2014/10/22  10:30

「OBUCHI YUKO」ワインセットが語りかけるもの  政治とカネ

■小渕・前経産相のお膝元の中之条町にある地ワイン製造者が取り扱っている赤ワインと白ワインが、今、全国的に注目をされています。しかし、本来、ワインと言うものは、その味と香りと色合いが注目されるのですが、このワインセットは、マスコミや読者、視聴者の関心を集めているのです。では、いったい何が注目を集めているというのでしょうか。それはこのワインのラベルに、群馬県5区選出の女性代議士ご本人の顔写真と全身写真が使われていたからです。

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今や群馬県内はおろか、全国、いや世界的に注目されている「OBUCHI YUKO」ブランドのワインセット。


 報道によると、このワインセットは、小渕優子・前経済産業相の地元事務所が今年の春、群馬県第五選挙区内に住む70代の男性に対し、表彰祝いとして贈ったものだそうです。

 このボトルには小渕優子自身の写真が印刷されたラベルが貼られており、小渕優子事務所が同農園に特別に発注したものと見られています。

 同農園のHPには、商品一覧のワインリストが掲載されています。
http://www.tsukada-wine.jp/all_prodct.html

 それによると、レギュラーワインは、
 氷結ワイン(極甘口)500ml 1,500円
 赤城ワイン(赤)(辛口)720ml 1,000円
 赤城ワイン(白)(辛口)720ml 1,000円
 古酒甲州(やや甘口)720ml 1,500円
 樽仕込甲州(辛口)720ml 1,000円
 千曲川メルロー(やや辛口)720ml 1,500円
 古酒甲州1997年(やや甘口)500ml 2,000円
 カジュアルワイン(赤)(やや甘口)1500ml 1,200円
 カジュアルワイン(白)(やや甘口)1500ml 1,200円

 このほかフルーツワインとして、いちご、巨峰、かりん、りんご、ブルーベリー、キウィフルーツ、梅の7種類を品ぞろえして、いずれも720ml、1,000円です。

■今回、選挙区内の選挙人に配られたことで一躍脚光を浴びたワインセットは、“こだわり赤白ワインセット”(2本セット)2,600円とみられますが、特注品だけあって、ボトルの形状が、ホームページの写真と比べて見る限り、特注品の方は、よりスリムなフルーツワイン用ボトルを使っている感じがします。

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 HPによれば、赤ワインは「やや辛口で、長野県千曲川沿いで収穫されたメルロー種を使い樽熟成させたこだわりのワイン」とあります。この赤ワインは、単品では「千曲川メルロー」として1,500円で販売されています。

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 また、白ワインは「やや甘口で、山梨県勝沼町の標高の高い地域で11月半ばに遅摘みした甲州ぶどうを使い醸造したもので、熟成を経たワインの黄金色の輝き、芳醇な香りが素晴しいワイン」とあります。この白ワインは単品では「古酒甲州」として1,500円で販売されています。

 したがって、セットで買えば、400円お得ということになります。

■ところで、ワインの製造工程においては、なるべく空気、つまり酸素と接触しないようにする必要があるとされています。この理由は、空気中の酢酸菌で酢酸醗酵が行われて、酸味が強すぎてしまいワインが腐敗状態になるからです。

 このためワインの製造過程では、二酸化硫黄(SO2:いわゆる亜硫酸ガス)もしくはその塩のひとつのピロ亜硫酸カリウムが酸化防止剤として添加されます。酸化防止剤はからだに有害なので、添加量には制限が設けられています。そのため、醗酵タンク内に窒素の様な不活性ガスを送り込む方法もあります。

 ブドウ果実には天然酵母がかならず取りついていて、果汁の中にはブドウ糖があるので、葡萄を絞れば自然にアルコール発酵が始まります。しかし、空気に触れると腐敗状態になるので、良質なワインの製造には、空気の遮断が不可欠というわけです。

■さて、特注の「OBUCHI YUKO(おぶち 優子)」ワインセットをじっくり観察してみましょう。冒頭の写真のように、白ワインのラベルには「優しさ輝く日本の未来」のロゴとともに、小渕代議士が微笑んでいる顔写真が使われており、赤ワインには、「伝えたいふる里の心」のロゴと、ダークスーツに身を固めた小渕代議士の全身写真が使われています。

 せっかく、雑菌にまみれないように、東京に活動拠点の軸足を置いていた小渕代議士でしたが、やはり、時々、群馬県の第5選挙区に足を運ばなければなりませんでした。

 群馬県は我が国でももっとも濁った政治風土と言う雑菌がはびこる地域でもあります。やはり、そのような地域を地盤にしていたことにより、透明色に輝くはずだった白ワインも、濁りのないワインレッドの赤ワインも、いつのまにか、腐敗状態になってしまったようです。
 ところで、このワインがいったい、誰にどのくらい配られたのか、その全貌を知りたいと、さっそくマスコミ陣が、製造元に押し掛けたようですが、なぜか製造元は頑なにノーコメントを貫いたようです。

