2014/4/6  6:56

本日の安中市長選挙告示日によせて  安中市土地開発公社事件クロニクル

■いよいよ本日、安中市長選挙の告示されます。選管でポスターの貼る位置などをくじびきで決めたり、選挙の七つ道具といわれる証書類やステッカー、リボンなどを選管から支給されて、午前8時45分ごろから、広報車による選挙カーを使っての選挙運動が始まります。
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 筆者は、19年前に安中市土地開発公社を舞台にしたタゴ51億円事件を追及する市民運動にかかわっていた関係で、突然市長の椅子を投げ出した当時の小川勝寿市長(故人)の辞職に伴う出直し選挙に、市民団体候補として出馬して以来、連続4回、市長選にかかわってきました。

 最初の選挙は右も左も分かりませんでしたが、夢中で市長選挙というものを候補者として身をもって体験したことを契機に、その後、現在に至るまで、選挙というものの本質について、自分なりにいろいろ考えてきました。

 その結果、選挙と言うものは理論や理屈や政策本位とは別の、利権が大きく絡んでいるということであり、選挙運動というものが理不尽のかたまりであるにしても、その結果はデジタルで明確に数字となって示されるということです。

 最初の時は後援会名簿というものを作成しました。それまでも選挙人として候補者の各陣営から頼まれて記載したことはなんどもありますが、頼まれると断りにくく、複数の候補者にかいてだしたこともしょっちゅうでした。だから、後援会名簿と言うのは気休めに過ぎないのかな、と思っていましたが、実際に、巨額横領事件の真相解明を公約に掲げて、1週間の選挙戦を戦い抜いた後、次点で得た得票数8284票が、後援会名簿の搭載人数とぴたりと一致していました。

 これは純粋に市民運動による選挙活動だったからこそ、おきえた現象だと今でも思っています。

■19年前の1週間の選挙戦では、事前に2台の身元不明の街宣車が大音響で安中市街地をがなりたて、市民に不穏な雰囲気を与えました。3ナンバーの車が候補者の自宅の回りに増え、夜は自宅の照明を全部点けて、ボランティアに囲まれてアイマスクをつけて眠りました。

 19年前の平成7年(1995年)の出直し市長選挙の争点は、表向きはタゴ事件の真相解明を目指す市民運動を母体とする候補と、それ以外の、事件にベールをかけようとする勢力との争いになっているようにみられましたが、実際には、当時、入札が迫っていた、安中市のゴミ焼却施設建設計画の利権と、当時、事前協議が始まっていたサイボウ環境によるゴミ最終処分施設計画の許可権限が、その裏にありました。

 そのため、市民団体候補に当選されると、それまで構築してきた利権の配分計画がすべてくるってしまうため、市民団体候補にはさまざまな妨害工作が仕掛けられてきました。

 一方、辞職した市長の後継者として名乗りを上げた3名のうち、選挙戦の最終段階になって、このままでは共倒れになるとの危機感から、最終的に1名に絞られました。

 また、サイボウ環境の親会社の潟Tイボウの当時の社長だった結城文夫が選挙戦の最中に、3000万円をもって、安中に入ったという情報がありました。これは警察関係者も確認していました。そのカネが選挙に投入されたと言う話しを、選挙中何度も耳にしました。しかし、選挙で市民団体候補が次点で敗れた後は、警察で捜査に従事していた関係者も、刑事課から青少年課に移動となってしまい、ゴミ処分場を巡る黒いカネの行方は司直の手から離れていったのでした。その後、このサイボウ環境のゴミ処分場は行政によりどんどん進められて、平成19年4月から稼動開始となってしまいました。

■今回の選挙でも、そうした、表には出ないさまざまな利権の構図が水面下にあるものとみられます。

 とくに、岩野谷地区の大谷で、既に事前協議が終っている大規模サンパイ処分場計画の場合、今度の市長が誰になるかで、本申請の手続きが大きく左右される可能性があります。そのため、サンパイ業者らは、何らかの形でこの計画を推進してくれる候補者に支援をはたらきかけることでしょう。

