渋川市における有害な製鋼スラグ投棄事件に関する中間考察(その6)  スラグ不法投棄問題

■今回の事件を通じて見えてくるのは、事件当事者として循環型社会に異を唱える人たちの存在です。


 国は、循環型社会を形成するため、「環境基本法」をはじめ「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)」・「資源有効利用促進法」を制定し、平成14年には「建設資材リサイクル法」を完全施工し、建設廃材の再資源化を推進しています。

 循環型社会を念頭に、建設副産物を適正処理することが求められているのは事実です。群馬県の建設工事の執行に関して必要な事項を定めた、「群馬県建設必携(通称:赤本)」を例にとると、再生資源の利用及び再生資源化施設の活用を図ることを目的とした「再生資源の利用に関する実施要領」及び「建設副産物から生産した再生材の使用に関する仕様書」を定め運用しております。

■このなかで、再生材の利用、再資源化施設への搬出は建設工事の契約事項とされ、計画から実積に至るまで報告するよう具体的に定められ、また再生砕石は建設工事に伴い生じたコンクリート・アスファルト塊等と記述されています。

 この背景には、当時、建設省が定めた「建設副産物適正処理推進要綱」も記載され、再資源化とは建設副産物を建設工事の資材として利用できるようにする行為であり、続く「公共建設工事における再生資源活用の運用について」で、建設省が発注する工事において経済性にかかわらず実施する」と、建設副産物の再資源化が強く求められているのです。それは、建設リサイクル法が完全施工された今でも、当然改定されることはありません。

 ・県や国の建設工事から、廃棄物を減らすため建設廃材を産業廃棄物中間処理業者に処理させ、再生砕石としてリサイクルさせる。
 ・リサイクルにあたっては許可制とし、有害物質等問題が起きないよう、県で厳しく指導監督する。
 ・そして、リサイクル、すなわち循環システムを軌道に乗せるため、建設工事では建設廃材由来の再生砕石を優先利用する。

 このどれが欠けても、循環型社会は形成し維持することはできないのです。

■コンクリート・アスファルトを中間処理業者に処理させる一方、それを建設工事で利用しないと、中間処理業者に処理したリサイクル品があふれ中間処理業者は廃業しなければなりません。

 大同特殊鋼から出る廃棄物は、建設廃材由来の廃棄物ではありません。しかも有害物質を処理することなく、厳しい指導監督を受けない中間処理の許可を持たない無許可業者に処理させ、尚且つ、最終処分を免れて浮いた資金で逆有償取引を行い、建設リサイクル品よりはるかに安く、有害廃棄物リサイクル品を供給できるようになると、正規の建設廃材リサイクル品は市場から締め出され、循環型社会は崩壊してしまいます。

●疑問9「公共建設工事において再生砕石を差し置いて、スラグ混合砕石が設計図書に記載されたことがあるのでしょうか?」

 赤本は平成23年に改定されていますが、再生資源の利用に関する実施要項は変更されていません。また、建設資材リサイクル法を無視した通知を、赤本以外に通知することなどあってはなりません。

 この不法投棄事件では、建設廃材リサイクル品・再生砕石を使用すべき国や県の公共建設工事でスラグ混合砕石が使われてしまっています。設計図書は再生砕石で記載されているはずで、なぜ記載通りに工事が施工されないのか、その理由と背景についてなにがあったのか、問題視されなければなりません。

■以上で、この事件に関する中間考察をひとまずまとめることにしますが、このあと、群馬県が県の関係機関あてに発出し今回の有害スラグ不法投棄の端緒のひとつとなった書類と、当会が入手した情報の検討結果を示しました。今回の事件は、本来、群馬県行政がしっかり目を光らせていれば、早期に抑止できたはずですが、実際は逆に、行政が率先して、違法行為を助長した形になっています。当会は引続き、この事件の調査を継続し、事件の全貌を明らかにしてまいります。

以上

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告・この項終わり】



(別紙)

