赤城南麓の前橋バイオマス発電に関する市長回答書と関電工・トーセンによる12.20第3回説明会の開催  前橋Biomass発電問題・東電福一事故・東日本大震災

■赤城南麓の電力中央研究所赤城試験センター(前橋市苗ケ島町)内に、関電工とトーセンが面積6,700kw、年間8万トンの間伐材等を燃料とする木質バイオマス発電計画が浮上し、現在、地元では住民による反対運動がいよいよ正念場を迎える状況になってきました。東電の子会社で東電と深い関係にある関電工によれば、この発電所に必要な燃料の調達は、群馬、栃木、長野、埼玉から行う予定で、7月16日の地元新聞の取材に対して「9月から周辺整備を始め、2016年4月に発電所本体の工事を着工、2017年6月の完成を目指す」としています。


 ところが、先日報道されたように、東電福島原発事故に由来するセシウム等放射能汚染された森林から産出される木材の樹皮(バーク)などの木くずが滋賀県の琵琶湖西岸に大量に不法投棄された事件で、その後、撤去された放射能汚染木くずが、前橋市民の知らないうちに、市内のサンパイ中間処理業者に持ち込まれて、他の木くずと混合されて出荷されていたことが判明しました。

 こうしたズサンな放射能汚染木くず処理の実態が問題視されている最中に、あろうことか東電の子会社と、福島の木材加工業者が一緒になって、前橋市の赤城山麓に木質バイオマス発電所を作り、そこに放射能汚染木くずを大量に集荷して燃焼させるという、しかも発電所のすぐ近くには分譲住宅地があるという、常識では考えられない計画が、行政と業者との間で、住民の知らないうちにどんどん進められています。

■今年の5月頃、ふとしたきっかけで情報をつかんだ近隣住民の皆さんは、さっそく反対の声を上げ始めましたが、関電工は住民への個別説明にこだわり、前橋市もそれを容認したため、近隣住民の皆さんが希望していた住民説明会の開催が先送りされてきました。

 ようやく開催されたのが、10月3日でした。その時の説明会では、住民側の熱い質問に対して、関電工側は「持ち帰らせていただき、慎重に検討します」を連発したため、まともな質疑応答になりませんでした。

 とくに、福島県の木材加工会社で関電工と組んで事業を行う潟gーセンが担当するとみられる木質バイオマス用のチップ工場に関する説明は全く行われませんでした。これに不満を募らせた住民団体の皆さんは、その後も粘り強く群馬県や前橋市など行政に要請を繰り返しました。

 その結果、ようやく最近になって、木質チップ工場設備も含めたバイオマス発電事業に関する説明会を次の要領で開催することが決まりました。

 開催日:12月20日(日)10時〜
 場 所:前橋市東部商工会館(〒371-0244 群馬県前橋市鼻毛石町1426−1)


■一方、発電所の建設予定地の周辺住民の皆さんで結成された地元住民団体は、今回の赤城山麓のバイオマス発電計画に関する公開質問状を11月13日付で前橋市長あてに提出していました。

 先日11月27日付で、前橋市長の回答書が送られてきました。内容は次の通りとなっています。

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20151127_kokaisitumonjo_maebasisicho_kaitosho.pdf
                    前 政   第41号
                    平成27年11月27日
 赤城南麓の環境と木質バイオマス発電を考える会
  会長 横川 忠重  様
                前僑市長 山 本   龍
         公開質問状について(回答)
 日ごろより、市政各般にわたりご理解ご協力をいただき、厚く御礼申し上げます。
 平成27年11月13日付けで質問のありました事項について、別添のとおり回答いたします。
                    (政策推進課調整係)
              〔担当課〕
               前橋市政策部政策推進課
               〒371-8601 前橋市大手町二丁目12−1
               TEL:027-898-6513 FAX:027-224-03003
               E-mail:seisaku@city.maebashi.gunma.jp
<別紙>
1 事前説明会の相談に対して
○質問1−1
 関電工が補助金申請のため、群馬県に提出された資料によりますと、関電工は住民等に説明するにあたり、前橋市の宮城支所に相談をされていますが、当局や市長にもその都度、状況が報告され、また、支所に対し、指導等はされていますか?具体的に指導されておりましたら、その内容もお教えください。

■回答1−1
 私(市長)、副市長を含め関係部署で迅速に情報共有を図っております。
 また、支所への相談の前段として、滑ヨ電工に対し関係課(政策推進課、環境政策課)より地域住民への説明を依頼しております。その具体的な説明方法等については、地域の状況等を把握している宮城支所へ相談するよう伝え、これを受け滑ヨ電工が相談を実施したものであり、その結果については報告を受けております。


○質問1−2
 関電工の提出資料で、宮城支所が回答した、対象住民の範囲や周知の仕方などに、市長は問題がないと考えていますか?

