2014/10/3  22:47

渋川広域ごみ処分場・・・環境省交付金約10億円の行方を左右する疑惑の変更協議と有毒スラグ問題  スラグ不法投棄問題

■渋川、吉岡、榛東の3市町村からなる渋川地区広域市町村圏振興整備組合は、平成26年9月30日迄、安中市のサイボウ環境鰍フ一般廃棄物処理場にゴミ処理を委託していました。その予定数量は、今年4月1日からの半年間で、焼却灰2,189トン、飛灰が924トン、不燃物残渣が495トンに上っていました。しかし、今週9月30日に次期最終処分場が完成したため、10月1日から自前の処分場でゴミ処理を行うようになりました。ところが同組合が建設を進めてきたゴミ処分場に、完成前に既に有毒スラグが持ち込まれていたのです。
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渋川広域ごみ処分場。


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平成26年3月27日付の渋川市長から安中市長宛一般廃棄物の処理の委託について(通知)

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平成26年3月27日付の渋川市長から安中市長宛一般廃棄物処理委託理由書

 この新しい一般廃棄物最終処分場(総面積51,590m2、埋立面積10,000m2、埋立容積70,000m2)の建設工事の総事業費は約30億円ですが、このうち約10億円は環境省交付金でまかなわれていると見られます。
次のブログを参照。
渋川地区広域圏循環型社会形成推進地域計画
http://www.env.go.jp/recycle/waste/3r_network/5_region/project_list/10_gunma/04_sibukawa.pdf

 工事は、「(仮称)渋川地区広域圏一般廃棄物最終処分場建設工事」として平成24年11月30日から進められてきました。請負業者は瑞穂・北部・石関(仮称)渋川地区広域圏一般廃棄物最終処分場建設工事特定建設工事共同企業体で、請負金額は29億4700万円(税抜)でした。

 寄せられた情報によれば、東京の設計事務所で設計監理を委託契約がされていますが、この工事の施工に関し設計調査ミスが生じたということです。

 その内容は、基礎調査のボーリング位置の間違いで基礎工事の地盤改良工設計書より、盛り土安定処理工、土砂運搬工(A-1号)の設計変更措置が必要になったようだ、というものです。

■しかし、その場の措置は「承知して仕事を受けたのだから」との理由で、渋川市の監督員は変更を認めなかった、とのことでした。当然の判断だと思われます。

 ところが、この監督員も平成26年4月から渋川市役所の建設部長に異動になりました。すると、これ幸いと、同年7月に入って、渋川広域市町村圏振興整備組合の臨時議会が開かれるという情報が飛び交いました。その内容は工事の関係者の変更協議に於いて増額になったので、議会議決が必要になったというのです。

 地方自治法第96条には「議決事件」の定めがあり、これに関連して「議会の議決を経た事項の変更についてはすべて議会の議決を経なければならない」(行実昭26・11・15地自行発391)」とされています。

 群馬県の場合、5億円以上の工事については10パーセントの5千万円までは、知事の専決事項になる規定だそうです。5千万円を越えた時には、議会の議決が必要になるのです。

 今回の渋川広域市町村圏振興整備組合が行った変更も、5千万円以内なら問題は無かったのでしょうが、約8千万円の増額変更になったそうです。穿った見方をすると、当初の総事業費が32億4450万円で組まれた現場でしたが、建設競争入札の結果、約30億円で落札したという経緯があり(この記事の末尾参照)、その意味で、事業予算が残っている訳だから、使える金は全て使ってしまおうと考えたのでしょうか?なりふり構わぬ不当利得対策が取られたのではないのか?という見方もあながち荒唐無稽ではないのかもしれません。

■5千万円以上の変更をするとき、どの時点で議会議決を必要とするのでしょうか?予算議決ですから、できる限り早く、手続きを行うのが常識だと思います。

 今回の変更議決は、完全に事後処理になってしまい違法といわれても仕方ないと思います。また、監督員を意図的に異動させてからの変更では、なおさら疑念が深まります。

■この工事では、もうひとつの疑惑が取りざたされています。それは今、群馬県を騒がせている大同特殊鋼(株)渋川工場から排出されている、環境基準を超えた毒入り鉄鋼スラグのことです。この有毒スラグが、この現場に使用されているのではないかというもので、当会では疑念の目を向け見守ってきました。

 大同特殊鋼の調べで約1,250m3の有害スラグ入り砕石が、大同特殊鋼箱島中央混合所から、平成25年2月9日から3月30日まで切砕40-0としてユーザーに納入されています。この箱島中央混合所)にある材料は、大同特殊鋼が製造していることになっています。

■ところで、この箱島中央混合所は、もともと佐藤建設工業の所有地です。大同特殊鋼(株)渋川工場が佐藤建設工業より借り受けて、大同特殊鋼(株)箱島中央混合所としている場所です。

 佐藤建設工業は渋川市内(村上地内)に、自社の砕石場を保有しています。この村上砕石場で、天然砕石100-40、天然砕石40-0の製品をつくり、天然砕石40-0の殆どを大同特殊鋼箱島中央混合所に搬入していたことが、関係者からの情報で確認済みです。