【県建設政策室の通知】**********

                監第647−003号
                 平成22年6月11日
県土整備部内所属長
土木事務所長    様
関係機関の長
              県土整備部監理課
              建設政策室長倉嶋敏明
砕石骨材(クラッシャラン:C−40及びC−100)にクラッシャラン鉄鋼スラグ(CS−40)をブレンドした骨材の取扱いについて(通知)
 本県では、再生資源の利用及び再資源化施設の活用を図ることを目的とした「再生資源の利用に関する実施要領」及び「建設副産物から生産した再生材の使用に関する仕様書」を定め運用しているところであり、工事目的物に要求される品質等を考慮したうえで、原則として再生骨材を利用することとなっております。
 近年、中毛地区及び北毛地区において砕石骨材(クラッシャラン:C−40及びC−100)に電気炉クラッシャラン鉄鋼スラグ(CS−40)をブレンドした骨材が流通しており、国、県、市町村が発注する公共工事での使用実績も多数あるとの報告を受けております。鉄鋼スラグの使用も再生資源の有効活用に繋がることから、下記のとおり取扱いを定めます。
 なお、土木事務所におかれましては、管内市町村への参考送付をあわせてお願いします。
       記
1.砕石骨材(クラッシャラン)にクラッシャラン鉄鋼スラグをブレンドした骨材は、積算基準(地区単価)、出来高管理基準、品質管理基準を再生骨材と原則同様に取扱う。
@構造物の基礎工及び裏込材:C−100とCS−40のブレンドした骨材はRC−100と同様に取扱う。
A車道用下層路盤工:C−40とCS−40のブレンドした骨材はRC−40と同様に取扱う。
B当初設計では構造物の基礎工及び裏込材(RC−100)、車道用下層路盤工(RC−40)で積算し、工事請負業者が実施工でブレンド材を使用した場合にも変更設計の対象としない。
2.CS−40がブレンドされていることから、ブレンドされる前のCS−40について下記の膨張性試験結果@を提出させる。(鉄鋼メーカーの試験成績表での代用も可とする。)
@品質管理基準及び規格値(ブレンドされる前のCS−40、使用1ケ月以内)
 下層路盤工:鉄鋼スラグの水浸(蒸気)膨張性試験1.5%以下
     (道路用スラグの呈色判定試験は電気炉スラグの場合は必要無し)
また、土壌汚染対策法における鉄鋼スラグに残留のおそれのある5品目についてブレンドした後の下記のA溶出・含有試験結果を提出させる。(骨材プラントの試験成績表での代用も可とする。)
A5品目の溶出・含有試験結果(ブレンドした後、使用1年以内)
5品目成分名/土壌環境基準値【溶出量(mg/|)注1・含有量(mg/kg)注2】
六価クロム化合物  /  ≦0.05 ・≦250
セレン及びその化合物/  ≦0.01 ・≦150
鉛及びその化合物  /  ≦0.01 ・≦150
ふっ素及びその化合物/  ≦0.8  ・≦4,000
ほう素及びその化合物/  ≦1 ・≦4,000