 安中市は法人市民税の金額が全国第2位にランキングされたこともある自治体です。高崎と軽井沢の間にはさまれ、比較的地味だと言われる地方のまちとはいえ、一般会計予算は200数十億円に上ります。さまざまな権限を有する市長の職はは、いわばこの地域の大統領ともいえる力を付託されています。

 今回の選挙で、岩野谷地区での大規模サンパイ場の運命が決まるでしょう。また、タゴ51億円事件の行方についても20年目の民事時効が迫る中、その責任追及の機会が完全に失われるかどうかが決まることになります。そのほか、昨年4月2日に自ら命を絶った市職員が携わることになっていたクリーンセンターのゴミ焼却施設の長寿命化計画なども利権の一つと言えるでしょう。

 したがって、選挙人の皆さんには、自ら候補者の本質を慎重に見極めて、1票の権利を行使することが求められます。

【ひらく会情報部・公職選挙法違反撲滅調査班】

※参考情報
ひらく会の全身である「市政をただす安中市民の会」が独自候補を擁立して、市長選に立ち向かった19年前の1995年11月から12月にかけて発行した会報。

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■市政をただす安中市民の会  会報21号
連絡事務所TEL/FAX:81-0364 平成7年11月7日発行

突如消えた利益積立金! 昭和57年の公社決算の謎

私たちの日常会話に「れば」「たら」という言葉がよく使われる。安中市を揺るがせている大不祥事件でも、勿論この言葉が巷で飛びかっている。
■もしもあのとき不正に気がついてい「れば」せめて最初の不正の兆候を見のがすことがなかっ「たら」。市民のためいきが聞こえるようだ。
■今となっては後の祭りだが、土地開発公社の昭和57年度の決算書にはあきらかに最初の不正のシグナルが点いていたのだ。しかも、その後昭和60年まで4年間にわたり公社利益積立金‘準備金)が忽然と消えている。
●下の表を見てもらいたい。10月16日付T紙報道の通り昭和58年までに利益積立金約3200万円が行方不明になっている。なぜこのような異常が見逃されたのか。もしもこのときシグナルに気付い「たら」、損害は600万円たらずで済んだのだ。 ←(当会注:ちなみにこのときの公社監事は当時の岡田義弘市議)
■10月20日の公開説明会でこの報告をしたら、観客席を埋めた市民から大きな反響が起きた。当会では、情報開示で入手した公社の決算書をもとに文責をしただけで、このような不具合点が発見できた。決算書がこのような有り様では、内部の帳簿のデタラメさ加減は押して知るべし。監事ら公社役員の責任は厳しく問われなければならない。

安中市土地開発公社決算書(昭和55〜58年迄、単位円)

  説明/No./科目/昭55(1980)/昭56(1981)/昭57(1982)/昭58(1983)
貸借対照表――――――――――
    /1/流動資産/186,852,681/283,216,340/217,011,736/113,357,820
    /2/固定資産/ 232.180/ 187,720/ 142,740/ 663.000
    /3/流動負債/ 66,200/ 15,528,700/152,504,639/ 54,519,646
    /4/固定負債/181,459,000/261,718,000/ 53,873,000/ 29,368,000
    /5/基 本 金/ 5,000,000/ 5,000,000/ 5,000,000/ 5,000,000
    /6/利 益 金/ 559,661/ 597,699/ 5,776,837/ 25,133,174
    /7/利益積立金/ 559,661/ 1,157,360/ → 0/ → 0
    /8/(利益積立金累計)/(559,661)/(1,157,360)/(6,934,197)/(32,067,371)
損益計算書――――――――――
    /9/事業収益/ 41,235,369/ 65,281,132/286,671,510/182,666,873
    /10/事業原価/ 40,726,892/ 60,826,233/256,073,702/162,733,904
9−10=/11/事業利益/ 508,477/ 4,454,899/ 30,598,808/ 19,932,969
    /12/受取利息/ 386,987/ 702,806/ 823,595/ 733,157
    /13/安中市補助金/500,000/ 300,000/ 300,000/ 13,400,000
12+13=/14/事業外利益/ 886,987/ 1,002,806/ 1,123,595/ 14,133,157
    /15/一般管理費/ 820,983/ 464,296/ 368,208/ 1,083,617
    /16/減価償却/ 14,820/ 44,460/ 44,460/ 100,260
15+16=/17/事業損失/ 835,803/ 508,756/ 412,668/ 1,183,877
    /18/支払利息/ 0/ 4,351,250/ 25,532,898/ 7,749,075
(11+14)-(17+18)
    /19/当年度利益/ 559,661/ 597,699/ 5,776,837/ 25,133,174
【出典】安中市土地開発分社決算報告書 注:8は解りやすくするため当会で計算した数値です。

