3月末解散予定の館林市土地開発公社をめぐる住民訴訟第1回口頭弁論を前に陳述書で原告をサポート  オンブズマン活動

■既報の通り、本年3月末日で解散が予定されている館林市土地開発公社の債務を引き継ぐ館林市が第三セクター債の利用と言うことで、公社の歴年の利権の結果生じた34億円余りの尻拭いを、館林市が元金と利息で将来20年にわたり毎年約2億円ずつ負担することになります。ところが、この債務に、1億円の価値しかない土地を公社の理事長を務める安樂岡市長が、反社会的集団に脅かされて5億円で公社に買い取らせた過払い費用も含まれるとあって、オンブズマン会員の館林市民が住民監査請求を行ったところ、館林市監査委員が「公社は市とは別法人だから、住民監査の対象にはならない」などと門前払いを食わせたため、館林市民が今年1月10日に前橋地裁に提訴しました。その第1回口頭弁論は平成26年2月14日(金)午前10時30分から前橋地裁で開かれます。

 市民オンブズマン群馬では、公社の不正行為は館林市に限らず、どの自治体でも大なり小なり行われているため、第三セクター債による安易な尻拭いが、市民の知らないところで、債務超過の土地開発公社に対して行われ、そのツケが長期間にわたりk住民に押し付けられる事態が、全国的に頻発することを懸念しており、警鐘を鳴らすためにも、館林市在住のオンブズマン会員が提起したこの事件を支援しています。

 さっそく、市民オンブズマン群馬の代表が、この事件の問題点を陳述書の形にまとめて、館林市在住の会員に送り、9日後に迫った出頭記述に間に合うようにしました。

■市民オンブズマン群馬代表は安中市土地開発公社で19年前に発覚した巨額詐欺横領事件の真相解明を追及していますが、その知見と経験が、館林市土地開発公社問題でも生かされることを強く希望しています。

 さっそく、陳述書の内容を見てみましょう。

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                    作成日: 平成26年2月4日

          陳 述 書

     住  所:〒379−0114 群馬県安中市野殿980番地
     氏  名:小川 賢 (署名・印)

1.土地開発公社の問題性

 私は、安中市在住で、市民オンブズマン群馬という市民団体の代表をしています。
 昨年平成25年12月21日(土)の市民オンブズマン群馬の定例の月例会で、当団体の会員である館林市在住の○○○○氏から、「館林市土地開発公社は、平成26年3月末をめどに解散する予定だが、土地開発公社の2013年3月末時点の負債総額は約34億円で、館林市が『第三セクター等改革推進債』(通称三セク債)を利用して債務を肩代わりする見通しだ。ところが、この負債の中に、羽衣会館跡地をめぐる不正取引で館林市が損害を受けることになる部分が含まれている。