2015/2/3  23:35

行政の腐敗・怠慢を監視するどころか増長させる前橋地裁・原道子裁判長の仰天判決!  オンブズマン活動

■平成27年1月30日(金)午後1時、午前中ちらついていた雪も昼過ぎになって、細かい雨滴に変わっていました。「前橋地裁の公判日に雪が降ると、仰天内容の事態が起こる」というジンクスが市民オンブズマン群馬にはあります。平成26年2月14日もそうでした。
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1217.html#readmore 参照)
この日はどうだったのでしょうか。午後1時10分から前橋地裁2階の第21号法廷では、3件の判決言渡しがありました。1件目は、渋川市の住民が、阿久津貞司・渋川市長(訴訟代理人:田島義康弁護士)を相手取った平成26年(行ウ)第11号住民訴訟事件でした。2件目は、富岡市の住民が、群馬県(訴訟代理人:関夕三郎弁護士)を相手取った平成26年(行ウ)第13号県有地管理不履行・不作為違法確認等請求事件でした。3件目は民事事件でした。原道子裁判長はいずれの事件も「棄却」「却下」を連発しました。
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トンデモ判決が出た1月30日午後1時頃の前橋地裁。


 裁判所は行政と基本的につるんでいますから、行政訴訟の勝訴率は極めて低いのが日本の特徴です。1件目も2件目もオンブズマン会員が提起した住民訴訟ですが、1件目は、スラグ撤去に要した費用を原因者の大同特殊鋼が負担することが提訴後、渋川市と大同との間で取り決められたため、原道子裁判長は、「訴えの理由がない」として原告の請求を棄却しました。これは、なんとか理屈が理解できますが、2件目の事件の判決内容については、どうしても合点がいきません。

■まずは、どんな判決だったのでしょうか。判決文は翌2月1日に原告のもとに送られてきました。判決内容を見てみましょう。

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tomiokakennyuutochifuhousenyuuhanketsubun.pdf
平成27年1月30日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官 近藤直樹
平成26年(行ウ)第13号 県有地管理不履行・不作為違法確認等請求事件
          判    決
  群馬県富岡市■■■■■■
     原    告   ■ ■ ■ ■
  前橋市大手町一丁目1番1号
     被    告    群  馬  県
     同代表者知事    大 澤 正 明
     同訴訟代理人弁護士 関   夕三郎
     同指定代理人    氏 家   進
     同         笹 尾 靖 子
     同         清 塚 道 浩

          主    文
   1(1) 本件訴えのうち,不作為の違法確認を求める部分をいずれも却下する。
    (2) 原告のその余の請求を棄却する。
   2  訴訟費用は原告の負担とする。

