2008/12/29  8:45

首都高、中間決算にローリー横転炎上による影響について記載  首都高炎上とタゴ運輸

■平成20年12月22日に、首都高速道路株式会社は、平成21年3月期の中間決算情報を次のとおり発表しました。


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1.平成21年3月期中間期の連結業績(平成20年4月1日〜平成20年9月30日)(百万円未満切り捨て)

(1)連結経営成績(%表示は対前年中間期増減率)

項目/営業収益(百万円, %)/営業利益(百万円, %)/経常利益(百万円, %)/中間純利益(百万円, %)
20年9月中間期/ 129,881 △3.4/ 705 △87.4/ 1,041 △82.4/ 537 △83.5
19年9月中間期/ 134,420 △11.8/ 5,610 △44.9/ 5,901 △42.5/ 3,260 △46.4

項目/1株当たり中間純利益(円、銭)/潜在株式調整後1株当たり中間純利益(円、銭)
20年9月中間期/ 19.91/ −
19年9月中間期/ 120.74/ −

(2)連結財政状態

項目/総予算(百万円)/純資産(百万円)/自己資本比率(%)/1株当たり純試算(円、銭)
20年9月中間期/ 457,014/ 31,221/ 6.7/ 1,138.28
20年3月期  / 454,814/ 30,625/ 6.6/ 1,118.37
(参考)自己資本 20年9月中間期 30,733百万円 20年3月期 30,196百万円

2.平成21年3月期の連結業績予想(平成20年4月1日〜平成21年3月31日)(%表示は対前年増減率)

項目/営業収益(百万円,%)/営業利益(百万円,%)/経常利益(百万円,%)/当期純利益(百万円,%)1株当たり当期純利益(円、銭)
通期/ 311,400 △30.0/ 2,000 △21.4/1,700 △45.4/ 1,200 △41.1/ 44.44
(注)連結業績予想数値の当中間期における修正の有無:有

【個別業績の概要】

1.平成21年3月期中間期の個別業績(平成20年4月1日〜平成20年9月30日)

(1)個別経常成績(%表示は対前期増減率)

項目/営業収益(百万円,%)/営業利益(百万円,%)/経常利益(百万円,%)/中間純利益(百万円,%)
20年9月中間期/ 129,012 △ 3.4/  224 △95.7/  231 △95.5/  68 △97.6
19年9月中間期/ 133,593 △12.0/ 5,203 △48.3/ 5,204 △48.6/ 28,84 △52.0

項目/1株当たり中間純利益(円,銭)
20年9月中間期/  2.53
19年9月中間期/ 106.82

(2)個別財政状態

項目/総資産(百万円,%)/純資産(百万円,%)/自己資本比率(%)/1.株当たり純資産(円、銭)
20年9月中間期/ 448,672/ 29,061/ 6.5/ 1,076.33
20年3月期  / 449,063/ 28,992/ 6.5/ 1,073.80
(参考)自己資本 20年9月中間期 29,061百万円 20年3月期 28,992百万円

2.平成21年3月期の個別業績予想(平成20年4月1日〜平成21年3月31日)(%表示は対前期増減率)

項目/営業収益(百万円,%)/営業利益(百万円,%)/経常利益(百万円,%)/当期純利益(百万円,%)/1株当たり当期純利益(円、銭)
通期/ 309,400 △30.2/ 1,200 △5.8/ 500 △60.0/ 300 △69.6/ 11.11現在
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■首都高によれば、当中間連結会計期間の利用交通量について、大型車は対前年比1.3%減、普通事は2.9%減となり、全体としては前年度より2.7%減の205百万台(112万台/日)となったとしています。この結果、当中間連結会計期間の業績は、営業収益129,881百万円(前年同期比3%減)、営業利益705百万円(同87%減)、経常利益1,041百万円(同82%減)、法人税等を控除した中間純利益は537百万円(同83%減))となり、前年同期に比べると、営業収益が56.1億円から7.05億円に激減しました。

各事業分野(セグメント)別に見ると、屋台骨の高速道路事業では、「首都高速道路のネットワーク整備の推進と営業路線の適正な管理を24時間365日体制で実施しており、営業路線延長は293.5kmに及び、高速道路株式会社6社中で最高となる81.4%(平成20年9月平均)のETC利用率を達成した」にも関わらず、「このような状況の中で、営業収益のうち、料金収入等比ガソリン価格の高騰や景気後退、タンクローリー火災事故に伴う通行止めの影響等により、123,720百万円(前年同期比2%減)となった」と述べています。

■さらに首都高は、平成21年3月期の通期の連結業績の見通しについて、グループの連結の営業収益として、高速道路事業において料金収入等2,495億円を見込んでいます。これは前年同期に比べ63億円の減少で、道路資産完成高455億円、高速道路事業以外の事業の収益163億円と合わせて、営業収益を合計3,114億円と見込んでいます。この結果、平成21年3月期の首都高の経常利益は17億円(前年度比45.4%減)、当期純利益は12億円(前年度比41.4%減)としています。

