【現地ルポ】甘利・前経済再生相の口利きの舞台となった千葉県白井市のUR道路工事現場から真相を占う  政治とカネ

■2016年1月21日発売の週刊文春でスクープされた甘利明・経済再生担当相の金銭授受疑惑ですが、その後、甘利・前大臣本人はもとより政府自民党も必死で騒動の鎮静化を図ろうとし、告発者についてのネガティブキャンペーンを貼った矢先に、今度は1月28日発売の週刊文春で、告発者側が巷間で飛び交っている憶測を含む未確認情報について、一つ一つ丁寧に反論をしました。そのため、さすがの政府自民党も甘利・前大臣を支えきれなくなり、結局1月28日午後5時に閣僚辞任の記者会見を余儀なくされました。その後も、この問題について国会でも論議されており、URからS社に対して支払われた補償額が、UR職員から甘利事務所の秘書に漏れたことも明らかになりました。(本項末尾記事参照)
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甘利・前大臣の現金授受問題の舞台となったUR道路とS社のトラブル現場(赤丸)。現地の土地計画利用図から。

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URの工事説明資料から。

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UR道路に隣接するS社(薩摩興業)の敷地。フジテレビ画面から。

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S社とUR道路そして反対側のS社所有と思われる管理地の位置関係を示した航空写真。出典:http://livedoor.blogimg.jp/kuroiamakitune/imgs/c/b/cbbafc8e.jpg

 一方、週刊文春は2月4日発売の2月11日号で、さらなる実名告発記事を第3弾として報じました(この記事の全文は末尾参照)。さらに2月11日発売の2月18日号では、「甘利事務所『UR口利き』動かぬ証拠」と題して、“疑惑追及第4弾”として告発記事を掲載しました。

 こうした中、当会では、今回の疑惑事件の舞台となったURと建設会社S社とのトラブル現場を視察しましたので、報告します。やはり報道だけでは分からないことも、現地に足を運ぶとより一層理解度が高まるようです。

■京成上野から普通電車で京成高砂駅にゆき、そこから北総鉄道線の普通電車に乗り換えると、およそ1時間足らずで小室駅に到着します。
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 そこから改札口を出て跨線橋を渡り、タクシー乗り場でタクシーに乗ると5分ほどで現場に着きます。
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最初に目に入るのは、夥しい鋼材で補強された構築物だ。この上をUR道路が通過するらしい。左側がS社の借りている土地の敷地と思われる。
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既設の県道にでて、右に曲がるとS社が見えてきた。
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S社は薩摩興業。

 現場を見て感じたのは、起伏のある地形で、いかにも曰く因縁のありそうな場所で、入り組んだ土地境界が特徴的でした。
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既設の県道から見た薩摩興業の東側にある空き地の奥に見えるフェンスの向こう側がUR道路建設現場のようだ。
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薩摩興業の裏手のUR道路建設工事現場。左側に大きな穴が見える。産廃を掘り出した跡なのだろうか?
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既設の県道わきに積み上げられたブルーシートに覆われた残土らしき山。まさか産廃ではあるまいか?かつて硫化水素の匂いが立ち込めたということから、得体のしれないモノが埋められていた可能性がある。

 報道によると、S社の関係する土地は、URの道路を隔てで反対側にも存在することをうかがわせています。当会は、当然、そちらの方にも足を運んでみました。
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果樹園の向こうに、産廃を掘り出していると思しきユンボが見える。
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薩摩興業本社のある敷地から、UR道路建設現場を隔てて反対側にある資材置き場と思しき土地。工事標識をみると「フジタ」と書かれているので、フジタが資材置き場として使用している様子がうかがえる。また、コンテナ型の現場事務所があり、中で作業員が休息中だった。報道によると、ここも薩摩興業が地主から借りている土地の可能性もある。となると、それをフジタが又借りしていることになるが、真相は分からない。
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その南隣りには、鹿島・東京建設JVの現場事務所がある。本当に訳の分からないほど、複雑に入り組んだ工事現場である。

 ご覧のように、ここもS社の所有地だと思われます。こちらの方は、だだっ広い敷地の南端に、サイコロ型のコンテナがずらりと並んでいます。警備員らしき男が一つもコンテナの中でくつろいでいるのを目撃したので、無人ではありません。

 この場所は周辺よりも小高くなっており、おそらく起伏のある地形を利用して、くぼ地だったところに、産廃を過去に不法投棄したものと想像されます。

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現場事務所の隣には果樹園があちこちにある。↑ 産廃が埋めてあったすぐ横に果樹園があったり、民家があったり、とんでもない場所ですが、なぜか出来レースのような感がします。

 さて、現場に行ってみると、S社というのは、薩摩興業であることがわかります。ネットで検索すると、次の情報が得られました。

*****薩摩興業株式会社*****
・〒270-1415 千葉県白井市清戸272に本社を置く建設会社であること。
・UR(独立行政法人都市再生機構)の道路建設「千葉北部地区北環状線清戸西工区整備工事」の道路用地を巡ってURとトラブルになっていること。
・設立1973年9月、資本金:1000万円(2200万円という情報もある)、従業員5名、代表者は寺床博好であること。
**********

 そして、薩摩興業とURとの間で道路用地を巡ってトラブルになっている件については、次のように報道されています。

**********朝日新聞デジタル2016年1月29日05時14分
現金渡した会社、移転補償でURと衝突 甘利氏閣僚辞任
http://www.asahi.com/articles/photo/AS20160128004638.html
http://www.asahi.com/articles/photo/AS20160128004628.html
甘利氏側に現金を渡した建設会社がURとトラブルになっていた土地周辺=28日午後1時30分、千葉県白井市、朝日新聞社ヘリから、池永牧子撮影
 甘利氏側に現金を渡した建設会社は、独立行政法人都市再生機構(UR)との間で千葉県内の再開発事業をめぐるトラブルがあり、2億円を超える補償金が支払われていた。
 トラブルの原因となったのは、千葉ニュータウン(NT)中心部から西2・5キロにある千葉県白井市の幹線道路予定地。建設資材とみられる赤茶けた鋼管が横たわり、約1キロの区間が未完成のままだ。UR関係者は「NT事業で最大の懸案の一つ」と話す。
 NT開発に向けて、千葉県は1970年ごろから、白井市の予定地の買収を始めた。県によると、予定地の隣接地を地主から借りていた建設会社が92年ごろ、予定地に建設資材を無断で置き始めた。資材の撤去を求めたが聞き入れられなかったという。
 近くの男性によると、元々の地主が産業廃棄物を現場に捨てていたこともあり、「道路工事は遅れていた」と話す。
 予定地を地主から買い取った県は2007年、資材撤去と立ち退きを求め、12年には、県と事業を進めてきたURが隣接する別の道路予定地約1千平方メートルを買い足した。この予定地にも資材を置いていた建設会社が反発したため、URは先行して移転補償料約1600万円を支払った。
 その後の交渉の結果、13年にさらに約2億2千万円を支払うことで合意した。URは工事を始めたが、建設会社側は再び「工事で事務所が傾いた」などと新たな補償を求めてきたといい、交渉は今も続いているという。
**********

 このほかにも、薩摩興業の敷地周辺の現場では、次のような経緯が取りざたされています。
@ 薩摩興業が建つ土地では昭和54年、建築廃材などの産業廃棄物の不法投棄が発覚していた。
A 千葉県によると、道路工事が行われている今も、産業廃棄物は残ったままだという。
B 現地の土地の事情に詳しい関係者は「長い間、道路工事をしているが、地面の下に壊れた土木機械などの産廃が埋まっていて一時期工事がストップした」と明かした。
C また周囲に温泉のような臭いが漂ったこともあり、関係者は「約10年前、URから硫化水素が発生していたと説明された」と話す。
D 廃棄物処理法によると、不法投棄が判明し、周囲の生活環境に支障が生じるケースなどでは不法投棄の行為者や土地の所有者、土地を利用する占有者が、撤去を求められることがある。
E 道路工事の過程で見つかった産業廃棄物は、工事を請け負ったゼネコン業者が撤去しているという。
F URは道路工事について、「工事の案件については事実確認をしているところで、お答えできない」としている。