【上記通知に関する雑感】**********

 この文書は、県土整備部内所属長、土木事務所長、関係機関の長あてに、群馬県県土整備部監理課の建設政策室の倉嶋敏明室長の名義で発出されました。
 同室長はこの中で、「本県では、再生資源の利用及び再資源化施設の活用を図ることを目的とした『再生資源の利用に関する実施要領』及び『建設副産物から生産した再生材の使用に関する仕様書』を定め運用しており、工事目的物に要求される品質等を考慮したうえで、原則として再生骨材を利用すること」と述べています。
 これは、循環型社会推進基本法の理念から、当然の記述であり、公共工事現場から出る廃棄物を極力抑制し、建設副産物を再生資源化した再生骨材を優先使用することを意味しています。これは、群馬県の建設工事の執行に監視、必要な事項を定めた建設工事必携にも記載されています。
 ところが、なぜかそのあとに続けて、次のように記載されています。
「近年、中毛地区及び北毛地区において砕石骨材(クラッシャラン:C−40及びC−100)に電気炉クラッシャラン鉄鋼スラグ(CS−40)をブレンドした骨材が流通しており、国、県、市町村が発注する公共工事での使用実績も多数あるとの報告を受けており、・・・」
●ブレンドした骨材が流通している〜???
 佐藤建設工業が、「スラグ混合砕石」を「再生砕石」と偽って販売しております。試験結果報告書の試料名を「再生砕石40〜0」にし、末尾にスラグ混合砕石の試験表を忍ばせる手口で建設副産物から生産した再生材を装っています。このことが流通していると言えるのでしょうか?
 また、「電気炉クラッシャラン鉄鋼スラグ(CS−40)をブレンドした骨材」に関する規定が群馬県工事必携に記載されていないのに、また公共工事で設計図書に記載されていないのに、使用実績が多数あるのは問題とならないのでしょうか?多数報告を受けていればその中身を調査分析するのが、県民の生活を守る役人諸氏の責務ではないのでしょうか?
 さらに、「鉄鋼スラグの使用も再生資源の有効活用に繋がる」と独自に判断して、「砕石骨材(クラッシャラン)にクラッシャラン鉄鋼スラグをブレンドした骨材は、積算基準(地区単価)、出来高管理基準、品質管理基準を再生骨材と原則同様に取扱う」と勝手に決めてしまっています。
●独自に判断した〜???
 建設工事必携には国が定めた「建設副産物適正処理推進要綱」も記載され、建設工事の執行にあたり循環型社会形成を推進する姿勢がうたわれています。このなかで「再生資源」とは「建設副産物のうち有用なもの」と規定されています。建設副産物を差し置いて、一民間企業から出る鉄鋼スラグを再生資源と独自に判断することは、建設資材リサイクル法が完全施工された今、法律違反であり、身勝手な独自な判断と言わざるを得ません。

【逆有償取引とは】**********

 「逆有償取引」とは、製造元に経済的損失が生じている取引形態のことです。
 別の図で説明の通り佐藤建設工業村上砕石場から「切込砕石40〜0」を運び、これと大同特殊鋼のスラグを混ぜたとき、
 切砕40〜0    単価2300円/㎥・・・仮に80%とする
 スラグ砕石    単価100円/㎥・・・仮に20%とする
とすれば、このスラグ混合の砕石の単価は、
 2300円×0. 8+100円×0.2=1860円/㎥
となるはずのところ、佐藤建設工業は、群馬県中どこへいっても1300円で売っていたようです。
 通常であれば、売れるわけがありません。再生砕石の相場を見ても1900円といったところです。
 仮に配合比率が逆の場合だったら、
 2300円×0.2+100円×0.8=540円/㎥
となります。これなら1300円で売れるし、商売として成り立ちます。
 このように、商売として成り立つことが通常の商取引の基本です。人は利益を得る為に働くからです。
 ということは、もっと良いビジネスとするには、何も混ぜないで、スラグ砕石100%として売るのが、一番利益を上げられるでしょう。
 スラグ砕石は実際、水資源機構・群馬用水の現場では、何も混ぜずに100%そのままで使用されています。そのため、六価クロム・フッ素が基準値以上で検出されています。つまり、大同特殊鋼のスラグは、そのままでは砕石として使用することができない毒物が含まれているのです。100%そのままでは使えない毒入りの不要物を、世間の常識では「廃棄物」というのではないでしょうか?毒物が含まれているから、混合砕石を装うことしか方法がなかったのでしょう。
 赤字覚悟で、1300円でダンピング販売していたのなら、長続きしません。裏では、大同特殊鋼から、3000円/㎥近いカネが、「運送費」という名目で佐藤建設工業に支払われていたそうです。表向きはスラグを売るフリをしておきながら、実際には処理費を出す。これこそがまさに、「逆有償取引」なのです。
 淡路島では、書類上販売したことにして、実際は野積みにして多額の金を得て放置し、地域住民に被害を与えた事件が起きたことから、この「逆有償取引」は廃棄物処理法の適用を受けることになりました。大同特殊鋼のスラグは毒物が含まれており、性質からも、取引形態からも、産業廃棄物そのものです。大同特殊鋼は長年にわたり、不法投棄を繰り返していたことになります。現在は、大同特殊鋼のスラグは、長野県にある遮断型最終処分場に廃棄されています。このように、大同特殊鋼のスラグは、危険きわまりない毒入りゴミなのです。

