2014/6/19  0:08

これでいいのか群馬県環境行政・・・大同スラグに関する廃棄物の該当性の判断に迷い続けるワケは何?  スラグ不法投棄問題

■大同特殊鋼渋川工場から排出される有害物質含有スラグについて、群馬県の県土整備部建設企画課や農政部農村整備課などは、いまだにサンパイとは考えておらず、この有害スラグの毒物含有量を見掛け上薄めるためにバージン砕石に2割ほど加えた路盤材を正規な道路資材として“お墨付き”としています。


 一方、平成26年5月31日付で毎日新聞が報じたスラグ製造停止記事から、大同特殊鋼は廃棄物処理法に基づく違反行為として、「逆有償取引」「マニフェスト未作成・未提出」「中間処理業未許可営業」について群馬県廃棄物リサイクル課から指摘されていて、5月30日までに、群馬県からスラグ製造停止が指示されていたことが判明しています。もっとも、廃棄物リサイクル課の松本次長によれば、「スラグ製造停止の件は、平成26年1月27日に県が大同特殊鋼渋川工場に立入検査した際に指示していた」ということですが、その後、4か月もの間黙って見守ってきたのでしょうか。

 無資格者が違法行為を行った場合、通常は、行政処分の対象にはなりません。この場合には、風営法のダンスホールや、旅行業法の旅行案内所のように、行政としては刑事告発するのが常識です。

■大同特殊鋼も、既にスラグ採石混合所に「産業廃棄物保管場所」という看板を掲げており、すでに有害スラグがサンパイであると認識していることは間違いありません。

 ところが、群馬県の中でも環境森林部廃棄物リサイクル課以外は、大同有毒スラグを15%〜20%混入した砕石は、サンパイではないと言い張っています。

■そこで、大同スラグが廃棄物に該当するかどうかの判断基準を環境省の「行政処分の指針について」と題する平成25年3月29日付の通知(この記事の末尾参照)によりチェックしてみました。

 同通知によれば、廃棄物の該当性の判断について、次のとおり定めています。

 廃棄物とは、占有者が自ら利用し、又は他人に有償で譲渡することができないために不要となったものをいい、これらに該当するか否かは、その物の性状、排出の状況、通常の取扱い形態、取引価値の有無及び占有者の意思等を総合的に勘案して判断すべきものである。
ア 物の性状
 利用用途に要求される品質を満足し、かつ飛散、流出、悪臭の発生等の生活環境の保全上の支障が発生するおそれのないものであること。
イ 排出の状況
 排出が需要に沿った計画的なものであり、排出前や排出時に適切な保管や品質管理がなされていること。
ウ 通常の取扱い形態
 製品としての市場が形成されており、廃棄物として処理されている事例が通常は認められないこと。
エ 取引価値の有無
 占有者と取引の相手方の間で有償譲渡がなされており、なおかつ客観的に見て当該取引に経済的合理性があること。
オ 占有者の意思
 客観的要素から社会通念上合理的に認定し得る占有者の意思として、適切に利用し若しくは他人に有償譲渡する意思が認められること、又は放置若しくは処分の意思が認められないこと。

 上記の判断基準に基づき、大同特殊鋼が出しているスラグ砕石をそれぞれの項目ごとに検証してみましょう。

<ア 物の形状>
 渋川市、水資源機構の調べによりますと、フッ素、六価クロムの値が基準を超えて検出されています。従って、生活環境保全上、支障が発生する恐れがあるため、判断結果はクロ=廃棄物。
<イ 排出の状況>
 大同スラグの商品名は再生砕石(RC40)であったり、スラグ混合砕石であったり、商品から有毒物質が検出されたりしています。およそ、商品管理の実態は、適切な保管、品質管理ともに適切とは程遠い代物ですので、判断結果はクロ=廃棄物。
<ウ 通常の取扱いの形態>
 鉄鋼スラグは、大同特殊鋼が子会社のエコメットを通じて、佐藤建設工業のみに供給していたため、歪んだ形の販売形態であり、しかも逆有償取引でした。それ以前は、りんご団地の大同処分場に殆どが廃棄物として処分されていました。スラグに毒物が含まれている事が公になった平成26年4月以降、再び廃棄物扱いになりました。従って、判断結果はクロ=廃棄物。
<エ 取引価格の有無>
 佐藤建設工業と大同特殊鋼との間で、逆有償取引が行われていたことが国会で認められました。このことは大同特殊鋼も認めています。1㎥当たり2,000円の砕石に、1㎥当たり1,000円のスラグを混ぜて混合砕石を製造して、それを1㎥当たり1,300円で売れるはずがありません。したがって経済合理性がありません。また、大同特殊鋼から出たスラグを取引できるのは佐藤建設工業のみです。有価物を装うため逆有償取引をするしかないため、当然市場ニーズと連動した取引価格が成立するはずがありません。よって、判断結果はクロ=廃棄物。
<オ 占用者の意思>
 有毒物質を山砕と混合させて薄めて、見かけ上、環境基準に収まっているように装えばいいんだ、という意思が見えこそすれ、適切に他人に有償譲渡する意思が認められません。したがって、判断結果はクロ=廃棄物。

