2014/3/24  0:39

東京ガスの未付臭ガス無断放出問題で安中市情報公開等審査会が付帯意見付きで市長に答申  東京ガス高圧パイプライン問題

■東京ガスが平成25年9月18日午前12時前から翌19日午前11時半まで、およそ24時間の間、群馬県内に危険な未付臭ガスを供給した事件で、あろうことか、東京ガスは、未付臭ガスの処理の為、安中市北野殿に設置した安中バルブステーション施設内にある高さ30mの放散搭から大量の可燃性温室効果ガスである天然ガスの生ガスを、住民に一切事前連絡することなく、大気中に放出しました。この問題で、当会が事件後1週間近く経過して、東京ガスが安中市に事後報告をした経緯を確認すべく、平成25年11月4日付で安中市長に開示請求をしたところ、東京ガスの安全担当者の所属と氏名等が黒塗りにされていたため、同年11月20日に異議申立てをしていました。安中市では、これを市情報公開・個人情報保護審査会に諮問していましたが、平成26年3月10日までに、同審査会から市長宛に、「非開示処分は妥当である」旨の答申をしたことが、3月10日付通知書で当会に連絡がありました。
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                    平成26年3月10日
 異議申立人
  小 川  賢 様
                     安中市情報公開・個人情報保護審査会
                     会 長   釆 女 英 幸
       情報公開の異議申立てに関する答申について(送付)
 安中市長から、あなたの情報公開の異議申立てに関する諮問があり、提出された関係資料等をもとに平成26年2月21日開催の審査会において、審査した結果、別紙のとおり答申しましたので、安中市情報公開・個人情報保護審査会規則第5条によりその写しを送付します。
 なお、後日、答申結果を参考として諮問機関である安中市長から今回の処分の異議申立てに対する正式な決定があります。
                    事務局:法制課法務係
                        TEL381-1111内線(1043)

(別 紙)

諮問第2号
 平成25年10月26日付け東京新聞群馬版に掲載された東京ガス無臭ガス供給問題に関係する行政文書部分開示決定処分に対する異議申立てについて(答申)

1 審査会の結論
 本件異議申立ての対象である実施機関(安中市長)が行った行政文書の部分開示決定処分において、東京ガスの担当者の職名及び氏名並びに安中市民の氏名に関する個人情報について、安中市情報公開条例(以下「条例」という。)第7条第2号に基づき不開示とした決定は、妥当である。

2 異議申立ての主張の要旨
 異議申立人が主張する不服申立ての趣旨及び理由については、異議申立書及び意見書の記載によれば、おおむね次のとおりである。
 実施機関は、行政文書部分開示決定通知書で、東京ガスの担当者の職名及び氏名並びに安中市民の氏名に関する個人情報を不開示とする理由について、条例第7条第2号に該当するとしているが、東京ガスが爆発の危険性のある生ガスの大気中への放出というリスクを伴う行為に関して、本来、住民への注意喚起のために安中市に報告の形で行った今回の情報行為は、条例第7条第2号に照らしても、ただし書イの「人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報」に該当するので、開示することができる。
 このため、本件文書の部分開示決定処分は、条例を不当に解釈し運用されたものであるから、処分の取消しを求める。

3 異議申立てに対する実施機関の説明要旨
 東京ガスの担当者の職名及び氏名並びに安中市民の氏名については、個人に関する情報であって特定の個人を識別できるため、不開示としたものである。
 また、条例第7条第2号ただし書イに該当するとしているが、不開示とした個人情報は同号ただし書イには該当しない。
 よって、実施機関としては個人情報のため情報を開示しなかったものであるから、条例に違背したものではなく適法である。

4 審査会の判断
(1)条例第7条第2号該当性について
 実施機関が不開示とした情報は、東京ガスの担当者の職名及び氏名並びに安中市民の氏名である。
 東京ガスの担当者の職名及び氏名並びに安中市民の氏名に係る部分は、いずれも、本号に規定する個人に関する情報であって、特定の個人を識別できることは明らかであるため、本号本文に該当するものと判断する。

(2)条例第7条第2号ただし書イ該当性について
 異議申立人は、個人情報であったとしても条例第7条第2号ただし書イ(人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報)に基づき開示することができるとしている。本号ただし書イに規定する「人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報」とは、人の生命、健康、生活又は財産を保護するために、不開示にすることにより保護される利益と開示することにより保護される利益とを比較衡量し、後者が優越する場合に公にすることが認められる情報をいうものと解されている。
 ここで、東京ガスの担当者の職名及び氏名に係る部分について検討すると、今回の新聞記事にもあるとおり無臭ガスの放出を行った法人は東京ガスであって、責任の所在は明らかであり、東京ガスの担当者がその業務に従事していた事実があるにせよ、東京ガスの社員である個人情報を開示することによって、人の生命、健康、生活又は財産を保護することに繋がるとは考えられない。
 次に安中市民の氏名に係る部分について検討すると、当該安中市民2人は東京ガスに公開質問状を送付した市民であるが、これら安中市民2人の個人情報は、人の生命、健康、生活又は財産とは関連性もなく、むしろ被害者情報であって、これらの保護には全く結びつかない情報である。
 よって、東京ガスの担当者の職名反び氏名並びに安中市民の氏名は、条例第7条第2号ただし書イに該当しないと判断する。

