2008/12/27  1:45

飲酒事故の内田弁護士・・・群馬弁護士会が懲戒委で事案審査決定  不良弁護士問題

■酒を飲んで車を運転し衝突事故を起こしたとして、群馬県警安中署は10月5日、自動車運転過失傷害と道交法違反(酒気帯び運転)の現行犯で、前橋市元総社町、弁護士内田武容疑者(65)を逮捕しました。

この弁護士の不祥事件について、当会では、平成20年12月8日付けで群馬弁護士会に懲戒請求書を提出していました。

12月10日付けで、本件を平成20年(綱)第19号事案として、調査開始をするという通知書が、群馬弁護士会から送られてきました。


■そして、年末も押し迫った12月25日付けで、この懲戒請求事案について、群馬弁護士会の神谷会長から配達証明と書留で次の通知が郵送されてきました。

**********
平成20年12月25日
懲戒請求者 小川 賢 殿
  群馬弁護士会 会長 神谷 保夫(公印)
懲戒請求事案について(通知)
 本会は、下記事案につき綱紀委員会の議決に基づき、懲戒委員会に事案の審査を求めたので、綱紀委員会及び綱紀手続に関する会規第55条第1項の規定により、綱紀委員会議決書の謄本を添えて通知いたします。
    記
事案番号 平成20年(綱)第19号

【決定書】
群馬弁護士会 平成20年(綱)第19号事案
決定書
群馬県安中市野殿980番地
 懲戒請求者 小川 賢
群馬県前橋市大手町3−4−15 内田 武法律事務所
 対象弁護士 内田 武 (登録番号13572)
 本会は、上記懲戒請求事実につき、次のとおり決定する。
  (主 文)
 懲戒委員会に事案の審査を求める。
  (理 由)
 上記対象弁護士に対する懲戒の請求について、綱紀委員会の調査を求めたところ、同委員会が別紙のとおり議決したので、主文のとおり決定する。
平成20年12月25日
  群馬弁護士会 会長 神谷 保夫(公印)

【別紙】
平成20年(綱)第19号
議決書
 群馬県安中市野殿980番地
  懲戒請求者 小川 賢
 群馬県前橋市大手町3−4−15 内田 武法律事務所
  対象弁護士 内田 武(登録番号13572)
     主  文
 対象弁護士につき、懲戒委員会に事案の審査を求めることを相当と認める。
     理  由
第1 懲戒請求事案の要旨
 対象弁護士は、平成20年10月5日午後3時55分ころ、群馬県安中市野殿地内の県道前橋安中富岡線において、酒気を帯びた状態で乗用車を運転したうえ、センターラインをはみ出して対抗してきた乗用車と衝突し、対抗車両の運転手(女性75歳)に傷害を負わせた。
 対象弁護士の交通事故(自動車運転過失傷害罪)は酒気帯びに起因するものである。
 この対象弁護士の行為は、弁護士法第56条に該当する。
第2 対象弁護士の弁明の要旨
1 懲戒請求事実の概要は認める。
2 尚、対象弁護士は、以下のとおり酒気を帯びた状態、事故状況、傷害の程度について弁明した。
 @ 酒気を帯びた状態
  対象弁護士は、当日、その所属する富岡ゴルフクラブの月例杯に参加し、午前10時40分ころから11時15分ころまでの昼食時間中に生ビール小ジョッキ1杯、焼酎水割り1杯を飲み、午後のプレーを終了し、サウナ、入浴して後帰宅のため前記自車を運転した。この帰宅途中本件事故を起こし、この事故捜査の際警察官より何処から来たのかと問われて富岡ゴルフクラブから来たと答えたところ飲酒検知を求められてなした検知の結果、警察官からアルコール濃度呼気1リットル中0.15ミリグラムの酒気を帯びていると告げられたものである。対象弁護士は、車を運転するに当たり飲酒後4時間以上経過し、プレー終了後に入浴しサウナに入り汗も十分流していたのでアルコールは抜けているものと考えていた。本件酒気帯び運転は、故意又は故意に準じるような状態ではなく過失によるものである。
 また、対象弁護士の酒気帯びの程度は、道路交通法による最低数値アルコール濃度呼気1リットル中0.15ミリグラムであった。
 A 事故状況
 対象弁護士は、富岡ゴルフクラブを午後3時30分頃帰宅のため出発し本件事故現場に午後3時55分ころ差し掛かったところ、その場所は片道一車線の富岡方面から安中市国道18号線に向かい緩やかな右カーブしているところである。当時の交通状況は、進行・反対の双方向とも車が数珠繋ぎで時速40〜45キロで車の流れで走行していた。上記事故場所付近で、対象弁護士は雨も降ってきて「馬鹿に車が多いなあ」と右前方に顔を上げたところ自車がはみ出し禁止の黄色のセンターラインをオーバーしてA子(当年75歳、主婦、群馬県高崎市鼻高町××××)運転の対向車と衝突してしまったものである。
 本件事故は酒気帯び運転によって発生したものではない。
 B 傷害の程度
 上記A子は、当初の診断は全治2週間の胸部打撲傷とのことでる。高崎の○○病院に検査入院2日、その後は自主入院した。
 対象弁護士は、事故後幾度か被害者に対して病院を訪れるなどして謝罪とお見舞いをしている。また本件事故処理については代理人弁護士を立てるなどして示談中である。
第3 証拠
1 請求者提出
(1) 書証
  @ 甲第1、2号証  新聞記事(上毛新聞、東京新聞)のコピー
2 対象弁護士提出
(1) 書証
  @ 乙第1号証 地図
  A 乙第2号証 自動車保険契約書
  B 乙第3号証 現場見取図(安中警察署交通課より聞き取りによるもの)
3 当委員会収集証拠
  @ 対象弁護士からの事情聴取
第4 当委員会が認定した事実
 対象弁護士が下記の酒気帯び運転並びに交通事故を惹起したことは、関係証拠により認められ、また対象弁護士も特に争わず自認しているところでもある。
                   記
(1)対象弁護士は,平成20年10月5日午後3時55分ころ群馬県安中市野殿2110番地先の県道前橋安中富岡線(県道10号線)をゴルフ場富岡ゴルフクラブから国道18号線方面に向けて、アルコール濃度呼気1リットル中0.15ミリグラムの酒気帯び状態で普通乗用自動車(レクサスLS、群33ぬ××××)を運転したこと。
(2)対象弁護士は、上記場所の道路上で上記自動車を運転中、過失によりセンターラインオーバー(センターラインから約60センチメートルはみ出した。)して自車右全部を対面してきたA子(当年75歳)運転の普通乗用自動車(トヨタイスト、群501さ××××)右全部に衝突させ、同人に全治2週間を要する胸部打撲傷(但し、現在も治療中とのこと)を負わせたこと。
第5 当委員会の判断
 上記当委員会が認定した事実は、弁護士法第56条第1項所定のその他職務の内外を問わずその品位を失う非行に該当すると認められる。
 よって、主文のとおり議決する。
平成20年12月15日
    群馬弁護士会綱紀委員会 委員長 戸枝 太輔(自署・公印)
**********

