館林市土地開発公社による羽衣会館跡地の不正取得を巡る住民訴訟第1回弁論で市側欠席のまま即日結審  オンブズマン活動

■118年間の前橋気象台での観測史上でも初めての大雪が降りしきる中、平成26年2月14日(金)午前10時30分から、前橋地裁の2階の第21号法廷で、平成25年(行ウ)第1号の住民訴訟の第1回口頭弁論が行われました。
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降りしきる雪に煙る前橋地裁。観測史上最大の降雪に見舞われたこの日、前橋地裁でも前代未聞の口頭弁論が行われた。

 当日、市民オンブズマン群馬の代表は、9時半に原告の館林市民と裁判所で合流し、ロビーで打合せ後、21号法廷前のベンチで開廷を待ちました。

 定刻8分前に廊下にある「開廷中」ランプが点灯するやいなや、内側から傍聴席入口のドアが開かれ「どうぞ入廷ください」という書記官の言葉がありました。

 さっそく傍聴席に陣取り、原告が出頭カードに、自分の氏名が記載されている個所に○印を付けました。

■この日は地裁21号法廷において、午前中に4件の審理が予定されており、午前10時半からは2件の事案について審理が予定されていました。館林市を相手取った本件の住民訴訟は、予定表では10:30から10:45の予定で、一番上に載っていましたので、時間の節約のために、初めから入廷しようとしたところ、事務官から「こちらから指示するのでしばらく待って下さい」と制止されました。

 地裁のロビーと2階のエレベータ前、そして21号法廷前の廊下の壁に張り出された案内表によれば、本件住民訴訟については次の表記がされていました。

<平成26年(行ウ)第1号住民訴訟事件>
原告 ■■■■
被告 館林市長安樂岡一雄 代理人 丸山幸男
担当 民事第2部合議係
裁判長 原 道子
裁判官 樋口隆明
裁判所 根岸聡知
事務官 原 美恵

■定刻に開始された最初の事案は、平成25年の民事事件でした。原告被告の双方とも弁護士が出頭し、第1回口頭弁論が始まりました。法廷内は、司法関係者だけのため、あまり緊張感が感じられませんでした。

 そのため、審理はスムースに進み、僅か3分ほどで終了しました。引き続いて、午前10時38分から、いよいよ館林市を相手取った事件番号:平成26年(行ウ)第1号住民訴訟事件の第1回口頭弁論が始まりました。

 午前10時38分、事務官に促されて館林市在住の原告住民が傍聴席から入廷しましたが、驚くべきことに館林市の訴訟代理人の弁護士は欠席しました。これは欠席裁判ということで、館林市長は早くもギブアップしたのか、と思いましたが、実際には深い理由があることが、その後の審理の過程で判明しました。

■冒頭、裁判長は、裁判所に提出された書類の整理として甲1号証から甲5章までの確認を行いました。

 原告が提出した甲号証は次の通りです。

 甲1号証:住民票
 甲2号証:住民監査請求について(通知)
 甲3号証:株式会社G社の概要
 甲4号証:日本料理店Sの情報
 甲5号証:打合せ議事録

 その後、甲6号証について、裁判長からいろいろと細かい確認の質問がありました。この質問の要旨は、甲6号証のあとに添付されている平成25年12月3日付の3枚ものの「措置請求」とある書類はどういうことなのか、というものです。

 つまり、書類の綴り方で、甲6号証として、住民監査請求の添付「資料と甲号証関係表」を付けてあるのですが、裁判長は「何にも書かれないまま、資料が綴ってるので、甲号証の番号をどのように付けたらよいか」と原告住民に質問したのでした。

 原告住民は、住民監査請求書では、事実証明書として添付資料を「資―1」「資―2」・・・というように連番を付けていたのですが、今回は住民訴訟の為、それぞれの添付資料を甲号証として番号を付ける必要性があると考えて、このような関係表を作成したのでした。