(3)開示の許諾を得ることの必要性について
 異議申立人は、「東京ガスに公開質問状を送った安中市民2名に氏名の開示の許諾を得る必要がある」. F東京ガスに対して、担当者らの職名と氏名開示について許諾の確認をしたのかどうか判然としない」としているが、安中市における開示・不開示の判断は条例の規定により、個人識別可能性という形式的基準(個人識別型)で運用していることから東京ガスの担当者の職名及び氏名並びに安中市民の氏名は明らかに個人情報であるため、本人の意思とは関係がなく不開示となる情報である。また、条例第15条に規定する第三者情報とは違うので、相手方の意見を徴収する必要もないため、実施機関は、安中市民2人と東京ガスの担当者らから開示の許諾を得る必要性はない。

(4)安中市情報公開・個人情報保護審査会による行政文書の見分について
 実施機関が平成25年11月19日に交付した行政文書部分開示決定通知書に誤記載があったため、修正をした行政文書部分開示決定通知書(差し替え)を平成25年11月27日に交付したことに関し、異議申逞人としては、黒塗りされた箇所にどのような情報が記載されているか特定できないとの意見があったので、審査会として実施機関が説明する「当該行政文書には住所、印影、電話番号、FAX番号、メールアドレスは含まれない」とすることを確認するため、黒塗りのされていない原本の写しを実施機関に提出させた。確認の結果、異議申立人に交付された行政文書の写しで黒塗りとされた部分には、東京ガスの担当者の職名及び氏名並びに安中市民の氏名であり、住所、印影、電話番呼、FAX番号、メールアドレスは含まれていなかった。

(5)東京ガスの事後報告に対する安中市の対応について
 今回の行政文書開示請求に関し、異議申立てをされた内容の情報とは別に同一請求で「(2)東京ガスの報告をうけて、安中市が対応した内容や時期等がわかる一切の情報」が異議申立人から請求されており、その決定として、実施機関は「特段の対応等を行っていないため」とする理由で行政文書不存在通知書を異議申立人に交付している。このことについて、審査会の権限としては行政文書の作成義務や保管のあり方について、審査権限が及ぶものではないことを前提とした上で意見を述べる。審査会における実施機関の担当課長の説明によれば、放出された無臭ガスについては人体に無害であり、事後報告であったため、無臭ガスの放出に係る対応が安中市としてできなかったとのことである。しかし、安中市としては東京ガスの事後報告を受けることに留まることなく、特段の対応等の必要がないと判断したとしても、本当に住民への健康被害はないのか、事前周知もなく無臭ガスの放出を行う緊急性があったかなどの事実確認を含めて情報収集に努め、その経緯がわかる記録を作成するべきであったと考える。こうした記録を残すことにより責任の所在を明確にするとともに、東京ガスに対する再発防止の手だてとして、これからの危機管理の体制をより万全のものとしていただくことを希望するものである。

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■上記のとおり、同審査会では答申の最後に、安中市の対応について、付帯意見を付けています。

 審査会の指摘のとおり、住民の安全安心を担保する責務のある安中市では、本来、東京ガスに逸早く記者会見をさせて、未付臭ガスの処理が必要であれば、事前にその対策方法について公表し、自治体の求力を得て、地元住民に事前に周知徹底を図らなければなりません。

 ところが、安中市では、東京ガスが平成19年4月から、市内で高圧ガス導管敷設事業に着する前から、密かに東京ガスと密約をしていたため、東京ガスに対しては、従来から及び腰でした。

 そのような安中市の体質を知っていたからこそ、東京ガスは、安中市の住民らから追及を受けたため、しぶしぶ事後報告として、口頭で安中市の安全安心課に簡単な説明をして、お茶を濁したのでした。

 今回の同審査会の答申を受けて、安中市長がどのような決定書を送って来るかは、わかりませんが、これまでの事例から見ると、答申内容をそのまま踏まえた対応をしてくる可能性が高いと思われます。

 地元住民としては、安中市の仲介により、地元と東京ガスとの間で、こうしたトラブルが起きないためにも、災害防止協定の締結をする必要があると認識しています。

【ひらく会情報部】

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