【工業製品としての考察】**********

 土壌汚染対策法では、以下の基準を定めています。(単位:mg/L)
   六価クロム  0.05mg/L
   フッ素    0.8mg/L
 この基準値がある以上、工業製品は全てこの数値以下であることが求められているのです。日本工業規格(JIS)でも同じ規定が為されており、他県で流通する道路用鉄鋼スラグは、当然、上記の基準値以下となっています。
 ところが、群馬県だけは、とんでもない毒入りスラグが認可され、使用されているのです。公にされただけでも、次の事例があります。

●平成26年3月28日発表の国土交通省「半田改良その4工事」で使用したスラグのフッ素の値は、なんと4.4mg/Lでした。
●平成26年3月28日発表の群馬用水榛名幹線で使用したスラグの値は、フッ素1.0m g/L、六価クロム0.085mg/Lでした。(ちなみに、現場は雨ざらしで、有害物質は流れてしまっています)
●平成25年12月27日発表の渋川市スカイランドパークはさらに深刻です。フッ素の値が4.0〜4.7 g/L、六価クロムが0.55〜1.0m/Lでした。

 これは、大同特殊鋼のスラグが、元来含有している有害物質の値です。当然のことながら、工場出荷時には、あってはならない数値です。世間の常識によれば、工業製品として売れないものは廃棄物なのです。
 この廃棄物であるスラグを積んだトラックが一般道を走る場合には、廃棄物収集運搬の許可を持つ業者によって、細心の注意を払いながら、運搬されなければなりません。大同特殊鋼のスラグ砕石は、猛毒の有害物質が入った産業廃棄物です。
 大同特殊鋼と佐藤建設工業は共謀して、不法投棄事件を長年続けていたのです。「排出源の大同特殊鋼渋川工場から20km離れた場所で、毒物を薄めればいいんだ」などという悪魔の囁きに負けて、良識を失ってしまったのです。このような不誠実な企業に、なぜ群馬県県土整備部建設政策室はお墨付きを与えたのでしょうか?
 さて、渋川市スカイランドパークで測定された汚染値は極めて深刻です。六価クロム0.5以上は、特に環境に深刻な影響を与える「特別有害廃棄物」にあたり、産業廃棄物とは区別され、特別管理産業廃棄物に指定されています。運搬についても、特別な許可が必要で、最終処分する場合には、一番管理が厳重な遮断型最終処分場に処分しなければならない値です。現在、大同特殊鋼がスラグを廃棄している先は、管理・安定型処分場でなく、長野県の遮断型最終処分場なのです。
 スカイランドパークの駐車場は舗装されていません。子ども達が遊ぶ駐車場です。子ども達が遮断型最終処分場で遊んでいるのと同じことであり、大変危険です。
 有害物質を取り除くことは勿論ですが、それと同時に、今すぐ関係者を逮捕し、証拠隠滅の防止・事情聴取・事件の全容解剖・財産の差押えを行って、地域住民の生活の安全を最優先に確保しなければなりません。