 しかし原告住民が、甲6号証として、「資―1」を「甲1−1」、「資―2」を「甲1−2」というふうに「資―10」を「甲1−10」までを添付として枝番を付けたことについて、裁判長は、甲1は既に住民票として出されていることから、甲6の添付として「甲1−1」から「甲1−10」までを出すことは、内容的に整合していないので、証拠として説明すると言う観点からは、間違っているので証拠にならないのではないか、と指摘しました。

■原告住民は、民間ではこうした添付書類の呼称は一般的である旨、裁判長に説明しましたが、裁判長は、住民監査請求書を証拠として甲6号証で提出するのか、そうでないのか、について、なんども念押しをしました。

 その結果、原告住民は、「そういうことであれば、住民監査請求を甲6としてもよい」と承諾しました。住民監査請求書には、事実証明書をかならず添付するのですが、市民オンブズマン群馬が大澤知事を相手取って、知事公舎ラブホテル化(のちに妾宅化と呼称変更)損害賠償請求事件で、大野裁判長に、事実証明書についても、甲号証としてきちんと番号を付けるように、との指摘を受けたことから、原告住民には枝番を付けたほうがよいと原告住民にアドバイスしていたのですが、今回の原裁判長は、そのことには無頓着のようです。

 原裁判長は「甲6のあとの番号が付いていないため、証拠の番号の付け方を確認したい」として、さらに質問を続けました。

■裁判長が次に質問したのは、これまでに原告住民が提出した3つの陳述書です。これらについても、H氏の陳述書は甲7号証、新聞社の陳述書は甲8号証、そして市民オンブズマン群馬の代表の陳述書を甲9号証にしてもよいか、と裁判長が原告住民に確認を求め、原告住民のそれを了承しました。

 裁判長は、「それでは、甲7、8、9号証はいずれも原本そのものを裁判所に出したということで、その理解でよいか」と原告住民に質問したので、原告住民は「それでよい」と答えました。

■その次に裁判長は、原告住民がその他に出した裁判資料のうち、「甲2−1」として提出した「平成25年9月17日付の館林行政文書公開諾否決定通知書」(平成20年3月及び4月の市長のスケジュール表)と、「甲2−2」として提出した「平成26年1月7日付館林市行政文書紅海諾否決定通知書(平成20年3月―4月分の市長公用車の乗車記録)について、甲2号証は既に住民監査請求に対する結果通知として甲号証の番号がふってあるので、これら2つの番号を「甲10」というふうに変えたほうがよいのではないか、と質問してきました。下国住民は、住民監査請求の結果通知を「甲―2」としていましたが、裁判長は「『甲―2』というふうな、『甲』と『2』の間にハイフォンがあること自体、異例だ」として、原告住民に対して「これで違う文書だと、区別してほしいと言われても、裁判所の通例と反するので困ってしまう。従って、これら2つの文書を『甲10−1』、『甲10−2』というように、枝番を振ってもよいか」と原告住民に確認をしました。

 原告住民がこれを了承すると、裁判長は「甲7から9が原本提出で、甲の10で枝番とする。ところでこの諾否決定通知文書について、(原告は)原本を持っているのか。それとも、コピーなのか、もし原本を持っていれば拝見したい」と述べました。

 原告住民が、手持ちのファイルを確認したところ、いずれもコピーしかだなかったため、裁判長は「原告からコピーが提出されたとする」として、「これで証拠の鑑定を終わる」と宣言しました。

■文書のやり取りが主体の裁判では、「陳述する」と言う言葉が用いられます。このため裁判所で、「原告はこのとおり陳述する」といえば、提出した文書を裁判所の法廷で全部読み上げたという意味になります。

 このことから、裁判長は、平成26年1月10日付の提訴以降、原告住民側からいろいろと提出された裁判書類について、ひとつずつ原告住民に確認を行いました。

 はじめに原告から提出された1月10日付の訴状、次に、同1月20日に提出された釈明書と同1月22日に提出された訴状訂正申立。同2月2日付の原告側の準備書面(1)について、裁判長は「まずこれらを陳述ということでよいか」と原告住民に確認を求めました。原告住民はこれを認めて「はい」と答えました。

