2015/2/19  23:49

県職員OBの渋川副市長を官製談合容疑で逮捕したのに、同日に女児誘拐未遂容疑で巡査が逮捕された渋川署  オンブズマン活動

■おそらく平成27年2月18日は、渋川署にとって、最も目まぐるしい一日だったことでしょう。渋川市の副市長の逮捕にこぎつけたと思いきや、身内の巡査が女児誘拐未遂の疑いで逮捕されたのですから無理もありません。逮捕された渋川市副市長は、県立農業大学校を卒業後、県庁に入庁し、主に農政部門で活躍し、直近はぐんまブランド推進室長を務めて、2010年4月1日から渋川市で副市長として勤務していました。この事件を報じた地元紙の記事を見てみましょう。
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【3月5日追記】3月2日から高崎駅ビルに掲げられている群馬県警の垂れ幕。警察の裏金を告発した優秀な警官をクビにして、ロリコン警官を採用するような現在の人事評価システムを、果たして組織として改革できるだろうか。


**********上毛新聞2015年2月19日一面
渋川副市長を逮捕 官製談合容疑で
給食調理場工事 業者2人も 最低価格漏らす
 渋川市発注の電気設備工事をめぐり、入札前に最低制限価格を漏らしたなどとして、県警捜査2課と前橋、渋川両署は18日、官製談合防止法違反と公契約関係競争入札妨害の疑いで、同市村上、同市副市長、飯塚寛巳容疑者(61)と、工事を落札した業者2人を逮捕した。県警は業者側が飯塚容疑者に価格を教えるよう依頼したとみており、詳しい犯行状況や金銭授受の有無などを調べ、事件の全容解明を進める。
 ほかに逮捕されたのは前橋市川原町、電気設備工事会社「菅谷電気工事」社長、菅谷玄(71)、同市大利根町、同社員、黒岩好章(57)の両容疑者。
 逮捕容疑は2013年5月ごろ、渋川市が発注した北部学校旧称共同調理場の電気設備工事の入札をめぐり、飯塚容疑者が最低制限価格1億3850万1千円を菅谷容疑者に漏らし、落札させた疑い。県警は認否を明らかにしていない。
 県警によると、飯塚容疑者は菅谷容疑者について「顔見知りだった」と供述している。菅谷容疑者が最低制限価格を教えるよう依頼したという。県警は犯行の場所や方法のほか、黒岩容疑者が果たした役割などを調べる。
 同工事は市内に本店や支店、営業所を持つ業者という条件付き一般競争入札で市が発注した入札には菅谷電気工事を含む4社が参加。同社は最低制限価格を2千円上回る1億3850万3千円で落札した。
 飯塚容疑者は1974年に県庁に入庁した。2010年、県蚕糸園芸課ぐんまブランド推進室長在任時に出向し、副市長に就任した。市長の補佐や職務代理、職員の事務の監督などを担当。同工事についても、設計書を確認するなどして最低制限価格を知り得る立場だったとみられる。
 県警は18日、市役所や飯塚容疑者の自宅など関係先を家宅捜査した。同市役所では午後6時半過ぎから、捜査員約30人が飯塚容疑者の自宅や隣接する車庫、車両などを調べたほか、前橋市大滝町の同社も捜索した。

**********上毛新聞2014年2月19日社会面
自ら不正検証トップ 渋川市官製談合
副市長、疑惑「根拠ない」 以前にも談合情報
 不透明な公共工事に、捜査のメスが入った。渋川市発注の北部学校給食共同調理場新築工事をめぐる官製談合事件。施工業者とともに逮捕されたのは、市の入札審査会委員長も務める現職の副市長だった。同工事について過去に談合の可能性を指摘された際、副市長は「根拠はない」と否定していた。市ナンバー2の突然の逮捕劇に、周囲からは驚きや落胆の声が聞かれた。
 渋川市発注の工事をめぐっては、これまでも談合情報が複数寄せられ、逮捕された同市副市長、飯塚寛巳容疑者(61)が委員長を務める入札審査会で検証が行われてきた。
 今回の事件の舞台になった北部学校給食共同調理場「同市中郷」の新築工事についても2013年6月、談合情報が寄せられた。これを受け入札審査会で協議、入札に参加した4社から誓約書の提出を受けたうえで予定通り改札した結果、情報通りの業者が落札していた。
 当時、飯塚容疑者は「具体的な証拠がない」と指摘。情報がよせられた時期が市長選の直前だったこともあり、いたずらに市政を混乱させる目的で流された情報との見方を示していた。
 その後、談合をめぐる議論が市議会で行われたことから、市は年度別の受注実績をまとめた資料を参考資料として議会に提出。特定の業者に発注が偏っていないことをアピールしていた。現在、市議会は任期満了に伴う新旧議員の交替時期だが、19日にも今後の対応を協議する。
 北部学校給食共同調理場は、施設の老朽化に伴い南部学校給食共同調理場(同市行幸田)とともに新設された。食育に力を入れる阿久津貞司市長の目玉背策の一つで、ともに本年度2学期から本格稼働している。