          事実及び理由
第1 請求
1 被告が所有する群馬県富岡市上丹生字駒寄49番3(以下「本件土地」という。)地上に,平成15年から物置小屋の建築者の「不法占有」を放置し,11年間に亘り「適正対価」も徴収せず,土地賃貸借契約を締結したことに対して,県有地管理不履行の不作為違反であることの確認を求める。
2 被告は,原告に対して,1万円を払え。
3 訴訟費用は,被告の負担とする。
第2 前提事実
1 事案の概要
 本件は,原告が,被告に対し,本件土地上に存在する3棟の物置小屋(以下,原告が平成9年に設置されたと主張する物置小屋を「本件小屋1」,平成13年に設置されたと主張する物置小屋を「本件小屋2」、平成25年に設置されたと主張する物置小屋を「本件小屋3」といい,これら3棟の小屋を併せて「本件各小屋」と総称する。)の強制撤去を要請したところ,被告は,強制撤去を予告する看板や本件土地への立入を禁ずる看板を設置しないばかりでなく,本件土地の占有者(以下,本件各小屋を設置して本件土地を占有している者を「本件占有者」という。)に対する適正な賃料相当額の徴収を実施せず,さらに,同人との間に同土地に関して著しく低い賃料で賃貸借契約を締結したと主張して,@被告が,平成15年5月10日以降,本件小屋1に強制撤去の看板を設置し本件占有者による本件土地の不法占有を阻止すべきところ,この義務を怠った不作為の違法確認,A被告が、本件小屋2及び本件小屋3について,これらの小屋の設置により本件土地を不法占有しないよう立入禁止措置を講ずる義務を怠った不作為の違法確認,B被告が,本件占有者に対し,平成15年5月から平成26年7月までの期間につき,本件土地の賃料相当額を徴収し,さらに賃貸借契約締結後は適正賃料をもって賃貸する義務を負うところ,この義務を怠った不作為の違法確認,C被告が,全体の奉仕者として公共の利益のために勤務すべきであるにもかかわらず(地方公務員法30条),この服務義務を怠った不作為(以下,それぞれ「本件不作為@」ないし「本件不作為A」といい,本件不作為@ないしCを併せて「本件不作為」と総称する。)の違法確認をそれぞれ求める請求及びD本件不作為によって原告が被った精神的損害を慰藉するため,国家賠償法1条1項に基づき1万円の損害賠償請求を求めた事件である。
2 当事者の主張
(1) 不作為の違法確認請求について
 (原告)
  被告は,以下の点において不作為の違法がある。
 ア 被告は,原告から,本件小屋1の写真を持参の上,同小屋の解体及び撤去を要請され,そのため本件占有者に対して強制撤去を予告する看板を設置するよう要請されたにもかかわらず,同看板を設置しなかった。
 イ 被告は,県有地の管理者として,本件小屋2及び本件小屋3により本件土地を不法占有されないよう,本件土地への立入を禁止するための措置を取るべき義務があるにもかかわらず,この義務を履行しなかった。
 ウ 被告は,平成26年7月31日,本件占有者との間に,本件土地に関する賃貸借契約を締結したところ,本来であれば,不法占有時の賃料相当額を徴収すべきであり,また適正な賃料で賃貸をすべきであるにもかかわらず,年額3943円という定額で貸し付けた。
 エ 被告は,全体の奉仕者として服務に当たり,公共の利益のために全力で職務を遂行すべきであるにもかかわらず,この含む義務を怠った。
 (被告)
 ア 本件訴えは却下されるべきである。
   行政事件訴訟法(以下「行訴法」という。)3条5項の請求は,ほうり得に基づく申請の存在が訴訟要件であるところ,原告は,法令に基づく申請を何らしていない。
(2) 国家賠償請求について
 (原告)
 ア 被告は,上記のとおり,本件占有者との間で本件土地に関する賃貸借契約を締結したところ,他方,わずか2坪ほどの広さの県有地に玉石を置いていた原告に対しては,看板を設置し撤去を予告した。
   被告の上記行為は,原告を始め群馬県民全般と比較し,本件占有者を不当に優遇する者である。
 イ 原告は,本件不作為について,その調査及び報告資料の作成のため,本件土地や富岡土木事務所を訪れたり写真等を準備するなどの出費を余儀なくされた。
 ウ 上記ア及びイを踏まえ,原告が本件不作為により被った精神的損害を慰藉するための額としては,1万円が相当である。
 (被告)
   原告が精神的損害を受けたことは否認し,同損害を慰藉する相当額が1万円であることは争う。
   被告に何ら国家賠償法上の違法性はなく,原告の請求には理由がない。
第3 当裁判所の判断
 1 不作為の違法確認請求について
(1) 不作為の違法確認の訴えは,行政庁が法理に基づく申請に対し,相当の期間内に何らかの処分をすべきであるにもかかわらず,これがされない場合に,この不作為の違法を確認する訴訟形態である(行訴法3条5項)。同訴えは,行政庁が国民から法令に基づく申請を受けたにもかかわらず,不相当な長期にわたって諾否等を決定せず,その申請を放置している場合に,このような行政庁の対応から国民を救済することをその趣旨とする。そうすると,ここにいう「法令に基づく申請」とは,法令上申請することができる旨の名文の規定がある場合に限定されるものではないが,行政庁に対する単なる請願、陳情及び行政処分の発動を促す要請等はこれに当たらないものと解される。
(2) そこで検討すると,原告は,本件不作為@については単に本件小屋1に関する解体要請を行ったと主張するにとどまり,また本件不作為AないしCについては法令に基づく申請を行ったとの主張をしていない
 なお,原告は,群馬県監査委員に対し,平成26年10月6日付け「群馬県職員措置請求書」(甲7)を提出しているところ,住民監査請求(地方自治法242条1項)は上記の法令に基づく申請に該当しない。
(3) そうすると,原告の求める本件不作為の違法確認の訴えは,いずれもその訴訟要件を欠くものであって,不適法であり,却下を免れない。
2 国家賠償請求について
(1) 原告の請求は,被告の本件不作為の違法性をその根拠とするところ,上記のとおり,その違法性を肯定することはできない。
(2) 原告は,本件土地の占有者を,原告を含む県民全体と比較して不当に優遇しているなどと主張するものの,原告主張の事実のみをもって直ちに国家賠償法上の違法があるということはできず,そのほかにこれを肯定するに足りる事実の主張立証もないことからすると,原告の上記主張を採用することはできない。
 また,原告は,自らの判断により本件に関する調査及び報告資料の作成を実施したのであって,その費用を本件不作為によって生じた損害ということはできない
(3) そうすると,結局,原告の請求には理由がない。
第4 結論
 以上のとおり,本件訴えのうち,被告の不作為の違法確認を求める請求の趣旨1は不適法であるからこれを却下することとし,その余の請求は理由がないからこれを棄却することとして,主文のとおり判決する。

   前橋地方裁判所民事第2部
        裁判所裁判官   原   道 子
           裁判官   樋 口 隆 明
           裁判官   根 岸 聡 知

