東工大学生募集要項
甲6号証  東京新聞6月4日夕刊記事
甲7号証  後援会費についての資料
甲8号証  延納に関する高崎市長、被告吉田学長の見解
甲9号証  行政文書公開請求書
甲10、11号証  被告吉田学長に対する質問状と回答
甲12号証  高崎経済大学授業料等徴収条例施行規則
甲13号証  みずほ銀行残高証明書
               以上
**********

■被告の高崎市からは、7月5日付で答弁書が出されました。本件で争うつもりであることがわかりました。また高崎市は、本件訴訟代理人として、渡辺明男・弁護士を起用しました。

**********【平成25年7月5日 被告からの答弁書】
平成25年(ワ)第99号 損害賠償請求 慰謝料請求事件
原告 大城 ■■
被告 高崎市
     答 弁 書
                  平成25年7月5日
前橋地方裁判所高崎支部 民事部D係 御中
〒370−0801
 高崎市上浪榎町140番地2 渡辺明男法律事務所(送達場所)
                電 話 027−363−1311
                FAX 027−361−4372
              被告訴訟代理人弁護士 渡辺明男
第1 請求の趣旨に対する答弁
1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
 との判決を求める。
第2 請求の原因に対する答弁
1(1) 請求原因第1項の1につき
 「強い入学の意思を持っていた者」から「入学出来なかった者」までは否認し、その余は認める。
(2) 同第1項の2につき
 概ね認める。
 (3) 同第1項の3につき
 「午後4時40分」の部分は、不知。その余は概ね認める。(但し、4行目「出向入試職員」のうち「出向」ではない。)
2(1) 同第2項の1につき
 @3ページ上から1行目「原告は」から上から2行目「同年3月21日」までは認める。
 A3ページ上から2行目「原告は強い入学意思を持っていたが」との典は否認する。
 B3ページ上から2行目「大学手続き」から上から4行目「同年3月26日であった」までは認める。
 C3ページ上から4行目「学費納入が」から8行目「間に合いそうになく、延納願いを申し出ることにした。」までは不知。
 D3ページ上から7行目「国公立大学であれば」から上から8行目「思っていた。」までは不知。
 E3ページ上から8行目「高崎経済大学」から上から10行目「されていなかった。」までは認める。
  入学料の延納は無いため募集要項には記載していない。免除については原告から相談されていない。
 F3ページ上から11行目「受験を検討していた」から上から13行目「いたことから」までは不知。
 G3ページ上から13行目「原告は」から上から14行目「電話をすることにした」までは不知。
(2) 同第2項の2につき
 @3ページ下から6行目「平成22年3月24日から下から5行目「お願いするが」までのうち、「午後4時40分」の部分は不知、その余は概ね認める。
 A3ページ下から5行目「竹田は原告に対しておよそ」から下から3行目「対応にあたった」までは否認する。
 B3ページ下から2行目「原告が」から4ページ上から1行目「要請した」までは否認する。
  吉田俊幸に電話を繋ぐよう要請されていない。
 C4ページ下から2行目「ところが」から上から5行目「書かれていなかった」のうち、「期日までに入学金を納めない者は大学の意思がないものとみなす」との部分は認め、その余は否認する。
 D4ページ上から7行目「期日までに」から上から12行目「であった」までのうち、「入学手続き時の費用は前もって要項に記載されている」との部分は認め、その余は再任する。
 E4ページ上から13行目「原告は」から上から16行目「一方的に切った」までは否認する。
  再三学長に電話を繋ぐよう要請されたことはなく、名前を聞かれたことも泣く、原告が「訴訟だ」と言った後、しばらく言葉を発しなかったことから電話を切られたと思って電話を切ったまでのこと。
(3) 同第2項3について
@4ページ下から8行目「平成22年3月28日」から行末「しなかった」までは否認する。