■回答!−2
 事業主体である滑ヨ電工から、近隣住民の方に対して個別訪問により丁寧に説明を行いたいとの申し出を受け、市としては、丁寧な説明が期待できると判断し了承しました。


○質問1−3
 これまでの関電工の一方的な説明会の進め方、及び説明資料について、市長は問題ないと考えておられますか?問題ないと考えておられましたらその理由も教えてください。

■回答1−3
 滑ヨ電工の方針により個別訪問の方法でスタートした説明ですが、地域住民の方たちより住民説明会の開催を要望する声があったことから、滑ヨ電工に対し住民説明会の開催、そしてより丁寧な住民説明を要請いたしました。
 また、市としましては、事業の詳細が決まり次第、住民の方に対してさらに説明をするように求めてまいります。



○質問1−4
 国・県から4億8,000万円もの補助金が決定したチップ工場は、これまでー度も説明会が開催されず、何の資料も住民には渡されておらず、どんな施設ができるのか住民には全くわからない状況下において、開発許可を出されたことに、何の問題もないと市長は考えておりますか?

■回答1−4
 開発の許可に際しては、説明会の開催や住民の同意は許可の条件となっておりません。都市計画法に基づき、今回の開発申請に係る開発行為が、都市計画法で規定する開発許可の基準に適合していたことから許可をしたものであります。


2 放射能問題や環境問題、景観問題について
○質問2−1
 赤城神社、千本桜、ドイツ村、フラワーパーク、大沼等、赤城南麓は、東西南北、観光地ですが、そのど真ん中に火力発電所ができ、30メートルにも及ぶ煙突、そこから煙がモクモクと出る光景を想像すると、前橋市民や群馬県民の誇りは失われると考えますが、市長は、この火力発電所は赤城山にふさわしい施設と胸を張って言える施設とお考えでしようか?また、前橋市の景観条例の目的を十分満足していると市長はお考えですか?

■回答2−1
 景観法及び景観条例で規定される制限の範囲は、建築物や工作物の形や色彩などであり、発電所の「建設行為」そのものを制限するものではありません。また、本件の建築物及び工作物に係る景観法に基づく「行為の届出」については、今後提出される予定ですので、現段階ではその形状等について判断することはできません。


○質問2−2
 市長は9月の市議会におきまして、近藤好枝議員の質問に対して、「放射能などリスクがあれば軽減や回避するのが当然である」というような答弁をされておりますが、福島第1原発由来の高放射能に汚染された間伐材を燃料として燃やす、この火力発電所からのリスクはゼロと市長は考えておられますか?また、前橋市は、事業者に環境影響評価はしなくてよいと結論づけていますが、市長は、未来まで子供たちへの健康被害や環境への影響は絶対にないとお考えでしょうか?

■回答2−2
 木質バイオマス発電所については、12月を目処に詳細計画が決定すると事業者から聞いております。本市としても事業者に対し、詳細計画と併せて放射能に関することを含めた周辺環境への配慮等を周辺住民や市に対して示すよう求めております。
 また、12月には事業者による説明会が開催される予定であると聞いておりますので、その際にも、放射能に関することを含めた周辺環境への配慮等を詳しく説明するよう求めていきたいと考えております。


3 住民不安について
○質問3−1
 関電工は、前橋市の指導の元、住民対象者はあくまでも半径500メートル以内の住民だけとしております。しかし、近隣の東金丸の自治会や伊勢崎市他遠方の県民からも、「こんな建設計画は聞いていない」、「赤城山に火力発電所はふさわしくない」、「毎日10トントラックが20台以上往復するのは、交通事故や排ガス、道路の陥没など不安である」、「放射能の二次拡散は許されない」、「家畜など風評被害が心配である」など、毎日多数の声が会に寄せられています。市長は対象住民の範囲や環境問題は常時生活している方を対象で良いとしているなど、このままで問題ないとお考えですか?広く市民に伝えるべきとのお考えはありませんか?

