安中市長選挙・・・戦い終わって夜が明けて(その1)・・・なりすまし投票事件  安中市長選挙

■選挙不敗神話を誇り3選目を目指した老獪な現職候補を、女性候補が破るという衝撃的な結果で幕を閉じた安中市長選挙ですが、その衝撃の反動も大きく、余震というべきものがいろいろと発生しています。本日の報道記事には「なりすまし投票」が大きく掲載されていました。


**********上毛新聞2014年4月15日(火)社会面
安中市長選 「なりすまし投票」2人
市選管 苦肉の処理 公選法違反の疑い
 安中市選挙管理委員会は14日、13日投開票があった同市長選で、他人の投票所入場券を使って若い男女2人が投票したと発表した。通報を受けた安中署は公選法違反(詐偽投票及び氏名詐称)の疑いがあるとして調べている。問題を受け、同選管は13日夜に発表した投票者数を2人減らして2万8026人として、投票率も0.01ポイント減の55.25%に修正。男女2人の投票行動が不明なため、投票総数は2万8028票のままとして、不受理・持ち帰りをマイナス2票とする処理をした。
 市選管によると、13日午後5時ごろ、市内の投票所から「本人と面識がある立会人から『違う人が投票していた』と報告があった」との連絡があり、なりすまし投票の可能性が高いと判断して安中署に通報した。市選管は14日、入場券の持ち主2人が投票に行っていなかったことを確認した。
 今回の処理について、市選管の担当者は「一度投票箱に入ってしまった票は特定するすべがなく、有効をせざるを得ない。有権者本人が投票していないことは確かなので、投票者数のみを減らした」と説明する。
 同市では2012年衆院選の期日前投票で、投票用紙の誤公布による二重投票が起きた際に同様の処理をしている。
 公選法では、詐偽投票は2年以下の禁錮か30万円以内の罰金が科される。県内では2001年の前橋市議選で、他人の氏名をかたって不在者投票を行って逮捕されたケースがある。
 選挙違反を担当する県警捜査2課は「一般論として、投票所での本人確認は厳格に行わなければならない」としている。
 一方、県選管によると、入場券を持参した有権者に対し、さらに身分証明書を求めることは通常ない。「個人確認を厳重にすれば、手続きが煩わしいと思う有権者は投票から足が遠のいてします可能性がある」とチェック体制を強化することの難しさを指摘する。

**********朝日新聞2014年4月15日群馬版
安中市長選で2人詐偽投票 投票率を修正
 安中市は4月14日、同市長選の13日の投票で男女2人が他人の投票所入場券を使って詐偽投票(なりすまし投票)をしたと発表した。投票者数を2人減らして、投票率も当初発表の55.26%から55.25%に修正した。投票済みで2人の投票内容が確認できないために、候補者の得票は変更しない。
 市によると、2人は午後5時前に一緒に投票した。見慣れない人と気づいた立会人が問い質し、入場券記載の有権者とは別人だとわかった。市から連絡を受けた安中署が公職選挙法違反の疑いで調べている。

**********読売新聞2014年4月15日群馬版
なりすまし投票疑い 市選管が投票率訂正
 安中市選管は4月14日、同市長選で、男女2人が他人に成りすまして投票したと発表した。安中署は公職選挙法違反(詐偽投票)の疑いで調べている。
 市選管によると、2人は13日午後、市内の投票所に一緒の訪れて投票したが、選挙人名簿に記載されている人と顔見知りだった立会人が、別人の疑いを指摘した。市選管は安中署に通報し、14日になって2人が他人の入場券で投票していたことを同署から確認した。
 市は13日夜、2人を投票者総数に含めて投票率を55.26%と発表したが、14日に県選管と協議した結果、投票総数は変えず、投票者総数を2人減らして投票率を55.25%とする訂正を発表した。2人は有効投票となった可能性がある。
 市選管の田中毅書記長は「なりすまし投票の事実確認が13日中に取れなかったため、確定後の訂正になった」と説明している。
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■せっかくクリーン選挙でしめくくろうと考えていた当会は、今回の市長選挙に汚点を残すことになったこの事件について、さっそく安中市の選管担当者に事情を確認すべく、連絡を取ってみました。