 次に裁判長は、「その他にも本日、裁判所が受け取った書類として、求釈明書というのがあるが、この文書はまだ相手方に渡っていないので、これは陳述できない。ただし、(裁判所として内容は)読ませてはいただいた。しかし、今日ここでは陳述していないので、この場で述べることは出来ない。ただし、ここに書いてあること、その趣旨は(裁判所として)理解した、ということでよいか」と原告住民に確認を求めました。

 原告住民は「それでは、相手にFAXしてよろしいか?」と、同意を求めたところ、「よろしい」と裁判長から承諾を得ました。

 この時、傍聴していた側としては、相手側の被告である館林市が出頭していないのだから、館林市が聞いても聞かなくても、原告住民が今日この裁判で陳述したことには間違いないと思いました。ところが、なぜか裁判長は、相手方の館林市が欠席したので陳述したことはならない、と言いました。このことは、どうも釈然としません。

 そこで原告住民は「裁判長に読んでいただきたいことも書いた」とこの求釈明書の趣旨を説明したところ、裁判長は「たしかに読ませてもらったが、相手方に届いていないので、ここで陳述したことにはならない」と繰り返しました。

■そして次に、裁判長は、被告側から平成26年2月7日付で出されてきた答弁書について言及しました。その説明を傍聴席で聞いていて、思わず仰天してしまいました。

 裁判長が丁寧に説明したところによれば、「被告が答弁書を第1回口頭弁論期日までに提出した、ということは、それだけで、裁判所で陳述したことになる。つまり、答弁書をここで、すべて声を出して読んだのと同じことになる。だから、最初の1回目の口頭弁論に被告もしくは被告の代理人が欠席したとしても、裁判所としては、被告代理人がここにきて陳述したのと同じ取扱いをする」とのです。

 その観点から言えば、2月14日に原告住民は、求釈明書の原本と副本を裁判所に提出したのですから、いくら被告もしくは被告代理人が欠席したとしても、原告住民が裁判所で陳述したことの事実は明らかですので、当然、求釈明書に対して、被告は回答する義務があるはずです。

 しかし、裁判長は、求釈明書について、被告に回答を求めようと言う意向は法廷で示すことはありませんでした。

■裁判長が、被告欠席でも答弁書を陳述したと見なす、という発言をした後、法廷は一瞬沈黙しました。

 その直後、その静けさを破るかのように、裁判長は「それでは本件については以上で審理を終了して弁論終結とする。そして、判決という形で、裁判所の考えを言い渡したいと思う。その言い渡しの期日は3月14日(金)13時45分にこの法廷で行う。以上」と言い放つやいなや、他の裁判官2名を従えて、法廷を退室していきました。

 この時、時刻は午前10時52分を指していました。実質的な第1回口頭弁論での審理は19分だったことになります。

■この第1回口頭弁論の一部始終を傍聴席で傍聴していた市民オンブズマン群馬の代表は、安中市土地開発公社を舞台に平成7年に発覚した51億円巨額横領事件の責任を問うために住民監査請求を経て、歴代の公社役員を相手取った損害賠償請求事件で、裁判所の仲介で和解案が出ていたにもかかわらず、訴訟代理人として原告が起用していた弁護士からの事前連絡も無いまま、原告住民の知らないうちに、突然裁判長が、「安中市土地開発公社は安中市とは別法人なので、市民に損害が及ぶことは無く、従って市民に訴訟適格も無いのだから本件は棄却する」という判決を読み上げてしまいました。

 そのため、そのことについてマスコミから突然、自宅に電話があり、感想を求められて、初めてオンブズマンの代表は、知らないうちに判決が出たという事実を知りました。そして、そのあと、前橋地裁を訪れた際に、事実関係について2階の民事部の事務官に尋ねたところ、事務官でさえも「あれは和解になったはずだが」と述べたため、仰天したことを思い出したそうです。