【時系列的考察】**********

 当会が入手した内部資料から、次のことが見えてきました。
●2010年10月
 県土整備部監理課から県庁内部及び出先機関への通知「混合砕石と再生砕石を無理やり同等品とする」
●2010年8月
 りんご団地処分場入口道路工事「発生スラグを再処理、佐藤建設工業に出荷へ(約600㎥)と記載」
 ※当会注:道路の舗装が、スラグの膨張性が原因で傷んでしまったため、大同特殊鋼が、高濃度有害物質入りスラグを中間処理の許可もないのに、掘削・運搬・エイジングという処理をして佐藤建設工業へ出荷。有害物質は処理しておらず汚染が拡散。運搬した佐藤建設工業も、委託契約を結んで折らず違法に運搬。
2010年11月
 三者会議開催(参加者:大同特殊鋼・大同エコメット・佐藤建設工業)。この議事メモに次の吉舎事項あり。
@〈DECO→佐藤〉スラグ納入量1600㎥(3000㎥) 処分場スラグ含む」とメモ。
 ※当会注:DECOとは大同特殊鋼の子会社の大同エコメットの略号と考えられる。りんご団地処分場入口の道路から、高濃度有害物質入りスラグ600㎥のほか、処分場から800㎥を廃棄したのかも?
A「〈佐藤置場〉再生路盤材在庫量 70,219㎥」と記載。「捨てるより運賃など補てんして売ったほうがメリットある しかし脱法できない」とメモ。
 ※当会注:運賃を補てんすれば、逆有償取引となり違法行為になるから、脱法できない、と考えていたことが、このメモから読み取れる。後に、佐藤建設工業から「撤退」の二文字に脅された大同特殊鋼は、佐藤建設工業に対して運賃補てんを始めるが、違法行為になることを知りながら、凶行に及んだと考えられる。佐藤建設工業の巧妙な脅し・揺さぶりがなければ、上場優良企業の大同特殊鋼が、犯罪に走ることはなかったかも?
B「〈佐藤置場〉スラグ納入量が半年で約1000㎥出荷されているが、置場在庫量が27000㎥も増えている」という記載がある。
 ※当会注:2010年10月〜2011年6月にかけて急激に在庫が増えている。大同特殊鋼渋川工場以外からも、スラグが持ち込まれているのか?スラグ納入量に見合う砕石を運んだとしても量が多すぎる
C「佐藤建設 在庫圧縮策として還元スラグ主体(2次ライン20-0フルイ下)に約400t/月 廃棄開始11月〜 上武道路延長工事の受注状況」が記載されている。
 ※当会注:「廃棄開始」と資料に印刷されている。この印刷文は、佐藤建設工業に廃棄を開始し、環境汚染を広げることを意味するのか?とにかく恐ろしい。
D「上層路盤材(M40,M30)銘柄拡大取組み スラグ混合路盤材での上層銘柄拡大の感触を聞きに県訪問 →上層路盤はバージン材のみ使用にて認可ハードル高い →国交省へもアプローチ検討」などと記載。その記載のまわりには、メモ書きがびっしり有り「RC:コンクリートを念頭→環境安全性はない 来春に間に合うように名称から全て見直す 赤本に入れてもらう(何度でも通う) 県議もつかう 設計に入れてもらう」などと、自分勝手なメモが踊っています。
 ※当会注:2010年6月と10月の通知工作により、業者らが県土整備部と癒着していて、スラグ汚染の拡大にあたり、県庁に何度も通っているさまが見て取れます。さらに国土交通省まで癒着しており、ただただ驚くばかりです。また、国・県の再生リサイクルが、建設廃材リサイクル法でコンクリートを念頭に考えられていることを知っており、スラグ混合砕石を再生砕石と偽って販売することが法律違反で、いずれは問題になることを恐れ、名称を早期に改めなければならないと判断。しかし、それでは有害スラグは、販売できないので、また同時に2010年の通知の有効性に疑問もいだいていて、群馬建設工事必携(通称“赤本”)を改定して、県のお墨付きをより強固なものにしようと画策している。ただし、建設リサイクル法にどうしても違反してしまうため、さすがに赤本が改定されることはなかった。世界トップクラスの優秀な頭脳が揃っているのに、その頭脳を、なぜ有害物質を取り除く技術開発に使わないのだろうか?悪事がうまく進み始めると、三社が組織一丸となって犯罪に力を注いで行った様子が見て取れる
●2011年3月
 月額130万円の販売管理料が、支払い開始。
●2011年10月
 産業廃棄物処分場第2期整備工事工程表より「7,8,9月市道改良工事 舗装工事(600㎥のスラグ発生)と記載
 ※当会注:2010年8月同様 高濃度有害物質入りスラグを広範囲に拡散。違法中間処理してしまった大同特殊鋼と、違法運搬した佐藤建設工業は何度も違法行為を繰り返している。群馬県は、これら当事者に対して厳重注意で済ませる話ではなく、早急に全容解明に当たるべきである。同じ穴のムジナだと言われないようにする最後の機会かも。
●2012年6月
 スラグ混合路盤材販売契約書を改定した。「混合路盤材の売買価格は、500円/tとする」と記載。「販売管理料、月額100,000円」と記載。
 同時に覚書も取り交わし「原料運搬4635円/台、販売手数料8000円/台を支払い 佐藤建設から自然砕石を2000円/㎥で購入運賃補助9000円/台」と記載されている。
●2013年6月
 スカイランドパーク駐車場及び道路がスラグが原因で壊れ、入替え工事を実施したところ、高濃度の有害物質が含まれていたことが発覚。
 渋川市議会で質問に答えた市建設部長が、過去施工したスラブを再処理する行為は、産業廃棄物の中間処理の許可が必要で、大同特殊鋼は中間処理の許可をもっておらず、無許可営業で産業廃棄物違反であったこと、また運搬した佐藤建設工業は委託契約なく運搬していて、産業廃棄物処理法違反であったこと、を認めている。 
※当会注:佐藤建設工業は、この有害物質を再生砕石として広く販売してしまっていて、立派な産業廃棄物不法投棄事件となっている。この事件は、渋川市議会が認めた立派な産業廃棄物処理法違反事件なのである。今、日本はほぼ循環型社会になっているが、放って置けば、また産業廃棄物として何十年か後に世に出てくる。水質検査をしているだけでは不十分である。:早急に逮捕・事件の全容を解明し、汚染物質の二次汚染を食い止め、子や孫の世代に対する安心安全を確保しなければならない。

