大同有毒スラグを斬る!…群馬県監査委員3名の前で住民監査請求の証拠提出と意見陳述  スラグ不法投棄問題

■群馬県東吾妻町の農業地帯に大量の鉄鋼スラグが不法投棄されたうえに、その上に簡易舗装で蓋をした群馬県農政部に関して、市民オンブズマン群馬は1月30日付で群馬県監査委員に職員措置請求、いわゆる住民監査請求を提出しました。そして本日2月18日(水)10時40分〜11時30分にかけて、県庁26階で証拠の提出と陳述が行われました。市民オンブズマン群馬として、次の内容の陳述を行ったので報告いたします。
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                    平成27年2月18日

          意 見 書

                    陳述人 小川賢、鈴木庸

 平成27年1月30日付で提出した群馬県職員措置請求について、次のとおり陳述します。

1.大同特殊鋼の鉄鋼スラグについて

 鉄鋼スラグが廃棄物に該当するか否かは、物の性状、排出の状況、通常の取り扱い形態、取引価値の有無、占有者の意思を総合的に勘案して判断するということになります。この全てにおいて、大同特殊鋼の鉄鋼スラグは産業廃棄物です。取引価値の有無と物の性状について、説明します。

(1)取引価値の有無

 平成26年1月27日、群馬県環境森林部リサイクル課による大同特殊鋼渋川工場に立入調査が行われました。その結果、有害スラグとみられる資材を販売した際、販売額より多い費用を販売管理費などの名目で支払う「逆有償取引」と呼ばれる手法による鉄鋼スラグの取引形態が指摘され、大同特殊鋼もこの取引形態について認めています。したがって、大同特殊鋼の鉄鋼スラグに取引価値などありません。「鉱さい」という産業廃棄物であると考えられます。

  参考資料1:群馬県から大同特殊鋼に対する指示書↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/html/noticefromgunmalgtodaidosteel20140422.pdf
  参考資料2:群馬県から大同エコメットに対する指示書↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/html/noticefromgunmalgtodaidoecomet20140422.pdf
  参考資料3:群馬県から丸太運輸に対する指示書↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/html/noticefromgunmalgtomarutaunyu20140422.pdf

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写真説明:東吾妻町箱島にある大同と佐藤建設工業の中央橋混合所に掲示されている看板。大同エコメットの渋川事業所長の氏名がある。

(2)物の性状

 平成26年12月26日国土交通省より「鉄鋼スラグに関する材料の分析試験結果について」が公表され大同特殊鋼の鉄鋼スラグには有害物質が含まれていることが公にされました。従って物の性状の面からも大同特殊鋼の鉄鋼スラグは産業廃棄物です。

  参考資料4:平成26年12月26日付国交省関東地方整備局の「鉄鋼スラグに関する材料の分析試験結果について」と題する記者発表資料↓
http://www.ktr.mlit.go.jp/kisha/kyoku_00000671.html
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000614913.pdf

(3)排出の状況

 大同特殊鋼の鉄鋼スラグは、過去においても産業廃棄物として処分され現在でもサンパイの扱いが為されています。

(4)取扱い形態

 大同特殊鋼の鉄鋼スラグは、独占契約により佐藤建設工業のみしか取り扱うことができません。取引市場は存在しません。

(5)占有者の意思

 大同特殊鋼は、希釈目的で天然砕石に有害物質を除去せず、天然砕石に希釈目的のために鉄鋼スラグ混入させていました。

 以上のとおり、大同特殊鋼の鉄鋼スラグは産業廃棄物であり、そのことを排出者である大同自身も認めており、産業廃棄物であることに争いはないと考えられます。

 また、第187回国会の経済産業委員会第8号(平成26年11月12日)において、環境省の鎌形政府参考人は次のように述べています。
※参考URL:http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/009818720141112008.htm

 「スラグを希釈目的で自然砕石と混合する、このような行為は廃棄物の処理には当らないということでございまして、混合されたものにつきましては、廃棄物と廃棄物でないものを混合したものとして取り扱っていくべきもの、こういうことと解釈してございます。」

 従って、萩生地区の砕石の中に混入された産業廃棄物である、鉄鋼スラグは希釈されたものとみなすことはできず、自然砕石と混合しても鉄鋼スラグはあくまで産業廃棄物であり、有害物質が含まれていることから生活保全上支障があり、撤去しなければならないものです。

2.萩生地区に搬入された砕石について

  違法理由:用途外使用
  参考資料5:区画整理5工事 平面計画図↓
5v.pdf

(1) 支道6号線について

 たとえばこの現場では、砕石を引いただけの敷き砂利および山砕盛り土の二つの工法で施工されています。

(1-1)支道6号線の山砕盛り土について

 本来、盛り土には天然石(山砕)を使用すべきところ、異物である鉄鋼スラグが混入されていることが、陳述人らの調査で判明しています。
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(1-2)支道6号線の敷き砂利について

 「砕石骨材(クラッシャラン:C−40及びC−100)にクラッシャラン鉄鋼スラグ(CS−40)をブレンドした骨材の取扱いについて(通知)」と題する県土整備部発出の文書(参考資料6参照)のなかで「C路床工、路面敷砂利に使用しない。」と明記されています。
  参考資料6↓
6yeymixj.pdf

