2014/6/13  12:54

水資源機構の管理道路等の大同有害スラグ撤去の報に接しても自らの施工場所は舗装でフタする群馬県行政体質  スラグ不法投棄問題

■大同特殊鋼が排出する鉄鋼スラグに有毒なフッ素や六価クロムが環境基準値を遥かに超えて含まれていた上に、それを公共事業で再生材の混入砕石として使用することを公認していた群馬県ですが、国の水資源機構では、この有害スラグが使われた管理道路や資材置場、駐車場を放置しておくことができないと判断し、有害スラグを全て撤去することを決めました。6月12日付の上毛新聞が報じました。
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**********上毛新聞2014年6月12日社会面
水資源機構 管理道路のスラグ撤去
大同特殊鋼排出で路盤 群馬用水沿い、駐車場も
 鉄鋼メーカー、大同特殊鋼渋川工場(渋川市)のスラグ問題で、水資源機構群馬用水管理所は11日、このスラグを路盤として使っていた用水沿いの管理道路計1945メートルと、資材置き場や駐車場など計1340平方メートルを工事し、スラグを撤去すると発表した。用水の水質には問題ないが、利用者からの要望などを踏まえて判断した。作業は年内に完了させる方針。大同側は応分の負担額を支払う意向を示しているという。
 工事するのは、管理道路が赤城山南面を中心とした前橋市の11カ所と、榛東村の1カ所。資材置き場や駐車場などが前橋市の3カ所と渋川市の1カ所。スラグが使われていた全16カ所を対象としている。
 スラグは用水沿いで、管理道路(幅約3メートル)の表面の路盤として使用されている。工事ではまずスラグを撤去し、砕石を敷いた上でアスファルトで舗装する。これに合わせてスラグの下にある土壌のフッ素や六価クロムの含有量を検査し、水質も継続的に調べる。
 同管理所は3月、用水沿いの計8カ所を調べ、いずれの路線からも基準値を上回るフッ素などの有害物質を検出した。周辺の水や土は基準値を下回ったが、@用水のすぐ近くにあるA利用者から要望がある――ことなどから撤去を決めた。
 同用水は沼田市から取水し、桐生・新里方面と高崎・榛名方面に延長。2004〜09年度の工事で問題のスラグを使っていた。現在は現場への立ち入りをバリケードで制限している。
 一方、県が09年度以降に発注した公共工事27件でもスラグを含んだ砕石が使われていたが、混合比が約15%と低いことや、道路に露出していない点などから、県は撤去しない方針。
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■ようやく、有毒物質含有の「鉄鋼スラグ」と言う名の「産業廃棄物」が、適切に処分されることになりましたが、もしも大同スラグの有害性について、行政が慎重な対応をしていれば、早期に気付けたはずです。しかし、本来まっとうに発揮されるべき役所のチェック機能が今回も働かなかった背景には、当会が再三指摘するように「官業癒着」が存在することをうかがわせます。

 とりわけ、前述の上毛新聞記事でも「一方、県が09年度以降に発注した公共工事27件でもスラグを含んだ砕石が使われていたが、混合比が約15%と低いことや、道路に露出していない点などから、県は撤去しない方針。」とあるように、群馬県は、早くも、合計1万立方メートル近い有害物質を含む鉄鋼スラグ混入砕石が平成21年度以降、県土にばらまかれているのに、その撤去・復旧作業をギブアップしています。

 群馬県は、撤去・復旧作業をしないとする理由として「混合比が約15%」であることや「道路に露出していない」ことを挙げています。まず、「混合比が約15%」とする根拠はあるのでしょうか。なぜなら、市民オンブズマン群馬が開示を受けた公文書を見る限り、大同特殊鋼と佐藤建設工業が行政に提出した書類を見ても、スラグ混入砕石RC40とあるだけで、スラグと砕石(バージン砕石Cなのか再生砕石CSなのか不明)の混合比率についてはどこにも何も示されていないからです。

■さらに、「道路に露出していない」という理由については、噴飯ものです。呆れてものが言えません。

次の図に示すとおり、群馬県農村整備課が事業主体で施工した東吾妻町萩生地区の「県営萩生川西地区 ほ場整備」事業に係るによる農道改良工事では、もともと、農道の仕様は次の3通りとなっていました。
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(1)表層(アスファルト)4p厚+上層路盤7p厚+下層路盤(実際には大同有害スラグ混入砕石RC40)22p厚+路床(土壌)
(2)表層(アスファルト)3p厚+上層路盤0p厚+下層路盤(実際には大同有害スラグ混入砕石RC40)15p厚+路床(土壌)
(3)表層(無舗装)0p厚+上層路盤0p厚+下層路盤(実際には大同有害スラグ混入砕石RC40)15p?厚+路床(土壌)

 にもかかわらず、市民オンブズマン群馬が現地レポートした、大同有害スラグがゴロゴロ道路に露出している場所(次のブログ参照)を含む未舗装の農道全部を、群馬県はどうやら490万円掛けて池原工業にやらせるようです(6月11日入札実施済みか)。
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1309.html#readmore

■この一例を見ただけでも、今回の大同有毒スラグの公共事業を隠れ蓑にした不法投棄事件が、官業癒着の産物であることがよくわかります。

 RC材をできる限り使用して産業のリサイクル化を通じて、まじめにリサイクル社会の実現振興に取り組んでいる一般の業者らの努力に違背して、群馬県は、大同特殊鋼と佐藤建設工業だけに、有毒スラグの使用許可を与え続けていました。

この群馬県行政の不公平な二重基準は、今回の大同有害スラグ不法投棄事件に始まったことではありませんが、今回の事件が意味する課題点や問題点は、官業癒着体質を引きずる群馬県行政の本質をえぐりだすための貴重な事例です。

市民オンブズマン群馬は、再発防止のためにも、真相究明と責任所在明確化に取り組んでまいります。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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