渋川市役所や副市長宅など捜索 県警
 飯塚寛巳容疑者が勤務する渋川市役所には午後6時半ごろ。十数人の捜査委員が家宅捜索に入った。カーテンなどが閉められ中の様子はうかがえなかったが、副市長室や入札を担当する契約検査課などを中心に調べたとみられる。
 市政のナンバー2が逮捕される事態に、市役所にいた市の幹部らは一様に厳しい表情だった。
 家宅捜索は他の関係先でも行われた。渋川市村上の飯塚容疑者の自宅には午後7時ごろ複数の捜査委員が入った。前橋市村上の飯塚容疑者の自宅には午後7時ごろ複数の捜査員が入った。前橋市大渡町の菅谷電気工事からは、午後9時半ごろに押収物を入れたとみられる段ボール箱6個が運び出された。

★存在感ある調整役 飯塚容疑者
 逮捕された飯塚寛巳容疑者は専門の農政分野に加え、県庁時代から培ってきた幅広い人脈を生かし、存在感のあるナンバー2として市政運営に携わってきた。私立病院の再編統合問題や地元農産物を生かした伊香保温泉への誘客などに積極的に取り組んでいた。
 さまざまな市民の課題の調整役として知られており、市関係者は「いろいろうわさをあったが、まさか逮捕されるとは」と言葉少なだった。別の関係者は「こんなことになり、残念だ」と漏らした。
 一方、飯塚容疑者をよく知る元県職員の男性は「行政マンというより、どちらかと言えば政治家タイプの人だった」と振り返り、「逮捕容疑が事実だとすれば、法令を超えたところまで足を踏み入れ、剛腕を振るってしまったのではないか」と指摘した。
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■いつもなら、役所の不祥事件では、これほどまでに細かく報道されることは余りありませんが、今回の渋川市の事件では、満を持して報道した感があります。その理由は、おそらく次に示した現職警察官の不祥事件が先月起きてしまい、これ以上公表を遅らせることが出来なくなった事情があったようです。

**********上毛新聞2015年2月19日一面
巡査 女児誘拐未遂疑い
渋川署の24歳逮捕 「仲良くなりたかった」
 小学4年の女児(10)を誘拐しようとしたとして、県警捜査1課と子ども・女性安全対策課は18日、未成年者誘拐未遂の疑いで、渋川市金井、渋川署地域課の巡査、秋山暢大容疑者(24)を逮捕した。県警によると、秋山容疑者は容疑を認め、「かわいかったので、仲良くなりたかった」と供述。女児の自宅がある地域を担当する交番に勤務しており、県警は職務上知り得た情報を悪用した疑いがあるとみて調べている。
 逮捕容疑は1月15日午後4時10分ごろ、北群馬郡内の女児の自宅前の路上で、学校から帰宅した女児に「パパが交通事故に遭って病院に運ばれた。すぐに来てくれないか」とうそを言って誘い出そうとした疑い。
 県警によると、秋山容疑者は女児の自宅前に自分の車を止め、親戚の車と勘違いして近寄ってきた女児に車から降りて声を掛けた。その際、女児や女児の父親の名前を呼んでいたという。女児は不審に思って拒否した。
 事件当日、秋山容疑者は休みで私服姿だった。女児が事件後、昨年12月ごろにバイクでパトロールしている秋山容疑者に似た男を数回見ていたと証言し、事件から10日後に母親が捜査員に伝えて関与が浮上した。
 秋山容疑者は2013年4月に採用され、昨年3月から同交番に勤務している。渋川署関係者によると職務態度に問題はなく、無断欠勤もなかった、控えめな性格で「普通の若者という印象だった」という。
 女児の母親は県警を通じ、「犯人が逮捕されて良かった。警察官でがっかりです」とコメントを出した。
 上原健司首席監察官は「現職の警察官が逮捕されたことは、極めて遺憾。捜査と調査結果を踏まえ、厳正に対処したい」と述べている。