■このようにUR自体が、なぜ道路工事について明確に公表できない状況にあるのも不可思議ですが、このUR道路の工事名「千葉北部地区北環状線清戸西工区整備工事」については、次の情報が検索できます。

**********
鹿島・東洋JVに決定/北環状線清戸西工区/都市機構千葉NT
 都市再生機構首都圏ニュータウン本部千葉ニュータウン事業本部は2012年11月28日、WTO(世界貿易機関)対象案件となる千葉北部地区北環状線清戸西工区整備工事他1件の落札者を32億9800万円(税別)の鹿島・東洋建設JVに決めた。工期:2013年4月〜2014年3月。

**********

 ちなみに、WTO対象の入札とは、日本を含む153国が加盟する世界貿易機関(WTO)の協定の一部である政府調達協定によって競争入札をすることが義務付けられた一般競争入札を意味しており、WTO対象の入札で代表的なものは、政府調達協定対象の大規模工事です。これらは政府が行うものだけでなく、都道府県や政令指定都市が行うものも対象となります。また、最近では建設工事だけでなく、物品購入や技術サービスなどの分野の入札も増えてきています。すべての案件に金額的な要件があり、これらは高額な契約となります。そのため、企業としてはビジネスチャンスになる可能があります。

 WTO対象の入札の金額的な要件については、以下の(a)〜(d)に示す金額以上の契約が対象となります。したがって、今回のURの道路工事である「千葉北部地区北環状線清戸西工区整備工事」は(b)の20億円を上回っており、WTO対象となり得ています。
(a) 物品等 2700万円(2500万円)
(b) 建設工事 20億2000万円(19億4000万円)
(c) 建設技術・サービス 2億円(1億9000万円)
(d) 特定役務 2700万円(2500万円)

■ところが、同じような工事名称で、次のような工事も検索できます。

**********
千葉北部地区北環状線清戸西工区外道路関連工事(その1)(枠組関連工事
 契約担当役の氏名及びその 所属する支社等の所在地:分任契約担当役 首都圏ニュータウン本部 千葉ニュータウン事業本部長 佐々木 公陽 千葉県印西市中央南1−501。
 契約を締結した日:平成25年9月24日
 契約相手方の氏名及び住所:鹿島・東洋JV 東京都港区元赤坂1−3−1
 一般競争・指名競争の別(総合評価方式の実施):一般競争入札 (総合評価方式)
 予定価格:1,644,434,400円
 契約金額:1,612,960,650円
 落札率:98.1%
**********
千葉北部地区北環状線清戸西工区外道路関連工事(その2)(枠組み関連工事)
 契約担当役の氏名及びその 所属する支社等の所在地:分任契約担当役 首都圏ニュータウン本部 千葉地域担当推進役 佐々木 公陽 千葉県印西市中央南1−501。
 契約を締結した日:平成26年9月30日
 契約相手方の氏名及び住所:鹿島・東洋建設工事共同企業体 東京都港区元赤坂1−3−1
 一般競争・指名競争の別(総合評価方式の実施):一般競争入札 (総合評価方式)
 予定価格:1,000,210,680円
 契約金額: 981,067,680円
 落札率:98.1%
**********
千葉北部地区北環状線清戸西工区外道路関連工事(その3)(枠組み関連工事)
 契約担当役の氏名及びその 所属する支社等の所在地:分任契約担当役 首都圏ニュータウン本部 千葉地域担当推進役 佐々木 公陽 千葉県印西市中央南1−501。
 契約を締結した日:平成27年4月17日
 契約相手方の氏名及び住所:鹿島・東洋建設工事共同企業体 東京都港区元赤坂1−3−1
 一般競争・指名競争の別(総合評価方式の実施):一般競争入札 (総合評価方式)
 予定価格: 496,222,200円
 契約金額: 486,724,680円
 落札率:98.1%
**********

 これを時系列的に見ると、清戸西工区の整備工事の期間中に、外道路関連工事として、同じく鹿島・東洋JVが「その1」の枠組関連工事を約16億1300万円で受注したことになります。そして、翌年2014年9月にも、「その2」の工事を同じく鹿島・東洋JVが約9億8100万円で受注し、「その3」の工事も同じJVが2015年4月に約4億8700万円で受注しています。これらの合計は30億円を超えることになります。

 つまり、鹿島・東洋JVは、薩摩興業の敷地周辺のUR道路建設を32憶9800万円で受注したほかに、ほぼ同額の枠組関連工事を受注したわけで、この現場で、4年間で合計63億円もの巨額工事を受注したことになります。

 たかが400m余りの道路に63億円もの巨費をURが投入しなければならなかった理由はいったい何でしょうか?

■現場を見ると不思議なことに気づきました。2016年3月までの工期で現在進行中の「千葉北部地区北環状線清戸西工区整備工事」の施工業者が「フジタ」となっているのです。工事標識をよくみると、「鹿島・東洋JV」と描かれた文字の上に「フジタ」と描かれたシールが貼ってあるのです。
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以前はこのように「千葉北部地区北環状線清戸西工区整備工事他1件」と書かれた工事標識で、施行者は「鹿島・東洋JV」だった。

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ところが、現在は、同じ工事標識の施行者の上に「株式会社フジタ」と書かれたシールが貼ってある。

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ところが、UR道路工事現場の入口にある工事標識を見ると、「千葉北部地区平成27年度5駅圏外整備工事」とあり、施工者は「株式会社フジタ」と書いてある。この工事の入札調書は次のURLのとおり。
http://www.ur-net.go.jp/orders/kanto/pdf/bid_9533.pdf
潟tジタが見積もり合わせの結果9億5040万円で落札したことがわかる。


 したがって、平成27年度5駅圏外整備工事という工事名称の名目で、UR道路工事が、今度は潟tジタが請け負っていることがわかる。となると、鹿島・東京建設共同企業体(JV)が「千葉北部地区北環状線清戸西工区外道路関連工事」の名目で受注している工事は、産廃処理のための工事ということも考えられます。

 薩摩興業が、「URは産廃処理のために30億円余りを投じている」と言っているのは、このことなのかもしれません。

 いずれにしても、このような産廃絡みのややこしい場所に道路を通そうとした行政やURの当初の計画立案の経緯に疑問が湧いてきます。

■週刊文春以外のメディアの報道によれば、もともと道路予定地として千葉県が確保していた土地に、隣接地の地主(あるいは薩摩興業自身か)が不法占拠して建物を建てたりしたため、URが道路建設に着手した際、その撤去をめぐり薩摩興業とURとの間でトラブルになったということです。

 そして、道路建設に伴う移転等の為、URと薩摩興業との間で、プレハブの建物の移転費用として1500万円、損傷修復費として2億2千万円、合計2億3500万円が、URから薩摩興業に支払われた、と言われています。

 もともと不法占拠の建物であり、正当な使用権限がないにもかかわらず、移転費用の名目で1500万円も支払い、さらに損傷修復費として2億2千万円もの大金を、URが薩摩興業に支払ったのは、やはり甘利事務所からの口利きで、いわばゴネ徳を助長するためのものだとする批判がされています。