■この議決書から、綱紀委員会における内田弁護士の弁明の要旨は、次のようなものだったことがわかります。
@飲酒後、4時間の間に、ゴルフをし、入浴し、サウナに入り、充分発汗したので、アルコールは抜けていると判断した。だから、本件酒気帯び運転は、故意ではなく過失である。
A事故現場では当時、進行・対向の両車線とも車が数珠繋ぎで走行しており、雨が降り出して顔を上げたらセンターラインをはみ出して対向車に衝突したのであり、(脇見運転による過失であり?)酒気帯び運転によって発生したものではない。

さすがに元日弁連副会長を務めた実力派弁護士だけあって、あくまでも酒気帯びではなく過失によるものだと主張しています。普通の市民だったら、警察はおろか、とても所属先や勤務先に対してこんな言い逃れはしません。なぜなら、一般社会の常識として、「飲んだら乗るな」「飲むなら乗るな」は誰でも肝に銘じているはずだからです。

にもかかわらず内田弁護士は、ゴルフ場に車で来て、酒を飲み、そしてハンドルを握って帰路に着き、事故を起こしたのです。それが、どうして過失なのか、理解に苦しみます。

■福岡県弁護士会所属の若手弁護士4名のブログによると、「交通三悪は無免許運転、スピード違反そして飲酒運転ですが、これらは故意に行われるため、『三悪』と呼ばれている。一方、居眠り運転や脇見運転なども、同様に交通事故を誘発する危険をはらんでいるが、これらは過失によるものなので、交通三悪とは別に位置づけられる」ということです。

だから、経験豊富な内田弁護士は、群馬弁護士会の綱紀委員会の前で、今回の交通事故は、「故意」ではなく、あくまでも「過失」によるものであることを強調して、弁明したかったのでしょう。

■日本弁護士被害者連絡会等のブログによると、12月19日に前橋区検が略式起訴し、同日、前橋簡裁が内田弁護士に対して、罰金70万円の略式命令を出し、内田弁護士は納付したという報道に接して、「塀の向こうには行かなかったので弁護士活動はセ〜フ!!」「しかしだ。問題はこれからだ。飲酒事故を起こした弁護士を所属弁護士会はどういう懲戒処分を出すかだ。世間で飲酒事故したら会社員や公務員は懲戒免職になる場合もある。ところが弁護士会は弁護士の業務とは関係ないし罰金70万円を払ったのだから弁護士会としての懲戒はないとする。あっても戒告というのが今までの弁護士会の処分内容だ」と断じている。

なお、今後、想定される群馬弁護士会の懲戒内容は、@何もしない、A戒告処分、B業務停止1ヶ月〜3ヶ月、C業務停止3ヶ月〜6ヶ月、D退会処分、E除名処分、そしてF自主退会という選択肢が考えられということです。

■飲酒運転による交通事故で人身事故を引き起こしておいて、「ゴルフをしに行ったのは弁護士の業務とは関係ない」などという論理そのものが非常識だと思われますが、これまでは、そうした弁護士業界の論理がまかり通って、飲酒運転で事故を起こしても、所属先の弁護士会から穏便な処分が出されることが多かったことをうかがわせます。

今回、群馬弁護士会は、内田弁護士に関する今回の懲戒請求事案について、懲戒委員会に事案の審査を求めることを決定しました。

■懲戒委員会の審査の結果、「懲戒しない」場合や、「不当に軽い」処分が下された場合には、日弁連の懲戒委員会に異議申立をすることもできるようですが、まずは群馬弁護士会が、身内に対して、どの程度毅然とした対応が下せるのかどうか、に注目が集まります。

そして、弁護士業界の常識が、一般市民の常識から乖離していないことを証明できるかどうか。

今回の綱紀委員会による懲戒委員会への審査請求の決定を重要な試金石として捉え、今後の審査の成り行きを見守りたいと思います。

【岩野谷の水と緑を守る会】
0



コメントを書く


名前
メールアドレス
コメント本文(1000文字まで)
URL




teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