これは正本である。
平成27年1月30日
   前橋地方裁判所民事第2部
   裁判所書記官 近 藤 直 樹
                    前橋 10-036709
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■驚くべき内容です。いくら裁判所が、行政に都合のよいように判決文を考えてやっているとはいえ、後先かまわず、原告敗訴にするための門前払いの理由として、何でもでっち上げればいいというものではありません。

 今回の事件では、群馬県が保有する土地に無断で建築物を建てて、そこにゴミを集めて燃やすなどしていた不届き者の行為を見つけた地元住民が、最寄りの群馬県の出先機関に通報して、是正を求めにも拘らず、群馬県の公務員らは、誰もまともに取り合わず、11年間も見て見ぬふりをしていました。それどころか群馬県の職員らは、県有地での不法占拠と不法投棄を通報してくれた地元住民に、感謝するどころか、嫌がらせをしたのです。地元住民が、近くの県有地に玉石を仮置きした途端、群馬県の公務員らは「違反行為だ」として現場に看板まで立てて地元住民を威嚇したのでした。

 さらに、11年間も不法占有していた不届き者に対して、群馬県の公務員らは、長年にわたる不法占拠の対価である賃貸料もとろうとしませんでした。それどころか、この不祥事が表ざたにならないように、不届き者に対して、賃貸借契約の締結を持ちかけ、しかも、破格の安値を提示して、賃貸借契約をしてしまったのです。

■公務員には、「職務執行にあたり犯罪の事実を知ったときは告発しなければならない」という刑事告発義務があります。職務遂行に際して発見した犯罪には、黙認してはならないのです。

 そもそも、刑事訴訟法239条1項には、「何人でも、犯罪があると思料するときは告発することができ、また、告発するか否かは本人の自由である」と定めています。しかし、刑事訴訟法239条2項では、公務員について、「官吏又は公吏がその職務を行うことにより犯罪があると思料するときは告発しなければならない」と規定しており、告発が義務付けられているのです。

 しかも、この「職務を行うことにより」とは、必ずしもその犯罪事実の発見そのものが職務内容であることは必要でなく、「職務執行に際して」と広義に解釈することが通説であるとされています。

 なお、公務員が職務執行に際して、犯罪事実を発見した場合に、必ず告発しなければならない拘束をうけるかどうかについては、通説は「義務規定」であるとしていますが、「訓示規定」であるとする立場もあります。

 今回の前橋地裁の原道子裁判長が下した判決によれば、この刑事訴訟法239条2項には全く触れていないうえに、原告が不法占拠者の行状や実態を群馬県の公務員に通報したこと自体、法律(行政訴訟法3条5項)で定める「この法律において『不作為の違法確認の訴え』とは、行政庁が法令に基づく申請に対し、相当の期間内に何らかの処分又は裁決をすべきであるにかかわらず、これをしないことについての違法の確認を求める訴訟」、いわゆる抗告訴訟の対象にはならないのだそうです。

 さらに原告は、被告に対して何度も強制撤去や退去を含む行政命令を不法占有者に対して発動するように要請=申請した事実を証明するために、裁判所を通じて証拠となる文書を取り寄せようとしましたが、原道子裁判長は、ことごとく拒否をして行政側の肩を持ったのでした。

 これでは、いくら県民が公有地の不法占拠や、大同スラグのような有害廃棄物の不法投棄を行政に通報しても、行政が無視して何の対応をとらない場合でも、公務員らは何ら法的な責任が問われないことになります。だから、未だに群馬県の役人は、大同スラグ不法投棄事件に対しても、告発さえしようとしないのかもしれません。何しろ、裁判所のお墨付き判決が今回出されたことから、公有地という県民の財産が乗っ取られても、他人事で済ませられることが保証されたようなものです。

 つまり、群馬県の公務員は、違法行為を知っても、それを放置しておけば責任を一切問われることがありません。だから通報した県民、市民、住民がバカを見ることになるのです。今回の判決から、ますます公務員の怠慢が酷くなることが心配です。

■泥縄行政の腐敗・怠慢を監視するのは県民、市民、住民しかできないわけですが、裁判所がこの体たらくですから、いくら通報しても告発しても、住民監査請求をしても、そして行政訴訟を提起しても、くたびれもうけとなります。だから賢い人は行政相手に裁判などしません。でも、それが行政側の思う壺なのです。

 今回、常識的な観点から、県有地を不法占拠して、ゴミを不法投棄していた不届き者が優遇され、通報して強制退去を求めた住民が門前払いとなりました。原告住民は、こんな行政と裁判所では、控訴しても費用と時間の浪費だと考えています。この判決が前例となり、喜ぶのはお役人様ばかりなりとなるでしょう。

 裁判所は、不法占拠や不法投棄をしていた不届き者の事には一切触れずじまいでした。このような行政とつるんだ裁判が未だにまかり通っているのですから、群馬県では役所内の二重基準によるルール違反の黙認や、特定の業者との癒着が蔓延る原因となるのです。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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