■以上ア〜オのどれをとっても全部クロであることは明白です。大同スラグには、全く、有価物としての定義は成り立たないと判断できます。

 となれば、大同特殊鋼から排出されるスラグ混合砕石とは、産業廃棄物を山砕(=バージン砕石)に混ぜて、公共事業を隠れ蓑に不法投棄したものとして位置付けることができます。

 現に、かつて中央混合所として使用されていた場所に残っていた有害物質入りのスラグ混合砕石が、現在、長野県にあるサンパイ業者イーステージの遮断型最終処分場に輸送されて処分中であることからも、まぎれもなくサンパイであることがわかります。

 にもかかわらず、閑静な東吾妻町萩生の農地に隣接する農道に放置されてよいものでしょうか。

■ことはこれだけに収まりません。

 公害対策基本法によれば、「公害」とは企業活動によって地域住民が被る環境災害です。これに照らすと、今回の有毒物質含有スラグを砕石に混入した一連の過程は、不法投棄公害事件と捉えることができます。

 しかも、道路など公的施設に大量に投棄したため、環境への影響が大きいことから意図的で広域的な「公害」といえる事件です。

 そのうえ、投棄した場所と量がはっきりしないため、さらに県民の不安は増幅されます。

■とにかく酷い犯罪的な行為が数年にわたり起きているというのに、誰も気付かないのですから呆れてしまいます。

 こうした有毒物質含有スラグの不法投棄が、誰も知らないうちに、誰も気付かないうちに、県内の公共事業その他を隠れ蓑にして、あちこちで発生していたということに、驚きを禁じ得ません。

 とりわけ、群馬県内では現在、八ッ場ダム工事をはじめ、上武国道工事、上信道工事などが盛んに進められています。こうした工事現場で、今回、群馬県や渋川市の公共事業で発覚した有害スラグ不法投棄事件のような法律違反行為は、「絶対に為されていない」と行政が証明してくれるのでしょうか。

 もし、行政が証明もしてくれず、情報公開も行われず、曖昧な対応に終始すれば、「サンパイは薄めてやれば、公共事業にだって使ってもらえる」という画期的な実例となってしまいます。美しい日本の国土は風前の灯となり、有名無実となりかねません。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※参考情報
【廃棄物の該当性の判断に関する「行政処分の指針について」】
https://www.env.go.jp/hourei/add/k040.pdf
                    環廃産発第1303299号
平成25年3月29日
各都道府県・各政令市産業廃棄物行政主管部(局)長 殿
             環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部産業廃棄物課長
     行政処分の指針について(通知)
 産業廃棄物行政については、かねてから御尽力いただいているところであるが、今般、平成17年8月12日付け環廃産発第050812003号をもって通知した「行政処分の指針について(通知)」について、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律(平成22年法律第34号)等が平成23年4月1日より施行されたこと等を踏まえ、必要な内容の見直しを行い、別添のとおり「行政処分の指針」を取りまとめたので通知する。
 おって、平成17年8月12日付け環廃産発第050812003号本職通知「行政処分の指針について(通知)」は廃止する。
 なお、本通知は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第245条の4第1項の規定に基づく技術的な助言であることを申し添える。