 安中市土地開発公社の巨額横領事件では、巨額の横領金の使途が警察の調べでも14億円以上わからないままにされてしまいました。市民の間では、政治家や市役所幹部らに多額の横領金が流れたことについて疑問を持つ人は誰もいません。そのため、この事件を巡り、安中市民団体が起こした5件の住民訴訟は全て裁判所によって敗訴にさせられたことも、なるほどという見方がされています。

 今回の館林市土地開発公社の不透明な土地取引についても、館林市民の間では、政治家の関与が取りざたされています。従って、そうした勢力による裁判所への圧力というものがあるのではないか、と推測することは至極自然のことです。

 安中市土地開発公社の51億円横領事件をめぐる真相解明に携わって来たオンブズマン代表としては、今回の裁判所の対応を見るにつけ、そうした懸念を払しょくすることができないのです。

■今回の裁判には館林市側は答弁書を出しただけで第1回口頭弁論に誰も出頭しませんでした。そのため、裁判所が被告の館林市になりかわって、この事件の判断を行うというのですから、司法が性的に中立であることを、今度こそ証明してもらえるかもしれません。そのため、市民オンブズマン群馬としても、どのような判決が出るのか、その結果内容について、非常に大きな関心を寄せています。

 一方、安中市土地開発公社を巡る横領事件で、公社役員の責任を問うた住民訴訟の裁判では、前橋地裁も東京高裁も、そして最高裁も、住民側の出張に耳を貸そうとせず、門前払いの敗訴判決を出しました。

 今回、いわば、館林市側はなりふりかまわず、裁判所に全てゲタを預けた形をとっています。よほど、そうしなければならない事情でもあるのでしょうか。安中市土地開発公社のタゴ事件と同様に、この館林市土地開発公社の不正な土地取引事件の背後にも政治的な要因があるのかどうかは、3月14日の判決の内容を見れば、きっと明らかになることでしょう。

 なお、2月14日の第1回口頭弁論では、傍聴席に若い男女2名が傍聴していました。おそらく館林市から派遣された職員たちだと思われます。裁判の様子は、復命書のかたちで市長に報告した者と思われます。

■裁判が終わった後、11時10分から40分ほど、県庁の市町村課を訪れて、担当者らに裁判の様子を報告しました。市町村課では既にこの事件については市民オンブズマン群馬のホームページや同会代表のブログを詳細にチェックしているそうです。。

 市町村課によれば、第3セクター債については、当初平成25年度末を持って締め切るはずだったが、最近、総務省から、なんでもかんでも延長されるわけではないが、平成25年度末までに公社を含めて第3セクターの解散の方針を決定している団体のうち、いろいろな手続きや調整の都合上平成26年3月末までに実際の行動が遅れそうな団体の場合に限りサルベージされるという方針が出ているとのことです。まだ、ハッキリとした基準は発表されておらず、来年度にならないと分からないが、群馬県内では、いまのところそういう期限延長を考えている団体はない、ということです。

 また、前橋市は、既に三セク債を借りて、前橋市土地開発公社の解散により生じた負債を返したということです。高崎市は、高崎市土地開発公社の解散については、自分の力で借金をせずに行うことを検討しているそうです。だから、高崎市土地開発公社の解散時期は、高崎市の考え次第であり、群馬県としては把握していないのだそうです。

■肝心の館林市土地開発公社について、市町村課の説明によれば、もう公社解散の許可手続きの最終段階にあり、許可されることが決まっていて、3月31日に廃止手続になる予定だそうです。また、今回の住民訴訟が起きていても、三セク債との関係は無く、権利は継承されていることから、裁判とは関係なく手続は進められるのだそうです。

 これについて、原告住民から、一般の民間会社の場合では、社長が横領したことが判明した疑惑会社には、銀行はカネを貸さないはずだが、なぜ、役所の組織にはカネが借りられるのか、と質問をしました。

 これに対して、市町村課では、株式会社の場合、個人の横領と背任ということで社長が横領した会社がカネを借りたいとして、株主総会で提案した場合、それはダメだということになるかもしれないが、横領が本当かどうか分からない場合には民間の場合でも、銀行がカネを貸さないということにはならないのではないか、とするコメントがありました。

