日刊ゴルフ場跡地140㏊の山林等を切り開き16万枚のパネルが並ぶメガソーラー計画が本格始動(4)  安中市内の大規模開発計画

■昨年、突然浮上した安中市岩野谷地区の日刊スポーツゴルフ場開発計画跡地におけるメガソーラー事業計画について、実は、当会ではその兆候を2年前にキャッチしていました。


 当時、大手ゼネコン業界から漏れてきた情報として、日刊スポーツゴルフ場計画跡地にメガソーラーを計画していたのは、株式会社神戸物産(本社:兵庫県加古郡稲美町、設立:1985年11月6日、資本金:6400万円、代表取締役社長:沼田博和)でした。

 同社は、冷凍食品など食材販売の“業務スーパー”をフランチャイズ(FC)展開しており、2014年10月期の連結決算は2140億2800万円、営業利益64億2400万円、純利益26億100万円で、食品業として日本最大の製販一体企業であることを自ら標榜しています。

 そのうえで、同社は、将来的なエネルギー供給の安定化等の観点から「メガソーラー発電量単独企業日本一」を目指して早期実現化を推進するという方針の下で、2013年から太陽光発電事業に本格参入を図っています。2013年12月20日に同社が発表した「メガソーラー発電事業の進捗に関するお知らせ」では、計画中発電所として「群馬県太陽光発電所 32MW」という記述がみられます。これは、日刊スポーツゴルフ場跡地における計画を想定していたものと見られます。↓
http://www.kobebussan.co.jp/upload/ir/IRNews/344/344_131220.pdf

 当時、日刊スポーツに対して、同社の業務スーパー関東FC本部(住所:横浜市神奈川区台町1番地1仁保ビル4F)がアプローチをしていたようです。

 日刊スポーツには、他からも数件のメガソーラー発電計画が持ち込まれたようです。いずれも日刊スポーツのゴルフ場計画予定地だった約137ヘクタールの広大な丘陵地帯の山林や一部原野、畑、田圃を日刊スポーツから買い取り、事業を推進する計画だったものと思われます。

 その結果、2014年4月頃までに、日刊スポーツでは、一番条件の良い、つまり最も高く買ってくれるところを念頭に選定作業を行い、最終的に潟Uイマックスアセットコンサルティングを売却先に選びました。

■ちなみに、群馬県安中市は、年間日照率が全国的に見ても上位にあると言われています。確かに冬は空っ風にさらされて晴天が続き、夏場も梅雨が明ければ太平洋高気圧により晴天が続きます。また、安中市内の中でも、岩野谷の丘陵地帯は海抜200mくらいの位置にあり、周囲に日照を遮るような地形はありません。統計によれば、年間日照時間は2064.7時間で、全国813市中、91位というデータもあります。↓
※安中市の年間平均気温・年間降水量・年間日照時間(気象庁「メッシュ平年値2010年」)
http://www.seikatsu-guide.com/citysearch/?ccd=10211&type=2

 また、群馬県全体で見ても、全国都道府県中4位というデータも有ります。↓
http://grading.jpn.org/SRB02401.html

 傾向としては、我が国各地の年間日照時間は、概ね1500〜2200時間程度で、世界平均の約2500時間よりかなり短くなっています。可照時間が長い低緯度地域、つまり南にあるほど日照時間が長くなりますが、季節によって各地の日照時間の長短には特徴があります。昼間の時間が長い夏至のころは九州から東北地方にかけて梅雨に入るため、これらの地域では日照時間が短くなります。

 国内で比較的年間日照時間が長いと見なされている地域は、関東地方、山梨県や長野県中部、東海地方、瀬戸内海地域、九州南東部、南西諸島や小笠原諸島などが挙げられます。

■このため、安中市では福島原発事故以降、再生可能エネルギーが注目され始めてから、メガソーラー計画が逸早く浮上してきました。

 現時点で、群馬県安中市にある大規模な太陽光発電所としては、次の施設が稼働中です。

 発電所名称/総出力/所在地/運営/発電開始日
○ビッククリーンエネルギー安中発電所/4,200kW/安中市小俣/クリーンエネルギー研究所/2013年4月24日
○F下秋間太陽光発電所/3,374kW/安中市下秋間/NTTファシリティーズ/2013年11月7日
○安中太陽光発電所/2,000kW/安中市松井田町新堀/エジソンパワー/2013年11月27日
○TESS群馬横野平ソーラー発電所/1,688.05kW/安中市中野谷/テス・エンジニアリング/2014年3月13日
○TESS群馬人見ソーラー発電所/601.02kW/安中市松井田町人見/テス・エンジニアリング/2014年3月13日
○安中郷原ソーラーパーク/1,463kW/安中市郷原/スリーラージ安中郷原ソーラーパーク/2015年1月13日