 佐藤建設工業は村上砕石場で生産した40-0の大半を箱島中央混合所に運んでいたわけですから、前述の1,250m3の40-0は、この箱島中央混合所から搬出されていることになり、畢竟、有害スラグ混合砕石であったと判断されます。

 前述の渋川地区広域市町村圏振興整備組合の臨時議会において、議員の質問に対して、執行部は、「もし、(毒入り)スラグが入っていたら、請負業者と搬入業者(佐藤建設工業)に全面的に責任をとってもらう」と答えました。一見、もっともな発言のように感じられますが、有毒物質が含まれているスラグであることが明白であるにもかかわらず「もし」などと表現するのは最初から及び腰である証拠です。

同組合の関係職員も管理者も、そして業者も、スラグ砕石の使用を積極的に認める気概は持ち合わせていないようです。大した心掛けです。尊敬する次第です。

■ところで、今回の建設工事において、設計仕様書で指示してある材料とは異なる材料が見つかっています。その一つは、切砕40-0です。この材料には、佐藤建設工業の試験成績表が添付されています。しかし、実際には他社の材料も平成25年11月〜平成26年3月まで現場に搬入されています。

 佐藤建設工業が納品したのと同日に、他社からの材料も重複して納品されている日が複数あります。製造会社が異なれば、当然、納品された砕石の品質も違うわけですが、現場では、別々の製品であるとの認識は持っておらず、便利に使用していたことがうかがわれます。

■驚くべきことに、渋川広域市町村圏振興整備組合の役人の皆さんに至っては、大同特殊鋼由来のスラグ入りの砕石が、処分場建設現場で使われている事実があるかどうか、それすら確認しようともしません。

 今回の事業は、環境省から10億円を越える多額の交付金(財政援助金)が出ています。このままで、渋川市の竣工検査はクリアできても、国の会計検査はクリアできないのではないか、という危惧があります。

■9月30日現在、さらに新たな情報がもたらされました。

 渋川市会議員が、佐藤建設工業、元請けの瑞穂建設に電話を入れて、「(工事現場に)スラグが入っているかどうか?」と問い詰めたところ、業者の答えは「ノー。スラグは入っていない」というものだったそうです。この証言は、複数の市議の前で為されたのだそうです。

 一方、当会に寄せられた情報によると、平成26年9月7日に、渋川市議が大同特殊鋼株式会社の総務部広報室の市原室長あてに次の内容の質問状を提出したそうです。
@渋川地区広域市町村圏振興整備組合が市内小野子に建設中の最終処分場に、スラグ入り砕石が搬入されたという群馬県からの情報がある。この工事に大同特殊鋼が製造した鉄鋼スラグを含む路盤材は納品されているのか。
Aこの問題に関して、渋川市及び渋川地区広域市町村圏振興整備組合から事実関係の問い合わせは来たのか。

 この質問状に対して、同9月11日付で大同特殊鋼から回答があったそうです。総務部広報室長名義の回答者には、次のような内容が記されていた、とのことです。
@渋川市小野子で建設が進められている一般廃棄物最終処分場工事において、スラグ入り路盤材を納品した記録を佐藤建設工業から受領している。
A 渋川市総務部から8月26日に電話で問い合わせがあり、上記@のとおり回答した。渋川地区広域市町村圏振興整備組合からの問合せはない。

■このように、有毒スラグを供給した大同特殊鋼が、ゴミ処分場への有毒スラグの搬入を認めているにもかかわらず、佐藤建設工業の専務いわく「中央混合所から出荷したので、“間違って”出荷伝票をRC-40としてしまった」のだそうです。

 この発言の意味は、「出荷した1,250m3は、再生砕石として大同特殊鋼に届け出がされてしまった」ということです。正に“語るに落ちる”とはこのことを指した表現です。

 いったん、中央混合所に入った材料は、大同特殊鋼の管理下で有害スラグ混合砕石となって出て来るはずです。中央混合所に入って、大同特殊鋼所有の有害スラグ混合砕石になった以上、ここからまた佐藤建設工業所有の天然砕石として出荷することは不自然です。佐藤建設工業の専務のこの証言により、全て有害スラグ混合砕石であったに違いありません。

■元々、佐藤建設工業自体、再生砕石を製造販売することは出来ません。中間処理業の資格がないためです。

 佐藤建設工業は、有害スラグ混合砕石を偽装の再生砕石としてみたり、群馬県の仕事をするときは、例の群馬県県土整備局の「倉嶋通知」で、再生砕石(RC40-0)と同等品としたりして、デタラメな出荷をしていたのです。

 とにかく、大同特殊鋼は庫島中央混合所という同一のプラントから、伝票一枚で、混合砕石になったり再生砕石に化けたり、天然砕石40-0になったり、はたまた粒調砕石(上層路盤材)であったり、まさにカメレオンもビックリの、変化自在の代物が出荷されていたのです。

■佐藤建設工業にとっては、簡単な伝票操作であったことでしょう。関係者の証言により、“間違って”出荷伝票をRC-40としたものが、新材の天然砕石40-0となっているのであれば、その際、伝票の書き換えがあったことになります。