【2011年6月のスラグ混合砕石販売契約の改定】**********

 この契約書及び付属覚書は、不思議な内容になっています。
 なぜなら、全て佐藤建設工業が、運営・販売・運搬しているからです。

 ここで、販売契約書の内容に沿って、大同特殊鋼(契約署名者は子会社の大同エコメット)と佐藤建設工業のそれぞれの製品ステージにおける合意条件を見てみましょう。この中間報告書の冒頭に掲げた次の場所ごとに、検証してみます。

@大同特殊鋼渋川工場(有害スラグ製造排出元):覚書によると、原料の有害スラグを渋川市街にある工場から、約20km離れた東吾妻町箱島にあるB中央混合所まで運ぶ費用単価を4635円/台(=463円/t)で合意。このほか、佐藤建設工業に対して、月額10万円の販売手数料、中央混合所の土地賃料として月額20万円、運搬費補助として平均1台当たり7000円を支払う。
A佐藤建設工業村上砕石場:小野上の山中にある砕石場から4kmほどの距離にある箱島のB中央混合所に輸送することで合意。ちなみに県では、砕石の設計価格を1300円/tと設定。
B大同特殊鋼中央混合所:東吾妻町箱島の中央橋のたもとにある。実際には佐藤建設工業が運営。ここで、@から搬入した有害スラグと、Aから搬入した砕石をバックホウを使って混ぜて「スラグ混合砕石」としたものを、佐藤建設工業に500円/tで販売。
C佐藤建設工業本社(渋川市小野子1839番地):Bから1トン当たり500円で購入。ちなみに、販売契約では㎥当たりの重さ(t)を2トン/㎥と仮定している。大型ダンプ1台で10トンを運搬する。佐藤建設工業は、2011年6月の契約改定以降、施工現場がどんなに遠くても、距離に関係なく1300円/㎥(650円/t)でスラグ混合砕石を販売。

