タゴ一族しか知らない51億円事件の本当の使途不明金額  土地開発公社51億円横領事件

■今年もまもなく師走を迎える時期になりました。今日11月25日は、安中市が私たち市民の公金を使って、13年前のタゴ事件の尻拭いのため、2000万円を群馬銀行に支払う日です。奇しくも、今日からまた10年間、群銀にせっせとタゴの豪遊のツケを負わされることになりました。あの、忌まわしい51億円事件で。平成7年6月3日の朝刊を見た時のショックは、市民の間に今でも癒えることなく続いています。


ところで、当会ではこの事件を「51億円事件」と呼んでいますが、市役所は「不祥事件」、マスコミでは「巨額詐欺事件」という言い方をしています。事件が発覚して13年経ち、警察の捜査も終結し、刑事裁判もとっくに終わって、タゴ事件関係者も時効が過ぎてホッとしており、タゴ自身でさえ、既に仮出所で「臭い飯」でなく、旨いメシを食っているというのに、事件の真相だけが闇の彼方です。これだけの大事件なのに、ムショに入れられたのは一人だけという世にも不思議な事件です。

■とりわけ象徴的なのは、事件の最も肝心要である犯行総額さえ、まだアヤフヤなことです。この基本的な数字が確定されない限り、行方不明となっている巨額のカネの全容は把握できません。事件発覚から丁度3年目を迎えたのを契機に、当会では、これまでに入手した資料等からタゴの不正実利得額を算定してみました。まずは別表をご覧ください。

この表は、膨大な刑事記録などから、タゴが群馬銀行から一体いくら偏し取ったのかを検証するために作成したものです。当会では、この表が正しいかどうか確認するため、98年ごろ群馬銀行に持ち込んで数字のチェックを依頼した経緯があります。しかし、群馬銀行は一目見るなり顔色を変えて「これは受け取れない」と拒否してきました。       一

■タゴの自己消費の総額は、警察の捜査の結果、27億3756万8313円と判明しました。そのうち、警察の懸命な捜査にもかかわらず、使途が判明したカネは13億311万4946円(全体の47.6%)。ナント残りの14億2445万3367円(全体の52.4%)が行方不明というから、この事件の異常性をよく物語っています。

別表では、上半分と下半分に、それぞれウラ口座開設前と後の、即ち平成2年4月15日以前と以後の、公社が群銀から借入れた額とタゴが水増しした金額を時系列に並べてあります。注意しなければならないのは、ここに列挙した借入の他に、群銀との聞では水増しをしていない通常の借入もあることです。それらも含めて、公社と群銀との間には多年にわたり巨額な資金が行き来していました。

■表でお分かりのように、タゴが最初に群銀から金を偏し取ったのは昭和60年3月31日となっています。警察では、それ以前の借入や、群銀以外の金融機関から公社が借入れた経緯も当然把握していますが、不正借入はこの時から開始されたようです。

騙し取るきっかけは、タゴがそれまでに公社で借りていた資金を使い込み、群銀への返済期日が迫ってきたため「なんとかしなけりゃ」と水増し借入を画策した、ということになっています。最初から公印を使い、隙間に漢数字を書き加える方法で公文書を変偽造していた、という。よくまあ十年間もバレなかったものだと呆れてしまいます。

警察の調べによると、昭和60年3月までに、タゴは公社の事務費をネコババしたり、帳簿
を改ざんして5千万円くらい横領したそうです。公社の決算書から昭和57から60年度にかけて利益積立金がゼロとされ、3200万円余りが忽然と消えてしまったことは、当会も平成7年10月に指摘していたので、警察も背景を調べた筈です。

事件を捜査していた安中署は、平成2年4月15日以前の犯行(表No.1-1〜1-26)は立件困難だとして送検しませんでした。理由は、時効や証拠隠滅だそうです。それでも、関連資料は検察に送られました。ところが検察は、平成2年9月8日の犯行(表No.2-2)については、借りた金を返却しているとの理由で不起訴としました。
■表を見ると明らかなように、タゴは実に巧妙に借り換えをしています。昭和60年の借入金も、その後借り換えて返却しています。順調だった『自転車操業』も、どういうわけか、昭和62年12月24日の3千万円余(この金額も実は不確か)の借入(表No.1-14)で、つまずいています。