 これと同時期に、国土交通省、上武国道、八ッ場ダム、薗原ダム、高崎渋川バイパス吉岡工区、その他の工事現場で、天然砕石100-0、上層路盤材等が使用されるべき個所に、実際には、環境基準値を超えた毒入りスラグが不法に投棄されていました。これはこのブログでも報告しているように、もはや周知の事実です。

■話を再び、最終処分場に戻します。

 今回、9月30日に完成した廃棄物をきちんと処理するための(仮称)渋川地区広域圏一般廃棄物最終処分場の建設工事現場の基礎部分に、有害スラグの不法投棄が行われました。

にもかかわらず、渋川地区広域市町村圏振興整備組合も施工業者も有毒スラグの不法投棄の実態から目をそむけているのです。この期に及んでも、まだ有毒スラグの搬入について事実を認めようとしないのですから、およそ通常のジョーシキでは計れません。

■群馬県県土整備部が発行した、いわゆる「倉嶋通知」は、今回のスラグ問題を大規模化させた引き金となりました。その責任は重大であることは、誰も否めません。

 その結果、中間処理業の資格を持たない佐藤建設工業に、有害スラグを同等品として、堂々と不法投棄できる口実を与えてしまったことになりました。

 国土交通省はこの「倉嶋通知」は承知していません。そもそも、そんなルール違反の群馬県独自の通達などに、有効性は存在しないのですから、仕様書に定めのある材料以外の、異種材料使用にあたっては、本来であれば“変更契約”をしなければならないはずです。それをしなかったら、違法取引になるからです。

■これらのことから、大同特殊鋼の中央混合所で製造されていたカメレオンもビックリの製品が、ある時は「下層路盤材」であったり、ある時は「上層路盤材」であったり、訳の分からない、なんでもありの製品になっていたのだと考えられます。

 デタラメな材料管理の増長を促した「倉嶋通知」。このような、とんでもない「通達」が為されたことによって、この有毒スラグ問題を、大規模化、広域化させてしまい、解決不能な状況を作り出した元凶となったのです。

 この打ち出の小槌のような「倉嶋通知」の直接の恩恵にあずかったのは、大同特殊鋼と佐藤建設工業だけでした。また、間接的には、国交省から常連として表彰されるような県内の土建業界の関係各社も、安価な材料調達で、利益を上げることができたのでした。

■9月30日に完成した建設費約30億円のゴミ処分場。この建設現場にも、中央混合所から有毒スラグが平然と出荷されていたことが明らかになりました。

 群馬県のお墨付きにより、サンパイも正当な土木資材としてレッテルが張られたのです。

 このことにより、この有毒スラグを大同から譲ってもらえた業者は、iPS細胞のような万能製品として、堂々と出荷できたのです。

 その結果、八ッ場ダムサイトでも、国道でも県道でも市道でも林道でも、住民用の代替地でも、ゴミ最終処分場でも、メガソーラーの敷地でも、コンビニや保育園・幼稚園の駐車場でも、どこもかしこも、なんでもかんでも不法投棄できるという環境づくりが行われ、群馬県土全体がサンパイ場と化しかけているのです。

【市民オンブズマン群馬・大同有毒スラグ不法投棄調査チーム・この項続く】


※参考情報
**********毎日新聞-2012/11/09
http://mainichi.jp/area/gunma/news/20121109ddlk10040192000c.html
渋川の処分場:情報通りJV落札 談合否定、組合契約へ /群馬
 渋川地区広域市町村圏振興整備組合は8日、一般廃棄物最終処分場の条件付き一般競争入札を行い、事前に報道機関に寄せられた情報通りの業者が落札した。渋川市の入札審査会は「ただ単に業者を推測しただけで、具体的な情報でない」と結論づけ、談合の可能性を否定。業者への聞き取りなどをせずに契約手続きを進めるという。
 情報は同市役所内の記者室に封書で寄せられ、「午後2時まで開封しないこと」とただし書きがあった。入札終了後の同2時過ぎに同市に情報提供した。
 市によると、入札には4JV(共同企業体)が参加し、事前に寄せられた情報通りの3業者のJVが29億4700万円で落札した。
 最終処分場の工期は2014年9月末で、渋川市小野子に建設する計画。敷地面積約2万2000平方メートル、容量約7万立方メートルという。
 同市では10年8月にも、下水道管設置工事4件の条件付き一般競争入札で、事前情報通りの業者が落札。入札は無効となり、参加予定業者に入札金額を指示する「談合札」の存在も取りざたされた。【奥山はるな】

**********毎日新聞-2012/11/30
http://mainichi.jp/area/gunma/news/20121201ddlk10040049000c.html
渋川の処分場:入札「妥当」と談合否定−−渋川地区整備組合 /群馬
 渋川、吉岡、榛東の3市町村からなる渋川地区広域市町村圏振興整備組合が発注した一般廃棄物最終処分場の入札を巡り、同組合議会は30日、契約を妥当と認める議案を可決した。この入札は談合の可能性も取りざたされており、賛成8、反対6と賛否が・・・(以下略)
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