2015/12/4  23:38

農地法の杜撰な運用の実態まざまざ・・・高崎市農業委員会からの回答状から分かる行政の二重基準  高崎市の行政問題

■高崎市における農地法の杜撰な運用を明らかにするために、同市農業委員会に指摘している市民オンブズマン群馬の会員からの要請で、当会は今年7月15日付で次に示す公開質問状を高崎市長(高崎市農業委員会)に提出しておりました。
※2015年7月15日付け公開質問状→20150715_kokaisitumonjoi_takaskisi_nougyoiinnkai_ate.pdf


 7月22日期限に回答を求めていたところ、同日午前9時に高崎市農業委員会の担当の松本氏から当会事務局に、回答期限が不明確のままの「延長」という連絡がありました。この件の経緯と詳細については、次のブログを参照ください。
○2015年2月24日:インチキ書類・手続きを駆使して農地法をなし崩しにする高崎市農業委員会事務局と関係不動産業者の手管
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1539.html
○2015年9月12日:インチキ手続で農地法をなし崩しにする高崎市農業委員会がオンブズマンの公開質問状に回答延期
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1719.html

 ところが計らずも、突然に8月13日、高崎市農業委員会からの回答封書が事務局に届きました。
クリックすると元のサイズで表示します

 高崎市農業委員会が、当会宛に郵送してきた回答状は次の通りです。

*****【平成25年8月12日付高崎市農業委員会からの回答】*****
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                    平成27年8月12日
市民オンブズマン群馬
代表 小川 賢 様
             高崎市農業委員会 印
会長 依田 延雄
     公開質問状に対する回答について
平成27年7月15日付けにてご質問いただきました件でございますが、都
市計画法による市街化区域内の農地転用を行う場含、「農地法第4条第1項第7号」又は 「農地法第5条第1項第6号」により、@あらかじめ農業委員会に所定の事項の届出を行えば良いこととなっております。
当農業委員会が扱いました本件の土地につきましては、平成14年に農業委員会に対し連名にて農地転用が届出済みであり、現況も非農地であるためA農地法上の制約を受けない土地でございます。
しかし、今回のように本来所有者が行うべき地目変更登記がされていない土地について所有権移転登記を目的とする届出が提出された場合は、B届出人の利便を考慮し市民サービスの一つとして受理しており、農業委員会の裁量によりするもので、法の定めによるものではございません
**********
(文中の@、A、Bの番号と下線は、原本には無く、次に引用するために加えたもので、原本にはありません)。

■今回の回答状には、次のような違法性と矛盾点があると思われます。

 読者の皆様はこれを読んでもうお分かりのように、この回答書内容自体、事実ではあるのですか、それと同時に自らの「違法性と自己理論の矛盾点」を、計らずも明言した内容となっています。

 特に今回の回答状の文中に注釈番号を付けた部分について、次のとおり順次検証してみます。

1.前提条件・前提事実として

(1) 行政機関の「裁量及び裁量権」とは?

 広辞苑によれば、裁量権とは、「法律で認められた、行政権の一定の範囲内での判断、或は行為の選択の自由」と述べています。

 誰でも分かるように、裁量権とは、当該行政機関が法律により認められて、与えられた権限の範囲内で行える権利の事です。

 当然に、法律に定められている権限の範囲を超えては、裁量権の行使はできません。

 法律に定められている権限の範囲を超えて為す行為は、いわゆる「越権」行為となります。

(2) 「市民サービス」が意味するものとは?

 土地の登記簿上、当該土地の地目が農地(田、畑等)である場合の所有権の移転登記をするには、農業委員会の許可(届出)が必要であり、その農業委員会の許可(届出)書があれば、所有権の移転が行える制度です。

 つまり言い換えれば、農業委員会の許可(届出)書があれば、いとも簡単に所有権移転が出来るのです。

 農業委員会は、「その為の便宜を図ってやった」と言っているのです。

■上記の前提条件・事実からみても、既に違法行為が明白ですが、次のように、自ら回答した内容をみても、計らずも違法行為が立証されたかたちです。それらを問題点としてまとめました。