土地開発公社不祥事件調査特別委の中間報告と質疑(要旨)
―――――平成7年9月29日議会本会議中の議題として―――――
【小西委員長】
 本委委員会に権限が付与された百条調査権の対象は、当該地方公共団体の事務を調査するものでございますので、事件に関係する方を特定したり、不正金額がどこに流れているか等は調査の対象にできないわけでございます。とくに今回のように被疑者が逮捕されている刑事事件においては、事件を生じた背景や組織の人事管理に重点を置き、再発防止策に資するべく調査を行う必要があったわけでございます。このことを念頭に置き本委員会が行いました調査内容の概要につきましては、配付しました中間報告書の通りでございます。現在においても、すべてが解明され公表されたわけでないと思われますが、本委員会は地方自治法に定める範囲内で調査を行うほかなく、捜査権を持つ司法当局によって解明されなければならない部分が多分にあると考えております。そこでこの結果による調査事項にかかわる判断と調査特別委員会の開催日程について報告します。
(1)公印の管理について
 公社理事長印につきましては、保管管理が不十分であり、その運用においては公印使用簿がなく、多胡容疑者が自由に押印可能であった。また市長印の運用の面においては押印書類のチェックが不十分のまま押印されていた。
(2)借り入れ申込書等について
 公社資金の借り入れ関係書類は作成から提出まですべてを多胡容疑者が担当していた。不正を容易にはたらける環境の中で長期にわたり多胡容疑者が関係者の信頼を悪用し、多胡容疑者が勝手に改ざん偽造していた。
(3)開発公社団地分譲について
 平成5年5月の公社役員会で芝原団地の登記の件で問題提起があったが、その後の役員会でも追及解明されず、多胡容疑者をそのまま在職させたことにより不正額を増大させる一因となった。その時点で調査をすれば15億円余の被害を回避できた。
(4)借入金について
 金証の金額欄の改ざん上乗せの手口が11件29億8千万円、金証の全面書き換え偽造手口が2件で6億5千万円。計36億8千万円の不正借入れをした。特別口座開設以前にも同様手口で不正借り入れし正規口座に入金着服したのが公判で明らかになり当時の公社監事や担当職員から事情聴取したところ全く気付かず正規口座通帳さえ見ていなかった。借入金完済後、銀行から金銭消費貸借証書が返されるが公社でこの確認をしていない。このように関係者の注意欠如は否めない。特別口座については多胡容疑者が開設時に市長の特命と偽ったと報道されたが、銀行は通常の一般口座との認識であった。また市の指定金融期間として、金証のチェックや債務保証限度額等融資時の使途の確認については、公印が押印されていたことや、公社・多胡容疑者を信用していたため不審を感じず対応していた。さらに平成3年4月の市長交替に伴い、公社理事長が交替したが、この時特別口座名義が新理事長の氏名に書き換えられたことについて、一般の公社と同様な手続きで名義変更されており、特に市長に対し確認はしていなかった。
(5)公社の事件と対応について
 公社の監査は毎年5月中旬に1回。常務理事・事務局出席のもとに監事2名により行われているというが、その時通帳の内容について一切確認がされていなかった。また多胡容疑者を同一職に15年も在職させ、経理事務全般をひとりに担当させていた。今回の不祥事件に関し、公社は弁護士を依頼し、話し合いによる解決を基本としている。また執行部の4人は事故対策委員会を設置するとともに、公判の推移を見て対応している。
     ↑
48億円だましとり
現議員の圧倒的多数は
 その職務上、元職員の犯行に気がつかなければならない立場にありながら、それが果たせなかったことを不問にし、
市民の心底からの憤り
○誰がどのようにかかわったか(責任の所在)
○元職員ひとりだけが甘い汁を吸ったのか(48億円の行方)
は、調査の対象にはできないと、自ら枠をはめています。
万難を排して市民の切望に答えてはじめて
市民の代表です。それのできない人に、
再び市政を担う資格はありません。
1995年(平成7年)11月5日
市政をただす安中市民の会
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■市政をただす安中市民の会 会報22号・最終号(上) 平成7年12月11日発行