 しかし、国会でこのことを野党から追及されたURの間下滋審議役は「私どもの算定基準に基づいた。心情的には理解できるが区分けはされていない」と平然と答えました。

 さらに、URが自ら明らかにしているだけでも、これまでに甘利前大臣側と12回も面談しています。その内訳は、甘利事務所で6回、議員会館で4回、UR本社で1回、さらに横浜市内の居酒屋で1回だということです。

 この居酒屋で飲食を共にしたのは甘利事務所の秘書2人とURの総務部長、国会連絡班の職員ら3人、計5人で、2万6,592円の領収書の宛先はURとなっていることが判明しました。

 つまり、政治とカネの関係が次の構図で循環していたことになります。

 「薩摩興業が甘利・前大臣側に賄賂を贈る」
      ↓
 「甘利・前大臣側がURを動かす」
      ↓
 「URは薩摩興業に法外な巨額補償金を支払う」
      ↓
 「補償金の一部は薩摩興業から甘利・前大臣側への賄賂となる」


 なお、URによると、薩摩興業はさらなる補償を要求しているとのことです。建設現場に埋まっている産業廃棄物の処理をめぐり、補償金額はもっと増加する可能性があるようです。

■一方、週刊文春の2月18日号(2月11日発売)によれば上述の経緯について少し異なる記載がされています。

 薩摩興業社長の寺床博好は、2013年4月、今回の告発者である一色武に対して「道路建設に伴う補償金をめぐって、URとの交渉が進まないので何とかしてほしい」と依頼をしました。URは道路建設予定地に隣接する薩摩興業から重機や資材を置くための作業スペースとして土地を借りることになっていたからでした。

 薩摩興業は、URに貸す土地内の建物を移転する必要があるため、建物の移転費用などを補償するようにURに求めていました。そこで一色武は、寺床社長の依頼で、薩摩興業の総務部長として、交渉を進捗させるべく甘利事務所所長の清島健一を頼ることにして、大和市にある甘利事務所を訪ねました。

 そして2013年5月9日、一色は所長の清島に「所長の力で何とかしていただけませんか」と依頼しました。一色の話を聞いた清島は、URに内容証明を送ることを提案し、さらに「私が間に入りましょう」と語りました。

 その後、清島は直ちに行動を開始し、ベテラン秘書を横浜市にあるUR本社に向かわせました。この時、この秘書はURで約1時間も待たされたため、怒った同秘書は「これ以上待たせるなら国交省に行くぞ」とURに告げたら、ようやくURの担当者が現れたとのことでした。

 一色の依頼から約1カ月後の2013年6月14日、所長の清島は、対応したUR職員の名刺のコピーを持参して、一色に経過報告をしました。また、これと並行して薩摩興業は、所長の清島の指示通り、URに「通知書」を内容証明郵便で送付しました。

 この通知書が功を奏したためか、補償金交渉は大きく前進し、甘利大臣の秘書がUR本社を訪ねてから2週間後の2013年6月21日、URから「回答書」が届きました。

 この回答書の内容について、第一項では「薩摩興業の求める営業補償については請求する理由がない」と断じているにもかかわらず、第二項では「保障に関して、通知人から別途、提案がありますので、当該折衝は通知人担当者との間で行っていただくようお願い致します」とわざわざ提案があるとURから薩摩興業に持掛けたのでした。

 この回答書が届いた直後、URから一式に「金額のことで話し合いをしましょう」と連絡がきて、薩摩興業の社長室にUR担当者3名とUR関連会社の者1名が訪れました。薩摩興業は社長の寺床と一色が対応しました。この時URが「約1億8千万円を払う」と口頭で提案してきました。一色が「もう少しなんとかなりませんか」と言うと、UR側は「一割くらいは」と言い。その場で2千万円アップして、約2億円に金額が上がりました。

 URの担当者らが帰った跡、社長の寺本が「ある県議から、この件でURは3億円払うと聞いている」というので、一色はすぐにURの担当者に電話をしたところ、UR担当者は「検討します」と答えました。その結果、薩摩興業への補償額は、さらに2千万も増えて、約2億2千万円になったのでした。

 こうしてURから薩摩興業に約2億2千万円が支払われることになり、2013年8月20日、URから振り込まれた補償金の一部から、一色が500万円を口利きの御礼として、甘利事務所所長の清島に手渡しました。

■週刊文春によれば、URによる薩摩興業への「厚遇」はその後も続き、2014年2月、薩摩興業はURと「この建物は移転しなくてもいい」という契約を一部変更する確認書を交わしました。

 社長の寺床がURと契約をしましたが、一色は当時その契約のことは知りませんでした。URは既に補償の大半を薩摩興業に支払っているのに、「建物を移転しなくてもよい」という不可解な再契約を結んだのでした。

 道路工事が始まると、移転させなかった建物が振動で歪んでしまい、しかも、URが工事現場に隣接する建物を移転しなくていいと契約を結んでしまっていたため、その建物を緊急避難させるための費用として、URは再び薩摩興業に約5千万円を支払うことになりました。

 薩摩興業の敷地の地主は、「そんなにたくさんのカネが薩摩興業にでていたとは知らなかった。ゴネ得でしょう。口利きはあったんじゃない?以前、県議が動いても何も変わらなかった。甘利さんだから(補償交渉の話が)動いたんじゃないのか」と語りました。

 話はこれで終わらず、薩摩興業は再びURとの間で、地中に埋まっている産業廃棄物の処理をめぐりトラブルになりました。薩摩興業は、本来、地主が行うべき産廃の処理に、千葉県企業庁とURが、約30億円を掛けたことに対して不公平だと主張し、URに同等の補償を要求したのでした。甘利事務所もこの問題への関与を深めていったのでした。

 この新たなトラブルのきっかけは、URの工事により、建設中の道路に隣接している薩摩興業の敷地のコンクリートに、いくつもの亀裂が入ったことでした。薩摩興業は、業務に支障がでる恐れがあるためURに抗議をしました。この時、一色のいう薩摩興業の主張は「ただし、コンクリートを補修するとなると、敷地全てのコンクリを剥がす必要がある。なぜかというと、実はコンクリの下に大量の産業廃棄物が煙まっており、当社は2014年に、行政機関から、“コンクリを剥がした場合は地中に埋没する全ての産廃を取り除くこと”と文書で指導されている。つまり、コンクリを打ち直すということは、当社が借りている敷地一帯に埋まっている産廃を全て撤去しなくてはならない。それには百億円以上かかる」というものでした。

 実際には、産廃を投棄したのは薩摩興業の敷地の地主の父親でした。産業廃棄物処理法にもある通り、産廃は本来、不法投棄者が責任を負うべきものですが、にもかかわらず、URは、「(地主の父親が撤去すべき産廃が埋まる)道路予定地は、約30億8千万円もかけて処理をする」というのです。一方、隣接する薩摩興業の敷地の方が広いにもかかわらず、「URは薩摩興業に対して、約1億3千万円の補償金しか支払わない」という理屈で、薩摩興業はURにさらに巨額の補償を要求しているのが実状です。