■それぞれの施設の概要は次のとおりです。

○ビッククリーンエネルギー安中発電所
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事業者:株式会社クリーンエネルギー研究所(〒170−0013東京都豊島区東池袋1-5-6 アイケアビル7階)
発電容量:4.2 MW
想定年間発電量:約4,000MWh(約1,100世帯分)
着工:2012年10月
完工:2013年4月24日
総事業費:約13億円
施設面積:約5万u
パネル数:1万7598枚(1枚当たり1,652mm×994mmサイズ)
備考:当時、北関東最大規模。発電施設の敷地は、ゴルフ場ローズベイカントリークラブ内と、ゴルフ場南側のり面の市有地を利用。ちなみに、この市有地の賃貸契約のレートは1u当たり65円という破格の値段であり、岡田義弘前市長が決めたという。2100キロワット規模の設備を市所有地とゴルフ場にそれぞれ設け、2系統で運営する。全量を東京電力に売電(災害時などには非常電源として一般家庭向けにも供給)する。同ゴルフ場は、昭和50年開場で(株)サンエー開発が経営していたが、同ゴルフ場を造成開発し関係会社でもある北村東信(株)が平成13年9月に破産し、サンエー開発も14年9月4日に特別清算を申請した。精算申請前の平成14年7月に、(株)ビックカメラの創業者・新井隆二氏の資産管理会社が買収し傘下に収めていた。

○F下秋間太陽光発電所
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事業者:株式会社NTTファシリティーズ(〒108-0023東京都港区芝浦3-4-1 グランパークタワー
発電容量:3.374 MW
想定年間発電量:3,800MWh(一般家庭消費電力約1,050世帯分)
着工:2013年5月
完工:2013年11月
施設面積:約4万9000u
概要:かつて全日本シニアなどプロのゴルフ公式競技が実施された下秋間カントリークラブの大会用臨時駐車場を賃借し、構築された施設。国内製パネル、海外製パネルの2種類のパネルを導入することで、発電特性評価等の実運用における比較評価検証を行っている。同社の発電診断システムで、気づきにくい故障や不具合等、発電量が診断可能という。具体的には、診断レポートによる発電性能の見える化が可能で、遠隔自動診断により維持管理稼働を削減でき、さらに、ストリング、接続箱、PCS単位等、システムに応じてきめ細やかな発電診断の比較評価も可能という。

○群馬太陽光発電所
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事業者:御船ホールディングス株式会社(〒541-0045大阪市中央区道修町(どしょうまち) 1丁目4番6号)
発電容量:1.9481MW
年間予測発電電力量:2,418.775MWh
完工:2013年11月
面積:37,090u
概要:建設場所は、かつて大規模養鶏場建設計画で地元に波紋を及ぼしたアンデルセン牧場の跡地。御船ホールディングスは不動産業の為、EPC(設計・調達・建設)は株式会社エジソンパワーが請け負う。ここはエジソンパワーにとっての第1号発電所。

○TESS群馬横野平ソーラー発電所
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事業者:テス・エンジニアリング株式会社(〒532-0011 大阪市淀川区西中島6丁目1番1号 新大阪プライムタワー17階)
発電容量:1.68805MW
パネル数:6,370枚(BenQ製265W単結晶型)
完工:2014年3月
概要:潟{ルテックスセイグン業務部横野平物流センター(〒379-0125安中市中野谷52-3)の建物の屋根上に設置された太陽光発電システム。

○TESS群馬人見ソーラー発電所
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事業者:テス・エンジニアリング株式会社(〒532-0011 大阪市淀川区西中島6丁目1番1号 新大阪プライムタワー17階)
発電容量:0.60102MW
完工:2014年3月
パネル数:2,268枚(BenQ製265W 単結晶型)
概要:潟{ルテックスセイグン(〒379-0125安中市中野谷7-1)に隣接する人見物流センター(〒379-0224松井田町人見1969)の建物の屋根上に設置された太陽光発電システム)