 市選管の説明は次のとおりでした。
(1)市内のどの投票所で起きた出来事なのかは、警察に口止めされているので、言えない。
(2)なりすまし投票の可能性を連絡してきたのは、当該投票所に居た立会人ではなく、同じ投票所で事務をしていた市職員だった。
(3)今回、なりすまし投票が発覚した経緯は、投票所で投票を済ませた男女2名が、立会人にとって見知らぬ人だったので、男女2名が投票所を去った後、念のため市職員に入場券を見せてもらったところ、立会人のよく知っている人物の名前だったので、投票した男女がなりすまし投票だったことが発覚したもの。
(4)市選管には捜査権がないため、市職員からのなりすまし投票の可能性のある今回の発生事案だけを警察に通知しただけ。
(5)したがって、なりすまし投票が実際にあったのかどうかも含め、すべて警察の捜査に委ねられている。
(6)今後、捜査の結果について、警察から選管に情報があるのか、仮にあったとして、それを市民に通知するかどうか、については、警察の捜査が今進められている現状なので、なにもコメントできる立場にない。
(7)また、警察から捜査結果について報告が来た場合でも、それを市民に公表できるかどうかは警察の指示によるので、いまここで公表を約束することはできない。また、警察の指示により、報告があったかなかったか、についてさえ、公表できないことがあるので、理解しておいてほしい。
(8)なお、マスコミ報道は、今回の事件についてまとめたものをいつものようにFAXで各社に送信した。したがって、投票所の場所や、入場券をもっていた有権者2名から、なぜ2名の若い男女に入場券が渡ったのかについての経緯も含めて、警察に口止めされた情報はマスコミにも伝えていない。

■このため、安中市選管に対して、当会から、次の提案と要請を口頭でさせていただきました。←コメントは選管の見解。←←コメントは当会の見解。

◎提案1
 立会人は、その地区に住み、地域活動している人物をできる限り起用する事(野殿地区は区長経験者が担当しており、この点適任と思われる) ←投票立会人とはそもそも、投票人を監視する事ではなく、投票人の権利を擁護するために配置されている者。疑心暗鬼で投票人のことをあれこれ詮索する立場ではない。 ←←投票立会人は、公職選挙法第38条で規定されているものであり、各投票所の投票で不正がないかどうかを監視するのが仕事のはずなので、今回の立会人の方はその任務を立派に果たしたことになる。投票所ごとに投票立会人が2名以上5名以下を必要とするため、出来る限り、投票所の対象地区をカバーでいるような人選が望ましい。


◎提案2
 市職員が使用するパソコンから、モニター画面を別のパソコンに送り、投票しに来た住民の名前が立会人に分かるようにしておくこと。 ←投票立会人とはそもそも、投票人を監視する事ではなく、投票人の権利を擁護するために配置されている者。疑心暗鬼で投票人のことをあれこれ詮索する立場ではない。 ←←今回の事件でも、受付で若い男女2名が差し出した入場券に記載されている氏名が立会人に分かれば、その場で本人たちに問い質すことができ、投票箱に投票用紙が入れられる前に違法行為の是正措置がとれたと思われ、再発の抑止力になると思われる。


◎提案3
 住基ネットなどと連動させて、基本的な個人情報を選挙人名簿の備考欄に示せるようにすること。 ←選挙人名簿は公職選挙法にもとづく書類であり、住基ネットとは別。したがって、そのような情報を組み込むような規定になっていない。 ←←住基ネットの導入により、住民の個人情報は、行政によって、既に十分一元管理できる体制になっているはず。やろうと思えばできるはず。

◎提案4
 投票所で事務をとる市職員も、なるべくその地区出身者を配置するようにすること。 ←現状でもなるべくその投票所のある地区の出身者を配置するようにはしているが、実際にはなかなかそういうわけにはいかない。 ←←職員には、普段、いつも事務所に閉じこもっているのではなく、なるべく地区の集まりに顔をだして、地区の住民に溶け込む努力をさせるべきだ。


◎提案5
 やはり運転免許証など顔写真付きの身分証明をできるだけ持参するようにすること。あるいは、本人の誕生日を言ってもらってもよいのでは。

◎要請1
 今後、警察の捜査の進捗が判明次第、都度、市民に経過を公表してほしい。 ←あくまでも警察の指示に基づいて判断する。警察から口止めをされれば、公表するわけにはいかない。したがって、選管しては何とも言えない。