 つまり、今回の三セク債は、あくまでも組織としての土地開発公社が、金融機関に支払うものであり、もし個人的に横領で刑事罰を受ける事実があれば、勿論それは三セク債を使って返したカネは税金をつかって払うわけなので、それに対しては、損害賠償のために、当該の個人が支払うことになる、というのです。

 市町村課いわく、その意味で、継続性は公社から地方公共団体に担保されて引き継がれるので、たとえ土地開発公社が無くなっても、損害賠償の相手そのものが消滅するわけではないとの見方です。

■しかし、羽衣会館跡地の土地の実際の価格と、館林市土地開発公社が買い取った当該土地の価格の差額は、横領同然の事実関係があります。このような場合、民間では当然犯罪性の観点からその損害を起因とする負債分については、銀行からカネを借りて充当することは許されません。ところが、公社という組織を舞台にして起きた今回の事件では、現在、三セク債で尻ぬぐいをする負債の中に横領の疑いのある分が含まれているということで住民が住民訴訟を提起しているのですから、国や県も、公社の不正なカネをマネーロンダリングするような資金を借りる資格は公舎には無いよ、という法律を盾に、三セク債の許可は出せないはずです。

 ところが、市町村課では「そのような法律はなく、公社解散の為の三セク債は制度上のことになるからストップできない」という見方なのです。

 館林市住民が、先般、総務省に確認したところ、公社の三セク債の許可については、法律によって知事が判断すると言われたそうです。法務省に「そういう法律をしらないのか」と言われた住民は、市町村課に「直接もう一度、総務省に聞いてみてほしい」と要請しました。

 しかし、市町村課は「そういう法律は無い。県知事が公社の解散について許可することに関する法律はあるが」とする見解です。

 市町村課いわく「横領の事実が決定的なものであれば、確かにそのことは斟酌しなくてはならない。しかし、決定したことではない。現在、館林市の住民が公訴を提起している趣旨は理解できるが、我々は制度の中で動いている。そのため、もし市長が仮に横領をしていたとしても、それは公社の解散とは関係なく、権利義務として全て団体に継承されるわけで、土地開発公社が三セク債を使って解散しても、公訴の相手は消滅せず、団体、つまり館林市に継承できる」というのです。

 市町村課はさらに続けて、「そのうえで、もしそういうことであれば、制度としては、住民監査請求があり、その中で判断が不服なら、住民訴訟を提起して、裁判でハッキリさせればよい。それは公社の権利義務は団体に引き継がれるからだ。疑惑の温床を摘み取るには、一旦公社をいいも悪いも清算して、その中で悪いものはきちんと市町村が責任を取ってやるほうがよいのではないか。公社の債務債権は結局市町村が負うことになるからだ。現在、皆さんが、どちらのほうを訴訟相手にしているのか分からないが、監理責任者として、あるいは理事長としての、理事長を訴えられているのか。結局、市が継承するので、理事長と同じ人物の市長がそのまま債権債務を負うことになる。だから訴訟の実質的な相手は同じとなる。三セク債に関する法律は、地方財政法の中にあり、ホームページで簡単にアクセスできるので、債権債務の継承についてはその法律を読めば確認できるはず。県としては、今のところ、住民訴訟が提起されているとしても、許可手続きを進めて許可を出すことになる。本当に悪いことをしているのであれば、住民訴訟で市長を相手取ればいいことだ」という趣旨の説明をしました。

■今後の館林市土地開発公社の解散手続きの予定について市町村課に聞いたところ次の説明がありました。

・制度的には3セク債でカネを返して公社を解散すると、公社が銀行に対して借りているカネを市が代理して銀行に返す。
・これにより、市が公社に対して求償権を持つ。
・その市に対して、公社はカネがないので、代物弁済ということで保有している土地で返す。
・そのとき、貸したカネと土地の金額が異なるとその差額を債権放棄するため、議会に諮ることなる。
・その債権放棄を審議し決議するのが3月議会だと聞いている。
・その後、県知事に対して、公社解散の申請をする。
・その日程は詳しくは知らないが、その申請をもって、外形的に正しいかどうかを判断して、知事が公社解散許可を出す。