■こうした一連のゴネ得の課程を見てみると、産廃をめぐるブラック業者と悪代官と木端役人による公金搾取のトライアングルが見えてきます。

 これは、おそらく他の多くの地域(無論、われらが群馬県も含めて)でも、同様な構図があることは十二分に考えられるところです。

 今回のURの事業を巡る不可解な事件の背景には、すべからくカネが絡んでいたわけです。本来であれば、きちんと産廃の不法投棄を行政が監視をして抑止したり、不法投棄が判明した場合には関係者に直ちに廃棄物処理法に基づく罰則を科して、現況復旧を命じられれば良いのですが、行政の二重基準という悪弊により、産廃業者を跋扈させてしまっているのです。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※参考情報1「URが甘利事務所に補償額をリークした件
**********毎日新聞2016年2月10日 20時46分(最終更新 2月11日 04時58分)
甘利氏金銭授受 「秘書に額話した」衆院予算委UR認める
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昨年10月9日、URが追加補償額を甘利氏の当時の秘書に漏らした面談記録。「補償はいくら…」と迫る秘書に対し、URの回答は冒頭が黒塗りされている。だが続く部分は上下の行と半角分ほどずれ、数字(補償額)が記載されていることを井坂信彦議員に見抜かれた。
 甘利明前経済再生担当相の金銭授受問題を巡り、千葉県白井市の建設会社との補償交渉を進めていた都市再生機構(UR)が昨年10月9日、甘利氏の当時の秘書(先月辞職)との面談で、建設会社への追加補償の額を漏らしていたことが分かった。10日の衆院予算委員会で、参考人の上西郁夫UR理事長は「つい口を滑らせた。極めて不適切だった」と陳謝した。
<ようかんは何でも知っている>
 交渉に影響を与えかねない情報を当事者以外に漏らすのは、独立行政法人の情報公開法の趣旨に反する行為とされる。上西氏は「補償内容に影響をうけたことは一切ない」と述べたが、秘書はこの場で「結局カネの話か」「少しイロを付けて」などと発言。政治家秘書と献金業者が一体で補償交渉に臨んでいた実態が浮かんだ。
 URが一部黒塗りですでに公表している面談内容によると、秘書は「いくら提示したのか。教えられる範囲で構わない」と追加補償額を質問。これに続く黒塗り部分で、UR側が秘書に金額を漏らしていた。10日の衆院予算委では、井坂信彦議員(維新)が、黒塗り部分について上下の行との半角分のずれに着目して「数字が入っている。金額を伝えたのでは」と追及。上西氏が漏えいを認めた。
 昨年10月9日の面談では、秘書が「事務所の顔を立てる意味でも」とも発言し、URの千葉県内の出先事務所ではなく本社の担当者が建設会社と面談するよう働きかけた。実際、同月27日に本社の担当者を交えた会合が千葉県内で開かれた。
 会合でのやり取りについて、予算委で大西健介議員(民主)は、建設会社の総務担当者だった一色武氏(62)の録音に基づくとするメモを公表した。それによると、会合に出席した一色氏はまず、この場が甘利事務所の要請で設けられたことをUR側に確認し、「新しい提案があるんだよね」などと補償額を増やすよう要請。「国務大臣の中でも相当の方だと思うよ」などと甘利氏の名前を何度も出したという。
 予算委では、同年11月12日のURと建設会社の交渉に、甘利氏の当時の秘書が偽名を使い社員を装って参加していたことも問題視された。秘書はURに確認を求められ、「名刺を切らしている」と話したという。
 一方、2013年8月に合意されたURによる約2億2000万円の補償を巡り、甘利事務所に協力を頼むと交渉が急進展したとする一色氏の証言についても、野党側は追及した。URの上西氏は「先方がそう言っているだけ。基準に従い計算した妥当なものだ」と口利き疑惑を否定。「秘書から増額を求められたり、圧力を受けたりした認識はない」と従来の説明をひたすら繰り返した。【本多健、樋岡徹也】

**********朝日新聞デジタル2016年2月11日05時00
UR、補償額を漏らす 建設会社と交渉中、甘利氏側に 現金授受問題
 甘利明・前経済再生相の現金授受問題で、都市再生機構(UR)の職員が、甘利氏側に現金を渡した千葉県の建設会社との補償交渉中に、第三者である甘利氏の元秘書に補償額を伝えていたことが10日、分かった。URの上西郁夫理事長は「極めて不適切。二度とこういうことが起こらないように職員を指導する」と陳謝した。
 衆院予算委員会で、維新の党の井坂信彦氏への答弁で分かった。上西氏は「職員が口を滑らせたのは事実だ」と認めた。一方で「秘書とのやり取りによって補償内容に影響を受けたことは一切ない」とも話した。
 一方、民主党の大西健介氏は、同社の総務担当者・一色武氏から「直接聞いた話」と明かしたうえで、URが同社に支払った補償金について質問した。
 大西氏によると、同社とURとの補償交渉は2013年6月の甘利事務所からの問い合わせ直後に進展。URは当初1億8千万円を提示したが、同社側からの要求に応じ、2回にわたって2千万円ずつ計4千万円増額し、同年8月に約2億2千万円で決着したという。上西氏は「今後の交渉に支障がある」として、増額の有無について答えなかった。
**********

※参考情報2「週刊文春 疑惑追及第3弾」
**********週刊文春2015年2月11日号(2月4日発売)
「私が最初に接触したのは、ある大手新聞社でした」
甘利大臣辞任スクープ すべての疑問に答える
実名告白第3弾


一月二十八日、甘利明TPP担当大臣が辞任した。小誌が「収賄」疑惑を報じてから七日後の出来事だった。乱れ飛ぶ瑞摩臆測や事実誤認を打ち消すために、小誌が一定の説明責任を果たす必要があるのも確かである。今だから明かせる辞任スクープの全貌とは――。

@ 告発者は甘利大臣を嵌めたのか?
 小誌が二週にわたって報じてきた独立行政法人都市再生機構(UR)への口利きに関する甘利明事務所の「1200万円収賄疑惑」は、一月二十八日、甘利明TPP担当大臣(66)の辞任という急展開を見せた。

