2014/6/27  0:58

大同スラグ100%路盤材の撤去を決めた水資源機構と15%路盤材撤去タブー視の国・県との間の雲泥の差  スラグ不法投棄問題

■平成26年6月11日に、独立行政法人水資源機構は、群馬用水幹線水路土井の管理用道路等の路盤材に使用した大同有害スラグを全て撤去することを発表しました。そのことを報じた上毛新聞6月12日付記事と、水資源機構のホームページ記事をご覧ください。


**********上毛新聞2014年6月12日(木) AM 06:00
http://www.jomo-news.co.jp/ns/9414024997123089/news.html
群馬用水沿い管理道路のスラグ撤去へ
 鉄鋼メーカー、大同特殊鋼渋川工場(渋川市)のスラグ問題で、水資源機構群馬用水管理所は11日、このスラグを路盤として使っていた用水沿いの管理道路計1945メートルと、資材置き場や駐車場など計1340平方メートルを工事し、スラグを撤去すると発表した。用水の水質には問題ないが、利用者からの要望などを踏まえて判断した。作業は年内に完了させる方針。大同側は応分の負担額を支払う意向を示しているという。
 工事するのは、管理道路が赤城山南面を中心とした前橋市の11カ所と、榛東村の1カ所。資材置き場や駐車場などが前橋市の3カ所と渋川市の1カ所。スラグが使われていた全16カ所を対象としている。

*********2014年6月11日水資源機構HP
http://www.water.go.jp/kanto/gunma/osirase/20140611Pressreease.pdf
 
     鉄鋼スラグの撤去工事について
○独立行政法人水資源機構では、当機構が管理する群馬用水幹線水路沿いの管理用道路等の鉄鋼スラグに、基準値を超えるふっ素等が含まれることについて、3月27日に緊急調査結果を公表したところです。その後、当機構ではバリケードにより立入を制限するとともに、群馬県等の環境部局の助言を踏まえ、その対応について主務省、利水関係者等と調整してまいりました。
○その結果、今般、これらの鉄鋼スラグについて、
@水道用水等の水源として利用される用水路等の直近に基準値を超えるふっ素等を含む鉄鋼スラグが使用されていること、
A群馬用水を使用している水道事業者等から強い撤去要望があること、等の状況を踏まえ、全量を撤去することとしました。
○撤去工事は、すべての鉄鋼スラグ(16箇所、別紙参照)を対象とするものであり、6月中に工事契約の手続きを開始し、概ね半年程度で工事を完了する予定としています。撤去した鉄鋼スラグについては、廃棄物の処理及び清掃に関する法律に従い適正に処理いたします。また、管理用道路等については、アスファルト舗装で復旧します。
平成26年6月11日独立行政法人 水資源機構 群馬用水管理所
発表記者クラブ:刀水クラブ、テレビ記者会
問い合わせ先:独立行政法人 水資源機構 群馬用水管理所 所長代理 林 (はやし)
住 所:群馬県前橋市古市町386
電 話:027(251)4266
**********

■水資源機構は、今回、大同スラグの有害性が平成26年1月下旬に発覚した後、さっそく使用状況について調査をしていました。その結果、水資源機構が大同スラグを路盤材等に使用していたのは、平成16年度から、群馬県が大同スラグ混合砕石を、再生砕石(CS40)と同等に扱うとした平成22年6月11日付と10月15日付の県土整備部内所属長、土木事務所長、関係機関の長宛、群馬県県土整備部監理課建設政策室・倉嶋敬明室長名義の通知文を発出する直前の平成21年度までの期間であることが判明しました。

 このことは、水資源機構自らホームページで調査結果として公表しています。

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http://www.water.go.jp/kanto/gunma/event/2014/slab.pdf
mizushigenkikou20140327pressreease.pdf
     鉄鋼スラグ等の調査結果について
独立行政法人水資源機構の管理する群馬用水では、幹線水路沿いの一部の管理用道路の路盤材料として鉄鋼スラグを平成16 年度から平成21 年度の工事で使用していました。同鉄鋼スラグは、その成分に土壌汚染対策法に定める指定基準相当の値を超える物質が含まれているおそれがあることから、当該道路の路盤、周辺土壌及び水路内の水について代表的な地点で緊急に調査を実施しました。概要は以下のとおりです。
1.道路の路盤の調査結果
路盤材(鉄鋼スラグ)を採取し、ふっ素及び六価クロムの分析を行った結果、溶出量及び含有量が基準※に定める基準値を超えた箇所がありました。
※ JIS A 5015 環境安全品質基準(平成25 年3 月21 日に環境安全品質基準を追加改正)
2.土壌の調査結果
路盤下の土壌及び盛土斜面下の土壌を採取し、ふっ素及び六価クロムの分析を行った結果、溶出量及び含有量は全て基準※に定める基準値以下でした。
※ 土壌汚染対策法に基づく指定基準
3.水質の調査結果
群馬用水の水を採取し、ふっ素及び六価クロムの分析を行った結果、全て環境基準※以下でした。 ※ 環境基本法に基づく水質汚濁に係る環境基準なお、上記1.〜3.の調査結果については、群馬県環境森林部及び前橋市環境部に報告しています。
4.今後の対応
群馬県環境森林部及び前橋市環境部の指導、専門家の助言を得て、適切な対応を早急に行ってまいります。
平成26年3月27日 独立行政法人 水資源機構 群馬用水管理所
発表記者クラブ:刀水クラブ、テレビ記者会
問い合わせ先:独立行政法人 水資源機構 群馬用水管理所 所長代理 桜井 剣(さくらい つるぎ)
住 所:群馬県前橋市古市町386
電 話:027(251)4266
**********