○安中郷原ソーラーパーク
事業者:スリーラージ安中郷原ソーラーパーク株式会社(〒372-0048 群馬県伊勢崎市 連取町1225-1)
発電容量:1.463MW
竣工:2015年2月9日
年間想定発電量:1,489,741MWh
パネル数:5,852枚
敷地面積:23,994平方メートル(7,258坪)
概要:株式会社三ラージの100%出資子会社であるスリーラージ安中郷原ソーラーパーク株式会社(代表取締役 小野里洋平)が建設。安中市が所有している山林の土地(安中市郷原1614-5外)を事業者に賃貸する官民一体事業。問合せ先は同社総務部広報担当TEL0270-24-2033とあり、何度か電話をしたが、応答がなかった。そのため、安中市財政課管財係に電話をして、安中市が事業者に市有地をいくらの単価で賃貸しているのか、確認したところ、驚くべきことに1u当たり50円であることが判明した。管財係によると、郷原にある山林のため、事業者は造成をする必要が有り、そのコストを割り引いて、また前例のビックカメラ向け賃貸レート65円を参考に、50円に決めたという。この単価条件で、岡田義弘前市長が、事業者と平成26年1月21日に登記簿上の面積17,429uの市有地の長期賃貸契約を締結していたことが分かった。年間の賃貸収入は約87万円ということになる。
**********ぐんま経済新聞2015年2月20日9:00AM(抜粋)
収益不動産の売買などを手掛ける三(スリー)ラージ(伊勢崎市連取町、小野里洋平社長)はこのほど、大規模太陽光発電事業に参入した。100%出資子会社のスリーラージ安中郷原ソーラーパーク(同社長)が、安中市所有の土地を活用し「安中郷原ソーラーパーク」(安中市郷原1645−5)の運転を開始したもので、6日には竣工式を行い、関係者ら約40人が出席した。
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竣工式でのテープカットの様子。

■ところで、日刊スポーツが最終的に、ゴルフ場開発予定地の売却先として選定したとされるザイマックスアセットコンサルティング社は、どのような会社概要なのでしょうか。ネットで検索したところ、同社のHPをヒットしました。

**********
【潟Uイマックスアセットコンサルティングの概要】
http://www.xymax.co.jp/about/groups/xy-ac.html
社名:株式会社ザイマックスアセットコンサルティング(XYMAX ASSET CONSULTING Corporation)
所在地:東京都千代田区永田町2丁目4番2号 ザイマックス溜池山王ビル
設立:2010年10月1日 (平成22年)
資本金:4,000万円
主な株主:ザイマックス(100%出資)
従業員数:7名(2015年4月1日現在)
事業内容:
(1) 不動産の鑑定評価
(2) 不動産に関する市場調査
(3) 不動産に関するコンサルティング
(4) 不動産に関する調査研究
(5) 不動産の運用に関する企画・調査
(6) 前各号に付帯する一切の事業
役員:代表取締役社長 吉村 竜一
   取締役     内村 秀世
   取締役     辛島 秀夫
   取締役     東浦 定宏
   取締役     宮島 智彦
免許:不動産鑑定業登録(東京都知事(1)第2346号)、宅地建物取引業(東京都知事(1)第94600号)
資格合格者:不動産鑑定士2名、一級建築士1名、宅地建物取引士8名、ファシリティマネジャー2名(2015年4月1日現在)
**********

 事業内容を見ると、不動産に関するコンサルタント業務として、不動産の運用に関する企画・調査などを行う会社とあります。つまり、メガソーラーについて、財務的にも、技術的にも、運用面でも、特段ノウハウがある企業とは思われません。

■続いて、このメガソーラー発電事業計画の事業者として群馬県が認識しているのは、「安中ソーラー合同会社」だということが分かりました。

 ネットで調べると、金融庁のHPで「適格機関投資家等特例業務届出等の受理状況」というファイルにしか「安中ソーラー合同会社」は見当たりません。↓
http://www.fsa.go.jp/menkyo/menkyoj/tokurei/01.pdf

 そのため、群馬県に確認をしたところ、安中ソーラー合同会社は、東京都港区赤坂にある会計事務所内に設けられており、代表社員として、グレート・ディスカバリー・ホールディングスLLC職務執行者の山崎亮雄であることが分かりました。

 また、この会計事務所は「税理士法人赤坂国際会計事務所」であることも確認しました。同会計事務所については、次の概要が検索できました。

**********
【税理士法人赤坂国際会計事務所などAIAグループの概要】
沿革:2004年6月 税理士法人 赤坂国際会計事務所設立
   2005年12月 叶ヤ坂国際ヒューマンリソース設立
   2006年3月 公認会計士 赤坂国際会計共同事務所設立
社員:18名(2011年6月現在)(公認会計士/税理士2名・公認会計士2名・税理士2名・その他職員12名)
顧問先:法人約150社
所在地及び連絡先:〒107-0052東京都港区赤坂2-10-5 赤坂日ノ樹ビル6F
   Tel:03-3505-2480  Fax:03-3505-2481
   E-mail:info@akasaka-tax.or.jp
勤務時間:9:00〜17:30
**********