本会を発展的改組! 開かれた市政に向け新たな出発

市政をただす安中市民の会は、5月18日に発覚し6月3日に初めて新聞報道された安中市土地開発公社をめぐる大不祥事件を契機に6月13日に結成されました。以来半年にわたって事件の真相解明と責任の所在の追及を行うと共に、このような前代未聞の事件の発生を許した安中市政の体質をただし市民意識を喚起すべく活動を続けてきました。そして10月13日の突然の小川前市長の辞任により11月に行われた市長・市議選には当会からも事務局員が3名立候補して、開かれた明るい市政の実現を目指しました。選挙戦を終えた今、これまでの当会の活動の反省及び総括について11月28日、12月3日、9日に会合を開きました、その結果は次の通りです。

本会の訴え

(1)市元職員の51億円巨額横領事件は、市政の乱れから生まれた。いかに一職員の野望がたくましく謀を巡らそうと、市政(行政と議会)さえ普逓だったら起こるはずもなく、起こっても拡大しなかった。
(2)市政を乱した第一の責任は歴代市長に、第二の責任は歴代議会に、第三の責任というより根本的な責任は、この人達を公選した市民にある。
(3)市民はこれを自覚しよう。市民の自覚なくしては根本的解決はできない。

5ヶ月あまりの活動
(1)公開質問状(市長、議長、群銀)、要求書(市長、議長)、情報開示請求(知事).告発状(国税庁)
(2)傍聴および同申し入れ(議会、同委員会、裁判所)
(3)市役所玄関出勤時アピール
(4)定例会および学習会(毎週)
(5)会報発行(毎週11月8日まで21号、毎号3000〜6000部)
(6)会報の駅頭・市役所配布(毎週)
(7)大集会3回、地区公民館集会7回、小30回、計40回開催,.,.

活動アピール度の指標(市長・市議選の結果)

小川  賢  8384票  28%
中島 博範 11248票  38%  67%
山口  繁  4748票  16%   ↑
伊藤  成  3785票  13%   ↑
無 効 票  1325票   5%

湯浅 寛治   936票  得票順14位
久保庭正好   707票  得票順26位

【結果の分析】
■ある程度理解されたが、多くの市民の共感は得られなかった。
■湯浅さんの当選は、市談会の力が大きかった。
■ただす会としては、小川さんと久保庭さんの二人を落としたことになる。

◎12月定例市議会の一般質問が12月20〜21日にあります。みんなで傍聴に行きましょう!◎

共感を得られなかった理由

■市民側に原因(例:市民の意識‥)それとも当会側に原因〈例:時間不足、人手不足‥〉があるのか?
 総括として、「市民は安中市をよくしようと思っている。悪くしようと思っている人は一人もいない」(保身を考えている人はごく一部の例外にすぎない)
■その人たちの67%に理解してもらえなかったということは、厳しく受け取らなければならない。市民に私たちの主張を納得してもらえなかったことを反省したい。
■参考意見として
(1)子供は大人が考えている以上に賢くなりたがっている。その子供が解らないというのは専門職である教師の責任。ダメと言われて喜ぶ子はなく、しかもダメにしたのは教師である【大村はま・国語教育家】
(2)・・・相共に賢くおろかなることみみがねの端なきが如し。ここをもちて彼の人怒るといえども、還りて我が失(あやまち)を恐れよ‥‥【聖徳太子・憲法17条】
(3)ただすには、質、糾、正の他に匡がある。これは王様をただすときには、完全に囲わず正しい方向に導くように道をあけてやること【磯部在住市民】