◎要請2
 今回の事件は、氷山の一角に過ぎないと思われる。徹底的に再発防止策を講ずる必要があるので、いろいろ知恵を絞ってもらいたい。

■しかし、選管の返事は、「捜査権限がない」「IT時代とはいえ、選挙人名簿はITには馴染まない」「立会人の年齢層は幅広く、パソコンを扱えない人も多い」など消極的な反応に終始しました。

 この分では、同種の事件は水面下で後を絶たないと思われます。その意味でも、今回の事件でなりすまし投票を見抜いた立会人のかたは、ぜひ表彰すべきだと思います。

■当会がこれまでの選挙を通じて知り得た、不正投票をする手口としては、次の方法があります。

@ 最初に、投票所に行った人が、実際には投票用紙をもらっても、投票したふりをして、それを投票せずに持ち帰る。

A 続いて、2番目に投票に行こうとするひとが、その白紙の投票用紙にあらかじめ候補の名前を書いて、それを確かめた人からおカネをもらい、候補者の名前を書いた投票用紙をポケットに入れておき、入場券を持って投票所に行き受付をして、白紙の投票用紙を受け取る。

B 白紙の投票用紙に候補者の名前を書くふりをして、実際にはポケットに入れた候補者指名記載済みのものを投票箱に入れ、白紙の投票用紙を持ち帰る。

C 以上のサイクルを繰り返し、最後の人が、前の人からもらった白紙の投票用紙に候補者の名前を書き、投票所でもらった白紙の投票用紙にも同じ候補者の名前を書き、2枚重ねで投票箱に入れる。

 上記は、票をカネで買う場合、必ず当該候補者に票を入れたことが確認できるので、用いられる不正行為のひとつです。この場合は、最初に白票を持ち出せるかどうかが、ポイントになります。もちろん、こうした行為は不正とみなされますから、決して行ってはなりません。


【4月23日追記】
安中市選管から、当初「これさえ成功すれば、あとはよほどのことがない限りバレません。」とした上記のオリジナルの記載について、「犯罪を助長しかねないので、できれば修正してもらいたい」との指摘がありました。あらかじめ「不正行為」であることの断り書きを入れてありますが、当会のブログを愛読していただいている市選管としては、黙認するわけにはいかなかったようです。そのため当会では、選管からの申し入れを勘案して、上記の赤色部分のとおり修正をしました。


■今回のなりすまし投票が、どのような背景で行われたのか、非常に関心がありますが、既に、警察の手によって捜査がされていることから、一般市民には手が出せなくなってしまいました。このままですと、県警刑事2課は、本件を立件したとしても容疑者らを書類送検にしただけで、マスコミ発表はしない可能性が高いと思われます。

 同じ家族同士で、投票所に行くことも難儀な高齢者のかわりに、家族が本人になりすまして投票する場合から、配布された投票所入場券がだれかに盗まれた場合、あるいは、買収行為など、金銭の授受を伴う投票所入場券のやり取りがあった場合など、なりすまし投票の背景にはいろいろな事情が想定されます。

 今回のなりすまし投票の背景がどのようなものだったのか、安中市選管は、捜査を警察任せにせず、きちんと警察から、今回の事件の背景と原因を聴取すべきです。さもないと、氷山の一角の今回の事件は、闇に葬られて、再び、次回の選挙で頭をもたげる可能性があるからです。

■当会では、引き続き、この事件の推移を選管を通じて、確認していきたいと思います。

【ひらく会情報部・不正選挙撲滅研究班】

※参考情報
【公職選挙法】
(詐偽投票及び投票偽造、増減罪)
第237条 選挙人でない者が投票をしたときは、1年以下の禁錮又は30万円以下の罰金に処する。
2 氏名を詐称しその他詐偽の方法をもつて投票し又は投票しようとした者は、2年以下の禁錮又は30万円以下の罰金に処する。
3 投票を偽造し又はその数を増減した者は、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。
4 中央選挙管理会の委員若しくは中央選挙管理会の庶務に従事する総務省の職員、選挙管理委員会の委員若しくは職員、投票管理者、開票管理者、選挙長若しくは選挙分会長、選挙事務に関係のある国若しくは地方公共団体の公務員、立会人又は監視者が前項の罪を犯したときは、5年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。





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