 なお、赤坂国際会計(Akasaka International Accounting:AIA)グループとして、次の会社があります。
○税理士法人 赤坂国際会計事務所(税理士法人番号 第728号)
   代表 山崎 亮雄
○公認会計士 赤坂国際会計共同事務所
   代表 山崎 亮雄
○株式会社 赤坂国際ヒューマンリソース
   代表取締役 山崎 亮雄

■この事業者の特徴的な事は、資本金1円であることです。このような会社の形態を、SPC(特定目的会社)と呼んでいます。SPCに関する解説情報をネットで探したところ、次の説明を見つけました。

@SPCとはSpecial Purpose Companyの略で、資産流動化法に基づく会社であって、商法上の株式会社等とは形態がことなっています。SPCは特定資産(不動産等)を他社(資産を保有している会社を「オリジネータ」という)から取得し、この資産を裏付けに資産対応証券(優先出資等)を発行し投資家から資金を集め、特定資産を「資産運用会社」に委託し収益をあげて投資家に配当します。

A当初SPCが利用されるようになった背景には、金融機関等の不良資産の処理という目的がありました。つまり不良資産や担保不動産を金融機関本体から切り離しSPCに移すことによって資産内容を改善していくということです。しかし、近年では不良資産の処理というよりも資産保有のリスクを軽減するためにSPCを利用するという意味合いが強くなってきています。

Bこの資産流動化(証券化)という仕組みの中でSPCは資産や資金を受入れる「器」としての役割をもっています。また、SPCは特定資産の運用益のうち90%以上を配当として投資家に支払えば、一定の要件のもと支払配当の損金算入が認められ、実質的に法人税が非課税同様となります。この他SPCの特徴としては、(1)資産流動化計画の作成・届出 (2)資産流動化計画に関する業務以外の業務の禁止 (3)情報公開 などがあげられます。

■どうやらSPCは不動産の証券化に際して利用される会社形態のようです。今回、ゴルフ場契約予定地がどの程度の規模で証券化されるのか、分かりませんが、必要な調達資金量は、130億円とも見込まれているようですので、かなりの規模になるはずです。

 この場合のスキームとしては、オリジネータが資産をSPCに売却し、あるいは一旦信託してその対価として取得した受益権をSPCへ売却し、SPCは上述のように特定社債を発行するなどして資金を調達し、その資金を元に、オリジネータから譲り受けた資産又は受益権の購入代金を支払う、という形態になる可能性が高いと思われます。

 このように不動産の信託受益権を購入するスキームの場合は、合同会社をSPCとして利用することが多いと言われています。今回の「安中ソーラー合同会社」もそうした背景で、昨年7月23日に設立・登記されたものと見られます。

 当会が群馬県に確認したところでは、安中ソーラー合同会社の場合、代表社員が米国デラウェア州 19805ニュー・キャッスル郡ウィルミントン市スイート403Sセンターロード1013グレート・ディスカバリー・ホールディングスLLCで、職務執行者が山崎亮雄となっています。この人物は税理士法人赤坂国際会計事務所の代表者と同一人物と思われますが、もうひとり中国人らしき人物の名前が職務執行者に名を連ねています。

 この御仁の所在地は香港九龍大角咀ホイファイロード18ワン・シルバー・シー、ブロック7、21階、ルームBとなっています。

 つまり、130億円の出資を募るために、日本のみならず米国や中国の投資家からもひろく資金を調達するものと見られます。

■このSPCの手法は、メガソーラー事業でよく使われています。一般的には、メガソーラーのEPC(設計・調達・建設)企業との合弁などで設立される例が多くみられます。プロジェクトファイナンス(ノンリコースローン:被遡及型融資)やPFI(民間資金による公共インフラ整備)など、債務や負債を出資企業の財務から切り離して、特定の事業会社だけに遡及させるファイナンス手法を採用する場合に設立されます。

 SPCの設立によるプロジェクトファイナンスを活用すれば、SPCの事業リスクが出資企業の財務に与える影響を軽減でき、銀行から信用力が低く位置づけられているベンチャー企業や、海外企業でも資金調達が容易になるからです。

 こうしてSPCの設立者にとっては万が一返済不能になった場合、強制執行により事業基盤や生活基盤まで失うリスクを著しく低減できる反面、出資者は追加のリスクを負う事になるため、そのプレミアム分の金利が上乗せされます。

 しかし、出資はするが経営にはタッチしないという出資者ばかりでは、経営責任はいったい誰が負うのでしょうか。岩野谷地区の源流地帯の広大な林地を切り開き、16万枚のパネルを敷き詰めることにより、周辺や下流に対する自然、営農、生活環境に大きな影響が懸念されます。