想像するに、当初の返済期日だった昭和63年9月末に、借り換えがうまくできず、返済期日を繰延にしたようです。群銀も繰延理由を聞かずに、ホイホイ応じました。タゴは、こんな小額の返済のことなど忘れていたに違いありませんが、年度末になると群銀が教えてくれるので、律義(?)に973万5千円ずつ返済していました。あとは平成8年、9年の2回で払い終わる筈でした。異動で公社を離れても、一年以内に戻ってこられると確信していたからこそ、返済期日はそのままにしておけたのでした。

平成2年4月16日に公社特別会計口座なるものを首尾よく開設してから、タゴの不正利得額はウナギのぼりとなります。以来、平成7年5月中旬の発覚に至るまで、ご承知のとおり13回にわたり巨額の金をまるで打ち出の小槌のように群銀から引き出しています。

■タゴの『自転車操業』が次にほころびかけたのは、平成4年3月でした。6件の借入(表No.1-21、23、24、25、26)の期日到来が迫ったからです。返済が5億1千万円になるため、タゴは取り敢えず、一番古い案件の5千万円だけ借り換えで返済し、残りは返済期日を先送りしてしまおうと、ウルトラD(?)に打って出ました。どうせなら、思いっきり先送りしようと考えて、5年先の平成9年3月末に変更しました。この時も群銀はホイホイと応じました。

次に迎えたピンチは、平成6年3月未でした。今度(No,2-2)は14億円を返済しなくてはならなりません。そのカネを捻出するために、タゴはついに6億円という数字を証書に書き込み、群銀に持ち込みました。そして、首尾よくピンチを乗り切ったのでした。

その次の関門は平成7年3月末にやってきました。今度は大小4案件、合計5倫2千万円の返済 期日を迎えるからでした。しかしタゴは、これら全てを5年後の平成12年3月末まで一括して先送りするための手続きを用意周到に踏んでいました。してやったり、というタゴの顔が目に浮かぶようです。

翌、平成8年3月の返済額は裏口座の973万5千円だけなので、もし社会教育課での勤務が一年以上になったとしても、2億円の残高を確保してある特別口座から振り込めばよいのです。タゴは平成9年3月末までこれで安泰と考えていたに違いありません。

■平成9年3月末には返済期日の到来予定が16件(表No.1-23、24、25、26、No.2-C、D、E、F、2-4、5、6、7、8、9、10)合計約20億4千万円ありました。普通の神経の持ち主なら重圧でとても仕事が手に付かないでしょう。

ところがタゴは、公社事業は今後も区画整理や信越線中間駅構想、そして特養ホーム、郷土資料館や福祉センターなどの施設計画、さらに公社プロバー事業の新規分譲計画など、小川市政が続く限り、オイシイ状態が続くし、例え発覚しても「頼りになる」関係者が多いため何とかなると、全く心配していなかった様子がうかがえます。

それにしても、この表を見てつくづく考えさせられるのは、金融機関と行政の癒着の構図です。群銀安中支店にとっては、さながらMOF担(大蔵省の事前情報を取るため、大蔵接待が仕事だった銀行担当者のこと)ならぬ「タゴ担」だったようです。

■さて、本題のタゴの実利得の話に戻しましょう。警察の捜査結果によると、まず昭和57年から60年にかけて、タゴは約6100万円を業務横領。

次に、昭和60年3月30日から平成2年4月15日の期間に、タゴが不正取得した全は、正規口座で群銀から不正借入した11億3千万円と、公社の帳簿改ざん等により横領したのが8756万8901円の、合わせて12億1756万8901円になります。

さらに平成2年4月15日のウラ口座開設以降、事件の発覚する平成7年5月17日までに群銀から不正借入で36億3千万円。業務上横領が1億9633万2468円。これに期間中の受取利息759万8217円を加えると、タゴが手にした金は38億3393万715円。以上合計51億3395万7901円が、タゴが手にした総額になるとされています。

この莫大なカネのうち、タゴが、犯行を隠す為に群銀への利息と返済に充てたのが特別口座開設以前に7億8435万479円。残り4億3321万8422円が自己消費だとしています。自己消費した分を加えると、タゴの自己消費総額は前述のよう27億3756万8313円になるといいます。ホントにそうでしょうか。

■再び別表に目を通してください。多胡は発覚を防ぐため、綱渡りのように借り換えを繰り返していたのは確かです。司直はタゴが『自転車操業』で昔の不正借入は借り換えてチャラにしているので、不起訴としたかもしれませんが、『自転車操業』の合間をぬって、タゴはしっかり財布を膨らませていったのです。