この損害とは、事業不振のため閉鎖されて平成18 年秋ごろに8900万円で競売にかけられ羽衣会館跡地を、市民から買収を持ちかけられた館林市が予算難を理由に辞退したが、その後平成18年11月に東京都あきる野市の住宅会社が約1億円で買ったこの土地を、平成20年4月に館林市土地開発公社が約5億円で購入し、結果的に約4.11億円の公金が無駄に失われたことだ。この背景として、公社の理事長を双方代理で兼務している館林市長が、反社会的な勢力に脅かされて、このような不正な取引により公社に損害を与えた。その損害が、三セク債というカラクリで、館林市に転嫁され、そのツケを市民の血税で20年間かけて返済しなければならない。そのため、住民監査請求を館林市監査委員にしたところ、最高裁判決(平成3年11月28日)等の判例や自治省行政実例(昭和50年10月1日)を根拠に『土地開発公社は自治体とは別法人であり、住民監査請求の対象にならない』として門前払いにされた」と報告がありました。
 これは、私の在住する安中市土地開発公社で平成7年5月18日に内部発覚し、同年6月3日に市民に公表された51億円余りの巨額詐欺横領事件でも、私を含む多数の市民が、公社の歴代の理事監事や幹部職員らを相手取って、責任の所在と損害賠償請求の住民訴訟を行いましたが、館林市監査委員と同じ理屈で「土地開発公社は市とは別法人なので、公社の損害は、市には及ばないので、市民には訴訟適格がない」として、門前払いとされました。そのため、公社と群馬銀行との間で成立した和解条項により、24億5000万円を和解金として、公社が安中市の債務保証のもとに、群馬銀行に対して、103年かけて返済することで、民事判決が出されたのでした。
1998年から開始された支払いは、現時点で15回を数え、あと88年間にわたり、安中市土地開発公社は、群馬銀行に対して、毎年2000万円ずつ(最終年の2102年は1000万円)支払い続けることになっています。
 一方、横領罪(安中市は詐欺罪と文書偽造罪だと言いはっています)で単独犯として逮捕、収監され、既に14年の懲役刑を終えた公社元職員に対して、公社は民事訴訟で損害賠償請求を行い、平成11年5月31日に前橋地裁で判決が決まり、同6月18日に22億2309万2000円とこれに対する民事法定利率である年5分の割合による遅延損害金の支払いが確定しました。しかし、元職員からはこれまで約1400万円が回収されただけです。
 このため、安中市土地開発公社は、土地開発公社を解散すると、この和解金のツケが債務保証をしている安中市に回されることになり、「土地開発公社は別法人だから、市民には損害が及ばない」とする最高裁の判決の前提が崩されることになるため、あと88年間は解散することが困難な状況にあります。
 今回の館林市土地開発公社が、公社理事長である市長の判断の結果、羽衣会館跡地をめぐる異常な土地取引で被った損失は、金額こそ安中市土地開発公社巨額横領事件の10分の1以下ですが、その原因としては、市長が公社理事長を兼務することによる、公社の私物化という点に、共通性を見ることができます。