この減収の原因として、首都高は、中間決算同様、ガソリン価格の高騰と景気後退、タンクローリー事故に伴う通行止めの影響等による料金収入等の減を挙げています。

また、前述の連結・個別の業績予想に記載している数値について、首都高は「現在入手している情報を基礎とした判断及び仮定に基づいており、判断や仮定に内在する不確実性及び今後の事業運営等による変動可能性に照らし、将来における当社の業績と異なる可能性がある」としており、それらの「不確実性及び変動可能性を有する要素」として、“経済情勢の変動”、“自然災害等の発生”に加えて、“訴訟に関するリスク”を掲げています。

■このように、平成20年8月3日未明に起きた多胡運輸のタンクローリー横転炎上事故等による料金収入への影響について、首都高は、同年9月末までに昨年同期比で37億円減少し、通年の減少幅は63億円に拡大すると中間報告で述べています。

一方、横転炎上事故で破損した5号線熊野町ジャンクション付近の施設の修理に要した費用とされる25億円は、どのように計上されているのか説明が無いため判然としませんが、中間期の営業費用が、昨年同期比で僅か3億円しか増加していません。営業費用1291億円のうち道路資産賃借料987億円を除くと304億円となり、前年同期での321億円に比べると、17億円減っています。通期連結予想では、営業費用3093億円から道路資産賃借料1861億円を除き、1232億円の見通しを立てており、前期より半減しています。従って、タンクローリー横転炎上事故の復旧費用がどこにどういうふうに計上されているのか、さっぱり分かりません。

■こうしてみると、修理費用は、タンクローリーの運送会社に請求してみて、その後、訴訟に持ち込まれるリスクも勘案して、中間決算や今期の通期決算予想には計上していないのかもしれません。本来、そのようなリスクを先送りするような経理処理をすることは、監査上、認められないはずです。しかし今回は中間決算ということなのでしょうか。首都高の独立監査人である新日本監査法人の中間監査報告書を見る限り、訴訟の可能性に関する記述はありません。

現況では、まだ不確実性が高いため、首都高の中間決算のポイントと題する書類の注書きに「上記に記載した予想数値は、現時点での情報により判断した見通しであり、多分に不確定な要素を含みます。実際の業績等は様々な要素により上記予想数値と異なる場合がある」と念入りに書かれているのは、訴訟の可能性や必要性を認めていることを示唆しています。また、現時点で、首都高は、まだ損害賠償請求を多胡運輸やその関係先に正式に出していないことをうかがわせます。

もし多胡運輸やその関係先から、損害額の約45億円を回収できたと仮定すれば、7.05億円+45億円=52.05億円となり、平成20年9月期の決算は、前年同期の営業利益56.10億円並みの連結経営実績を達成できたわけで、首都高の民営化に一段と弾みがついたことでしょう。

いずれにせよ、平成21年3月期の首都高の連結及び個別業績に関する正式な通期の決算報告書には、監査報告書における監査人の意見及び首都高の対応方針として、何らかの記述がされるものと思われます。

■このように、首都高の平成20年9月期の中間決算情報を見る限り、タンクローリー横転火災事故に伴う通行止めの影響で、料金収入が明らかに減ったことは、しっかりと明記されています。しかし、火災により破損した道路の修復工事にかかる費用については、その取扱に苦慮していることが伺えます。

首都高の苦悩とはうらはらに、多胡運輸も、その元請の運送会社であるホクブトランスポートも、平常どおり営業を続けているように見えます。会社の存続に関わる高額の損害賠償を突きつけられかねない状況下において、平然と業務を継続できる理由は、51億円事件でも14億円余りの使途不明金が不問にされ、安中市民に103年ローンという尻拭いを課さざるをえなかった理由と、なにか共通するものを感じます。そのキーワードは、やはりタゴ一族への異常な配慮という点に帰着するのでは、と安中市民は感じています。
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写真上:関東運輸局の55日間使用停止処分も12月4日に喪が明けて、ローリー4台が出払っている多胡運輸(12月25日撮影)
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写真上:普段どおり業務を行なっているように見える元請のホクブトランスポート本社(12月25日撮影)
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写真上:国道17号線を走る配送中のアポロマークのローリー(12月20日撮影)

果たして、首都高は、多胡運輸やその関係先を取り巻く政治的バリヤーに抗して、料金収入の減少や復旧に要した費用をカバーすべく、きちんと損害賠償請求をおこなえるのかどうか。あと3ヶ月と迫った今年度の会計期限内に、どのような決断と結果が出されるのか、注目されます。

【ひらく会情報部特別調査班】
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