2008/9/27  10:26

不要な配水管工事への公金支出を問う住民監査請求を提出  安中市の配水管布設工事中止事件

■今年初め、地元安中市で話題となった前代未聞の入札済み配水管工事の着工直前の中止問題で、当会は、昨年の入札執行日から1年経過を目前に控えた平成20年9月26日に、岡田義弘市長に関する措置請求(住民監査請求)を安中市監査委員に提出しました。


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安中市職員措置請求書
安中市長に関する措置請求の要旨
1 請求の要旨
第1 対象行為
安中市長による平成19年9月27日執行分の野殿(ヒヤ)地区配水管φ150布設替工事事業。
第2 違法・不当の理由
 この事業に関して、執行後から5ヶ月以上経過した平成20年2月5日の上毛新聞朝刊で、次のように報じられた。
 安中市が発注し入札を終えた公共工事が着工直前に市の意向で取りやめになったことが2月4日、分かった。発注者側の都合で公共工事を取りやめるのは「前例のない異例の措置」(県)。市は「財政事情や住民負担の軽減など総合的に勘案した」と説明している。野殿地区で行われる予定だった配水管布設工事で、現在実施している市道改良工事に合わせて、地中の水道管を移設する計画だった。昨年9月に指名競争入札が行われ、市内業者が約7百万円で落札。1月7日に着工予定だった。だが、市は厳しい財政事情や交通規制に対する住民の苦情を考慮し、12月下旬、工事の必要性を確認するための現地調査を実施。「敷設工事をしなくても支障は出ない」と結論付け、1月4日に取りやめを急遽決めた。この結果、路面整備の工期が約1ヶ月短縮され、片側交互通行の交通規制が3月下旬で終わる見通しという。
 この事業の中止により、安中市長は業者に約300万円を支払ったが、同事業に公金を支出した事は、次の理由で、無駄な事業に対する公金支出(地方自治法2条13項違反)にあたり、違法・不当である。
1) 上水道課は、配水管布設替工事を計画するに当たり、平成19年6月ごろに図面を描いたが、その際に、東京ガスの高圧ガスの布設ルートにそって、敷設する計画をたて、平成19年9月27日に入札した。
2) ところが、先行する東京ガスの高圧ガス管布設作業が済んだ後に、なんらかの理由で、既設配管をそのまま使用することで問題ないと理屈を付けて、平成20年1月4日に工事の中止を決めた。
3) 東京ガスの図面は平成19年7月23日に描かれたが、そこには配水管布設替工事のルートでなく、既設ルートが明記されていた。なお、この図面は安中市に提出されており、当然安中市長はその内容を知っていた。にもかかわらず、入札を執行した。
4) 東京ガスは、高圧ガス管の布設に伴い、配水管など他の布設物の付替え等を必要とする場合には、東京ガスの負担で事業を実施する旨、安中市長に確約していると明言している。したがって、どのような理由があったとしても、東京ガスの高圧ガス管布設に伴う配水管の布設替え事業はすべて東京ガスが負担すべきものであり、本件事業の入札そのものの必要性はそもそも成立し得ない。
5) ところが安中市長は、当初から東京ガスへの負担についてまったく考慮することなく、挙句の果てに事業の必要性そのものがなかった、などとして、無駄な支出を正当化するため、「財政事情や住民負担の軽減など総合的に勘案した」などと、本当の理由を隠した。
6) 本件事業中止決定により、落札業者に対して、安中市長は、仕掛かり費用弁済と称して、管材の買上げとして約300万円を支払った。この事業そのものが不必要であるため、無駄な事業に対する公金支出にあたる。
7) 安中市長は、買い上げた管材は、あとで別の配水管工事に充当するから、これは無駄な支出ではないと主張しているが、事業そのものが不必要であり、この言い訳は失当である。
 以上のように、安中市長は事業の必要性についてろくに検討もせず、無駄な工事を執行したため、このような無駄な公金の出費に至ったものである。その背景には、事業による地元住民への通行等に与える迷惑などを軽視する姿勢が垣間見られる。不必要な入札を行ない、大切な公金が無駄に使われたので、再発防止のためにも、監査委員はきちんと監査しなければならない。
第3 回復不可能な損害発生
すでに同事業に関する公金支出が計上されており、無駄な支出が確定している。
第4 監査委員に求める措置
安中市監査委員は、安中市長に対し、違法に支出した約300万円の全額返還を命じること。
2 請求人
  住所  安中市野殿980番地
  職業  会社員
  氏名  小川賢(自署) 印
地方自治法第242条第1項の規定により別紙事実証明書を添え必要な措置を請求します。
平成20年9月26日
安中市監査委員あて
【事実証明書】
対象行為に関する情報
1 平成19年12月13日安水上発第17283号 配水管布設替工事のお知らせ(回覧)
2 平成20年2月5日上毛新聞朝刊記事
3 平成19年6月ごろに安中市上水道課により描かれたとされる工事図面
〔説明:右下に、ガス到達坑と書かれた四角があり、その左に、配水管が道路の反対側から道路を横断して、天神川に近いガス到達坑側に布設するように示されている〕
4 平成19年7月23日に東京ガスが描いた工事図面
〔説明:天神川の下を通して、市道内に四角いガス到達坑が描いてあり、そこから川沿い側に市道下を直径500mmの高圧ガス管を布設するように示されており、市道の山側に水道DKφ150及び操作ケーブルφ30の2列が布設されている様子が表示されている〕
5 平成19年9月27日入札(見積)調書
〔説明:予定価格701万円に対して、6社が680万円から690万円の間にひしめいており、落札率97.00%で、明らかに談合であることがわかる〕
6 平成19年12月28日付で請求人が安中市長宛にFAXした公開質問状
7 平成20年1月15日に安中市長(上水道工務課)が持参した回答書
8 平成20年2月7日付で請求人が安中市長宛にFAXした第2回公開質問状
9 平成20年2月15日付で安中市長(上水道工務課)から発信された回答書
10 平成20年2月17日付で安中市長宛にFAXした第3回公開質問状
11 平成20年2月21日付で安中市長(上水道工務課)から発信された回答書
以上
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■この事業は、新聞記事等によれば「安中市が特定道路財源予算を使って、大手組に施工させている市道改良工事に合わせて、地中の水道管を移設する計画だった」ということですが、同じ場所で東京ガスが平成19年6月から施工中の高圧ガス導管敷設事業を優先したため、水道配水管の敷設替工事で、平成20年3月まで交通規制が継続されることになったものです。