■ところが、国交省と群馬県の対応は正反対です。既に引用済ですが、大同有害スラグの分析結果と対応については、平成26年2月28日に国交省が、自ら所管した46件の工事に使用された大同スラグの分析結果について次のとおり発表しています。

**********2014年2月28日国交省関東地方整備局HP
http://www.ktr.mlit.go.jp/kisha/kikaku_00000182.html
記者発表資料
平成26年 03月28日
鉄鋼スラグを含む砕石の分析試験結果について
関東地方整備局 企画部
1.分析試験の対象工事について
 国土交通省関東地方整備局では、群馬県内で平成20年度以降に行われた国道17号等の工事のうち45工事において大同特殊鋼(株)の鉄鋼スラグを含む砕石が使用されたことを確認しています(本文資料(PDF)別添1)。
 このうち39工事で使用した砕石については、都道府県知事の登録を受けた試験機関の品質規格証明書により環境基準への適合を確認しています。
 この度、品質規格証明書による環境基準への適合が確認できていない6工事(本文資料(PDF)別添2)について、群馬県環境森林部からの助言等を踏まえ、分析試験を実施しましたので報告いたします。
2.分析試験結果について
 大同特殊鋼(株)の鉄鋼スラグを含む砕石の分析試験を行った6工事のうち、1工事において、砕石及びその直下の土壌も含め「ふっ素」の溶出量が基準※に定める基準値を超えて検出されました(本文資料(PDF)別添3)。
 なお、基準値超過の箇所については、現地において砕石、土壌ともに地表に露出した状態にはありません。
 また、調査結果については、群馬県環境森林部へ報告しております。
 ※砕石:JIS A 5015環境安全品質基準
  土壌:土壌汚染対策法における指定基準
3.今後の対応について
 引き続き、群馬県環境森林部との協議を踏まえ、適切な対応を行ってまいります。
別紙・参考資料
問い合わせ先:関東地方整備局 企画部
 電話048(601)3151(代表)
・技術調査課 課長補佐 阿久津保則(内線3252)
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■さらに、群馬県は大同スラグを使用した27工事のうち6か所を選定してサンプリングした試料を分析した結果について、平成26年5月9日に次のとおり発表しました。

**********2014年5月9日群馬県県土整備部HP
http://www.pref.gunma.jp/houdou/h8100035.html
【5月9日】大同特殊鋼(株)のスラグ砕石に係る調査結果について(建設企画課)
  県工事における鉄鋼スラグを含む砕石の分析試験の結果について
大同特殊鋼(株)の鉄鋼スラグを使用した県施工の27工事については施工にあたって品質規格証明書により安全性を確認していますが、現地での安全性を確認するため、「環境安全品質基準(8項目)」の分析試験を実施しました。
その結果、抽出6工事すべてにおいて基準に適合していることが確認できました。
(1)鉄鋼スラグを含む砕石の使用状況について
 群馬県では平成21年度以降、27工事で大同特殊鋼(株)の鉄鋼スラグを含む砕石を使用したことを確認しています。
 内訳は、環境森林部2工事、農政部4工事、県土整備部21工事です。
(2)使用した砕石について
 いずれも砕石に鉄鋼スラグを15%程度混合した砕石を使用しています。
 使用にあたっては、都道府県知事の登録を受けた試験機関の品質規格証明により基準への適合を確認しています。
(3)分析試験の結果について
 現地で使用している砕石について基準への適合を再確認するため、27工事から、使用年度、使用量、使用地域、使用形態などを勘案して、代表的な6工事を抽出し分析試験を実施しました。その結果、6工事すべての箇所において基準値以下であることが確認できました。
(4)鉄鋼スラグを使用した県工事の安全性について
 品質規格証明が提出された鉄鋼スラグを使用した県工事については、現地で採取した砕石による分析試験結果でも基準に適合していることが確認されたことにより、県工事における鉄鋼スラグを含む砕石は環境上安全であると判断します。
このページについてのお問い合わせ
県土整備部建設企画課
〒371-8570 前橋市大手町1-1-1
電話 027-226-3531
FAX 027-224-1426
kensetsukika@pref.gunma.lg.jp
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■そして、原因者の大同特殊鋼は、同社のホームページで、上記の国交省と群馬県の発表を受けて、それぞれ次の記事を掲載しました。