2,問題点

(1) @あらかじめ農業委員会に所定の事項の届出を行えば良いこと・・・

 農地の取引等について、あらかじめ農業委員会に所定の事項の届出を行わなければならない事は当然です。

 しかし今回のケースの様に「何でも届け出があればいいんだ」という単純な発想が根底にあるとすれば、或はまた、この回答が正しいと本気で思っているとすれば、高崎市農業委員会は、農地法を全く理解していないのにも関わらず、運用の役目を担っている、ということを懸命な読者の皆様はお気づきになる事でしょう。

 つまり高崎市農業委員会は、農地法について「よく判らないのに、只やっている」のが実態なのです。

 これは当該農業委員会職員の資質と能力にも関わる事柄ですが、そもそも役所というものは、前任者の職務内容を単に引き継ぎ、自己の職務内容であるにも関わらず、何ら疑問も持たず、勉強もせず、日々のルーティン・ワークを勤務時間内で慣習的に繰り返しているだけに他なりません。

(2) A農地法上の制約を受けない土地・・・

 高崎市農業委員会が自らこう述べているように、農地法上の制約を受けない土地(農地)であると自ら認識しているのであるならば、「農地法をより処としている農業委員会の管理外事項」という事になります。

 前述の前提条件・事実のとおり、“管理外事項”ですから只の「越権」行為です。つまり、農地法上の制約を受けない土地については、農業委員会に権限は何もないのです。

 法律に基づいて行政を行うのが務めなのに、自ら行政機関が違法行為、もしくは違法行為の幇助をすることがあってはなりません。

(3) B届出人の利便を考慮し市民サービスの一つとして受理しており、農業委員会の裁量によりするもので、法の定めによるものではございません。

 ここで、「・・・裁量によりする・・・」と述べていますが、そもそも権限を持たないのに、裁量権は行使できないものです。

 また、「・・・法の定めによるものではございません。」と述べているように、「拠り所の法的規定がない」と自ら認めています。

3.正しい手続き

 では正しい手続きとは、どのようにすれば良いのでしょうか。

 当ブログ記事でも紹介しましたが、東京都調布市の対応に如実に示されています。

 今回のような場合については、農地法の規定の通りに、農地転用を実行して、地目変更登記をして、農地以外の地目にして土地の売買を行えば良いのです。

 この手続きに係る当事者費用を、農業委員会が斟酌して、何も違法・越権行為までして、便宜を図る必要はないのです。

 高崎市農業委員会は、現在このことをどう考えているのでしょうか?当会の公開質問状への回答状を見る限り、このように自己弁護に終始するばかりの内容では、当会の指摘のとおり、なにもわかっていない可能性があります。あるいは、二重基準だと知っていてわざと隠しているかもしれません。

 「本当に正しい行為」と認識しているのでしょうか?

4,まとめ

 前項1および2から明らかなように、高崎市農業委員会が自ら述べている内容そのものが、まさに違法行為である事の証左です。しかも高崎市納涼委員会は、この行政上の違法行為、或は違法行為幇助について、何らの反省、謝罪・陳謝、今後の決意・覚悟の記述は回答状には全く見当たらず、自己弁護に終始するのみです。

 よってこの高崎市農業委員会の「市民サービス」を利用すれば、誰でも、何時でも、何回でも、農地に対して所有権の移転が行えるのですから、農地法を組織の存在意義にしている農業委員会は、行政機関の中の一(いち)違法行為・一(いち)違法行為幇助団体という事になります。

 しかしながら、この「市民サービス」は、全市民に対して実行されるのでしょうか?

 全市民に対して普遍的に実行されれば、少なくとも高崎市における市民サービスの観点からの「公平性」は担保されますが、しかし依然として「違法行為」である事に変わりはありません。

 高崎市という地方公共団体の中に、このように違法行為をする、あるいは違法行為を幇助する組織として、農業委員会が存在し、しかもそれが公に認められているのが実態です。

 多くの善良な市民から選挙で選ばれた、行政責任者である高崎市長は、今回の事件に対して、具体的にどのような解決を見せるのでしょうか?

■当会は、会員の要請に基づき、引続いて、高崎市農業委員会の対応を監視していく所存です。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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