2015/6/13  23:06

福島県いわき市から東邦亜鉛安中製錬所に出入りする深ダンプに関する一考察  東邦亜鉛カドミウム公害問題

■6月11日(木)午前時28分ごろ、国道18号線を高崎方面に向かって走行中に、車体の真黒な深あおり型のダンプトラックが前方に見えました。また熊谷ナンバーかと思い、並走してみると、なんとドアに「いわき建設運輸」と書かれています。この時間に高崎方面に向かって走行している深あおりのダンプトラックといえば、東邦亜鉛安中製錬所に鉱石を運び込んだ後の帰りのトラック便の可能性が高まります。当会ではさっそく、「いわき建設運輸」をネットで調べてみました。
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 すると、名称:いわき建設運輸有限会社、住所:〒979-0202 福島県いわき市四倉町上仁井田字折敷田2、電話番号:0246-32-6909、最寄駅:四ツ倉駅(797m)という情報がありました。また同社の大剣営業所については、住所:〒971-8183 福島県いわき市泉町下川字大剣1-159、電話番号:0246-96-6444、最寄駅:泉駅(3368m)となっており、こちらは東邦亜鉛小名浜製錬所に近い場所であることが分かりました。

 そのため、6月12日の午後、この大剣営業所に電話をして、配車担当者から話を聞くことができました。同氏の話から次のことが分かりました。

@6月11日早朝、国道18号線を安中市から高崎市方面に走っていた「いわき建設運輸」と描かれた深ダンプは、確かに弊社所属の車両であること。
Aその時間は、東邦亜鉛安中製錬所に鉱石を運んだ帰りであること。
B毎日、小名浜から安中製錬所まで鉱石を運搬していること。
C弊社では、東邦亜鉛のグループ会社である東邦キャリアから、数年前より某運輸会社を仲介して、安中までの鉱石運搬を請け負っており、平均2台の深ダンプ(最大積載量10.5トン)を毎日投入している。
D安中製錬所から小名浜に戻る際は、ほとんど空荷だが、ときどき鉱滓を積むことがある。全て荷主の東邦キャリアから元請の某運輸会社経由指示があり、それに基づいて配車している。
E大泉運輸の事は知っている。弊社は大泉運輸とは異なり、東邦キャリアの孫請の形で運輸業務を東邦キャリアから請け負っている。したがって、某運輸会社の名前は明らかにすることができない。

■以上のように、東邦亜鉛安中製錬所に出入りするダンプトラックは、孫請業者のものも交じっており、東邦キャリアがどのような傭車を使っているのか、東邦亜鉛安中製錬所では把握し切れていない可能性があります。

 東邦亜鉛安中製錬所では、東日本大震災当時は、毎年20万トンを超える汚泥などのサンパイを受け入れて焼却処分をしていました。おそらく膨大な数の深ダンプが工場に出入りしていたはずです。

 そして、現在は汚泥など外部からのサンパイ持ち込み処理量は激減したものの、依然として、こうして下請や孫請業者の深ダンプが安中製錬所に数多く出入りしています。

 ところで、安中製錬所には、こうした深ダンプが数多く出入りしているわけですが、車両特装メーカー「極東工業」のHPを見ると、次の記載があります。↓
http://www.kyokuto.com/product/kensetu/dump/dump_13.html

〇深あおりダンプ
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土砂ダンプに比べ、ゲートが高いのが特長で荷台容量が大きいダンプです。ボディ仕様や使用条件に合わせて選べます。

 当会が気になった個所は次の内容です。

〇深あおりダンプは、土砂等積載禁止車(通称、土砂禁ダンプです)。
 積載物は、飼料、消石灰、石灰、コークスなどになります。
 法律により次の品目は積載できません。
 土、砂利(砂及び玉石含む)、砕石、砂利(砂、玉石を含む)砕石をアスファルト又はセメントにより安定処理したもの及びアスファルト、コンクリート、鉱さい、廃鉱、石炭がら、コンクリート、れんが、モルタル、しっくい、その他これらに類する物のくず、砂利状、又は砕石に石灰石及びけい砂

〇深あおりダンプとは、ボデーのあおり(両側面と後部)を高くし容積を大きくすることで、例えばスクラップや粗大ごみなど、 かさ張る積荷の大量輸送に適した軽比重物運搬専用のダンプトラックです。