別添
行政処分の指針
 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号。以下「法」という。)については、累次の改正により、廃棄物処理業及び処理施設の許可の取消し等の要件が強化されるとともに、措置命令の対象が拡大するなど、大幅な規制強化の措置が講じられ、廃棄物の不適正処理を防止するため、迅速かつ的確な行政処分を実施することが可能となっている。しかしながら、一部の自治体においては、自社処理と称する無許可業者や一部の悪質な許可業者による不適正処理に対し、行政指導をいたずらに繰り返すにとどまっている事案や、不適正処理を行った許可業者について原状回復措置を講じたことを理由に引き続き営業を行うことを許容するという運用が依然として見受けられる。このように悪質な業者が営業を継続することを許し、断固たる姿勢により法的効果を伴う行政処分を講じなかったことが、一連の大規模不法投棄事案を発生させ、廃棄物処理及び廃棄物行政に対する国民の不信を招いた大きな原因ともなっていることから、都道府県(廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(昭和46年政令第300号。以下「令」という。)第27条に規定する市(以下「政令市」という。)を含む。以下同じ。)におかれては、違反行為が継続し、生活環境の保全上の支障を生ずる事態を招くことを未然に防止し、廃棄物の適正処理を確保するとともに、廃棄物処理に対する国民の不信感を払拭するため、以下の指針を踏まえ、積極的かつ厳正に行政処分を実施されたい。
第1 総論
1 行政処分の迅速化について
 違反行為(法又は法に基づく処分に違反する行為をいう。以下同じ。)を把握した場合には、生活環境の保全上の支障の発生又はその拡大を防止するため速やかに行政処分を行うこと。特に、廃棄物が不法投棄された場合には、生活環境の保全上の支障が生ずるおそれが高いことから、速やかに処分者等を確知し、措置命令により原状回復措置を講ずるよう命ずること。
 この場合、不法投棄として告発を行うほか、処分者等が命令に従わない場合には命令違反として積極的に告発を行うこと。また、捜査機関と連携しつつ、産業廃棄物処理業等の許可を速やかに取り消すこと。
2 行政指導について
 行政指導は、迅速かつ柔軟な対応が可能という意味で効果的であるが、相手方の任意の協力を前提とするものであり、相手方がこれに従わないことをもって法的効果を生ずることはなく、行政処分の要件ではないものである。このような場合に更に行政指導を継続し、法的効果を有する行政処分を行わない結果、違反行為が継続し、生活環境の保全上の支障の拡大を招くといった事態は回避されなければならないところであり、緊急の場合及び必要な場合には躊躇ちゅうちょすることなく行政処分を行うなど、違反行為に対しては厳正に対処すること。
 この場合において、当該違反行為が犯罪行為に該当する場合には捜査機関とも十分連携を図ること。
3 刑事処分との関係について
 違反行為が客観的に明らかであるにもかかわらず、公訴が提起されていることを理由に行政処分を留保する事例が見受けられるが、行政処分は将来にわたる行政目的の確保を主な目的とするものであって、過去の行為を評価する刑事処分とはその目的が異なるものであるから、それを理由に行政処分を留保することは不適当であること。
 むしろ、違反行為に対して公訴が提起されているにもかかわらず、廃棄物の適正処理について指導、監督を行うべき行政が何ら処分を行わないとすることは、法の趣旨に反し、廃棄物行政に対する国民の不信を招きかねないものであることから、行政庁として違反行為の事実を把握することに最大限努め、それを把握した場合には、いたずらに刑事処分を待つことなく、速やかに行政処分を行うこと。
4 事実認定について
(1) 行政処分を行うためには、違反行為の事実を行政庁として客観的に認定すれば足りるものであって、違反行為の認定に直接必要とされない行為者の主観的意思などの詳細な事実関係が不明であることを理由に行政処分を留保すべきでないこと。なお、事実認定を行う上では、法に基づく立入検査、報告徴収又は関係行政機関への照会等を積極的に活用し、事実関係を把握すること。
(2) 廃棄物該当性の判断について
@ 廃棄物とは、占有者が自ら利用し、又は他人に有償で譲渡することができないために不要となったものをいい、これらに該当するか否かは、その物の性状、排出の状況、通常の取扱い形態、取引価値の有無及び占有者の意思等を総合的に勘案して判断すべきものであること。
 廃棄物は、不要であるために占有者の自由な処理に任せるとぞんざいに扱われるおそれがあり、生活環境の保全上の支障を生じる可能性を常に有していることから、法による適切な管理下に置くことが必要であること。したがって、再生後に自ら利用又は有償譲渡が予定される物であっても、再生前においてそれ自体は自ら利用又は有償譲渡がされない物であることから、当該物の再生は廃棄物の処理であり、法の適用があること。