 この契約書は、大同特殊鋼(子会社大同エコメット)と佐藤建設工業との間で結ばれています。内容は、佐藤建設工業がスラグ混合砕石を500円/トンで買うという契約で、その販売にあたり販売手数料として月額10万円を大同特殊鋼が支払う、というものです。
 スラグ混合砕石は、天然砕石と有害スラグを混ぜて製造されますが、原価を推測すると、県の設計価格に基づく砕石の単価を1300円/トンとして、有害スラグの運搬費が463円/トン、混合比率を天然砕石80%:有害スラグ20%と想定した場合、
1,300円/t × 0.8 + 463円/t × 0.2 = 1,133円/t
となります。
 砕石で売れば1300円×0.8=1040円の価値があり、スラグを混ぜれば1133円で売らないと損をするものを、500円で買うことが出来るのでしょうか?かなり不思議な契約書の内容になっています。
 また、佐藤建設工業が購入・販売管理したスラグ混合砕石を、実際には佐藤建設工業が運搬しているにもかかわらず、付属の覚書の書類上は、「群馬丸太運輸が運搬する」という記載がされています。産業廃棄物処理を、巧妙に隠蔽工作しているさまが見てとれます。なぜなら、群馬丸太運輸(渋川市石原500)は、親会社の丸太運輸http://www.maruta.co.jp/のグループ会社で、丸太運輸は大東特殊鋼のグループ会社(持分法適用会社)だからです。
 覚書には、平均7,000円/台の運搬費が記載されています。年間にすれば、約1億5千万円もの処理費用が、大同特殊鋼から佐藤建設工業に、「運搬費」の名目で支払われていたと考えられます。このサンパイ処理費用を「運搬費」と欺くために、自分の関係会社である群馬丸太運輸の名義をも利用するという、故意で極めて悪質な不法投棄隠しを目的とした記載内容となっています。
 さらに、スラグ混合路盤材販売契約書を締結すると同時に、土地契約も結ばれています。
 これは、佐藤建設工業が大同特殊鋼に、月額205,000円で土地を貸す契約であり、別途両者が結んでいる「スラグ処理業務及び混合路盤材等製造委託契約」により、佐藤建設工業の土地で、大同特殊鋼がスラグ混合所を運営する形態になっています。つまり、渋川工場から約20km離れた東吾妻町の佐藤建設工業の土地も、大同特殊鋼の工場の一部として、書類上に記載しているのです。
 しかし、契約書や覚書には、「大同特殊鋼指定の外部混合場」とか「(株)佐藤建設工業混合所」とか、表記が混在しており、強引な隠蔽工作による混乱で生じた付け焼刃の文書であることが見て取れます。
 大同特殊鋼は、佐藤建設工場所有土地が20km離れた場所であっても、自分の工場の一部と見せかけ、スラグを砕石に混ぜる行為が産業廃棄物の中間処理にあたらない、としたかったのでしょうが、このように悪事の魂胆を隠し切れていません。
 実際には佐藤建設工業がこの混合所を運営したため、ずさんな混合・販売がなされて、有害物質を含んだスラグが一層拡販されて、汚染がさらに拡大してしまいました。
 大同特殊鋼が、佐藤建設工業の土地を、あたかも自分の工場の一部と見せかけたかった理由は、もともとスラグの有害物質を消せなかったからです。天然砕石に有害物質をほんの少し混合することにより、環境省指定の検査をクリアしようとしたのです。その際に、外部の工場で混合することは、産業廃棄物の中間処理にあたると自ら気が付き、悪質な隠蔽対策を行ったのです。
 大同特殊鋼の関係者は、渋川工場から有害物質が出荷されて、ダンプトラックで一般道を走った時点で、産業廃棄物となることを理解していたと見られます。だから、大同特殊鋼は、わざわざ手の込んだ複数の契約書や覚書を作成したのであり、今回の有害スラグ拡散問題が、佐藤建設工業を利用した故意で悪質な不法投棄事件であることを示しています。
 もちろん、佐藤建設工業のほうも、以前と同じことをしているのに、土地を貸すことになったり、「スラグ混合再生路盤材」から「スラグ混合路盤材」と商品名称が変更(再生の文字が消えた)になったり、また、直接、大同特殊鋼と契約できる立場でありながら、有害スラグの運搬については群馬丸太運輸への名義貸しを承諾していることからも、産業廃棄物の不法投棄であることを十分理解していたと考えられ、この不法投棄事件の共同正犯となっています。

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