■回答3−1
 地域住民の方たちの不安や心配の声を受け、本市としても滑ヨ電工に対し住民説明会の開催や、より丁寧な説明を求めてきました。その結果、これまでに2回の説明会が開催され、今後も説明会の開催が予定されていると承知しております。
 こうしたことから、今後も地域のみなさまからのご意見やご要望を事業者に伝えていきたいと考えています。


4 その他
○質問4−1
 前橋市や群馬県の木質バイオマス計画はいずれも小規模ですが、これらの計画にはない今回のような大規模な木質バイオマス発電事業について、住民不安が解消されないままの状況下で、事業者のスケジュールに合わせてきたかのような、これまでの前橋市の取り組みについて、市長はどうお考えでしようか?

■回答4−1
 これまで、地域住民の皆さんからの不安や心配の声を払拭できるよう事業者である滑ヨ電工へは説明会の開催や丁寧な説明を求めてきました。
 法律等で定められた手続を市の裁量で変えることはできませんが、事業者との協議や説明会開催の要請など、市で対応できることは実施してきております。今後も滑ヨ電工に対し地域住民の皆さんへの丁寧な説明を求めてまいります。

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■このように前橋市長の回答は、一見、住民配慮の姿勢を見せていますが、行間には開発事業者に対する配慮として、例えば行政手続法を念頭にして(つまり「ノー(No)」とは言わない方針のもとで)、開発事業者とのトラブルを避けようとすることを優先して考えるあまり、「説明会の開催や住民の同意は許可の条件となっておりません。都市計画法に基づき、今回の開発申請に係る開発行為が、都市計画法で規定する開発許可の基準に適合していたことから許可をしたものであります」というふうに、上から目線の回答をしているのが気になります。

 一般的に発電施設を建設する場合に、自治体(市)に対して必要な手続としては、次の項目が挙げられます。

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(1)土地造成に関して
 ○都市計画法
 ○国土利用計画法
 ○国土調査法
 ○市環境保全条例又は環境基本条例
 ○市風致地区内における建築等の規制に関する条例
 ○都市緑化法
(2)建築行為に関して
 ○建築基準法
 ○市風致地区内における建築等の規制に関する条例
 ○労働安全衛生法
(3)環境・消防に関して
 ○土壌汚染対策法(掘削・盛り土合計3000㎥以上の場合)
 ○大気汚染防止法
 ○水質汚濁防止法
 ○騒音防止法
 ○振動規制法
 ○ダイオキシン類対策特別措置法
 ○環境影響評価法(ふつうは、説明会の開催が義務付けられている)
 ○浄化槽法
 ○下水道法
 ○消防法
 ○市火災予防条例
(3)緑化・景観に関して
 ○工場立地法
 ○市工場立地法市域準則条例
 ○景観法
 ○市景観条例
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 従って、環境影響評価法によれば、説明会の開催は開発許可の条件であることは明らかです。なぜ、前橋市長が回答1−4で、このような重要な法令を例示しないのか、不思議と言わざるを得ません。

 このほかにも前橋市長は、回答2−1でも、「景観法及び景観条例で規定される制限の範囲は、建築物や工作物の形や色彩などであり、発電所の『建設行為』そのものを制限するものではありません」などと住民団体への回答書で述べており、事業者への過分な“配慮”をうかがわせる行間になっています。

 さらに、回答4−1でも前橋市長は「法律等で定められた手続を市の裁量で変えることはできませんが、事業者との協議や説明会開催の要請など、市で対応できることは実施してきております」というふうに、自ら裁量を矮小化したり、既に最低限のことはやっているという釈明的な記述も今後の対応において、市民に不安を与える書きぶりとなっています。

■一方、開発事業者のうち発電事業者である滑ヨ電工と、燃料供給事業者であるトーセン鰍ノよる前橋バイオマス発電所に関する初めての詳細な全体施設の計画説明が来たる12月20日(日)午前10時から、前回の説明会と同じく前橋市東部商工会館で開かれます。

 前回の説明会で、関電工は、参加した住民の皆さんからの質問の殆どに対して即答が出来ず、「持ち帰って検討します」という趣旨の回答していました。今回、これらの回答保留項目については、きちんと分かりやすく漏れの無いように誠意をもって答える責務が関電工にあるわけです。

 今度の説明会で、関電工はどのような質問に対する回答をすべきなのか、前回の議事メモをもとに、チェックしてみたので、次の文書を参考にして、予め確認しておきましょう。

 ※10月3日の事業説明会の質疑応答と関電工の持ち帰り事項 → dha.pdf

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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