 小渕代議士を頂点とする群馬県第5区は、1994年の公職選挙法で設置されました。所属する行政区域としては、渋川市(旧渋川市、子持村、小野上村、伊香保町域)、富岡市、安中市、高崎市(旧群馬町・箕郷町・榛名町・倉渕村域)、北群馬郡吉岡町・榛東村、甘楽郡甘楽町・下仁田町・南牧村、吾妻郡東吾妻町・草津町・高山村・嬬恋村・中之条町・長野原町があります。

 以来、「平成おじさん」で全国的に有名になった父親の小渕恵三・元首相が2000年(平成12年)5月14日に死去後も、世襲で次女の小渕優子が担ぎあげられ、引き続き強力な地盤が維持されています。保守王国の群馬の中でも、もっとも保守的な選挙区として知られており、過去6回の衆院選挙の結果は次の通りです。
 第41回衆議院議員総選挙(1996年)小渕恵三(自由民主党)127,052票(70.7%)
 第42回衆議院議員総選挙(2000年)小渕優子(自由民主党)163,991票(76.4%)
 第43回衆議院議員総選挙(2003年)小渕優子(自由民主党)144,848票(77.0%)
 第44回衆議院議員総選挙(2005年)小渕優子(自由民主党)144,782票(67.8%)
 第45回衆議院議員総選挙(2009年)小渕優子(自由民主党)152,708票(71.0%)
 第46回衆議院議員総選挙(2012年)小渕優子(自由民主党)134,685票(77.3%)

 このように次点者との票差は約9万票〜13万票に達し、誰一人として比例復活を許さない保守王国が築き上げられています。2009年の選挙では自民党が逆風にさらされていたにも拘らず、自民党が大勝した2005年の選挙よりも次点との差を広げ、全国的にも最も典型的な無風選挙区となっているのです。

 こうして無風状態でいれば、本来嫌気性の環境で良好な醗酵を行うワインも、嫌気性の雑菌が蔓延ってしまいます。

■ちなみに、筆者の住む安中市でも、岡田義弘・前市長は毎年、毎年の新年互礼会に小渕優子を呼んでいました。今年1月3日の様子を次のブログでご確認ください。→4月の市長選3選出馬要請に応え、東洋の楽園構想をぶち上げた岡田義弘市長の新年互礼会の一部始終
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1194.html#readmore

 この岡田義弘後援会も、そのまま安中市における小渕優子後援会と同様の存在でした。なぜなら、父親の小渕恵三の代から、選挙のたびに、小渕事務所の秘書がやってきていたからです。

 だから、岡田義弘後援会の拠点の安中市野殿地区では、女性陣の多数が明治座の観劇会に参加したことがあり、なかには、小渕ワインを送ってもらった住民もいらっしゃるかもしれません。

 1994年以前は、安中市は中曽根派と福田派のせめぎ合いで政治風土が醸成されてきましたが、1994年以降は、そうした確執がとれてしまい、「寄らば大樹」という気質も手伝って、一大保守王国形成に向けて突っ走っていったのでした。

 そのような結果、誰も政治ルールに関心を払う者がいなくなり、野放図に利権ばかりあさる風土が形成されていった挙句、今回の事態が発生したと見られます。

■本来であれば、地震も台風も竜巻もなく、豊かな自然や温泉など観光資源に恵まれて、芳醇な「OBUCHI YUKO」ワインが醸し出されるところですが、無風選挙が続くうちに、嫌気性の雑菌が繁殖してしまいました。

 長年、この状況を憂慮し、なんとか打開の糸口を見出そうとオンブズマンとして尽力してきましたが、自力では限界があるため、司直にお願いするしかなく、今後とも「告発」という手段で司直にアピールしていく所存です。

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「おぶち 優子」ワインを背中側から見たところ。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※参考記事
**********テレ朝ニュース2014/10/21 11:45
http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000037150.html
「小渕の代理できました」元秘書がワインを配布
 20日に辞任した小渕優子前経済産業大臣の地元の群馬県の元秘書が、選挙区内に住む男性に対し、「小渕の代理で来ました」などと話し、小渕氏の写真付きのワインを手渡していたことが分かりました。
 選挙区内に住む70代の男性:「(Q.(秘書は)何と言って来たのか?)(お祝いで)小渕優子の代わりに来ましたという形でワイン2本、赤と白。議員が配っちゃダメと分かっていた。おかしいなと思ってとっておいた」
 小渕前大臣の選挙区内に住む70代の男性によりますと、今年5月、小渕前大臣の当時の地元秘書が男性の自宅を訪れ、ワイン2本をお祝い品として贈りました。ボトルには小渕前大臣のキャッチコピーと写真が貼られていて、裏側には地元のワイン製造会社名などが書かれています。公職選挙法は、選挙区内の有権者に対し、金品などの利益供与を禁止しています。小渕前大臣は、20日の辞任会見で、ワインに関して「選挙区外に何かの形で渡していると承知している。私が渡したということではないと思います」としています。