3月25日原告から問合せの電話があり、男性職員が「入学料は無理だけど、授業料については、延納願いを出していただければ対応する」旨説明した。その後原告は男性職員に訴訟する旨伝えた。続いて学長に電話を繋ぐよう要望があり、電話を転送するが不在であったためその旨答えたものである。
 A4ページ下から1行目「そのため」から5ページ上から4行目「目的だったからである」までは不知。
 B5ページ上から5行目「結局」から「出来なかった」までは否認する。
 C5ページ上から6行目「続いて」から上から7行目「聞こうとしなかった」までは不知。
 D5ページ上から9行目「同年4月2日13時55分」から上から21行目「竹田玲子に繋いだ」のうち「4月2日13時55分」の部分及び「同日17時21分」の部分は不知、電話があり、工藤が出たとの点、竹田玲子が対応したとの点は、それぞれ認め、の余は否認する。
  学校から各課の担当事務ならばその課で対応する旨の指示があったため、竹田に電話を代わったものであった。
 E5ページ下から5行目「原告としては」から下から5行目「聞く気もないので」までは不知。
  5ぺージ下から4行目「再三学校に繋ぐよう、竹田玲子に要請した」との部分は認める。
 F5ページ下から4行目「ところが」から下から2行目「断言したのであった」までは否認する。
  「大学は組織で運営しているので、窓口は人事課になります」と答えたまで。
 G5ページ下から1行目「竹田玲子はそれすら頑なに拒否をし続けた」の部分は否認する。
  学長から各課対応の指示を受けていたので、入試課で対応したまでのこと。
 H6ページ上から1行目「このように」から上から3行目「強く感じる」までは否認する。
 I6ページ上から3行目「ともあれ」から末行まで不知。
 J6ページ上から5行目「平成22年4月12日15時15分」から末行までは否認する。
  こちらから原告に電話を入れる約束はしていなかったので「こちらが電話を入れることはございません」と言ったまで。
(4) 4ページ 同第2項4について
 @上から1行目「竹田玲子の」から下から3行目「との事であった」までは不知。
 A上から4行目「そこで」から上から8行目「お願いした」までのうち「平成22年4月14日」の部分は不知、その余は認める(但し、高崎経済大学職員の杜撰で隠蔽多湿を非常に強く感じさせる対応との部分は否認)。
 B(ア)(イ)(ウ)については否認する。原告から求められたのは、
 ・入学金の延納の件について学長と市長の意見をききたい(金がないものは勉強をする医師がないものと考えているか)。
 ・後援会の会費の使い道について調べたいが、どうやったら情報を公開してくれるのか、方法を教えてほしい、必要ならば書類を送ってほしい。
 ・大学に市からどのくらいお金(補助金)が流れているのか。
 であった。
 C7ページ上から5行目「この結果」から上から8行目「連絡がなかった」までのうち、「平成22年4月23日16時3分」の部分は不知、その余は認める。
(5) 同第2項の5につき
 不知。
(6) 同第2項の6につき
 認める。
  原告からは入学料の延納の問合せであり、授業料の延納までの話はなかった。
(7) 同第2項の7につき
 @8ページ上から1行目「平成22年6月11日10時」から上から3行目「三つの開示請求を行った」までは認める。
 A8ページ上から4行目「原告の一連の要請」から上から5行目「大変不誠実なものであった」までは否認する。
 B8ページ上から7行目「正しく理解させたうえで」は否認する。
 C8ページ上から8行目「ところが」から上から10行目「成されてないものと思われる」までは否認する。
 D8ページ上から12行目「さらに」から上から15行目「伺えた。」までは否認する。
(8) 同第2項の8につき
 上から2行目「不誠実」との点は否認し、その余は認める。
3 同第3項につき
 否認する。
 入学料については、延納はない旨説明をしており、何ら責められるべき不法行為を行っていない。
4 同第4項につき
 争う
**********

■高崎市はさらに翌月の8月1日に、準備書面(1)を出してきました。

**********【平成25年8月1日 被告準備書面(1)】
平成25年(ワ)第99号 損害賠償請求 慰謝料請求事件
原告 大城 ■■
被告 高崎市
          準備書面
                  平成25年8月1日
