2016/1/22  12:45

公金を103年間群銀に支払う原資を元職員・事件関係者から取りはぐれないよう促す公開質問状を副市長に提出  土地開発公社51億円横領事件

■地方自治体としては史上空前絶後、前代未聞の51億円を超える巨額詐欺横領事件が発覚したのは、阪神淡路大震災や地下鉄サリン事件の起きた199年(平成7年)5月18日でした。その約2週間後、安中市民が地元の新聞で報じられたこの事件の記事に仰天したのが同年6月3日(土)の朝でした。その半月の間に、安中市は、元職員が安中市土地開発公社特別会計を群馬銀行安中支店に開設した平成4年4月1日以前の資料を、証拠隠滅のために夜陰に紛れて市営のごみ焼却施設に運び込み、燃やしてしまいました。その後、警察の捜査が行われ、当会は入手した情報を警察にすべて提供し、この事件が市役所の組織ぐるみの犯罪であることが立証されることを期待し、膿を出し切ることが再発防止に欠かせないと信じて活動を始めたのでした。


 同年10月に群馬銀行が先手をとったかたちで36億円余りの損害賠償の民事訴訟を安中市・市公社を相手取り前橋地裁に提起すると、当時の小川勝寿市長は市長の椅子を投げ出したため、急遽、市長選となりました。

 ところが、同年11月に行われた出直し市長選で、市民団体候補が次点に留まるや否や、警察から捜査打ち切りと、元職員単独犯行という結論が当会に報告され、事件の幕引きへのプロセスが正式に進められたのでした。

 その後、1996年4月8日に元職員の刑事裁判が確定し、群馬銀行と市・公社との裁判が継続されていましたが、1998年12月9日に裁判所主導で、和解条項により市・公社が合計24億5千万円について、初回4億円を支払い、残り20億5千万円を翌年の199年(平成11年)から、毎年2000万円ずつ、103年かけて返済するという前代未聞のとんでもない返済ローンが合意されたのでした。安中市民は、このローンを「タゴ103年ローン」と呼んでいます。

 その後、2006年3月18日に隣の松井田町が安中市と対等合併したため、この超長期ローンは現在松井田地区の住民にも影響を及ぼしています。

■民事上の制約から、この103年ローンは、10年毎に更新されることになっており、最初の更新は2008年(平成21年)12月25日の10回目のローン支払いと同時に、新たに「証」と称する合意書が、当時の岡田市長兼公社理事長と群銀との間で取り交わされました。

 そして、現在は2順目の10年間のローン支払い中ですが、先日2015年12月25日に都合17回目の支払いが、茂木一義・公社理事長から、群馬県信用組合を介して群馬銀行安中支店に振り込まれたのでした。

■一方、当会は1998年12月9日の和解条項により、安中市への損害が確定したのを契機に、この事件の関係者である市公社の歴代の理事・監事、そして元職員の上司らを相手取り、住民監査請求を行いました。ところが、市公社は安中市とは別法人だという理由で監査請求の資格がないという理由で請求が棄却された為、1998年4月に住民訴訟に踏み切りました。

 すると、その直後、市公社が元職員に対して20数億円の損害賠償請求の民事訴訟を提起し、収監中の元職員が欠席のまま僅か1週間で勝訴判決が下されました。

 その後も当会は、この巨額横領事件に関連して5件の住民訴訟を提起しましたが、当会の事務局長が政治的圧力により勤務先の命令で足掛け8年間に亘る海外勤務を余儀なくされたこともあり、弁護士に一任せざるを得なかったため、ことごとく敗訴させられてしまいました。

 帰国してみると、安中市役所は既に51億円事件のことなどとっくに風化してしまっており、事件直後にはあれほど多数寄せられた内部告発もなく、地元では政治家による清酒や金一封などの悪しき慣習がよみがえっている始末でした。

■こうした経緯のなか、市・市公社は連帯して群馬銀行に対して相変わらず毎年クリスマスに2000万円もの公金をタゴ事件の尻拭いとして支払い続けてきました。

 この原資について市・市公社は、公社の事業で生じた余剰金を充当しているので、住民への影響は皆無だという論法を掲げ続けています。公社の事業が出来るのも、安中市から事務費として事業費の5%が支出され、市職員が無償で公社の業務を兼務しているからです。だから余剰金は当然、我々住民のものですが、もはや103年ローンの支払い機関として成り下がってしまった安中市土地開発公社は、よその自治体が次々に土地開発公社を解散していくのを横目に、あと86年間は存続させなければならないのです。