「安倍政権が直面した最大のスキャンダル」(一月二十八日付、英BBC放送・電子版)と言われるほどの重要閣僚の辞任劇だけに、さまざまな揣摩臆測が乱れ飛び、実名告発した一色武氏(62)へのパッシングも相次いでいる。
 小誌は、今回の疑惑報道にあたって、何よりも「ファクト」を重視してきた。一色氏の証言を裏付けるべく、客観的な物証の提供を求め、かつ小誌独自でも長期間、検証取材を行ってきた。
 だが、その証拠の多さを逆手にとって、「録音されていたり写真を撮られていたり、罠を什掛けられた感がある。罠のうえに周到なストーリーが作られている」(高村正彦自民党副総裁)などと批判をする声もある。一色氏が語る。
「甘利氏は大臣を辞任されるという非常に重い決断をされた。しかし、一方で事実と災なる説叫も少なくない。また、私に対する批判もあることは承知しています。大臣辞任にそった一連の告発を総括する意味で、今回経緯について丁寧に説明することにしました」
 一色氏に対する批判で最も多いのが、高村副総裁に代表される「罠に嵌めた」という見方だ。
 また、そうした声に乗る形で、〈建設会社幹部を帯同し、甘利氏の秘書を隠し撮りした文春の取材手法にも物言いが付いた〉(二月一日付、夕刊フジ)と事実誤認の報道もある。
 「まず文春に、金銭授受の写真を撮ってくれと依頼したことなどありません。また、文春から撮影のために金を渡してくれと頼まれたこともありません。私は、甘利氏の公設第一秘書で大和事務所所長だった清島健一氏(39)に毎週のように金を渡しており、いわばルーティンでした」(一色氏)
 小誌は、昨年八月、一色氏からURへの口利きに伴う甘利事務所への金銭提供の話を聞いた後、独自に裏付け取材を続けてきた。
 一色氏の証言が荒唐無稽に感じられたため、慎重に一色氏や清島氏の行動確認を続けてきたことは、先週号でも書いた通りだ。金銭授受の写真につぃても、毎週ほぼ同じ時刻に会合するという飲食店を何度も張り込んだ結果、ようやく店内での撮影に成功した。
 疑感の核心は、国務大臣や公設秘書が、その権力を利用して、口利きし金銭を受領してぃたというものだ。写真が、“犯行現場”を立証する上でも極めて重要であることは言うまでもない。
 元東京地検検事の落合洋司弁護士が語る。
「まず、考慮すべきは立場です。現職大臣、およびその公設秘書ということで公共性、公益性が高い。取材は公共性、公益性が高い対象者の問題点、違法性を世に知らしめるためであり、きわめて正当性は高いといえます」
 また、多数の録音やメモについて、一色氏はこう説明する。
「私が、URとの交渉だけを詳細に記録していたというなら『嵌めた』と言われても仕方がないでしょう。しかし、私は、もう何十年もの間、日記やメモをつけてきました。また、『言った、言わない』を避けるために、さまざまな交渉を録音するようにしてきました。URとは別件の交渉も、録皆やメモなどが残っているのです。録音も、文春から依頼されて録ったものではなく、以前から私が記録用に保管していたものです」
 前出の落合弁護士は語る。
「事務所内での会話についてはプライベートとはいえず、飲み屋での会話録音も、一色氏の資金提供で飲み食いし、仕事の話をしている以上、プライベートとはいえない。よってプライバシー侵害にはあたりません。大臣やその公設秘書という公人中の公人の悪事を明るみに出したいという目的で、提供した録音を基に報道機関が記事にすることには公益性があります」
 一色氏は「嵌めた」説にこう反論する。
「甘利氏を嵌めて、実名告発して、私に一体何の得があるのでしょうか。甘利氏を嵌めるために、長期にわたる補價交渉や多額の金銭授受、数十回の接待を行うのは、金と時間、労力に見合いません。
 URへの口利きを依頼し、金銭を渡した以上、捜査対象になる可能性は承知の上です。もちろん、聴取の要請があればきちんと応じるつもりです。
 捜査対象になりかねないリスクを冒しても、告発に踏み切ったのは、およそ三年にわたり数千万円をつぎこんできたプロジェクトが、いいようにタカられていただけだったという怒り、そして悔しさからです。
 もちろん私も口利きを頼んでおり、ほめられたものではありませんが、権力者が逃げ切り、私のような者だけが切り捨てられる――そんなことはとても許せなかったのです」

A なぜこの時期に文春から出たのか?

 小誌の疑惑追及第一弾が発売されたのは、一月二十一日だった。一月二十四日の沖縄県宜野湾市長選、二月四日のTPP署名式を控えた時期だっただけに、「TPPつぶしでは?」との憶測も流れた。一色氏が、告発までの経緯を振り返る。
「私が甘利氏の口利きについて、複数の新聞社、さらに特捜部にもネタを持ち込んだなどという噂もあるそうです。正確に申し上げれば、昨年二月大手紙記者一人に接触したのは事実です。
 その男性記者は、私の話をあまり真剣に聞こうとせず、帰り際に自分のコーヒー代さえ払うそぶりも見せなかった。正直、記者にあまりいい印象を持てず、信用できなかった。
 文春の記者に会つたのは、その直後でした。この時は『URとトラプルになっていて、甘利大臣に協力してもらっている』という概要は伝えましたが、漠然とした内容しか話しませんでした。揉めている土地の場所も千葉県ではなく、わざと神奈川県と伝えました。結局、記事になってしまえばURとの補償交渉が決裂してしまうと考え、告発を思いとどまりました」
 記者はその後、何度か連絡したが、一色氏は電話には出なくなった。
「しかし、甘利事務所の清島氏や政策秘書の鈴木陵介(りょうすけ)氏にいくら金を渡し、接待してもURとの交渉は前に進みませんでした。『騙されているのかもしれない』と不信感を募らせていた頃、文春の記者から電話がかかってきたのです。
 そして、昨年八月二十七日、記者に会った私は、膨大な録音があり、資料やメモもあると明かし、場合によっては告発する用意があることも伝えました。
 ただ、清島氏を信じたい気持ちがまだ残っていて、録音や資料の提供はしませんでした」
 十月になっても交渉は遅々として進まなかった。その間、小誌が独自に襄付け取材を行なっていたことは前述した通りだ。
「清島氏は『がんばります』『やります』と繰り返していました」
 一色氏の怒りが臨界点に達したのは、昨年十二月二十八日のことだった。
「業を煮やした私は新宿のURに出向き、清島氏や鈴木氏のURへの働きかけの実態を知ろうと、これまで甘利事務所とどんなやり取りがあったかを示す文書の情報公開請求を行ないました。ところが、同じ日に清島氏から電話があり、私の行動に不満を漏らしたのです。URが清島氏に、私の情報公開請求を伝えたとしか考えられません」
 そして今年一月十二日、甘利事務所と決別の時を迎えた。一色氏は清島氏と鈴木氏から自民党本部近くの飲食店に呼び出された。
「情報公開請求を取り下げてくれという話でした。近日中に鈴木氏が、再度しかるべき所に本件の解決に向けて働きかけると説明を受けましたが、もう信用できません。鈴木氏が『この件をしっかりやって、あの夢(銀座のクラブ経営など)を一緒に叶えましょうよ』などと調子のいいことを言うのを聞きながら、私は全てを打ち明けようと決心しました。そしてICレコーダーや多数のメモなどを文春に提供したのです」
 それは、第一弾発売の九日前のことだった。

B 甘利大臣は50万円をポケットに入れたか?

「政治家以前に人間としての品格を疑われる行為であります。そんなことをするはずはありません」
 甘利氏が一月二十八日の辞任会見で語気を強めて否定したのは、現金五十万円をスーツの内ポケットに入れたという証言だった。

「今日は私の晴れ舞台だから。でも、額にfをあてただけでフラッシュが百回くらい焚かれるんだよな」
 参院本会議の最中、そう言って笑顔を見せていたという甘利氏。だが、会見が始まると、一転神妙な表情で、二度にわたり、自身が現金五十万円を受け取っていたことを認めた。
 一度目は、一三年十一月十四日。一色氏は、S社のT社長とともに大臣室を訪れた。甘利氏によれば、
「社長らが退出した後に、秘書から『紙袋の中に熨斗袋が入っていました』と報告があった。それで、私から秘書に『政治資金としてきちんと処理するように』と指示をした」
 だが、一色氏はこう反論する。
「事実は違います。T社長は木の箱に入ったとらやの羊奏と一緒に、私が用意した普通の白い封筒に包んだ現金五十万をその場で甘利氏に手渡しました。熨斗袋ではありません。そして大臣はその白い封筒をスーツの内ポケットに仕舞ったのです。そもそも口利きという危ない行為に対するお礼なのですから、品格云々は言い訳にもなりません」
 同席したT社長も一月十八日、小誌にこう証言している。
「一色さんから封筒を預かり、(羊羹を入れた)木の箱の上に乗っけました。清島さんが大臣に耳打ちすると、(人臣が)『あーはい、はい』と言っていた記憶があります。(それで)懐に入れたような、内ポケットに。もう分かっていたような感じで、中身も見ないで、ポッと入れたから。
 その日は、TPPの話とかで四十分くらい喋りました。後日、清島さんに『何かして欲しいことない?』と聞くと、『甘山会の千葉支部を作ってくれたら嬉しいですね』と言われて、異例の早さ、五ヵ月で(千葉支部を)作ったんです」
 二度目の現金授受は翌一四年二月一日、大和事務所で行なわれた。
 実は、甘利氏は大和事務所の五十万円については、内ポケットに入れたことを会見で一度も否定していない。小誌報道が異なると強調したのは、一度目の大臣室の授受における“ポケット疑感”だけなのだ。
 二回目の時はどうか、と追及されても、「開けていないですから、中が何かわかりませんけど」と最後まで明確な回答を避けた。また、清島氏も「(一色氏は)帰る前に甘利大臣に五十万円の入った封筒や手土産を渡したと思う」と弁護士の聴取に答えているという。
 一色氏が振り返る。
「現金五十万円は、横浜銀行の封筒に包み、それを少し大きめの白い封筒に入れていました。清島所長に『例のものを』と促され、大臣に白い封筒を手渡すと、甘利氏は『パーティ券にして』とおっしゃいました。私が『個人的なお金ですから(受け取って下さい)』と言うと、大臣室の時と同様に、内ボケットに封筒を仕舞ったのです」
 一色氏はこの場で、厚さ数センチの資料を手に、産廃撤去をめぐるURとのトラプルを甘利氏に直接相談したという。事実、甘利氏は会見でも「S社の敷地内から『産廃が出て困っている』との相談がありました。私は『地主が責任を持つんじゃない』と話したように思います」と述べていた。
「およそ三十分の会話のほとんどが産廃撤去の件です。大臣からも『これはどういうこと?』と幾つも質問をされました。口利きのための現金だということは、甘利氏自身がよく分かっているはずです」(一色氏)
 また、甘利氏は計百万円の現金授受について、〈一四年二月四日にS社からの百万円の寄付金の記載がある〉と説明。最初の五十万円は〈舌癌騒動で入金が遅れた〉が、政治資金として適切に処理したと語った。T社長はこの記載について、小誌に明確に否定していた。
「パーティ券を買ってくれ、とかなんだかんだカネを出しているけど、最初の五十万円はあくまで一色さんの懐から出ているから、それはあり得ない。(『献金として処理する』という言葉も)全然聞いていません」
 一色氏はこう締めくくる。
「二月四日付の百万円は私が渡した二度の五十万円とは別に、S社が献金したものです。甘利氏のこの説明もまた事実ではありません」