前橋地方裁判所高崎支部 民事部D係 御中
               被告訴訟代理人弁護士 渡辺明男
1 原告は、平成22年3月21日、平成22年度高崎経済大学の経済学部に合格した。
 大学手続の最終日は、本来3月27日であるが、同日は土曜日であったため、事実上の学費納入期限は同年3月26日であった。
2 ところで、平成22年3月24日、原告から電話があり、高崎経済大学入試課職員の竹田玲子が出ると、入学金の延納の申出であった。
3 高崎経済大学授業料等徴収条例施行規則では、入学金の延納について定められておらず、高崎経済大学においては入学金の延納の制度は存在していない。
 確かに、高崎経済大学授業料等徴収条例施行規則には、授業料等の減免申請書の提出先が学長であることを定めている。
 そして、高崎経済大学授業料等徴収条例施行規則第3条第1項では、授業料の分割徴収又は減免の対象となる者は、次に記載した4つの要件のいずれかに該当するときで、分割徴収にあっては授業料を一時に納入することが困難となった者又はその子弟、減免にあっては学費の負担に堪えられなくなった者の子弟としている。
@天災その他不慮の災害を受けたとき。
A生活保護法(昭和25年法律第111号)による扶助を受けることとなったとき。
B学費の負担者が、死亡し、疾病にかかり、又は失業したとき。
C前3号以外で必要と認められるとき。
 一方、同条第3項において、入学金の減免の対象となる者は次の2つの要件のいずれかに該当する者と定められている。
@天災その他不慮の災害を受け、学費の負担に堪えられなくなった者の子弟
A前号以外で必要と認められる者
 高崎経済大学授業料等徴収条例施行規則の授業料等の分割徴収又は減免制度の概要は、以上のとおりであるが、高崎経済大学が入学金に延納制度を設けていない理由については、授業料の場合とは異なり、入学金の納入をもって、入学者の確定を行うという特別な理由があるからである。
 そのことは、平成22年5月7日に高崎市長松浦幸雄(当時)、高崎経済大学長吉田俊幸(当時)の連名で、原告宛に送付した「入学金の延納について」(甲8号証)記載の、(1)手続期間内に入学料を納付することにより、本学への入学意思の確認及び確定としていること、
(2)入学手続期間(3月21日から27日まで(納入は26日まで))内に入学手続者を確定し、手続者が募集定員に満たない場合には、追加合格の手続きを行う必要があること、と記載したとおりである。
4 原告の問い合わせに対して、竹田は上記入学金延納制度がないことを十分説明した上御断りしたにもかかわらず、原告は理解しなかったものであった。
5 高崎経済大学には入学金の延納制度が存在しないことから、大学の実務上の取扱いとして、事務を担当する職員が対応したものである。存在しない制度について、事務職員が大学運営の事務上の対応をし、個別の電話を学長に取次がないからといって非難されるものではない。
 また、既に述べたとおり、高崎経済大学には入学金の延納制度は存在していない。
 したがって、存在していない制度について、学生募集要項に記載しなかったことが、問題となることはない。
 また、原告は教育基本法第4条を取り上げて、高崎経済大学の奨学措置を非難するが、同条の規定は国や地方公共団体に政策を委ねているものであって、一義的に入学金延納を定めなければならないという結論を導き出すことはできないものであり、被告の定める同施行規則が違法であるということもできない。
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■このように、高崎市側では、「高崎経済大学には入学金の延納制度は存在していない」「従って、存在していない制度について、学生募集要項に記載しなかったことは問題ではない」との一点張りで主張しています。

 これに対して大城さんは、「条例に入学料の減免制度が明記されているにもかかわらず、入学料の減免手続きについての案内はおろか、入学料減免の存在についても一切触れられていなかった」として、高崎市の不作為の責任を指摘する準備書面(1)を10月8日の第2回弁論で陳述しました。

**********【平成25年10月8日 原告準備書面(1)】
平成25年(ワ)第99号 損害賠償請求事件
原告 大城 ■■
