2015/5/29  1:21

大同スラグ不法投棄情報不開示異議申立で審査会から知事への答申内容について読者からのご質問に回答します  スラグ不法投棄問題

■平素より市民オンブズマン群馬のブログを愛読していただき厚く御礼申し上げます。さて、この度、当会のブログをいつも見て下さっている読者のかたから、「『大同スラグ不法投棄に係る情報不開示異議申立てで県公文書開示審査会が13か月要して知事に答申(その1)』の記事を読んだところ、答申内容に違和感がある」として、とりわけ実施機関である群馬県の主張の中で「グリーン購入法」に関するご質問をいただきました。その質問内容と、当会の回答をここにご紹介いたします。


*****お寄せいただいた質問メール*****
前略 いつも貴ブログを読んでいます。質問したいのですが、本来なら群馬県に聞かなければならないのでしょうが、的外れで申し訳ないのですが差支えなかったら教えてください。

質問:グリーン購入法について
貴ブログの「大同スラグ不法投棄に係る情報不開示異議申立てで県公文書開示審査会が13か月要して知事に答申(その1)」http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1615.html の中で

2 本件処分に係る実施機関の主張要旨
(2)本件通知について
ア グリーン購入法における特定調達品目の指定について
 鉄鋼スラグ混入路盤材については、平成14年度に国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律(平成12年法律第100号。以下「グリーン購入法」という。)が定める特定調達品目に指定され、環境負荷を減らす資材という認識がなされていたものである。なお、このグリーン購入法とは、国や地方公共団体等による環境物品等の調達の推進、環境物品等に関する情報の提供及び需要の転換を促進するため必要な事項が定められたものであり、鉄鋼スラグ混入路盤材についても、こうした観点から指定されているものである。
イ JIS規定について
(略)
ウ 独自の安全基準の設定について
 本県では、上記法令等の制定及び市場において鉄鋼スラグ混入路盤材が多数使用されるようになった状況を背景に、受注者が使用するにあたり環境省等による品質基準や環境基準を準用し取扱いを定め、関係所属に通知したものが本件通知1である。」

とあり、グリーン購入法により本件通知1が通知され、つまり再生砕石と毒入り鉄鋼スラグ混入砕石を同様に取り扱うと規定されています。

そこで、私もネットで環境省のホームページを訪ねてみました。

循環型社会形成推進基本法の概要
http://www.env.go.jp/recycle/circul/kihonho/gaiyo.html
1.形成すべき「循環型社会」の姿を明確に提示
 「循環型社会」とは、[1]廃棄物等の発生抑制、[2]循環資源の循環的な利用及び[3]適正な処分が確保されることによって、天然資源の消費を抑制し、環境への負荷ができる限り低減される社会

とか

循環型社会形成推進基本法の趣旨
http://www.env.go.jp/recycle/circul/kihonho/shushi.html

のなかで
【参考】本法は、5月26日に成立し、6月2日に公布された。
  なお、今国会で本法律と一体的に整備された法律は、以下のとおり
○ 廃棄物処理関係:
[1]廃棄物処理法等の改正
○ リサイクル関係:
[2]再生資源利用促進法の改正
[3]建設資材リサイクル法
[4]食品リサイクル法
[5]グリーン購入法
とありました。

グリーン購入法とは
https://www.env.go.jp/policy/hozen/green/g-law/
循環型社会の形成のためには、「再生品等の供給面の取組」に加え、「需要面からの取組が重要である」という観点から、平成12年5月に循環型社会形成推進基本法の個別法のひとつとして「国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律(グリーン購入法)」が制定されました。
同法は、国等の公的機関が率先して環境物品等(環境負荷低減に資する製品・サービス)の調達を推進するとともに、環境物品等に関する適切な情報提供を促進することにより、需要の転換を図り, 持続的発展が可能な社会の構築を推進することを目指しています。また、国等の各機関の取組に関することのほか、地方公共団体、事業者及び国民の責務などについても定めています。
となっています。

グリーン購入法も循環型社会形成推進基本法と一体的に整備された法律であることがわかります。であるならば「天然資源の消費を抑制し、環境への負荷をできる限り低減」することが目的のはずです。

****************
そこで質問なのですが、群馬県の監理課通知は、毒入りスラグを再生砕石と同等とみなしています。グリーン購入法が趣旨であれば、天然資源と同等とみなし、もって天然資源の消費を抑制しなければならないと思うのですがいかかでしょうか?
また貴ブログを読むと再生砕石と同等とみなされたことにより、正規の再生砕石の流通を阻害していますね。天然資源の消費を抑制することが目的なのに、なにか違うような気がするのですがいかがでしょうか?

監理課通達のはじめには、
「本県では、再生資源の利用及び再資源化施設の活用を図ることを目的とした「再生資
源の利用に関する実施要領」及び「建設副産物から生産した再生材の使用に関する仕様
書」を定め運用しているところであり、工事目的物に要求される品質等を考慮したうえで、原則として再生骨材を利用することとなっております。」
とあり、「再生品等の供給面の取組」が説明されています、建設資材リサイクル法を念頭においた説明と思われる反面、グリーン購入法の「需要面からの取組」の説明は全く見当たらないと思うのですが私の考えは間違えでしょうか?