C 告発者とS社社長は甘利大臣を脅迫したか?

「今回の報道があってから、A秘書に対しまして、S社社長から、毎日のように『口裏合わせをしよう』との電話があったとの報告を受けています」
 甘利氏は辞任会見で、S社社長とA秘書(清島氏)との問に、こんなやりとりがあったと明かした。

「発言を聞いて、S社社長と、その会社の総務担当者である一色氏が組んで、甘利氏側を脅していたという印象を持った記者も多かった」(社会部紀者)
 それもそのはず。甘利氏の説明では、S社のT社長は、こんな恫喝めいた発言をしたと言うのだ。
〈もし、ちょっと動いてみて、大臣が口利いてでも、もしうまくなるようであれば、その返事をいただいて、(略)何とかなるっていう風にやって、言ってくれれば絶対止める〉
 T社長は、甘利氏がURに口利きし、補償交渉を決着させてくれれば見返りに、小誌記事を止めると言っているようにとれる。
 だが、実はT社長は小誌に対し、真逆の内容を語っていた。一月十八日、T社長は、自身の携帯電話の着信履歴を見せながら、こう言ったのだ。
「(清島氏から電話があったのは、一月十六日)二十一時四十二分が最初です。次は二十二時九分。(翌十七日は)九時十四分だよ。朝からさあ、寝かしてくれないんだよね。十六時四十一分、十六時五十二分、十七時八分と、着信履歴だけでこんなに並んでますよ」
 一月十六日は、小誌が清島氏に二度にわたり疑惑を取材した日だ。二度目の取材が終わったのが、二十一時十分頃。甘利氏は会見で、清島氏から小誌取材の報告を受けたのは「十七日の夜」だと明かしている。
 つまり清島氏は、甘利氏に報告するより先に、T社長に何度も電話をかけていたことになる。
「清島さん焦ってたよ。早く会つてくれって。土曜日(十六日)から大騒ぎになってるから。電話切らねえんだよ」(T社長)
 清島氏は十八日の十六時にS社に来社しT社長と面会する予定だった。しかし、直前に「会うことができなくなった」と連絡があったという。
 「『だったら、さっさと言え、この野郎』って、えらい怒ったよ、俺。『お前が来るっていうから、俺(会社に)いたんだ』って」(同前)
 T社長は二十日、小誌に対し面会キャンセル後も清島氏から電話が度々かかってきたと語った。
「(清島氏は)すごくずっと心配してきて電話をくれるよ。清島もだし、大臣が一番心配してるらしいよ、俺のこと。迷惑かけたっつってすごく謝ってんだって。『大臣が会いたがってます』『俺も(大臣に)会いたいな』って言うとと、『会わせたいんですが、今は会えないんです』って言い方をしてるんだけども」(同前)
 T社長の言い分をそのまま信じれば、清島氏が一方的に脅迫されていたとは信じがたい。
 一方、一色氏はこの頃、小誌記者にT社長への不信感をこう漏らしていた。
「社長の行動、おかしくないですか?文春で私が告発することを了承しているにも関わらず、今も清島氏と頻繁に連絡を取り合っているのは一体どういうことなのか」
 実は、第一弾の記事が発売された直後、一色氏とT社長の関係は、終わりを迎えたという。
「社長と最後に電話で話したのは一月二十五日。『弁護士が、特捜部が動くかもしれないから、もう一色やマスコミと連絡をとらないよう言われた』と伝えてきました。その日の二十二時五十六分、今度はLINEが来て〈電話でられない。話は留守電かLINEに〉とメッセージが届きました』(一色氏)
 さらに、S社からも絶縁されたことがわかったのが、一月二十六日のことだ。
「昨年末、私がURに情報公開請求をしたことは既に述べましたが、これはS社の総務担当者として行ったものでした。その開示予定日が二十七日でした。しかし、その前日の二十六日にURから連絡がきて、『一色さんはS社とは関係ない方なので、情報開示はできません』と言われたのです。つまり社長は、一色はもうS社の人間ではないとURに言ったとしか考えられません」(同前)
 目下、雲隠れ中のT社長に電話し甘利氏の「口裏合わせ」発言について聞くと、
「あれには前段があるんです。秘書から相談もされていましたが、そんなこと記事にするのはやめて下さい。俺はもともと甘利が本当に好きでしたから」
 清島氏とT社長、どちらがウソをついているのか。

D 「賄賂1200万円」は誰が出したのか?

「一色氏は、甘利氏や秘書たちに渡した現金や接待の総額は確実な証拠があるものだけで約千二百万円と告発していますが、その原資を巡って、怪情報が飛び交っています。スポンサーが金を出して、一色氏に渡させて、甘利氏側を嵌めたというのです。そのスポンサーの正体は古賀誠氏、小沢一郎氏、はたまた民主党だという脱もあるとか」(永田町関係者)