2.住民監査請求と住民訴訟の正当性

 今回、館林市監査委員が「土地開発公社は別法人なので、住民監査請求の対象外の法人である」として、館林在住の○○○○氏の請求を門前払いしたのは、損害が市民に及ばないという状況が前提にあったものと思料されます。
 しかし、館林市は、「平成26年3月末に土地開発公社を解散する予定だ」と市民に公表しており、三セク債の手続を含め、必要な対応を進めているものと思われます。
 となると、館林市には現時点では、まだ財産的損害が発生しているとは言えないかもしれませんが、3月末の公社の解散とともに、公社の損失が同市に転嫁されるおそれがあるというべきであり、このような現状であることから、住民監査請求を行うことについて、何ら問題はないと言うことができます。
 したがって、館林市監査委員の決定内容は誤りであり、今回の館林市市民が提起した住民訴訟は有効です。館林市が、本事件で、答弁書や準備書面等でどのような主張をするのか、血税を市に納入している館林市市民として、大きな関心を持つことは当然であります。

3.公社解散に伴う損失の市民への転嫁抑止の重要性

 館林市のホームページには「館林市土地開発公社の解散(予定)にあたって」と題する発表記事が掲載されています。内容を以下に引用してみます。 なお、下線部は私が加筆しました。

 土地開発公社(以下、「公社」)は、公有地の拡大の推進に関する法律(昭和47年法律第66号)第10条に基づき、公共事業予定地の先行取得や、住宅・工業団地等の開発など、地域の秩序ある整備と市民福祉の増進を図ることを目的として、昭和49年4月に館林市(以下、「市」)が設立した法人です。
 公社は、設立からこれまでの間、多くの公共用地等を先行取得し、事業計画の進捗にあわせて市に売却するなど、地価が上昇する前に土地を確保することにより、市民負担の抑制という観点から大きな役割を果たしてきました。
 また、市の依頼に基づき住宅団地や工業(産業・流通)団地を開発・分譲するなど、本市の住環境整備や、企業誘致による財源確保・雇用機会の拡大など、計画的な「まちづくり」に大きく貢献してきたところです。
 しかしながら、バブル経済の崩壊以降、市税収入の減少や社会保障費の増大など、市の財政運営にも大きな影響が及ぶことになり、これまでの市の事業計画も大きく変更せざるを得ない状況となりました。このことから、公社が先行取得した用地を市が再取得することも困難な状況となり、公社は多くの土地(約14.1ha)や借入金(約34.7億円)を抱える経営が続いていました。(土地及び借入金については平成24年度公社決算時)
 なお、公社は近い将来、分譲予定の工業団地(約2.7ha)や、計画的に処分予定の区画整理用地などを抱え、実質的な債務は30億円を切る状態にあります。しかしながら、現在の公社経営状況を総括すれば、思うように市の事業化が進まず、買い戻しが進まなかったことを含め、公社の債務について損失補償を負っている本市の財政にも影響を及ぼしかねない実状を招いていることについて、公社の設立団体である市として、重く受け止めなければならないと認識しています。
 今回の公社解散( 市の将来債務を整理すること)については、市の財政を安定化し、負の遺産を将来に残さないために、公社の抜本的処理が不可欠である一方、第三セクター等改革推進債( 市が第三セクター等の債務整理を行うために認められた借入制度)が活用できる期限は平成26年3月31日までのため、この機会を逃すと市が自力で債務整理を行うことが困難となり、負の遺産がそのまま残ることにもなりかねません。
 逆の見方をすれば、この債務整理を行わない市の責任の重さを、将来問われることになります。
 このまま市の将来債務(公社借入金)が増加することは、市民の負担が増えることを意味しており、本市の役割として、国の時限措置である第三セクター等改革推進債を活用し、長年の懸案に区切りをつけたいと考えておりますので、市民皆様のご理解をお願い申しあげます


 館林市は、「負の遺産を将来に残さないために、公社の抜本的処理が不可欠である」ので、「公社の第三セクター等改革推進債(通称“三セク債”)の活用期限までに解散しないと負の遺産がそのまま残る」ことの無いようにするため、解散に理解を示してもらいたい、と述べています。
 しかし、こうした無用な債務を発生させた原因や真相の解明、責任の所在を明確化しないまま、解散する必要がある、などといくら強調しても、市民の理解は得られません。
 それにしても、よくぞこれほど無責任な記述ができるものか、と呆れてしまいます。ツケを回される館林市民としては、呆れるだけでは済みません。実際に、納税の対価として受け取ることのできる市民サービスの質と量が低下させられからです。今回、館林市民の○○○○氏から提起された住民訴訟は、こうした館林市民の気持ちを代弁しています。
 ぜひ法廷の場で、真相解明と責任の所在の明確化、そして再発防止を担保した上で、公社の解散が妥当かどうかをもういちど館林市に問い、損害を与えた原因者を特定して、館林市が損害を負担させて、市民に損害が及ばないようにしなければなりません。

4.三セク債の問題性

 総務省作成のQ&Aから、いくつか気になる箇所を抜粋してみました。下線部は私が加筆したものです。

 Q1 なぜ今、第三セクター等の抜本的改革を進める必要があるのですか?
A1 地方公共団体が関わりを持つ第三セクター等は経営の規律がつい緩みがちで、その経営状況が著しく悪化している場合は、地方公共団体の財政に深刻な影響を及ぼす恐れがあります。(中略)
是非、平成25年度までの間に、およそすべての第三セクター等について根本から見直しを行い、その必要に応じた改革を集中的かつ積極的に進めて、将来に悔いのない取組みを成し遂げてください。