そのため、安中市の交通規制通知の回覧板を見た地元住民からの依頼で、当会事務局長名で、当該工事に関する入札調書、予算書の費目、工事内容(図面、工程表、道路占用許可なども含む)等一式について、平成19年12月28日付で安中市に行政文書開示請求したところ、年明け着工予定だった工事が突然止まり、平成20年1月31日付で、工事中止の回覧板が平成20年2月5日付の地元新聞に工事中止が正式に報じられたのでした。

■平成20年1月10日付で開示された公文書をチェックしたところ、東京ガスが近くの天神川の川底に推進工法により高圧ガス導管を通すための竪穴(到達坑)を示す四角マークが工事図面に記載されており、現在、野殿地区に上るヒヤ坂の市道の山側に敷設されている配水管を、谷(天神川)側寄りに敷設替をするための工事であることが分かりました。

ところが、東京ガスが同じ場所で施工済みの工事図では、配水管の位置はもとのままとなっており、東京ガスは、配水管には手をつけずに、平成19年12月末までに天神川から農免に続くヒヤ坂の市道の高圧ガス導管敷設工事を終了していたのでした。

■東京ガスは、野殿地区の住民に対して「高圧ガス導管敷設工事に際して、水道配管や地中埋設物のように干渉する可能性のある他の埋設物については、事前に役所等と協議を重ねて、試験掘りなどを行い、必要に応じて布設替等の工事を東京ガスの負担で行うと説明していました。

そこで、なぜ配水管の布設替工事を、東京ガスの高圧ガス導管敷設工事と一緒に行なわなかったのか不審に思い、安中市長宛に合計3回の公開質問状を送りましたが、安中市からの回答は次のようにそっけないものでした。既にブログで経過報告済みのものもありますが、あらためて全文を掲載します。

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【第1回公開質問状への回答内容】
(平成20年1月15日に市役所職員が持参)

平成19年12月28付けの質問状にたいしての回答をさせて頂きます。(上水道工務課)

質問1)表記工事期間は「平成19年1月初旬〜平成19年3月下旬」とあるが、既に経過した工事をなぜ回覧するのか,
【回答:回覧させて頂いた表記工事期間は間違いでありました。正しくは平成20年1月初句〜平成20年3月下旬です。大変申し訳ありませんでした、今後このような事の無いように注意し回覧・配布物等作成させて頂きます。】

質問2)平成20年の間違いである場合、この工事は、今年の秋から同じ場所で施工された東京ガスによるガス導管敷設工事となにか関係があるのか。関係があるとすれば、どのような理由により、表記工事を実施しなければならないのか、その背景と経緯と理由について、詳しく教示願いたい。
【回答:ガスエ事との関係はありません。】