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深ダンプの荷下ろし作業の様子。参考用の資料映像なので、この記事にある東邦亜鉛安中製錬所に出入りする深ダンプとは関係ありません。

■このことから、東邦亜鉛安中製錬所に出入りしている「深あおりダンプ」=「土砂禁ダンプ」に鉱石や鉱滓を積んで運搬することに問題がないのかどうか、調べてみました。

 一般的に、ダンプといえば工事現場や解体所などで土砂やコンクリート等を運ぶ車のことを指します。しかし、深ダンプは、「土砂禁ダンプ」と呼ばれており、土砂積載を禁止されているはずです。土砂禁ダンプとは、「土砂等運搬禁止車両」の通称で、「土砂を積んではいけないダンプ」を意味しています。

 いったいなぜ、このようなダンプが存在するのでしょうか。例えば、清掃業者などが使用するダンプは、軽量ながらかさばるものが多く、少ない量しか運べないという問題を抱えていました。そうした需要に応えて誕生したのが、荷台のあおりを高くしたダンプ、つまり「土砂禁ダンプ」です。あおりが高くなった分、ペットボトルなどの軽量で
かさばるものも大量に積めるようになったのですが、土砂は重量があるため、深ダンプの場合、あおりの高さ一杯に入れると簡単に過積載となってしまいます。
そこで、過積載とならないために、「煽りを高くしたダンプには土砂を積んではいけません」と定めたため、「土砂禁ダンプ」として指定されたわけです。

 それでは、土砂禁ダンプに、過積載にならない量の砂利を積んで場合はどうなのでしょうか。過積載にならなければ規則に合致しているのでしょうか。

 確かに、土砂禁ダンプが誕生した由来を考えると、規定量を乗せる分には問題ないような気もしますが、やはりこれは違法行為になるようです。

 そもそも、ダンプなどで土砂を運搬する際には、国土交通大臣に対して届出が必要なので、無許可で行うことはできません。また、深ダンプ、いわゆる「土砂禁」の状態にしては、許可がおりるはずもありません。このことは、「土砂等を運搬する大型自動車による交通事故の防止等に関する特別措置法(昭和42年法律第131号)」(略して「ダンプ規制法」と呼ばれています)に定められているからです。
〇土砂等を運搬する大型自動車による交通事故の防止等に関する特別措置法(第3条・第4条)
車両総重量8t以上または最大積載量5t以上のダンプトラック等(以下「大型ダンプトラック」という。)の使用者は、国土交通大臣に申請して表示番号の指定を受け、その番号等を車両の荷台の両側面と後面に見やすいように表示することが義務付けられている。

 それでは、土砂禁ダンプに、土砂を積んだ場合はどうなるんでしょうか。過積載にならない量でも違法になるのだとすれば、罰則などがあるのかどうかも気になるところです。

 国土交通省によると、再三の忠告にも聞かない場合は、整備命令(構造を変更し車検を受け、登録番号を荷台に記載すること)が下されます。

 また、それでもいうことを聞かない場合はダンプ規制法の次の条項が適応されます。
〇ダンプ規制法
第20条 次の各号の一に該当する者は、3万円以下の罰金に処する。
1.第4条の規定に違反して、表示をせず、又は虚偽の表示をした者
2.第9条第1項の規定による命令に違反した者
3.第9条第3項の規定に違反した者
第21条 次の各号の一に該当する者は、1万円以下の罰金に処する。
1.第6条の規定に違反した者
2.第16条第1項の規定による報告を求められて、報告をせず、又は虚偽の報告をした者
3.第16条第2項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同項の規定による質問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をした者

■東邦亜鉛安中製錬所では、このことについて調査を行い、その結果を近日中に当会に連絡することを約束しました。

 それにつけても、毎日東邦亜鉛小名浜製錬所から東邦亜鉛の主力工場である安中製錬所との間を行き来する輸送列車(通称「安中貨物」)があるにもかかわらず、深あおりのダンプを多数起用するのは一体なぜなのでしょうか。同社によれば、安中貨物による輸送の場合、復路に鉱滓を積むと、その後きちんと洗浄しないとコンタミ(混合汚染)が発生するため、トラック輸送を併用しているということです。しかし、もし深ダンプで鉱石や鉱滓を運搬することがダンプ規制法に抵触するのであれば、長年知らずに続けていたことについて、どう説明するつもりなのでしょう。

【ひらく会情報部】
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