 今回の館林市土地開発公社や、51億円もの巨額横領事件の舞台となった安中市土地開発公社の場合、「規律がつい緩みがち」などという生ぬるい表現で括ることはできません。また、「将来に悔いのない取組み」とありますが、三セク債自体が将来にわたり市民に公社の損失のツケを回すことになります。
 そもそも、館林市でも安中市でも土地開発公社の定款には、解散する場合の規定として、「土地開発公社は、理事会で出席理事の4分の3以上の同意を得たうえ、市議会の議決を経、群馬県知事の認可を受けたときに解散する。土地開発公社は、解散した場合において債務を弁済して、なお残余財産があるときは、これを市に帰属させる」という定めがあります。ところが、実際には殆どの土地開発公社では債務を弁済しきれないのです。
 この状況は「規律がつい緩みがち」で招いた状況ではなく、歴代の公務員特別職らが公社の利権を食い物にしてきたためです。その責任を明らかにせず、原因者に損失を負担させないまま、国の指導で「三セク債」という詐欺まがいの制度を導入しようとする行政の姿勢は到底許されることではありません。
 総務省のQ&Aでも、決して、安易に第三セク債を利用して解散することを手放しで認めているわけではありません。

 Q2 第三セクター等の抜本的改革は、第三セクター等の廃止が中心的な改革ですか?
A2 第三セクター等の抜本的改革の検討に当たっては、事業そのものの意義(公益性)、採算性、事業手法の選択等についての検討が必要であり、その点では、存廃も含めた検討が必要と考えられます。
 しかしながら、改革内容は、廃止ばかりではなく、存続する第三セクター等においても、経営責任の明確化や運営体制の改革、損失補償等を付与しない資金調達への切替え、資金の適正管理運用の徹底など、できる限りの改革に取り組むことが重要です。
 また、この機会に、住民・議会と地方公共団体が協力して、第三セクター等の経営をチェックし、不断の改革と適正な運営を促す体制を作っていくことも不可欠ではないでしょうか。
 つまり、地方公共団体は、法令等に基づき経営状況の把握や監査・点検を行うとともに、経営状況の議会への報告や将来負担比率の算定基礎の開示などにより、住民・議会に第三セクター等の経営状況や将来負担をわかりやすく説明していく。そして、住民・議会、特に議会は、その情報等に基づき、しっかりチェックし、経営の規律を保っていけるようにすることが必要であると考えます。


 しかし、上記の内容をよく読んでみると、これまでの反省については全く無視しており、今後のあるべき姿しか述べられていません。この点から、「国もなぜこんなに無責任なのだ」と嘆息が国民の間から聞こえてくるようです。
 この他にも、全部21項目のQ&Aが総務省作成の文書に列挙されていますが、いずれも、公社の破たん(赤字経営)を市が長期に亘り、尻拭いすることを合法化するためのカモフラージュということができます。
 館林市の場合は、土地開発公社を使って、利権を反社会的な関係者に与えたという意味で市民社会に多大な影響を与えています。ぜひ、この事件を法廷で審理して検証することにより、ヌエのように曖昧な存在で利権の巣窟として40年近くも野放しにされてきた土地開発公社を舞台に甘い汁を吸った輩の責任を徹底的に明確にしてもらいたいと念じています。
           以上
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■我らが安中市土地開発公社は、地元の企業の活動も旺盛で、工業団地の需要があるため、急速に債務を減らしつつありますが、その原資は、本来我々市民サービスのために費消されなければならないところ、元職員とその取り巻きが違法行為で横領した巨額の簿外債務の返済に充てられてしまい、しかも肝心の元職員からは殆ど損害を回収しておらず、元職員タゴと親しい現在の岡田市長は、市民からタゴ事件について厳しく問われると、「元職員は、既に14年の服役を終えて、みそぎを済ませたのだから、そんなに悪く言うな」という発言をする始末です。

 安中市の場合は土地開発公社を解散すると、元職員タゴへの債権や、群馬銀行への103年ローンの支払いが、公社の連帯保証をしている安中市にのしかかって、「公社は別法人で市には損害がない」としてきた詭弁な主張が覆されてしまうため、基本的にあと88年間、解散できない状態にあります。

 館林市土地開発公社の場合、実際に不良資産を抱えた公社が解散して、館林市が債務を引き継ぐことになるため、市民はどのような対応を取るか、安中市民として非常に興味のあるところです。引き続きこの事件の推移を関心を持って、注意深く監視し、オンブズマン会員を全力でサポートしてゆく所存です。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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