2014/6/18  1:43

6月16日渋川市発表のスラグ砕石汚染現場調査結果リストの不適切な測定方法・・・真の汚染実態は?  スラグ不法投棄問題

■渋川市から「スラグ砕石使用実態調査」と題する資料が6月16日に発表されました。38カ所検査して、35カ所から基準値を超える有害フッ素(0.8以上)が検出されています。六価クロムも3か所で基準値を超えています。また、下の地層からも土壌汚染が確認されています。国の独立行政法人水資源機構が有害スラグを施工した現場で測定したデータに比べても、非常に高い数値が示されています。しかしながら、この試験方法には不可解な点があります。
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渋川市のスラグ砕石使用実態調査結果が市議会に報告されたことを報じる6月17日付の上毛新聞記事。


 上毛新聞の報道記事は次のとおりです。

**********上毛新聞2014年6月17日社会面
スラグ砕石使用 38カ所分析完了 渋川市
 渋川市は16日、スラグ砕石の使用が確認された道路や駐車場など全38カ所で分析を終えたことを市議会市民経済常任委員会協議会に報告した。環境基準値以上の有害物質が検出された場所もあるが、周辺の水質などへの影響はないという。
 市は今後、調査結果を県に報告。県の指導を受けながら対応か所の優先順位を決め、対策を講じる方針。
**********

■渋川市の過去のデータを引用しつつ説明してみます。

 平成25年5月21日及び28日、渋川スカイランドパークの道路から採取したサンプルの分析結果のデータは次のとおりでした。

@ 六価クロム   1.0mg/L  > 0.05
   フッ素     4.7mg/L  > 0.8
A 六価クロム   0.55mg/L > 0.05
  フッ素     4.3mg/L  > 0.8
B 六価クロム   0.59 mg/L > 0.05
   フッ素     4.0mg/L  > 0.8
shibukawaslaganalysis20130604.pdf

■ここで注目されるのは、上記のデータはJIS K 0102による分析結果だということです。報告書には、六価クロム化合物については、分析方法がJIS K 0102「工場排水試験方法(JIS K 0102) 65.2 クロム(VI)[Cr(VI)]」であり、フッ素及びその化合物については、分析方法がJIS K 0102 65.2.1「工場排水試験方法(JIS K 0102)34.1 ランタン−アリザリンコンプレキソン吸光光度法」であることです。

■一方、その後、平成25年12月12日に渋川市が発表した11カ所の試験結果は次のとおりでした。

   六価クロム     フッ素
@ 0.02〜0.04     3.6〜6.5
A 0.21        3.0
B 0.17〜1.1      3.9〜5.5
C 0.46〜0.57     5.3〜6.5
D 0.18        6.4
E 0.08        4.7
F 0.07        3.0
G 0.10        4.7
H 0.08        2.1
I 0.03        5.2
J 0.06        5.0
shibukawaslaganalysis20131212.pdf

 上記の試験方法はJIS K 0102(工業排水試験方法)だと思われますが、平成25年5月の最初の分析試験では、環境省の土壌汚染指定調査機関による分析調査結果となっていますが、平成25年12月の渋川市発表の11カ所のデータは、渋川市環境課環境分析室で分析した参考値となっています。

■そして、今回、渋川市が発表した平成26年5月20日付分析結果確定分の38カ所のデータはJIS K 0058-1及び-2による分析方法によるとしています。
shibukawaslaganalysis20140520.pdf

 このJIS K 0058-1は「スラグ類の化学物質試験法−第1部:溶出量試験方法 平成17年3月20日」に、JISK0058-2は「スラグ類の化学物質試験方法−第2部:含有量試験方法 平成17年3月30日」に、それぞれ定められている試験方法のことです。

 このうち「溶出試験」は固形物質中に含まれる有害物質を、一定の条件で溶出させ定量する試験のことです。また、「含有量試験」は固形物質中に含まれる有害物質を、各有害物質ごとの測定方法によりその含まれる量を測定する試験のことです。

 つまり、この試験方法は、これから出荷されるスラグ材料を試験するために日常管理・品質管理の観点から定められたものであり、前述のとおり、本来、土壌汚染対策法で定められているのは、環境省の認定機関によるJIS K 0102(工業排水試験方法)に基づく分析でなければならないのです。

■このため、平成25年6月4日に渋川スカイランドパーク3か所で計測した環境省土壌汚染指定調査機関により分析された溶出量試験結果は、六価クロムが0.55〜1.0mg/L、フッ素が4.0〜4.7mg/Lの値だったのに対して、平成25年12月12日に非認定機関の渋川市環境課環境分析室が同じくスカイランドパーク3か所で土壌汚染対策法基準により測定した結果は、六価クロムが0.02〜0.09mg/Lで、フッ素が0.24〜8.1mg/Lと激減しています。

 また、スラグ砕石溶出試験(品質基準)に基づく分析結果では、平成25年12月12日に非認定機関の渋川市環境課環境分析室がスカイランドパーク3か所で測定した結果は、六価クロムが0.17〜1.1mg/Lで、フッ素が3.0〜6.8mg/Lの値だったのに対して、平成26年5月20日に非認定機関の渋川市環境課環境分析室がスカイランドパーク3か所で測定した結果は、六価クロムが0.02〜0.17mg/Lで、フッ素が1.5〜3.7mg/Lの値になっています。これを見ると、半年間でフッ素が半減していますが、もし、環境省の認定機関が土壌汚染対策法に基づく土壌溶出量試験を工業排水試験方法を用いて実施したら、これほど値が下がるのかどうか疑問です。

■なぜ試験方法を変える必要があったのか、本当に無資格者が行った試験結果が正しいと言えるのかどうか・・・認定を受けていない分析機関の試験装置や器具が使用されて導き出された渋川市発表の分析結果のデータの信憑性についても、黄色信号が点滅していることになります。

 このように、一度失われた行政不信を取り戻すのは大変なことです。渋川市にきちんとした説明責任が求められる所以です。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】


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