 合同会社の場合、有限責任社員全員で業務を執行するのが原則ですが、定款で業務を執行する社員(業務執行社員)と業務を執行しない社員とを定めることもできます。つまり、実際に会社の経営に関わる人物は業務執行社員で、株式会社における代表取締役と同じ役割にあたるのは、代表社員です。業務執行社員が1名しかいない場合には、業務執行社員=代表社員となります。

 業務執行社員が法人である場合は、職務執行者を選任し、その氏名住所を他の社員に通知する必要が有ります。このように法人が業務執行社員になる場合、代表社員として別に自然人を立てる場合、通常の合同会社設立に必要な書類に加えて、業務執行社員に就任する法人の履歴事項証明書の添付が必要になります。

 この観点から、安中ソーラー合同会社では、業務執行社員がグレート・ディスカバリー・ホールディングスLLCで、代表社員も同じくグレート・ディスカバリー・ホールディングスLLCとなっています。ところが、職務執行者として、東京都の山崎亮雄と、香港在住のリュー・シャオ・フィの2名が選任されています。ところが、行政に対する開発事業構想書では、事業者の職務執行者は、山崎亮雄のみの名前となっており、リュー・シャオ・フィの名前はありません。

 ちなみに、グレート・ディスカバリー・ホールディングスLLCをネットで検索すると、唯一次の
URLがヒットします。確かに組織はありそうですが、このURLからもその実態は不明です。
「Great Discovery Holdings LLC」
http://delawarecompanies.us/free-delaware-company-search.find/great-discovery-holdings-llc

■一方、安中ソーラー合同会社は、次の目的を掲げています。

1.自然エネルギー等を用いる発電所又は発電施設の取得、企画、設計、開発、施工、管理、運営及び維持並びに当該発電所又は発電施設の販売
2.自然エネルギー棟を用いた発電事業並びに電気の供給及び販売事業
3.前各号に掲げる事業に附帯または関連する事業

 これからすると、土地を含めたメガソーラー施設の取得、企画、設計(エンジニアリング)、開発(資機材の調達を含む?)、施工(造成工事や建設工事)、管理、運営・維持のみならず、メガソーラー施設そのものの販売も含むとあります。

 このように多岐にわたる事業範囲にもかかわらず、職務執行者は僅か2名です。そのうち、東京都在住の日本人は、税理士法人赤坂国際会計事務所と、公認会計士赤坂国際会計共同事務所の代表を務め、さらに株式会社赤坂国際ヒューマンリソースの代表取締役も務めており、極めて多角的に事業を展開している様子です。もう一人の中国人らしき人物は、香港のクーロン大角咀にあるオリンピアン・シティエリアの高級マンション「一号銀海」に在住しており、日本には拠点がなさそうです。
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香港クーロン地区の海辺に建つ高級高層マンション「一号銀海(One Silver Sea)」。香港島が臨めるという。

 おそらく、メガソーラー候補地の地上げからEPC(設計、調達、建設)、完成後の施設運用、売電、そして事業完了後の資産売却まで全て別の専門業者に丸投げで業務委託をするものとみられますが、我々地元住民としては、将来、事故や災害が発生した場合、誰がどのように責任をとるのか、さっぱり分かりません。

 いくら無責任行政とはいえ、最低限の責任の所在の明確化は、開発手続において担保されるはずと信じたいところです。ただし、行政任せにしておくのも不安ですから、地元住民として開発事業者側に積極的に説明責任を果たすように求めていきたいと思います。

■もうひとつ気になることが有ります。合同会社の目的に明記されている「当該発電所及び発電施設の販売について」です。なぜなら、ソーラー発電業界で最近取りざたされているのは、M&Aなどによる太陽光発電所の売買だからです。

 この背景として、固定価格買取制度も4年目に入り、建設工事が終わって売電を開始した太陽光発電所が増えてきたため、資源エネルギー庁の発表によると、すでに13GW超の太陽光発電所が運転を開始しています。

 そのため、完成した太陽光発電所を売買するセカンダリー取引が、今後増えてくると予想されます。

 もともと、安中ソーラー合同会社はマネーゲームの産物のようなSPCであるため、とくにそうした懸念が広がります。となると、将来的にこの140ヘクタールもの広大な水源地帯が、誰の手に亘るのか極めて心配です。とくに、今回のSPCには中国の投資家の影がちらついており、群馬県の水源条例の関連からも、慎重な対応が行政にも求められるところです。

【ひらく会情報部・この項続く】
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