 また、本来103年ローンを支払うべき、単独犯とされた元職員やその親族を始め、公社の当時の幹部連中らは、全く無責任な対応に終始しています。この20年余りで、市・市公社が元職員から回収したのは僅か1500万円弱に過ぎません。群馬銀行へのクリスマスのローン支払い1回分にも満たないのです。

 本来、元職員やその親族、友人、さらに事件に関与した市職員、職員OB、政治家、出入り業者らから優先的に損害金を取り立てるのが本筋ですが、既に事件が風化してきたのをよいことに、安中市は、市民納税者に対して滞納撲滅をアピールするだけで、元職員のタゴら関係者に対する財産差押については極めて消極的です。

■そのため、本年1月20日に、平成27年度の103年ローン支払いの経緯と事実を確認するための情報開示請求を行い、開示をうけた際に、市の企画課長らに、損害金を元職員らから取りはぐれないように、あらゆる手段を講じて対応措置を取るよう要請しました。しかし、どうにも積極性が見られません。市公社は別法人だから、執行部としては関与する立場にはないということなのでしょう。でも安中市は市公社の連帯責任を負っている立場にあります。

 そこで、やはりこのことは市公社の理事長である副市長にきちんと確認しておく必要が有ると考えて、当会では次の公開質問状を昨日郵送で提出しました。

**********20160122_annakasi_tochikaihatukousha_koukaisitumonjou.pdf
                    平成28年1月22日
安中市土地開発公社
理事長 茂木 一義 様
写し:安中市長 茂木英子様
                    〒379−0114
                    安中市野殿980番地
                    小川 賢
                    FAX 371−0364

   安中市土地開発公社巨額詐欺横領事件の簿外債務に関する公開質問状

 拝啓、貴殿ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
 さて、本年1月20日に開示された情報によれば、貴殿は2015年12月25日に群馬銀行安中支店長あてに、和解金2000万円を支払いました。これは、平成10年12月25日に群馬銀行に対して4億円を支払ったあと、残金20億5000万円を毎年12月25日に2000万円ずつ返済するかたちで群馬銀行に計算上103年かけて支払うという一般常識を遥かに超えた債務履行の一環ということになります。即ち、あと86年間支払い続けなければならない、ということです。
 事件の発覚から今年5月18日で21年が経過し、事件当時生まれた人たちは、今年成人式を迎えました。一方、元職員の実弟で運送会社を経営していた人物は昨年6月下旬に他界し、事件発覚当時、市議会議長だった人物も昨年11月21日にこの世を去りました。また、事件発覚当時、部下として元職員と一緒の部署だった人物らも、まもなく退職年齢に到達するようです。
 この事件では、未だに真相が明らかになっておらず、元職員が所属していた公社の上司や理事監事らも誰一人として事件の責任を取った者はおりません。公社の幹部らに責任をとってもらうべく、質問者も司法の場で決着を付けようと提訴したことがありましたが、公社は安中市とは別法人だということで、最高裁においても住民の請求は退けられてしまいました。
 こうなると、唯一のよりどころは、平成11年5月31日判決、同年6月18日に確定した、元職員に対する損害賠償請求の勝訴判決で、これにより22億2309万2000円とこれに付随する年5分の割合による遅延損害金の支払いを元職員に求めることになっており、これが実現すれば我々住民にとっても福音となるはずです。
 ところが、これまでに回収したのは市税還付金、土地および家屋の強制競売による配当金として、1500万円にも満たない金額でしかありません。
しかも、質問者による開示請求に対して、安中市長から貴殿に対する今年1月8日付の情報提供の要請に対して、貴殿は、今年1月12日付で、平成25年1月以降、現在に至る迄に為された損害金回収に関わる一切の情報について、不存在という回答を安中市によこしました。このことについて、次の質問があります。

1.消滅時効と時効の中断について

質問1-1:
 民事債権やその確定判決等は、10年の期間を経過すると時効にかかって消滅しますが、元職員に対する現時点での公社債権の消滅時効はいつだと認識していますか?