まさか群馬県のお役人様があとから取ってつけたような説明のためにグリーン購入法を持ち出した、なんてことがあるのでしょうか?まったく信じがたいお話ですが・・・

どうやら、「本件通知の伺い文、起案説明及び本件通知自体は改めて特定して開示することとする。」とあるので新たに起案説明等が開示されるようですが、まさか今、遡って作成されているなんて事にならないことを祈ります。
********************

■このように、読者からいただいた質問の内容は、有害スラグ問題で迷走中の群馬県の対応を鋭く指摘していると感じました。そこで、いずれ近いうちにこの情報不開示についても司法の場で決着をつける必要がある場合を想定して、しっかりと調べておくことが大切だと判断し、次の調査及び分析結果を回答としてまとめてみました。ご質問いただいた読者のかたにも、ぜひ参考に資すれば幸いに存じます。

********当会の回答*******
 グリーン購入法には「環境物品等」の定義が示されています
○ 国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律
(平成十二年五月三十一日法律第百号)改正 平成十五年七月十六日法律第百十九号
(定義)
第二条 この法律において「環境物品等」とは、次の各号のいずれかに該当する物品又は
役務をいう。
一 再生資源その他の環境への負荷(環境基本法(平成五年法律第九十一号)第二条第一
項に規定する環境への負荷をいう。以下同じ。)の低減に資する原材料又は部品

 さらに、次の法律を見ますと、
○環境基本法(平成五年法律第九十一号)
(定義)
第二条  この法律において「環境への負荷」とは、人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。
2  この法律において「地球環境保全」とは、人の活動による地球全体の温暖化又はオゾン層の破壊の進行、海洋の汚染、野生生物の種の減少その他の地球の全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全であって、人類の福祉に貢献するとともに国民の健康で文化的な生活の確保に寄与するものをいう。

 となっています。要約すれば、グリーン購入法とは「地球環境」への負荷の低減に資する原材料の調達を推進する法律、ということになります。今回の有害スラグ問題に関して言えば、天然石を砕いた天然骨材の消費低減に資する材料の調達を図ることを推進する法律になります。また、貴殿のご指摘のとおり、環境省のホームページを見ると循環型社会の形成のためには、「再生品等の供給面の取組」に加え、「需要面からの取組が重要である」という観点からグリーン購入法が制定されたと説明されており、建設資材リサイクル法などを補完する観点で制定されたものであり、再生品等の供給面の取り組みを阻害することは許されません。

 貴ご指摘のとおり、監理課通達にはグリーン購入法の説明は見当たりません、この通達は「再生品等の供給面の取組」の観点から通達されたとしか読めません。まさに、貴殿のおっしゃるように、「実施機関の主張は後出しジャンケンだ」ということができるでしょう。

 監理課通達の結論は、
「砕石骨材( クラッシャラン)にクラッシャラン鉄鋼スラグをブレンドした骨材は、積算基準( 地区単価)、出来高管理基準、品質管理基準を再生骨材と原則同様に取扱う。」
となっていますが貴ご指摘のとおり、グリーン購入法を通達の根拠とするなら、自然環境保護のため、「天然骨材と原則同様に取扱う。」とすべきであったかもしれません。

 しかしこの通達は、大同特殊鋼や佐藤建設工業の一部の利益誘導で作製されたものであり、グリーン購入法などの法的根拠は無いと当会では考えています。すべてがデタラメなのです。
********************

■今回指摘いただいた読者からの質問により、次のことがはっきりと浮き彫りにされました。

 実施機関である群馬県は、グリーン購入法の趣旨や目的などを正確に理解することなしに、「鉄鋼スラグ混入路盤材の使用が法律により使用可」とされている事のみを取り上げ、これを「公共工事に無制限に使用できると判断するのは当然である」と、官業癒着(もちろんその仲介役としての“政”も関与していると当会では見ています)を棚に上げて、自分たちに与えられた権限の上に、胡坐をかいているだけでなく、ふんぞり返っているのです。

 群馬県知事からこの問題について、県情報開示審査会からの答申を受けて最終決定通知が近いうちに出される可能性がありますが、審査会自体も事務局は群馬県職員で構成されているので、知事の諮問から1年以上かけた審査会での討議の結果としての答申も、すべて実施機関を慮った“茶番劇”であると、当会は考えています。

 最後に、貴重な質問をお寄せいただいた当会ブログの読者には、この場をお借りして厚く御礼を申し上げます。

 なお、大同有害スラグ不法投棄問題については東吾妻町萩生地区農道のスラグを舗装で蓋をして不正を隠ぺいする事件の住民訴訟の第1回口頭弁論が7月前半の金曜日に開催される可能性が高まっております。引き続き、こちらの住民訴訟の行方についてもご注目くださるようお願い申し上げます。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
2



コメントを書く


名前
メールアドレス
コメント本文(1000文字まで)
URL




teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