反省事項
■私たちは市政を正す運動をしてきたが、真相究明「質す」が前面に出て、印象としては「糾す.」が強く、批判するこわもての団体と思われたのかもしれない。
■会報をよく読めば、巾民の要望に応じて、真相を伝えていて好評だったが、反面、真意を読みとるにはそれなりの努力も必要だったかもしれない。
■会報にはビジョンもあったが見落とされてしまったかもしれない。
■組織や活動方法についてもいろいろ反省点がある。

次の飛躍のために
■市政を正す運動は今後も維続してゆくが、活動目的、方針、組織、人員体制などは、上記の反省を踏まえてあらためて構築して行きたい。
■市政を正すとともに、明るい夢のあるやさしい市政を目指した全市民的な活動を展開して行きたい。
■中島新市政ならびに新しい市議会を監視しながら、逐次、方針を固めて行きたい。
■幸いに、湯浅さんを議会に送れたので、市政に関する情報は質・量ともに、これまでよりも格段に入手できることになり、幅広い分野で、よりいっそう充実した活動が可能になると期待されろ。

今後の活動方針―――――乞うご期待!

■51億円事件の推移をよく見きわめ、新市長の公約どおり公社内でどう処理ざれるのか監視してゆく。
■新しい市議会を通して得られる行政情報をもとに、よりよい市政実現のために積極的に提言してゆく。
今後も開かれた見える市政の実現に向けた私たち市民の活動にご支援賜りますようお願い申しあげます。

会計報告――――――――――

ひとくぎりに際し当会の会計報告を行います。たくさんの暖かいご支援ありがとうございました。 ■総収入(入会金、カンパ、寄付金、会報収録集代その他)         2,034,448円
■総支出(印刷費、通信費、事務備品費※、会場使用料など)        1,870,477円
■残金(あらたな活勁に向けた資金として活用して行きたいと考えております) 163,971円
※償却備品として印刷機(46,350円)、ワープロ(185,400円)、FAX兼用電話(61,594円)がありおます。これらは新たな活動用として引き続き使用してゆきたいと考えております。
※尚、12月11日現在、会報収録集(0〜18号)の残部が480冊あるので、これも逐次活用予定です。

◎新たな運動に向けて! 平成8年1月13日(土)午後7時半〜 於:動労者会館1F会議室◎

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■市政をただす安中市民の会 会報22号・最終号(下) 平成7年12月11日発行

犯行総額51億円以上! 巨額詐欺・横領事件の捜査終了

新聞報道によると、安中署は11月16日、平成2年度中に多胡被告が群銀からだましとった9億円分の犯行について前橋地検に追送検し、これで平成2年4月以降の土地開発公社を舞台にした14件計36億3千万円分についてすべて送検を終えた。これを受けて前橋地検では12月4日、犯行すべてを起訴し、今後の予定に追起訴はないと発表し、安中市を揺るがす大事件の捜査終了が宣言された。
■この結果、多胡被告が平成2年4月以降5年間に群銀から詐取した36億3千万円のほかに、昭和60年3月から平成2年2月までの5年間に群銀の正規口座から計26回にわたりだまし取った傘額が11億3千万円.さらに昭和57年から60年にかけて被告が公社の帳簿からくすねた公金が数千万円。そしてその後現在までに公社の経理担当として被告が帳簿上でごまかして横領した約4億円もの使途不明金。これらをあわせて実に51億数千万円もの巨額なカネがどこかに消えてしまったことになる。
■このうち安中署が実際に送検したのは36億3千万円で、そのうち前橋地検が起訴したのは矢約32億3千万円分。差額の約4億円について前橋地検では「証拠は揃っているが、自転車操業で既に返却しており不起訴」(12月5日上毛紙)にしたという。また、犯行総額との差額の15億円余については、時効(詐欺や業務上横領の場合7年)を経過したり、証拠隠滅などで立件が困難として送検せずに不起訴にしたという。

15億円余が不起訴! だが道義的責任に時効なし!

