大同スラグ汚染問題で群馬県が現場採取したスラグを分析試験し早くも安全宣言・・・臭いものにフタ?  スラグ不法投棄問題

■大同特殊鋼渋川工場で、合金鋼などの製品を製造する際に生ずる副産物の鉄鋼スラグにフッ素や六価クロムなどの有害物質が含まれていたものが、スラグ採石として路盤材や埋土・盛土などとして公共工事に使われていた問題で、市民オンブズマン群馬が、平成26年3月3日付で公文書開示請求をしたところ、群馬県から同3月25日に開示を受けました。


 その内容を踏まえて、市民オンブズマン群馬では、同4月1日付で群馬県知事に緊急是正措置として、直ちに有害物質の溶出の有無や程度を分析試験することなどを含む7項目の申入れをしていました。

■その結果、4月2日に群馬県知事が緊急に記者会見で、次のとおり、この問題について再調査をすると発表しました。

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○鉄鋼スラグ砕石問題について
(記者) 先日、国交省の関東地方整備局が、大同特殊鋼のスラグの関係で、国道17号などを調査した結果、6カ所中1カ所から環境基準を超えるフッ素が検出されたという発表がありましたが、このことについて知事としてどのように受け止めていますか。また、県の管轄分について何か対応を考えていますか。
(知事)国交省が6カ所の工事現場を調査し、渋川市内から基準を超えるフッ素が検出されたとの報告は受けております。県でも毎年実施している地下水の概況調査では異常は確認されていない状況でありますが、県民の安全を第一に考えまして、直ちに周辺調査、飲み水への影響などを調査するよう担当に指示をしたところです。
 なお、群馬県として27カ所の工事で使用しておりますが、環境森林部で2工事、農政部で4工事、県土整備部で21工事。県で使用しているのは、砕石に鉄鋼スラグを15%程度混入した混合スラグ砕石でありまして、渋川の問題とはちょっと違うと思っております。27工事で使用した混合スラグ砕石は、品質規格証明により環境基準への適合を確認しておりますが、県民の安全・安心を確保するためには、品質の規格証明はありますけど、もう一度調査をするよう県土整備部へ指示したところです。
(記者)27カ所の調査をされるのですか。
(知事)抽出してです。
(記者)サンプリング調査ということですか。
(知事)そうです。
(記者)いつ頃までにとか、そういう具体的なスケジュール等は詰まってますか。
(知事)県土整備部長に確認してください。先日、指示はしております。
(記者)大同特殊鋼の方に、何か、調査の結果が出てからかもしれませんけれども、行政処分なり、県としての、何か損害が出た場合の賠償請求まで見通していらっしゃるのでしょうか。
(知事)1月に工場を立ち入り検査いたしまして、その後、いろいろと分析検討しているわけですけれど、国の方とも協議をしながら、今調査を詰めているところであります。
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■その後、市民オンブズマン群馬では、同4月4日付で、なぜ群馬県が、このように有害で危険な鉄鋼スラグがスラグ混合砕石として市場に流通するのを止められなかったのか、その理由が海事情報に含まれていない、として異議申立てを行っています。こちらのほうは、ようやく最近、群馬県公文書開示審査会に諮問されたという連絡が市民オンブズマン群馬事務局にありました。

■一方、群馬県知事が有害な物質が含まれる大同スラグが混入された砕石が使われた公共事業工事で、現場からスラグを採取して分析試験をした結果が、先日、5月9日に、群馬県建設企画課により発表されました。

 このことを報じた記事は次のとおりです。

**********朝日新聞2014年5月10日群馬版
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■スラグ採石の県調査、有害物質基準値以下
 大同特殊鋼渋川工場(渋川市)が排出したスラグに六価クロムなどの有害物質が含まれていた問題で、県は5月9日、このスラグを含む砕石を使った県の工事現場のうち、調査した6か所は、いずれも有害物質の含有量が基準値以下だったと発表した。
 県建設企画課によると、スラグ採石が使われた工事現場は渋川市や榛東村の国道や排水路など27カ所。このうち工事年次や地域などで抽出した渋川市や東吾妻町、水上町の計6カ所について分析試験をした。

**********上毛新聞2014年5月10日社会面
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スラグ使用道路 環境基準下回る 件、6件分析試験
 鉄鋼メーカー、大同特殊鋼渋川工場(渋川市)のスラグ問題で、県は5月9日、スラグを含んだ採石が使われていた県監理道路など公共工事6件の分析試験をした結果、いずれも環境基準を下回ったと発表した。
 県によると、県内では公共工事27件でスラグを含んだ採石が使われており、この中から抽出して分析試験をした。フッ素など8項目の値を調べたが、全て環境基準に適合していた。
 一方、土壌汚染が見つかった同市半田の国道17号周辺の井戸7カ所を調べ、フッ素の濃度が環境基準以下だったことも確認した。
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■また、群馬県においても、ホームページで分析試験結果について、「抽出した6つの工事全てで、基準値以下に収まっている」と発表しました。

**********http://www.pref.gunma.jp/houdou/h8100035.html
【5月9日】大同特殊鋼(株)のスラグ砕石に係る調査結果について(建設企画課)
県工事における鉄鋼スラグを含む砕石の分析試験の結果について
大同特殊鋼(株)の鉄鋼スラグを使用した県施工の27工事については施工にあたって品質規格証明書により安全性を確認していますが、現地での安全性を確認するため、「環境安全品質基準(8項目)」の分析試験を実施しました。
その結果、抽出6工事すべてにおいて基準に適合していることが確認できました。
(1)鉄鋼スラグを含む砕石の使用状況について
 群馬県では平成21年度以降、27工事で大同特殊鋼(株)の鉄鋼スラグを含む砕石を使用したことを確認しています。
内訳は、環境森林部2工事、農政部4工事、県土整備部21工事です。
(2)使用した砕石について
 いずれも砕石に鉄鋼スラグを15%程度混合した砕石を使用しています。
 使用にあたっては、都道府県知事の登録を受けた試験機関の品質規格証明により基準への適合を確認しています。
(3)分析試験の結果について
 現地で使用している砕石について基準への適合を再確認するため、27工事から、使用年度、使用量、使用地域、使用形態などを勘案して、代表的な6工事を抽出し分析試験を実施しました。その結果、6工事すべての箇所において基準値以下であることが確認できました。
(4)鉄鋼スラグを使用した県工事の安全性について
 品質規格証明が提出された鉄鋼スラグを使用した県工事については、現地で採取した砕石による分析試験結果でも基準に適合していることが確認されたことにより、県工事における鉄鋼スラグを含む砕石は環境上安全であると判断します。
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このページについてのお問い合わせ
県土整備部建設企画課
〒371-8570 前橋市大手町1-1-1
電話 027-226-3531
FAX 027-224-1426
kensetsukika@pref.gunma.lg.jp
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■驚いたのは、群馬県が、27の工事案件のうち僅か6か所でサンプル採取による測定をした結果だけをもって、「品質規格証明が提出された鉄鋼スラグを使用した県工事については、現地で採取した砕石による分析試験結果でも基準に適合していることが確認されたことにより、県工事における鉄鋼スラグを含む砕石は環境上安全であると判断します。」と、性急に安全宣言をしてしまっていることです。

 この件については、市民オンブズマン群馬としても、独自に調査を進めています。群馬県の分析結果については、ホームページで安全宣言がされていますが、どの場所で、どのような形でサンプリングを行い、分析結果は数値的にどうだったのか、については、発表されていません。群馬県に詳しい分析手順と結果のデータを確認する必要があります。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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