**********上毛新聞2015年2月19日社会面
巡査が誘拐未遂容疑 「驚いた」「信じられない」
父母や住民に衝撃
 地域を守るべき現職検察官の犯行を知り、地元住民に衝撃が走った。小学4年の女児(10)に対する誘拐未遂容疑で、渋川署地域課の巡査、秋山暢大容疑者(24)が18日逮捕された事件。女児と同じ学校に子どもを通わせる親は「驚いた」「信じられない」と声を震わせた。ヒドロの交番勤務で知り得た情報が悪用された疑いもあり、住民らは早期の真相究明を強く求めた。
 「何を信じて良いか分からなくなる」。女児と同じ小学校に2児を通わせる母親は憤った。逮捕は同校からの連絡で知った。「どの子どもが狙われてもおかしくなかった。不安でたまらない」とつぶやいた。
 別の30代の母親は「警察官の不祥事のニュースはなくならない。警察官の犯行だからと言って、今更驚かない」とあきれ果てた。事件では、秋山容疑者が交番勤務で把握した情報を悪用した疑いも浮上している。母親は「最近は地域のつながりも希薄。警察官も信じられないし、自分自身で気を付けるしかない」と語った。
 4月に動向に子どもが入学する予定の母親(34)は「こんな事件が身近に起こるとは思わなかった。子どもの安全が心配になる」とため息を漏らした。
 事件では、秋山容疑者の誘いを不審に思った女児が断ったとされる。同校の校長は「定期的に続けてきた不審者対策を踏まえ、児童が適切に行動してくれた。引き続き防犯対策や教育を徹底する」とコメントした。県教委は事実関係を確認した上で、県内の小学校などに登下校時の安全確保について注意喚起する方針だ。

★県警、後絶たぬ不祥事
 県警の不祥事をめぐっては、昨年は7月にひき逃げ事件を起こして逮捕され、有罪判決を受けた桐生署員が免職されたのをはじめ、近年懲戒処分を受ける警察職員が後を絶たず、組織全体の課題となっている。
 監察課によると、昨年はこのほか虚偽の交通事故報告書を作成したとして書類送検された2人が減給処分となり、勤務時間外に交通違反を起こした1人が戒告処分を受けている。
 県警職員の懲戒処分は2011年に14人、12年には15人と相次いだ。県警は刷新要綱を策定するなど対策強化に取り組んでいた。
 小学4年の女児を誘拐しようとした渋川署地域課の巡査、秋山暢大容疑者(24)の逮捕に、県警内部からは「県警を挙げて不祥事撲滅に取り組み、一定の成果が出ていたさなか、ショックだ」と落胆の声が漏れた。
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■現職の副市長と警察官という、ともに公務員が起こした2つの不祥事件が、一緒に一面と社会面を飾った2月19日の上毛新聞の紙面ですが、前者は県警の捜査2課、後者は捜査1課が担当でした。両方とも渋川市に関連した不祥事であり、市役所と警察に対する市民の不安と懸念は増幅されたに違いありません。

 もっとも、警察官不詳事については、オンブズマン会員の元警察官から、警察組織の実態を十分に聞かされており、あらためて驚かされるまでもありません。しかし、渋川市の副市長が群馬県農政部職員の出身だったことは、象徴的と言えます。なぜなら群馬県では、有毒スラグ問題にみられるように、業者との癒着による官製談合が日常茶飯事であり、県職員OBの副市長にとっては、群馬県で当たり前のように行ってきたことであり、コンプライアンス上、問題があるなどという認識が皆無だったと見られるからです。

 渋川市側としても、「そうした体質を有する県職員OBを副市長に起用するのは、メリットがある」として認識していたのではないか、というのが、副市長就任要請の背景にあったと見ることができます。

■県警には、汚名返上に向けて徹底的な取り調べを強く要請したいところです。副市長レベルで、こうしたあからさまな入札操作が行われたということは、常識的に考えれば、さらに組織的な関与が疑われるわけで、今後の捜査の行方が注目されます。

 この事件が、役所側では副市長の単独犯行で片づけられてしまうのか、それとも共犯者や協力者があぶりだされるのか、予断を許しません。ただひとつ断言できることは、警察への信頼回復のためには、結果を出すことが求められている、ということでしょう。トカゲの尻尾切りだけでは、膿を出し尽くすことが出来ないからです。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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