たとえ時効や証拠隠滅で15億円余りが不起訴となったとしても、安中市の財政に与えた(あるいはこれから与えるであろう)損失は32億3千万円プラス15億円の計47億数千万円(さらにこの期間の金利を考慮すれば、優に50億円をはるかに超える途方もない金額となる)となるわけだ。
■この巨額な損失を出した大不祥事件の真相解明をウヤムヤにすれば、行政に対する市民の信頼がさらに揺らぐことは必至。「税金を払いたくない」とする市民感情が爆発ずれば、それこそ地方自治の危機となる。
■時効や証拠隠滅などで15億円余りが不起訴となったが、たとえ不起訴になっても、実質的な被害額が消えるわけではない。事件関係者の道義的責任に時効は適用されない。この点は今後の新しい市議会における百条委員会の活動と成果に期待がかかる。また新市長が公約している公社債務の圧縮の観点からも、51億円余のカネの行方の追及と併せて、事件関係者の道義的責任と弁済は避けて通れない問題である。
■一方、刑事裁判によりやがて被告の刑が確定するわけだが、10年程度の懲役刑が言い渡されるものと想像される。被告が刑を終える頃には安中市は21世紀を既に迎えているわけだ。新市長の手腕が奏功し公約どおり返済を終えて新たな繁栄の一歩を踏み出しているのか。それともまだ返済を終えずに苦しんでいるのか。事件の争点が問われた市長選で市民尾選択が示された今、安中市の運命は次の段階を迎えたことになる。

市民に負担ない! !新市長の公約にかける市民の期待

中島博範氏は「公社問題は公社事業で処理し市民に負担はかけない」とする公約を掲げ、市民の多くがその公約を信じて票を投じ、その結果、今後の市政の舵取りは中島新市長に委ねられた。新市長の言うとおり、市民は一刻も早い問題解決を求めており「それにむけて一生懸命やってゆく」との抱負を強調した中島新市長の手腕に大きな期待がかけられている。