表の一番下には、半年ごとの不正借入総額から借り換えのための充当に回した金額を引いた「差額」について示してあります。タゴの「手取り分」です。合計すると36億2千万円になります。これには、多胡が勝手にチョコチョコと公社の借人証をつくって、群銀からゼニをせしめていた案件(表No.2-A、B、C、D、E、F、G)は含んでいません。

これらの殆どは公社の残高がゼロだったり、金利条件が違っていたり(表No.2-G)するため、実質的にタゴが着服したものと見なしました(実際に公社ぐるみの犯行なので、タゴにしてみれば不満かも)。No.2-Gを除く合計は、9580万1千円で、公社の帳簿残金は1325万1千円。即ち8235万円がタゴの実利得となります。

さらに公社のズサンな帳簿によると、正規口座に振分けられた公社の「まっとうな」借入金の残高も1億5200万6000円不足しています。これもタゴの自己消費に回ったと考えられます。

■他方で、タゴは使い込みがバレないように『自転車操業』を続けるために、不正借入分の利息を支払っていました。これが幾らになるかがポイントで、タゴ自身の供述では「100億円くらい群銀に利息を払ったと思う」などとデマカセを言っています。

別表の右欄に、これまでタゴが支払ったと恵われる利息額を示しました。一部金利条件が不明なものもあり、正確な数字ではないことをまずもってご了承願いたいのですが、一応の目安にはなるでしょう。試算の結果、利息合計は約7億6千万円強になります。勿論これには、公社の「まっとうな」借入金に対する利息も含まれています。水増し分に限って言えば、6億円程度でしょう。

以上のことから、タゴの実利得を計算してみます。水増し総額36.2億円から金利分を差し引いた30.6億円に、上記の帳簿改ざんによる横領分3.2億円を加え、合計33.8億円。この他にも、公社の長年にわたる粉飾決算書により、少なく見積もっても数億円の利得があるものと推定される。勿論群銀に支払った水増し借入金に対する金利は、公社すなわち安中市の損失なのだから、それも考え合わせると、莫大な金額になることが分かります。

■このように市民の試算では、タゴの実利得額は、どうしても警察の捜査結果のような27億円台の数字にはなりません。警察も、不正取得額と費消額のツジツマ合わせがどうしてもできず、最後まで苦労させられたと聞きます。

司直は、タゴの弁護士がタゴの骨董コレクションや預金、金券を換金して群銀に返済したとされる6億円余りの金を、タゴの実利得から割り引いて計算したのかもしれない。いずれにせよ、使途不明金は14億円以上にのぼります。市民が注目するのは当然です。

当会では、タゴが不正に得た所得に対して、国や県・市はきちんと把握して課税していたのかどうか、改めて確認しておきたいと考えています。51億円事件が公になった直後、安中市民は、小川是国税庁長官(当時)宛に告発状を出しました。

国税は、その後の調査でタゴの金の流れをかなり掴んだと見られます。その結果、タゴの代理人に、修正申告書を書かせた可能性があります。しかしその金額が幾らなのか、国税に何度聞いても教えてもらえません。もちろん県や市もノーコメントです。

真相解明には、タゴの実利得の解明が基本です。行政の自浄作用が遅々として進まない現状では、市民の粘り強い真相解明の努力こそが、再発の抑止力となるからです。

【ひらく会情報部】

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【表の見方】多胡邦夫は平成2年4月16日に公社特別会計口座(ウラロ座)を開設。開設前をNo.1、開設後をNo.2と分類してあります。
この表は、群銀が民事訴訟で提起している内容を基に、刑事記録の捜査資料から「多胡邦夫が水増した」案件をリストアップしてあります。従ってこれ以外にも、公社と群銀との間で多数の金銭貸借案件があります。右欄の公社残高は、民事裁判で公社が多胡邦夫の残した帳簿をもとに群銀に反論している内容を示します。また表中に、ブロック体の文字で示してあるのは、公社が主張している内容です。
多胡邦夫の実利得は、いわゆる「自転車操業」で不正借入と返済(支払利息含む)を繰り返しているため、半年ごとに手元に残った金をまず計算しました。この群銀からの不正実利得額が36億2千万円(不正借人分に対する支払利約5億円を含む)。他にも、公社帳簿を改ざんして横領した分として、群銀残高と公社残高との差額2億8787万7千円および公社帳簿の不明金1億2753万3千円。
さらに特別会計口座の預金残高に対する利息分(公社なので全て非課税)ン千万円などが、多胡邦夫の実利得として考えられます。さらに、この表に現れない昭和57〜60年の横領額約6100万円及び公社業務を通じて様々な手口でせしめた利得も加算対象です。
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