被告 高崎市(代表者市長 富岡 賢治)
          準備書面(1)
                    平成25年10月8日
前橋地方裁判所高崎支部民事D係 御中
                    原告 大城 ■■
 頭書事件につき、原告は、期日における裁判官殿の訴訟指揮のとおり、要件事実である被告高崎市と竹田玲子の不作為の特定、すなわち国家賠償請求上の違法行為を特定し、以下のとおり弁論を準備する。
第1章 不作為の特定と説明義務
1 高崎市による不作為の特定
A 高崎経済大学授業料等徴収条例施行規則(甲12号証)を根拠とした場合
 甲12号証によると、高崎経済大学授業料等徴収条例施行規則(以下「規則」という。)の第5条、分割徴収等の申請について、
 授業料の分割徴収等又は入学料の減免を受けようとする者は、授業料(入学料)分割徴収(減免)申請書(第1号様式)に必要書類を添えて学長に願い出るものとする。
 と定められているが、甲2号証のとおり、入学料の減免の手続きについての案内、申請方法はおろか、入学料減免の存在についても一切触れられていなかった。
B 高崎経済大学授業料等徴収条例(乙1号証)を根拠とした場合
 乙1号証によると、高崎経済大学授業料等徴収条例(以下「条例」という。)の第12条で入学金の分割徴収又は減免について、
 市長は、天災その他特別の事情があると認める場合には、授業料については分割徴収又は減免を、入学料については減免することが出来る。
と定められているが、甲2号証のとおり、入学料の減免の手続きについての案内はおろか、入学料減免の存在についても一切触れられていなかった。
 被告は準備書面において、「存在していない制度について、学生募集要項に記載しなかったことが、問題となることはない」(3ページ)と述べるが、以上より、規則ないし条例について、入学料の減免についての取り決めが存在するにも関わらず、高崎市は、高崎経済大学学生募集要項(甲2号証)において、受験生ないし受験を予定している者に対し、「授業料又は入学料の分割徴収又は減免」措置について、また、その手続き(申請)方法を、受験生及び入学を許可された者が認識できるよう学生募集要項に記載すべきであったのに、これを怠った。この不実記載が高崎市の看過しがたい不作為であり、国家賠償請求における不法行為に該当する。
 この不実記載が不法行為に該当することを以下で詳細に述べる。
2 説明義務について
 科学技術の進歩や複雑化した制度の多様化が顕著なこの世の中において、国家や地方団体、企業などは従来よりも深い説明義務を求められてきている。近年では特に契約についての説明義務違反を巡る争いが顕著となってきている。経済大学にちなんで例を挙げると、特に多いのは為替や金利のスワップ取引に係るデリバティブに関する契約の説明義務違反を巡るADRでの和解である。また、金融商品取引法においては、不実記載(虚偽記載)に対しては刑事罰が設けられている。
 被告準備書面2ページにおいて「・・・入学金の納入をもって、入学者の確定を行う・・・」とあるが、これは契約の一種である。契約においては契約に付随する全ての事項を明らかにすべきであり、秘匿したことによって契約しようとする者に不利益を与えた場合は民事上の責任が生じるものと解される。
3 公務員による不作為
 公務員の不作為で国家賠償責任が認められた例としては、大和都市管財事件である(甲14号証)
 旧大蔵省の官僚が良心に従った証言を行ったことにより、高等裁判所は国の恣意的な行政裁量権の不行使を違法として国家賠償請求を認めたものである。
4 条例による配慮(説明)義務
 甲15号証で示された最高裁平成16年12月24日第二小法廷判決の判旨は、
 自治体が、その自治体の定める条例を、適用されるに値する者に対して適用する場合は、その者の立場を踏まえつつ、十分に協議(コミュニケーション)を尽くし、その者に不利益が被ることの無いよう配慮(説明)すべき義務があったというべきであって、その自治体の行政裁量権の行使(または不行使)が、そのような義務に違反している場合には、その自治体の当該行政裁量権の行使(または不行使)は違法となるといわざるを得ない。
 と、本件事件に則して言い換えることが出来、不合理はない。