架空登記もウヤムヤ?平成5年5月の公社役員会議

多胡事件のもうひとつの焦点である原市芝原団地分譲をめぐる架空登記問題で、公社理事長として小川市長は多胡の不正行為を承知していながら何の処置もとらなかったことが、9月27日の一般質問で明らかにされた。この問題が提起された平成5年5月31日の公社役員会会議録は次のように当時のやりとりを記録している。この会議録を読んで不思議に思うのは、このような不正事件が取り上げられながら会議録が実に短いことと、問題点の追及が尻切れトンボになっていることである。本当に当時の会議の模様を正確に記録したのかどうか。また、会議録に手を加えていないかどうか。疑問が残る。
――――――――――参考資料――――――――――
平成5年額1回役員会安中市土地開発公社役員会会議録(抜粋)
■役員会日時:平成5年5月31日(月)午後3時30分
■議件::議案第3号平成4年度安中市十地開発公社決算について
■出席理事(12名):小川勝寿、青木弘之、桜井旭、小林孝、小西勝二、山口繁、原田求、小嶋博二三、渋谷栄、駒崎徳男、矢野貞夫、屋敷春行
■出席監事(1名)坂東吉和
●事務局長【加部信昭】今から公社役員を開催させて頂きます。理事長の挨拶をお願い致します。
●理事長【小川勝寿】役員朗母様には大変お忙しいところ遠路ご参集頂き有り難うございます。本日は平成4年公社決算についてご審議頂く事になっておりますのでよろしくお願い申し上げます。
●事務局長【加部信昭】これより議事に入りますが、定款により理事会の議長は理事長があたることになっておりますので宜しくお願い致します。
●理事長【小川勝寿】それでは日程に従い、まず日程第3議事録署名人の選出をお諮り致します。議事録署名人は私が指名したいと思いますが、異議ございませんか。(「なし」と呼ぶものあり)ご質議なしと認めます。よって議事録著名人は矢野貞夫理事さん、桜井理事さんをご指名致します.次に日程第4の議件(1)議案第3り平成4年度公社決算について事務局よりご説明いたします。
●事務局【高橋弘安】議案第3号について説明――
●理事長【小川勝寿】監事さんの監査報告をお願し致します。
●監事【坂東吉和】――監査報告をする――
●理事長【小川勝寿】これより質疑に入ります。
●理事【原田求】災害補填引当金の取崩しが2回あり今後はないとの事だが今後1
11の取扱いを伺いたい。
●事務局【高橋弘安】すみれ工業団地は3月の災害復旧で公社の管理を終え、4月以降は自社管理でお願いしてあります。公社の造成工事における瑕疵が原因で災害が起こった場合はまたこの引当金を取崩す場合もあります。
●理事【原田求】この災害補填引当金は他の造成した団地にも適用するのか伺いたい。
●事務局【高橋弘安】以前造成した団地には予算の科目上使えませんが、これから造成する団地で、もし災害があった場合には使う事になります。
●理事【原田求】芝原団地について昨年残っていた1区画を販売したが、まだ家を建築しないのはどういうわけか伺いたい。
●事務局【多胡邦夫】この団地も他の団地同様に3年間の特約登記をつけているので3年以内に家を建てるものと考えております。
●理事【原田求】まだ家が建っていないので周りの家が野菜などを作っているらしいが、これについてはどう対応しているか伺いたい。
●事務局【多胡邦夫】買った人は3年以内には家を建てると思いますが、その時迄は草が生えて周りに迷惑をかけないように公社に使用方法が任されておりますので従来の通り使って頂いております。
●理事【原田求】売買された時点で登記が完了しているのか伺いたい。
●事務局【多胡邦夫】――
●理事【小西勝二】ここで少し休憩したらどうか。
●理事長【小川勝寿】それでは暫時休憩します。――暫時休憩をする――
●理事【山口繁】新幹線関係の南北駐車場用地について、市に買い戻してもらうわけだが、どのような方法で買い戻してもらうのか伺いたい,、
●事務局【高橋弘安】新幹線関係の業務委託は平成10年までの期間で受託しておりますが、買い戻しについては市が事業を推進していくうちに買い戻す事になっております。しかし、公社としては1000u、2000uの単位でも買い戻しは困ると申し入れておりますので事業毎にまとめて買い戻していただく方針です。
●理事【小西勝二】休憩後、次に進んでしまったが、休憩前の事を報告してもらいたい。
●事務局【高橋弘安】今後、宅地分譲の抽選には公平を図り、このような事がないようにしていきたいと思います。
●理事【山口繁】公社としては借入利息が嵩むので、市又は県に早急に買い戻してもらいたいと思う。
●事務局【渋谷栄】理事としてではなく財政企画専門の担当者としてお答致します。現在、市の買い戻し方法については、財政企画部門で起債対象。又補助対象に照らして研究中です。市の財政からも起債、補助事業で買い戻したいと考えておりますので宜しくお願い致します。
●理事【山口繁】意見として、この用地は、駐車場、広場、土捨て場等、これから沢山の事業があるだろうから、公社としては借入金及びその利息で苦しまないようにした方がいいのではないか。
●理事長【小川勝寿】質疑を終了し採決いたします。議案第3号は原案通り承認する事に賛成の諸君の挙手を求めます。(挙手金員)挙手全員であります。よって議案第3号は原案通り承認されました。(以下略)続いてその他として事務局より報告がございます。
●事務局【高橋弘安】鷲宮住宅団地の現在の進捗状況及び今後の予定について報告する。下磯部地内における県営住宅誘致及び公社によるその周辺の団地造成についての地元説明会を開催した事を報告する。
■上記会議録を証するために下記署名する。平成5年6月 議長 小川勝寿 署名人 桜井旭 矢野貞夫
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