質問3)表記工事の予算の裏付けはどうなっているのか、詳しく教えて欲しい。
【回答:※別紙予算書添付(開示文書の中に予算書は添付してあります。)】

質問4)地元北野殿では、東京ガスの工事によりあちこちで交通制限が行われている。この時期にこうした交通制限を伴う工事を3ケ月間もの長期間施工するのは地元住民への負担が大きいと思うが、このことについて予めどのように検討したのか教えて欲しい。
【回答:工事期間については、工事の段取りを充分検討し工期短縮につとめ地元住民への安全をはかり実施させて頂きます。なお、見直しも検討中です。】

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【第2回公開質問状への回答内容】
平成20年2月15日
安中市野殿980番地 小川 賢 様
  安中市長 岡田 義弘(公印)(上下水道部上水道工務課)

平成20年2月7日付け、安中市北野殿地区における配水管布設工事に係る第2回公開質問状について(回答)

1)前回の質問で「この工事は、今年の秋から同じ場所で施行された東京ガスによるガス導管敷設工事となにか関係あるのか、関係があるとすれば、どのような理由により、表記工事を実施しなければならないのか、その背景と経緯と理由について詳しく教示願いたい」とお願いしたが、貴回答は「ガス工事との関係はありません」という内容だった。
しかし、東京ガスは貴部署とガス導管敷設に際して、水道管との干渉対策について、昨年来から何度も協議を重ねてきたという説明を私たち北野殿の住民にしています。なぜ、東京ガスの高圧ガス導管工事が済んだ後になって、同じ場所に配水管の布設替工事をするのか、理解に苦しむところである。あらためて東京ガスとの協議経過や部署内での協議内容など示して、この工事が必要だと判断した理由や根拠を教えてほしい。
〔回答〕
・前回、ご回答申し上げましたようにガス工事との関係はございません。

2)表記工事の予算の裏付けについて、開示された情報によると、改良工事費520,350千円の中の「道路改良等に伴う配水管布設替工事47,300千円」から支出しているという。ここでいう「改良工事等」とは、大手組が施工中の道路工事を指すのか、あるいは東京ガス管埋設のための道路工事を指すのか、それとも、全く別のことを指すのか、はっきりとわかり易く説明願いたい。
〔回答〕
・道路改良工事であります。

3)前回の質問で北野殿では、東京ガスの工事によりあちこちで交通規制行われている。この時期にこうした交通規制を伴う工事を3ヵ月間もの長期間施行するのは地元住民への負担が大きいと思うが、このことについて予めどのような検討したのか、教えて欲しいと訊いたところ、貴回答は「工事期間については、工事の段どりを充分検討し工期短縮につとめ地元住民の安全をはかり実施させて頂ます。なお、見直しも検討中です」という内容だった。ここで「見直しも検討中です」という意味は、工事期間を見直すということか?それとも工事の着工時期を遅らせるという意味か?あるいは完全に工事を白紙に戻したということか?分かり易く具体的に説明願いたい。
〔回答〕
・一切の見直しであります。

4)平成20年1月31日付安水工第19922号の回覧用のチラシで、「配水管布設替工事中止」となっているが、中止理由として「当市の財政状況」「住民皆様の負担軽減]「工事期間短縮など」を挙げている。既に予算に基づき、昨年9月27日に6社による指名競争入札で請負金額714万円を提示した業者が落札して、工程表によれば、年明けに工事の準備まで済ませていることになっている。にもかかわらず、当市の財政状況を理由にしたわけは何か?
〔回答〕
・一切の見直しであります。

5)同じく、「住民皆様の負担軽減」を工事中止の理由に挙げているが、ここでいう「住民の負担」とは何か?またその負担を「軽減」するというのは、どのような行為を指すのか?
〔回答〕
・片側交通規制の緩和です。

6)同じく「工事期間短縮など」を工事中止の理由に挙げているが、「工事期間短縮できない」から中止に踏み切ったのか「工事期間を短縮せざるを得ない」から中止を決めたのかはっきり説明願いたい。
〔回答〕
・片側交通規制の緩和です。

7)また、この「工事の中止は、落札業者の都合なのか?それとも貴部署の都合なのか?いつだれがどのような手続きを踏まえて判断したのか?
〔回答〕
・関係部署と協議の結果です。

8)もし、落札業者の都合であればまだしも、貴部署の都合で中止を業者に伝えた場合、仕掛かり費用などの処理や費用弁済等の問題は発生したのか?問題ある場合、仕掛かり費用は幾ら発生しているのか?
〔回答〕
・管材の買上げとして約300万円の支払いを致しました。