■ここで館林市住民から、知事が勝手に許可を出そうとするのであれば、知事を相手取り許可を出す前に告訴しなければならないのか、という質問が出ました。

 これに対して、市町村課では、「それ以前に訴訟提起しても、我々としては、そのまま手続の流れで進めるしかなく、ストップはできない」と言いました。さらに「皆さんが取り組んでいる問題は根っこの部分であり、大事なところであるが、その他の部分は制度的に止められない。外形的に判断して手続を進める。裁判の結果がシロなりクロなりということについては、我々としては何も言えない立場にある」とコメントしましたが、住民側は「あくまでも、公社理事長=市長の違法行為で生じた負債の事実が公訴によりハッキリさせてから、三セク債の許可を出すかどうかを判断すべきだ」とあらためて強調しました。

 公社を舞台に、利権をあさった連中が公社に負わせた損害を、三セク債を使って返済し、それを市が被ることは、横領金をマネーロンダリングするようなものです。国が決めた制度の尻馬にのっかって、悪事で得たカネをマネーロンダリングし、自治体に犯罪の片棒を担がせることにもなるわけで、市民県民の税負担で政治家による悪事の尻拭いをさせる構図が許される時代ではないことを、行政も十分認識する必要があります。

■総務省では「公社解散の許可権者は知事だ」としています。しかし、市町村課では、それは条例で決まっているが、解散手続きは外形的な条件が整っていさえすれば、ストップできない、という立場を崩しません。

 三セク債を知事が許可して、三セク債を使って公社が解散しても、住民の損害賠償訴訟の相手がなくなることにはならない、というのが市町村課の見解です。

 安中市と同様に、館林市の場合、公社理事長が市長であり、市長としての理事長なので、たとえ公社が解散して無くなったとしても、住民の主張による損害請求の相手が消えるわけではなく、かえって、別法人の公社という状況が解消され、今度は、損害請求の対象が、まさに自治体としての市長になるので、自治体相手にスッキリした状況下で住民訴訟ができるというメリットがある、とことのようです。

 つまり、公社と市が別法人だとすれば、公社が今回三セク債を使って解散すれば、市が三セク債の求償権を得るので、市が公社を解散するために支払ったカネの債務を負うことになると、それは住民による住民訴訟の相手としての自治体・首長と一体化するので、訴える相手は市長そのものとなって、まさに一体化したことになり、損害を負わせたのはまさに「あなた(=市長)ですね」と言える環境が整うというのが、市町村課の説明の趣旨です。

 確かにそのとおりだと思わなくもありませんが、やはり、未然に公社の負債は。公社の経営責任の結果として、その負債を作った張本人に公社が損害賠償を請求し、市、イコール市民に損害が及ばないようにするのが、常套手段だと思います。未然に損害を防ぐ観点からも、群馬県知事が持つ、県内の自治体の公社の解散に係る許可権限の行使は、公社の負債の中身が横領や背任行為に生じた場合には、不許可とするよう、きちんと市町村課でマニュアルの見直しを行い用に申し入れました。

■安中市土地開発公社の巨額横領事件が発覚した直後、安中市の住民団体は、当時の地方課(現在の市町村課の前身)に直訴して、住民と一緒に、公社内部調査のため強制力をもって踏み込みましょうと、相談したことがあります。

 しかし、結局、群馬県は安中市土地開発公社で51億円もの横領事件が発生しても、全く動こうとせず、県内の土地開発公社の経理監査マニュアルを作成して配布しただけでした。

 臭いものにはフタ、触らぬ神にたたりなし、という傍観者的体質は、今回の館林市土地開発公社の不正な土地取引事件に直面しても、ほとんど改善されていないようです。

 それでも、市町村課の担当者から、踏み込んだコメントを徴収できたことは、今後の本件住民訴訟の行方を占う上で、貴重なサジェッションとなったことは事実です。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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