 また、環境基準への適合性についても、「構造物の基礎工、裏込材および車道用下層路盤工は周辺土壌と区分する」と記述されています。にもかかわらず県農政部は、敷き砂利や路床工に有害スラグを使用し、また周辺土壌と区分する処置もしていません。

(2)既設4号線について

 次に、この現場についてですが、陳述人らの調査で上層路盤材の中に有害スラグが入っていることが確認されています。下層路盤材と同じ材料が、上層路盤材にも使われていると思われます。

 なぜ設計図書通りに施工されていないのか? 検査は無事に終了しているというが、なぜ変なところがないのか?なぜ「ブレンドした骨材の取扱いについて(通知)」を無視して施工計画がたてられているのか?なぜ有害物質を撤去しようとしないのか? など、疑問だらけです。

3.緊急に追加された舗装について
  違法理由:用途外使用
  参考資料5:区画整理5工事 平面計画図↓
5v.pdf

(1)平成26年6月4日の時点で、この敷砂利部分に、無理やり舗装をかける工事が、またしても池原工業に発注されてしまいました。

 池原工業は有害スラグで二度おいしい思いをしたのです。その意味でも、有害スラグ利活用に長けた第一人者といえるでしょう。

 その舗装工事の目的は、「あくまで敷砂利は一つの過程で、舗装をかける下準備」ということにでも、したかったのでしょうか?それにしては、あまりにも無理がありすぎます。

 舗装手順が特記仕様書の中に示されています。本来、舗装というのは、「計画路面高」を定めて、その舗装厚の分だけ掘削を行って、路床面を仕上げてから、役所職員の検査を受けた後、下層路盤工を施工して、その上にアスファルト舗装を施すものです。

 ところが、今回の舗装は敷砂利の上に補足材を均してアスファルトを被せただけのものです。誰が見ても毒入り有害スラグを隠ぺいする行為です、

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写真説明:雨水の流れで、敷き砂利の上に無理やり舗装をかけ、土を擦り付けたことがわかります。

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写真説明:当然ながら、擦り付けた土は雨で流れ有害スラグが顔を出しています。

 また今回の緊急舗装は全ての路線で舗装を施工したものではなく、明らかに有害スラグを敷き砂利した部分のみです。

 陳述人らは、今回の鉄鋼スラグを敷きこんだ農道に舗装をかけた目的は、「県職員の監督ミスをごまかすための行為である」と推測しております。
 このような目的に県民の血税を使って、県の財政に損害を与えたことは、納税義務を果たしている県民に対する裏切り行為です。

 よって、監査委員の皆さまにおかれましては、知事に対し次のように勧告するよう求めるものであります。

 「知事、および全ての支出手続関係者らに対し、請求の要旨に記した行為による金額の全額を群馬県に対し返還させること」

 なお、職員措置請求書にも記しましたが、有害スラグは群馬県による他の公共事業においても多数の場所に多量に不法投棄されている可能性があり、これらの撤去についても早急に原因者負担で実施することが群馬県には求められていることを最後に付け加えたいと思います。

 ご清聴感謝もうしあげます。

 なお、この件に対して、ご質問等があれば、できる限りお答えしたいと思います。
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■本日の証拠提出及び陳述には、監査委員のひとりの丸山幸男委員(弁護士)が都合で出席せず、横田秀治委員、星野寛委員、福重隆浩委員が当会の陳述に耳を傾けました。

 陳述後、横田委員から、「職員措置請求書には、請求対象について“県職員”という記載だが、本日の陳述内容では、“知事、および全ての支出手続関係者らに対し”という表現が使われている。この違いについては?」という趣旨の質問が投げかけられました。

 これに対し、当会から「この支出行為について、決裁権者が誰にあるのか、納税者である一般県民としては特定できない。おそらく支出の金額により、知事なのか、担当部長なのか、課長なのか、あるいは出先の支所長なのか、内部の規定に基づいて決められているものと思う。また、スラグを使用した工事完了後の検査についても、誰が検査権限を行使したのか、我々一般住民にはわからないので、皆さんに特定していただきたい」と述べました。

 横田委員からは、当会の回答に対して了解した旨の発言がありました。なお、更なる質問があるかどうか、中央に座った横田議員が両脇の星野、福重両委員(両名とも県議)に対して促したところ、両委員とも追加質問がないことを意思表示しました。

 こうして約50分にわたる証拠提出と陳述が終わりました。

 なお、傍聴席の最前列には、ネクタイ。背広姿の男性1名が座っていましたが、オンブズマンの会員ではありませんでした。後で監査委員事務局に確認したところ、傍聴者については入口で記帳しておらず、身元については不明とのことでした。

 そのため、当会からは「もし、県職員であった場合は、公平性に欠ける恐れがある。念のため確認できる範囲でお願いしたい」と伝え、事務局側も了承しました。なお、スラグ取扱い業者側の関係者が傍聴していたことも考えられますが、その場合は、当会からの陳述内容をしっかり聞いてもらえたことになるため、問題はありません。

 監査結果は、請求書受理後60日以内ということですので、おそらく3月末までには結果について決定通知が出される予定です。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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