 一色氏はスポンサーの存在を一笑に付す。
「原資は、S社の金及び私個人の金です。正確に説明しましょう」
 まずは、千二百万円のうち、二〇一三年八月二十日に、大和事務所で清島氏に渡した五百万円について。
「これは、S社のお金です。この日、持参したのは一千万円でしたが、五百万円を清島氏が返してきたため、計五百万円分の領収書をS社の名前でもらいました」
 この五百万円のそもそもの原資は、URから支払われた約二億二千万円の補償金だった。
「八月六日にURと『物件移転契約書』を交わし、URから補償金の一部が八月二十日に振り込まれた。この日に金を引き出した私は、口利きのお礼を渡すぺく、大和事務所に車で向かったのです。渋滞して時間がかかり、イライラしたことを昨日のことのように思い出します」
 このS社の五百万円以外の原資は、すぺて一色氏の金だという。
「清島氏や鈴木氏に“経費”として渡したり、キャバクラやフィリピンパブなどで接待する際に使いました。資料が膨大で未整理のものもありますが、例えばURとの交渉経費として、清島氏には十五万円を、計五十三回渡しています。二十万円のときもあり、鈴木氏の経費もありますから、八百万円以上です。その他、飲食代や選挙応援資金などを合わせると、数千万円に上るはずです」
 一色氏が告発する理由の一つになった清島氏や鈴木氏のタカリについては、こう振り返る。
「最初に行ったのは、清島氏が常連のキャバクラでした。数万円だった代金が、何度か通ううちに十万円台になった。席に付いた女の子たちにドンドン注文させたからです。私が払うとわかってから、やりたい放題でした」
 甘利氏に大臣室と大和事務所で渡した合計百万円も一色氏が出したという。
 しかし、これだけ多額の自腹を切って、一色氏にどれだけリターンがあるのか。
「URとS社の交渉がまとまれば、補償額の一定割合を『成功報酬』としてもらうことになっていました。
 私にとって、甘利事務所に使った金は必要経費。口利きがうまくいけば、つぎ込んだ数千万円をはるかに上回る報酬が入ってくるはずでしたから。

E URへの口利きで秘書は逮捕されるのか?

 小誌先週号では、甘利事務所の清島氏と鈴木氏が、URへの働きかけを語る録音の一部を紹介した。その早刷りが永田町に出回った一月二十七日、首相官邸の最高幹部は、安倍首相にこう進言したという。
「警察の感覚なら、秘書は確実に逮捕されます。(取り調べが始まれば)『甘利さんの認識も少しあった』などと喋らされますよ」

 事の発端は十三年五月、一色氏が清島氏にURとの補償交渉について相談したことだった。この時、清島氏はURに内容証明を送ることを提案し、翌六月、UR本社にベテラン秘書を向かわせる。その結果、S社は約二億二千万円の補償金を得たのだった。
 URは「補償金が吊り上げられた事実はない」と説明するが、会計検査院は補償金額の妥当性について検査を開始している。
「補償金が出たのは、甘利事務所の口利きのおかげ。そのお礼として、十三年八月、大和事務所で清島氏に現金五百万円を渡したのです」(一色氏)
 そのうち、百万円が神奈川県第十三選挙区支部、さらに百万円が大和市第二支部の政治資金収支報告書に記載されているが、残りの三百万円は不記載だった。
 清島氏は一月十六日、小誌の取材に「それは確かめさせて下さい。計上ミスしたかもしれない」と動揺しながら答えたが、実際は、清島氏が「手元で管理し、費消してしまった」(甘利氏の会見での説明)。
「甘利事務所には政治家になる秘書が多い中、清島氏は野心の乏しいタイプ。それだけに甘利氏も信用していたのでしょう。一方、鈴木氏は年上にもタメ口で、合コン好き。最近急に羽振りが良くなったと噂されていましたね」(自民党関係者)
 一四年に入ると、S社の敷地に埋まる産廃をめぐり、URとの間で三十億円規模の補償交渉に発展する。
 一色氏からの賄賂を受け取り続けた清島氏や鈴木氏は、昨年十月から今年一月の三か月間で十回にわたってUR職員と面談していた。
 URは、小誌記者の質問にこう回答した。
「(十回以上の面談は)頻繁にはない。正直申し上げれば、千葉からわざわざ大和まで足を運ぶわけですから、回数が多いということでは、あまり嬉しい話ではございませんでした」
 事実、URの調査結果でも、鈴木氏の〈何の問題があるのか、機構は至って前向きな対応だと感じるが〉〈少しイロを付けてでも地区外に出て行ってもらう方が良いのではないか〉との発言が明るみに出た。
 清島氏も〈事務所に相談したが、それでも金額の増とはならなかった。という事でも事務所の顔は立つ〉などと、しきりに事務所の顔を立ててほしいとURに要求していた。
 清島氏は、小誌の取材に「そんなふうに書かれたら、辞めないといけない」と漏らしていたが、言葉通り二人の秘書は辞表を提出した。
「鈴木氏は、報道後も『心配させてすいません!』と明るい様子だったが、挨拶回りもなく議員会館から姿を消した」(秘書仲間)
 だが、辞表を出して一件落着というわけではない。
 元東京地検特捜部検事で弁護士の郷原信郎氏は「検察が捜査を躊躇する理由は一つもない」と語る。
「秘書二名については、比較的立件が容易な政治資金規正法違反と業務墺横領を“入り口事件”として身柄確保すればいい。しかも、現金受領の事実や異例の面談回数、総務部長の同席など材料も揃っています。与党の有力議員である甘利氏の影響力を考えれば、あっせん利得処罰法違反まで広げていくことも十分可能です」
 特捜部は、UR職員を近く事情聴取する方針だ。

F なぜ甘利大臣の後任は石原伸晃なのか?

「後任に石原伸晃元幹事長(58)をあてる人事は、直前まで菅義偉官房長官にしか知らされていませんでした。しかし、石原氏の失言癖を懸念する声も大きい。今井尚哉首相秘書官ですら『知っていたらもう少し言っていた』とこぼしていたほどです」(官邸担当記者)

 安倍晋三首相は続投を基本線に考えていたものの、甘利氏の辞意が固い場合に備え、後任も準備していた。
「『これはもたない。辞めさせた方がいい』とアドバイスされると、『後任は二、三人いる。(TPPの問題は)甘利さん以外でも答弁できます』と答えていました」(官邸関係者)
 最有力候補は、菅氏や麻生太郎財務相兼副総理からの評価も高い、茂木敏充選対委員長だったという。
「官邸は辞任前日、茂木氏にも感触を確かめましたが、固辞されたようです。選対委員長は、額賀派の禅譲を窺い、派閥の勢力拡大を狙う茂木氏にとって美味しいポスト。本人も『絶対にならない』と言っていました。林芳正前農相は意欲を見せていましたが、安倍首相との関係が悪い」(同前)
 そこで、消去法的に選ばれたのが、首相の“古いお友達”石原氏だった。
「まず閣僚を歴任し、“身体検査”を通過していることが大きい。また、税調副会長だったため財政再建派と言われていますが、石原氏に政策などありません。アベノミクスに歩調を合わせるのは間違いない。それに、一応派閥領袖ですから」(首相側近)
 石原氏は第二次安倍政権で環境相に起用されたものの、「福島にもほとんど足を運ばず、ほぼ副大臣任せだった」(前出・官邸関係者)と言う。結局、「最後は金目でしょ」発言で顰蹙(ひんしゅく)を買い、二〇一四年九月の内閣改造では石原派の入閣ゼロという憂き目に遭った。
「昨年、参院の地下の蕎麦屋に一人さびしくいるのを見かけましたが、オーラがまったくなかった」(同前)
 そんな石原氏だが、小誌第一弾の早刷りが回った一月二十日時点では「どうしちゃったんだろう。甘利さんは嵌められたのかもね」と呑気に語っていたという。
「まさか自分が後任になると思っていなかったのでしょう。ただ、最近も『“晋ちゃん”とはよく食事をする』という話をしていました」(石原氏周辺)
 そして、甘利氏の辞任会見が始まった二十八日夕方五時過ぎ、石原氏は正式に打診を受け、その日の夜に早くも認証式を行った。
「前の週まで白髪交じりだったのに、髪を染めていました。甘利氏が白髪染めをやめて、『ジョージ・クルーニーみたいだろう』と言っていたのとは対照的です」(前出・官邸担当記者)
 首相との距離は近い一方で、多くの関係者が不安視するのが、麻生氏との簿妙な仲だ。ここまで安倍政権が官邸崩壊の二の舞を演じなかった拝啓には、首相、菅氏。麻生氏、甘利氏の四人で政策の意思決定を行ってきたことが挙げられる。
「菅氏、麻生氏、甘利氏の三人は月一回、ホテルで食事会を開いていました。麻生氏は『菅は下戸だし、甘利は癌をやってあまりの飲まないから、俺が盛り上げないといけない』とボヤいていましたが、実際は甘利氏が潤滑油となることで安倍政権は回ってきた。軽減税率で菅氏と麻生氏が対立し、菅氏の電話に麻生氏が出ないという状況に陥った時も、間を取り持ったのは甘利氏でした」(政治部デスク)
 一方、石原氏は一二年の総裁選で、谷垣禎一総裁を幹事長として支える立場ながら立候補を表明。谷垣氏は出馬断念に追い込まれ、谷垣氏を推していた麻生氏は「石原氏は平成の明智光秀」と痛烈に批判した。
 麻生氏は経過で早速「石原さんは(経済政策は)あまり得意ではないかもしれないが」とジャブをかまし、周囲には「甘利は省庁間の調整に長けていた。石原にそれが出来るのかねぇ」と漏らしていたという。
 小誌は就任四日目の石原新大臣を直撃した。石原氏の髪は貴社が目を疑うほど紫がかっているが、
――髪を染めましたが?
「いや、染めてないよ」
――麻生氏に経済が苦手と言われたことは?
「どうもどうもご苦労様」
 そう言って。大臣車のアルファードで走り去った。
 金で辞めた大臣の次が、“金目”大臣で大丈夫?