 また、本来廃棄物たる物を有価物と称し、法の規制を免れようとする事案が後を絶たないが、このような事案に適切に対処するため、廃棄物の疑いのあるものについては以下のような各種判断要素の基準に基づいて慎重に検討し、それらを総合的に勘案してその物が有価物と認められるか否かを判断し、有価物と認められない限りは廃棄物として扱うこと。なお、以下は各種判断要素の一般的な基準を示したものであり、物の種類、事案の形態等によってこれらの基準が必ずしもそのまま適用できない場合は、適用可能な基準のみを抽出して用いたり、当該物の種類、事案の形態等に即した他の判断要素をも勘案するなどして、適切に判断されたいこと。その他、平成12年7月24日付け衛環第65号厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課長通知「野積みされた使用済みタイヤの適正処理について」及び平成17年7月25日付け環廃産発第050725002号本職通知「建設汚泥処理物の廃棄物該当性の判断指針について」も併せて参考にされたいこと。
ア 物の性状
 利用用途に要求される品質を満足し、かつ飛散、流出、悪臭の発生等の生活環境の保全上の支障が発生するおそれのないものであること
。実際の判断に当たっては、生活環境の保全に係る関連基準(例えば土壌の汚染に係る環境基準等)を満足すること、その性状についてJIS規格等の一般に認められている客観的な基準が存在する場合は、これに適合していること、十分な品質管理がなされていること等の確認が必要であること。
イ 排出の状況
 排出が需要に沿った計画的なものであり、排出前や排出時に適切な保管や品質管理がなされていること。
ウ 通常の取扱い形態
 製品としての市場が形成されており、廃棄物として処理されている事例が通常は認められないこと。
エ 取引価値の有無
 占有者と取引の相手方の間で有償譲渡がなされており、なおかつ客観的に見て当該取引に経済的合理性があること。実際の判断に当たっては、名目を問わず処理料金に相当する金品の受領がないこと、当該譲渡価格が競合する製品や運送費等の諸経費を勘案しても双方にとって営利活動として合理的な額であること、当該有償譲渡の相手方以外の者に対する有償譲渡の実績があること等の確認が必要であること。
オ 占有者の意思
 客観的要素から社会通念上合理的に認定し得る占有者の意思として、適切に利用し若しくは他人に有償譲渡する意思が認められること、又は放置若しくは処分の意思が認められないこと。
 したがって、単に占有者において自ら利用し、又は他人に有償で譲渡することができるものであると認識しているか否かは廃棄物に該当するか否かを判断する際の決定的な要素となるものではなく、上記アからエまでの各種判断要素の基準に照らし、適切な利用を行おうとする意思があるとは判断されない場合、又は主として廃棄物の脱法的な処理を目的としたものと判断される場合には、占有者の主張する意思の内容によらず、廃棄物に該当するものと判断されること。
 なお、占有者と取引の相手方の間における有償譲渡の実績や有償譲渡契約の有無は、廃棄物に該当するか否かを判断する上での一つの簡便な基準に過ぎず、廃プラスチック類、がれき類、木くず、廃タイヤ、廃パチンコ台、堆肥(汚泥、動植物性残さ、家畜のふん尿等を中間処理(堆肥化)した物)、建設汚泥処理物(建設汚泥を中間処理した改良土等と称する物)等、場合によっては必ずしも市場の形成が明らかでない物については、法の規制を免れるため、恣意的に有償譲渡を装う場合等も見られることから、当事者間の有償譲渡契約等の存在をもって直ちに有価物と判断することなく、上記アからオまでの各種判断要素の基準により総合的に判断されたいこと。 さらに、排出事業者が自ら利用する場合における廃棄物該当性の判断に際しては、必ずしも他人への有償譲渡の実績等を求めるものではなく、通常の取扱い、個別の用途に対する利用価値並びに上記ウ及びエ以外の各種判断要素の基準に照らし、社会通念上当該用途において一般に行われている利用であり、客観的な利用価値が認められなおかつ確実に当該再生利用の用途に供されるか否かをもって廃棄物該当性を判断されたいこと。ただし、中間処理業者が処分後に生じた中間処理産業廃棄物に対して更に処理を行う場合には産業廃棄物処理業の許可を要するところ、中間処理業者が中間処理後の物を自ら利用する場合においては、排出事業者が自ら利用する場合とは異なり、他人に有償譲渡できるものであるか否かを含めて、総合的に廃棄物該当性を判断されたいこと。
A 廃棄物該当性の判断については、法の規制の対象となる行為ごとにその着手時点における客観的状況から判断されたいこと。例えば、産業廃棄物処理業の許可や産業廃棄物処理施設の設置許可の要否においては、当該処理(収集運搬、中間処理、最終処分ごと)に係る行為に着手した時点で廃棄物該当性を判断するものであること。
5 手続について (略)
第2 産業廃棄物処理業の事業の停止及び許可の取消し(法第14条の3及び第14条の3の2)
(以下省略)
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