 甲2号証、甲12号証及び乙1号証から分かるとおり、被告高崎市は、被告高崎市で定められた条例、少なくとも高崎経済大学授業料等徴収条例による配慮義務を履行していないことは明白である。
 よって、上記の最高裁判決を援用すると、条例(乙1号証)で定められた「授業料又は入学料の分割徴収又は減免」措置について、
 平成22年度高崎経済大学学生募集要項(甲2号証)に記載し、受験生及び入学許可された者に認知させるべき配慮義務を有していたにも関わらず、その配慮義務を怠った。これは行政裁量権の不当な不行使に該当し、本件事件における違法行為の要件事実であることに疑いはない。
5 被告職員竹田による違法行為の要件事実
 訴状記載のとおり、被告高崎市高崎経済大学入試課職員竹田(以下「竹田」という。)の原告に対する対応は終始裁量権を逸脱するものであった。竹田の具体的な対応に関しては竹田他の証人尋問の申請前に録音したやり取りを証拠として提出する予定である。
 甲16号証で示すとおり、竹田は平成21年4月1日付で高崎経済大学事務局入試課入試担当係長に任じられている。
 また、甲17号証で示される高崎経済大学事務分掌規則によると、竹田の所属する入試課は、(1)学生の募集に関すること。(2)入学試験に関すること。(3)大学案内の編集発行に関すること。であるが、他の課には学生募集案内編集に関する権限を有するものは見当たらないので、入試課の上記(1)ないし(3)の内容より、入試課が、高崎経済大学の学生募集要項の編集・作成を所掌していると思われる。
 竹田が原告に与えた無形の損害(精神的苦痛)とは別に、竹田は条例の配慮義務を怠って有形の損害も原告に与えたものと解される。条例の配慮義務を怠ったのは、竹田、入試課課長、坂巻賢司事務局長(全て当時)、そして民法715条により使用者責任を有する被告高崎市であるといえる。
 そして、竹田は係長という立場上、条例(乙1号証)について既知であることは疑いようがない。そして、竹田は、条例を理解していたにも関わらず、入学料減免の存在や手続きについて一切触れず、上記(1)ないし(3)から判断するに、所掌外と思われる入学金の特別な取扱いについての判断を司る立場でないにもかかわらず、原告との電話を一方的に切って条例の配慮義務を怠り、また、その後々の電話対応で自らの違法行為を隠蔽するために常識では考えられない対応を展開し原告に有形・無形の損害を与えたのである。また、仮に、竹田が条例(乙1号証)を知らなかったとしたら、それも大問題であり、被告高崎市の任命責任、ひいては使用者責任に問われる。
 よって、竹田の違法行為の要件事実は、条例の配慮義務を怠った行政裁量権の違法な不行使と、その違法行為を隠蔽するために原告に対して精神的苦痛を与えた行為である。
第2章 被告高崎市の行政感覚
1 行政感覚
 原告は一週間弱で入学料の工面が出来る手筈であったので、「入学料を延納することによって、一週間以内に入学料を支払い、入学手続きをして入学しよう」と考えていたのであり、「入学料をまけて(減免して)もらって安く入学してやろう」とは考えていなかった。とにかく、入学手続きを済まそうと考えていたのである。
 乙1号証より、確かに延納についての制度が無かったことは原告は認めるが、減免手続きによって入学手続きを完了させることが出来ることが可能であったが、それは被告の違法な行政裁量権の不行使により入学手続きは実現されなかった。
 さて、原告は強い入学の意思を示していたのに、入学は門前払いとなった。被告の答弁書や準備書面によると、つまり、「延納措置は存在しないのだから、入学料延納を申し込まれても、この申し出を無下に断り、入学を拒否することは(高崎市の)行政上問題はない。」ということである。
 入学を強く希望する者に対して、被告は条例の配慮(説明)義務を怠り、入学許可者は入学料の特別な取扱いについて全く分からないのだから、「学長判断で延納措置が認められたら」との期待の下、原告は延納願いを申し出たのであって、条例について事前に告知されていないにもかかわらず、「規則(条例)に延納制度は存在しない」と制度(被告準備書面の表現、規則、条例のこと)を盾に(延納制度は確かに存在しないのであるから、これを認めないのはしょうがないとしても)、条例では減免措置が存在するのに入学料の払い込みが困難な入学許可者にそれを秘匿し入学を門前払いすることは、はたして、行政上問題ないといえるだろうか?