**********MBSニュース2014年10月21日18:37更新
http://www.mbs.jp/news/jnn_2328443_zen.shtml
選挙区有権者に「小渕ラベル」ワイン、残る説明責任
 前代未聞の閣僚のダブル辞任から一夜明けた21日。過中の小渕前経産大臣と松島前法務大臣は、午後開かれた衆議院本会議を欠席。政府内からは安倍政権へのダメージを危惧する声が相次ぎました。
 「国民の皆さま方に失望とか、無念な思いとかがあることを決して否定するつもりはない。それを回復するために『あんな事があったけど、よくやっているじゃないか』と言っていただくために相当な努力が必要」(石破茂地方創生相)
 「安倍政権にとっては打撃ですね。このことによって潮目が変わるかもしれないという危機感を持って対応する必要がある」(下村博文文科相)
 誠治とカネの問題などで辞任に追い込まれた2人の女性閣僚。辞任会見でそれぞれ釈明しましたが、疑惑は晴れていません。小渕氏の写真がラベルにはられた2本のワイン。微笑む小渕氏と全身のスーツ姿が印刷された特注品と見られます。
 この「小渕ワイン」を受け取った男性は、群馬県在住。小渕氏の選挙区に住む有権者です。「(今年の)4月下旬か5月上旬だと思う。持ってきた。秘書。小渕優子の秘書。(Q.どういう目的で持ってきた?)私にお祝いだと言って持ってきた。(私が)個人的に表彰を受けた」(ワインを受け取った小渕氏の選挙区有権者)
 これまで小渕氏は、政治資金で購入したベビー用品や下仁田ネギなどは、県外の関係者への贈答品で問題はないと説明してきました。しかし、選挙区内でワインを配布していたとなると、公職選挙法で禁じられている「有権者への寄付行為」に抵触する可能性があります。
 20日、ワインについて問われた小渕氏は…
「(ワインは)選挙区外に何らかの形で使っているものと承知しています」(小渕優子氏)
 選挙区内での配布は報道で知ったとして「今後、調査する」と述べました。自民党内からも厳しい声が上がります。
 「だめだよ。あんな分かりやすいことをしたら。厳しいな。大臣辞任だけじゃ、すまなくなるかもしれないな」(自民党A議員)
(Q.議員辞職という話になってくる?)
「そういうことになるよね」(自民党B議員)
 小渕氏は明治座での観劇会について、報告書の収支が大きく食い違っている問題についても、弁護士などに調査を依頼するとしています。観劇会を主催していたのは、小渕氏が関係する2つの政治団体、「小渕優子後援会」と「自民党群馬県ふるさと振興支部です。取材をすすめると、その会計処理のずさんさが浮き彫りになってきました。
 ふるさと振興支部の報告書作成担当者とされる男性。「自分は名前を勝手に使われた」と証言しています。
「(Q.報告書をつくった記憶は?)ない。だって俺、事務所に勤めてないんだから」(自民党群馬県ふるさと振興支部)の“報告書作成担当者”)
 さらに、小渕優子後援会の会計責任者の男性もJNNの取材に、同じく「名義貸しだった」と証言。男性によりますと、毎年12月に選挙管理委員会から収支報告書に関する書類が届き、何も記入せずに小渕事務所のスタッフに渡していたといいます。すると…
「5月になると『事務所に来てください』と連絡があるんです。スタッフと一緒に出来上がった報告書の数字をいくつか確認して、あとは事務所を信用してサインをしていました。もう年だしやめさせてよと言っても『まあまあ』といった感じ」(「小渕優子後援会」の“会計責任者”)
 一方、選挙区でうちわを配布していた問題で野党からの追及の末、法務大臣を辞任した松島氏。公職選挙法違反の疑いで刑事告発されていましたが、東京地検はこれを受理。今後、慎重に捜査するものと見られます。
 辞任した2人の後任大臣が21日、正式に就任。就任会見で、原発の廃炉について問われた宮沢経産大臣は…
「ちょっと待ってくださいね…。廃炉については、原子力小委員会で検討しているところであります」(宮沢洋一新経産相)
 安倍総理は、政権をどう立て直していくのでしょうか。
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