**********2014年3月31日大同特殊鋼HP
http://www.daido.co.jp/event/140331.html
国土交通省関東地方整備局による「鉄鋼スラグを含む砕石の分析試験結果」の件
 3月28日(金)、国土交通省関東地方整備局から、群馬県内で平成20年度以降に行われた国道17号線等の45工事のうち1工事において、当社の鉄鋼スラグを含む砕石及び直下の土壌から基準値※を超えるふっ素の溶出量が検出された旨が公表されました。
関係者の皆様に多大なご迷惑をお掛けし、誠に申し訳なく、お詫び申し上げます。同報告書にも記載されているとおり、基準値の超過箇所については、現地において砕石、土壌ともに地表に露出した状態にはありませんが、住民やご利用者の皆様に不安を与えないよう、関東地方整備局や群馬県環境森林部のご指導の下に、本件に対し誠意を持って最後まで対応する所存でございます。
※砕石:JIS A 5015 環境安全品質基準(平成25年3月21日に環境安全品質基準を追加改正)
土壌:土壌汚染対策法における指定基準

**********2014年5月10日大同特殊鋼HP
http://www.daido.co.jp/event/140510.html
群馬県による「スラグ砕石に係る調査結果」の件
5月9日(金)、群馬県から、当社の鉄鋼スラグを含む砕石を使用した工事について次の調査結果が発表されました。
当社が砕石の品質証明を提出した県の工事27箇所のうち、6箇所をサンプル抽出し、現地で採取したスラグと品質証明との正誤性を確認する試験を実施したところ、すべて基準値※に適合しており、問題ないことが確認されました。
3月に国土交通省関東地方整備局が砕石及び土壌から基準値※を超えるふっ素の溶出量を検出した工事1箇所の付近の地下水を調査した結果、検出されたふっ素は基準値以下であり、問題ないことが確認されました。
住民やご利用者、関係者の皆様に多大なご迷惑をお掛けしましたことに対しまして、改めて心からお詫び申し上げます。
 今後の対応につきましても当社は誠意を持って協力させていただく所存でございます。
※砕石:JIS A 5015 環境安全品質基準(平成25年3月21日に環境安全品質基準を追加改正)
土壌:土壌汚染対策法における指定基準
**********

■大同特殊鋼では、「当社が砕石の品質証明を提出した県の工事27か所のうち、6か所で採取したスラグと品質証明との整合性を確認する試験を実施したところすべて基準値に適合しており問題ないことが確認されました」と安全性を強調しています。

 さらに大同特殊鋼は、砕石の品質証明の正当性を強調していますが、その砕石の定義について「JIS A 5015」の環境安全品質基準に則っているとしています。

 しかし、この「JIS A 5015」は「道路用鉄鋼スラグ」を規定したものであり、大同が子会社を経由して佐藤建設工業が持ち込んだ天然砕石(山砕、バージン砕石)で水増しした鉄鋼スラグ混合砕石を規定するものではありません。
(参考:JIS A 5015:道路用鉄鋼スラグhttp://kikakurui.com/a5/A5015-2013-01.html

■大同特殊鋼は「3月28日(金)、国土交通省関東地方整備局から、群馬県内で平成20年度以降に行われた国道17号線等の45工事のうち1工事において、当社の鉄鋼スラグを含む砕石及び直下の土壌から基準値※を超えるふっ素の溶出量が検出された旨が公表されました」と関東地方整備局の発表を引用していますが、同整備局では「(大同が提出していた)品質規格証明書による環境基準への適合が確認できていない6工事のうち1工事において、砕石及びその直下の土壌も含め「ふっ素」の溶出量が基準に定める基準値を超えて検出されました」としているのですから、大同の品質規格証明書自体の信憑性についても疑問符が付くことになります。

 さらに、冒頭で述べた水資源機構が使用した大同有害スラグ100%は、路盤材として埋め込まれてから10年が経過しているにもかかわらず、環境基準値を遥かに超えるフッ素や六価クロムが検出されているのですから、大同スラグそのものが有毒な産業廃棄物であることは疑いようがありません。

■にもかかわらず、国も県も、水増しした大同スラグには基準値を超えないフッ素等が含まれているから、安全だ、問題ない、と論点をそらしているのです。

 一刻も早く、廃棄物処理法に基づく大同有害スラグに対する正しい評価と必要な措置が望まれます。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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