 甲15号証の判例より、問題があり、行政裁量権の違法な不行使といえる。しかし、被告高崎市は問題ないと断言する。
 原告は、訴状にて被告高崎市の代表者として、高崎市市長富岡賢治(以下「富岡」という。)を名指しで記載している。そのような訴状に対して上記のように「行政上問題がない」と反論するならば、富岡もそのような見解を有していると思われる。
 その富岡であるが、甲18号証より、富岡は旧文部省のキャリア官僚出身で、当時、被告高崎市が運営していた群馬県立女子大学の学長を経て、現在、被告高崎市の市長となった者である。文部官僚として教育行政に携わり、その後、高崎市の管轄下である公立大学の学長として、被告高崎市の行政裁量権の最終意思決定者として、教育上、行政上の高度な実務感覚を身に付けていることは疑いようもない。しかし、そのような人間、教育通である被告高崎市の行政裁量権を司る特別公務員職である富岡は法令順守義務(地方公務員法32条)を課されているが、教育基本法4条を蔑にする判断を下した、もしくは、それを是認した。
 富岡は本件事件に直接関わりを持たないが、それまでのキャリアと地位を考えるに、教育・行政に関する学識経験者といえることに疑いようはない。そして、行政の学識経験の結果、すなわち、被告高崎市市長という地位の下、本件事件を「知ることができた」のであるから、富岡は、民事訴訟法217条で定める鑑定証人、すなわち、「特別の学識経験によって当該事件に関する事実を知った当該事件の証人」にあたるので証人として尋問する必要がある。鑑定証人は欠格事由、忌避がなく、勾引き(強制的に出廷させる)することができる。
 さて、群馬県の教育界は歴史的に見ても異端である。戦後、GHQ(連合国軍総司令部)による学制改革において、男女共学を指導したが、群馬県の教育界は従わず、新制高崎高校は男子校を貫いた(通信制は共学であるが)。また、高崎市内に旧制高崎高等女学校を前身とする県立高崎女子高校があるが、やはり、共学化していない。
 これは前橋高校、前橋女子高校も同様である。福田赳夫、中曽根弘康を輩出した高崎高校のOBである富岡、ひいては、高崎市は保守であり、「GHQなどなにするものぞ」との精神が受け継がれているのであろう。被告答弁書及び準備書面からは、「教育基本法(GHQによる憲法)とか、うち(高崎市)では関係ねーから。」との思惑がはっきりと透けて見える。
 以上の本件事件の内容、性質、高崎市の歴史的実情、富岡の学識経験による証言の本件事件における重要性を勘案すれば、竹田との通話記録の証拠を提出し、争点整理が終了した後に富岡への尋問を行うことが不可欠である。原告は富岡に対して鑑定証人として証拠調べの手続きを行うことの準備があることを予告しておく。
2 被告の主張に対する反論  
 被告準備書面3ページ、「原告は教育基本法4条を取り上げて、高崎経済大学の奨学措置を非難するが、同条の規定は国や地方公共団体に政策を委ねているものであって、一義的に入学金延納を定めなければならないという結論を導き出すことはできないものであり、被告の定める同施行規則が違法であるということもできない。」
 と主張する。原告はたしかに、高崎経済大学の奨学措置を非難しているが、被告の定める施行規則を違法と主張しているのではない。規則には分割(延納と同値)、条例には減免の制度が存在していたのに、この規則・条例の配慮義務(説明義務)を怠ったことを要件事実として違法と主張しているのであり、また、竹田は条例で定められた入学料に関する特別な取扱い(減免措置)を入学料の期日までに全額払い込みの困難な原告に秘匿し、さらに、入学料の特別な取扱いに関する判断の可否を下す立場にないものと思われるが、入学を拒否する判断を下し、原告に有形な損害を与え、その後の電話対応において常識では考えられない対応を繰り返し、原告に精神的苦痛を与えるなど無形の損害を与えたことを要件事実として違法であると主張しているのである。
          以上
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【市民オンブズマン群馬からの報告・この項続く】
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