質問1-2:
 上記の時効期限の到来を中断するために、どのような対策を講ずる予定ですか?具体的にご教示願います。

質問1-3:
 今年1月20日の表件にかかる情報開示の際に、連帯保証人である安中市総務部の萩原稔企画課長らこの件について意見を伺ったところ、皆さんは「平成22年5月14日に元職員の配偶者を通じて元職員から公社に寄付された絵画等6点があるので、これを換価した時点で消滅時効の中断となりうる」とお考えになっているようです。これについて、同課長いわく「きちんと確認したわけではない」とのことです。ついては、この絵画等6点は、元職員から受け取った時点で時効が中断し、あらたに10年間の時効がカウントされ始めるのか、それとも、絵画等6点を公社が換価した時点で時効が中断し、あらたに10年間の時効がカウントされ始めるのか?公社理事長である貴殿の正式見解をご教示願います。

質問1-4:
 もし絵画等6点を公社が換価した時点で時効が中断すると貴殿が考えている場合、それは元職員から平成22年5月14日に受け取った後、10年間以上経過しても、消滅時効にならず、あらたに10年間の時効がカウントされるとお考えですか?

2.元職員およびその家族らの財産調査について

質問2-1:
 公社を舞台にした巨額詐欺横領事件では、警察の懸命な捜査にもかかわらず、使途不明金が14億円余りも生じてしまいました。さらに、元職員が甘楽信金(現・しののめ信金)安中支店勤務の友人で古物商の資格を持つ人物を介して、横領金を使って骨董品や古美術を多数買い付けていました。警察の事情聴取に対して、これらの購入金額をそうとう水増しして供述していることが窺え、実際の使途不明金は20億円を超えるものと質問人はみています。こうしたことから、元職員およびその家族は依然として相当な財産を隠し持っている可能性が高いと思われますが、これまでに、あるいは現在も引き続き、元職員やその家族の財産調査はしていますか?それとも何もするつもりがないのでしょうか?

質問2-2:
 元職員の実弟が経営していた運送会社「多胡運輸」が所有するアポロマークのタンクローリーが、平成20年(2008年)8月3日日曜日午前5時52分、首都高5号池袋線下りを走行中、熊野町ジャンクション内の急な右カーブを曲がり切れず横転炎上し、施設や設備、そして営業面で甚大な被害と損害を被った首都高は、3年後の平成23年8月までに多胡運輸に加えて、元請の北部トランスポート、さらには荷主の出光興産を相手取り、損害賠償請求訴訟を提起しました。その際、徹底した同社の資産及び従業員の生命保険などをあらゆる手段を講じて調べ上げて、強制差押の手続きをとりました。ところが、それに比べると貴殿が理事長を務める公社は、そのように積極的な債権回収を図っているように見えません。ぜひ、安中市民が容易に貴殿の努力が理解できるように、ホームページや広報などでとりあげて貰えませんか?

質問2-3:
 上記のような様々な債権回収手段を含め、貴殿はどのようなかたちで、債務者である元職員及びその親族に対して、対応していくおつもりでしょうか?

質問2-4:
 また、元職員及びその親族に対する財産調査はこれまでにどのように実施され、継続され、結果として債権回収にどの程度結びついたのか否か、ご教示ねがいます。

質問2-5:
 さらに元職員から、さまざまな便宜を図ってもらっていた市職員をはじめ、市議や職員OB、出入り業者らも大勢いました。残念ながら彼らの実態調査は全く手を付けられずに20年が経過してしまいました。こうしたケースではすでに消滅時効が到来していますが、責任を認めて賠償に応じる職員や職員OBもいるかもしれません。市民には滞納を厳しく戒めながら、元職員の巨額詐欺横領に対しては支払いを督促しないのでは、明らかに不公平です。少しでも多額の債権を回収する工夫と実践努力の必要があると思いますが、公社理事長である貴殿の抱負をお聞かせ下さい。


なお、貴殿のご回答を得た上で、あるいは得られなかったときに、記者会見で回答の有無及び内容を明らかにしてまいりたいと考えます。同時に質問者のホームページ上でも明らかにし広く安中市民に広報してまいる所存です。つきましては、平成28年1月29日(金)限り、郵送もしくはFAXにてご回答いただきますよう、お願い申し上げます。

                    以上
**********

■回答期限日をまって、市公社の対応を報告することにします。

【ひらく会情報部】
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