9)開示された図面を見ると、配水管の布設替工事ルートは、わざわざ東京ガスの天神川推進工法で設置したガス導管の到達抗のところの直ぐそばに、道路を横切って配置している。さらに、既に東京ガスの高圧導管が地表下1.2〜1.5mに敷設された場所と殆ど同じ場所に、しかも高圧ガス導管にそって、深さ121.8cmの位置に配水管を設置する工事だという。この工事図はいつ誰が作成したのか?またその費用はいくらだったのか?ちなみに東京ガスは、高圧ガス導管のメンテナンスのため、ガス管の上部や直ぐ横には水道管などの他の構造の存在を許さず、充分な離隔距離を確保することが必要だとしている。
〔回答〕
・作成時期におきましては、H19年6月中旬であり、図面の作成については上下水道部でしております。

10)開示された入札調書を見ると1番札の業者の提示額680万円は、予定価格701万円に対して落札率が97%に相当する。落札率が95%以上は、間違いなく談合しているともいわれている昨今の伏況下で、しかも、最低額の1番札と最高額の6番札の業者の提示額の差額がわずか10万円で、この中に応札した6社が2〜3万円ずつの差できれいに並んでいるのを目にする限り、談合の可能性が極めて高いと思うが、いかがなものか?また、予定価格が事前に漏れていることを端的に示しているとも言えるのではないか?入札結果から、予定価格の事前漏洩、すなわち官製談合の可能性について貴殿の見解を聞かせて欲しい。
〔回答〕
・本案件に対する、入札談合に関する情報はありません。
・公共工事の予定価格は入札前に公表しています。

11)東京ガスの高圧ガス導管建設工事では、切通し、北野殿、岩井の各地区の各所で配水管などとの干渉が生じており、東京ガスでは、安中市上下水道課など関係先と緊密に協議を重ねて、必要な配水管の移設費用は原因者である東京ガスがすべて負担することで合意しているはず。なぜ、安中市の貴重な予算を投入しなければならないのか、その理由を教えて欲しい。
〔回答〕
・東京ガスの工事とは関係ありません。

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【第3回公開質問状への回答】
平成20年2月21日
安中市野殿980番地 小川 賢 様
  安中市長 岡田義弘(公印)(上下水道部上水道工務課)
平成20年2月17日付け、安中市北野殿地区における配水管布設工事に係る第3回公開質問状について(回答)

1)本件工事中止決定により、落札業者に対して、仕掛かり費用弁済のため、管材の買上げとして約300万円を支払ったそうですが、これは業者からの申告に従って支払い額を決めたのでしょうか?それとも協議の上決めたのでしょうか?
〔回答〕
・協議により決定しました。

2)支払い金額の根拠として、見積り額を参考にしたと思いますが、見積り額は幾らだったしょうか?
〔回答〕
・安中市の材料単価表で算出しました。

3)その見積り額の根拠となる管材の予量表(材料の仕様と数量)を教えて下さい。
〔回答〕・別紙添付資料のとおりです。

4)発注者側の都合による工事中止の場合、仕掛かりの弁済条項について契約書にはどのように記されていましたか?
〔回答〕
・契約書には、弁済条項についての記載はございません。

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■一連の経緯をチェックした結果、安中市長のとった問題点は次のとおりであることが判明しました。
(1) なぜ、東京ガスの高圧ガス導管工事にあわせて、配水管布設替工事を一緒に施工して、交通規制期間の短縮を図ろうとしなかったのか。
(2) なぜ、東京ガスの工事図面より早く、配水管布設替工事を計画しながら、そのことを東京ガスの工事図面に反映させなかったのか。
(3) 結果的に、東京ガスの高圧ガス導管工事のほうが遅れて計画されたにもかかわらず、なぜ工事費を東京ガスに負担させなかったのか。
(4) 結果的に配水管布設替工事の必要はなかったと結論付けているが、工事中止の理由を「当市の財政状況、住民皆様の負担軽減、工事期間短縮など」として、無駄な工事で違法不当な出費をした自分の責任を認めようとしないのか。

そこで、今回のズサンな工事計画と無駄な公金支出について、真相の究明、責任の明確化、再発防止の目的で、住民監査請求に踏み切りました。

■前回の松井田地区市道に関する監査請求をはじめ、51億円事件でも当会では何度も監査請求をだしておりますが、監査委員は市長のいうなりの監査結果しか出して来なかったことから、今回も過度な期待は禁物です。しかしながら、岡田市政のいい加減さを象徴する今回の出来事について、きちんとけじめをつける意味から、意義があると考え、今回の措置請求を行ったものです。
監査結果については、監査委員からの結果通知があり次第、報告します。

【ひらく会事務局】
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