**********週刊文春2015年2月11日号(2月4日発売)グラビア記事
任期満了のごとき笑顔だが・・・ ありアマる疑問
 なぜか全てをやりきったかのような、えらく爽やかな笑顔なのである。
 一月二十八日、甘利明・前経済再生・TPP担当大臣(66)は、小誌が報じた金銭授受疑惑を大筋で認め、男泣きしながら閣僚を辞任した。
 翌日の内閣府における退任挨拶でも、女性職員から花束を受け取った際、写真のように目を潤ませる一幕も。
 ただ、辞めるのはあくまで「秘書の監督責任を取って」と主張。「私なりの痩せ我慢の美学」と宣い、勇退するかのごとき笑顔まで見せたのだ。
 目下、「潔い辞任」「現代の武士」などと一部で持て囃されている甘利氏。だが依然として、多くの疑問が残る。告発者が繰り返し証言する、「目の前で五十万円入りの封筒をスーツのポケットにしまった」のかどうかもその一つだ。
 東京地検特捜部が関係各所に聞き取り調査を始めるというが、ありあまる疑問点に対してしっかり説明責任を果たしていただきたいものである。
(特集記事も併せてお読み下さい)
撮影 深野未季
**********

※参考情報3「甘利疑惑追及チーム 質問事項」
*****国会の甘利疑惑追及チーム質問項目(1月26日)*****
file:///C:/Users/Owner/Downloads/20160126%E7%94%98%E5%88%A9%E7%96%91%E6%83%91%E8%BF%BD%E5%8F%8A%E3%83%81%E3%83%BC%E3%83%A0%20%E8%B3%AA%E5%95%8F%E9%A0%85%E7%9B%AE.pdf
質問項目 【国交省】
URによる千葉北部地区北環状線清戸西工区整備工事の用地買収等に係る薩摩興業株式会社(以下、薩摩興業という。)との補償交渉について、
(通し番号 1)(1)補償交渉の対象となった全ての土地の地番及び図面を示されたい。
(通し番号 2)(2)URは薩摩興業が右翼団体との関係を持つ企業であることを把握していたのか。
(通し番号 3)(3)用地買収について、当初URが提示した補償金額をその根拠とともに示されたい。約2000万円というのは事実か。
(通し番号 4)(4)用地買収について、平成25年8月に支払ったとされる補償金額をその根拠とともに示されたい。約2億2000万円というのは事実か。
(通し番号 5)(5)産業廃棄物の処理について、当初URが提示した補償金額をその根拠とともに示されたい。約1億3000万円というのは事実か。
(通し番号 6)(6)産業廃棄物の処理について、現時点の交渉状況を示されたい。
(通し番号 7)(7)上記(5)とは別に、薩摩興業に隣接する道路建設予定地に係る産業廃棄物の撤去に要した金額を示されたい。約30億8000万円というのは事実か。
(通し番号 8)(8)以上に関する甘利議員及び甘利事務所からの接触状況如何。時系列に従って双方の人物を特定する形で明示されたい。
【法務省】
(通し番号 9)UR職員は、刑法 197 条の4に定める「他の公務員」(あっせんの客体)に該当するか。
――――――
(通し番号 10)[○]いわゆるA案件
・UR側担当者の名前、交渉経過資料(初回提示額等含む)、最終的に2.2億と 合意した根拠、同種案件で補償額を決定する際の基準、本件補償額が適切であることを裏付ける類似案件の事案と補償額
(通し番号 11)[○]いわゆるB案件
・UR側担当者の名前、交渉経過資料(初回提示額等含む)、同種案件で補償額 2 を決定する際の基準
[○]両案件につき
(通し番号 12)
・UR職員、国交省職員ないしは環境省職員が甘利事務所関係者 (甘利大臣含む)と接触した全ての日時、場所、その場にいた者の名前、概要
(通し番号 13)
・甘利大臣室訪問客については記録があるはずであり、S興業関係者が訪問した事実があるのであればその全記録(これは経済産業省か?) (通し番号 14)・国交省の住宅局長(元、前)及び都市局長(元、前)4 名からのヒアリング結果
――――――
1.UR
(通し番号 15)○甘利大臣や秘書から、薩摩興業株式会社との間のトラブルに関して何らかの問い合わせや働きかけ等を受けたことがあるか。ある場合は、その日時、相手方の氏名、態様(電話、面談等)及びその内容。
(通し番号 16)○薩摩興業株式会社とのトラブルの経緯についてクロノロジー。
(通し番号 17)○URから薩摩興業株式会社宛てに送付した文書のコピーの提出。(土地の撤去・明け渡しの催告通知、補償金の支払いに関する文書など)
(通し番号 18)○薩摩興業株式会社からの内容証明のコピーの提出
(通し番号 19)○URが薩摩興業株式会社に支払った補償額及び当初の提示額、 また、相手方の要求額。
(通し番号 20)○URがコンクリートの下に埋まっている産業廃棄物の処理に関して薩摩興業株式会社に対して提示した補償額及び相手方の要求額。
(通し番号 21)○URの職員が甘利大臣の秘書と飲食をともにしたことがあるか。ある場合は、日時、場所及び代金の支払いは誰が行ったか。
2.国土交通省
(通し番号 22)○国土交通省職員が薩摩興業株式会社とURのトラブルに関して現金や商品券を受け取ったという事実はあるか。
(通し番号 23)○2013年以降の間に、国土交通省の職員が甘利大臣の秘書と飲食をともにしたことがあるか。ある場合は、日時、場所及び代金の支払いは誰が行ったか。
(通し番号 24)○甘利大臣や秘書から、薩摩興業株式会社とURの間のトラブルに関して何らかの問い合わせや働きかけ等を受けたことがあるか。ある場合は、その日時、相手方の氏名、態様(電話、面談等)及びその内容。
3.環境省
(通し番号 25)○甘利大臣や秘書から、薩摩興業株式会社とURの間のトラブルないし地中に埋まった産業廃棄物の処理に関して何らかの問い合わせや働きかけ等を受けたことがあるか。ある場合は、その日時、相手方の氏名、態様(電話、面談等)及びその内容。
(通し番号 26)○丸川珠代環境大臣は22日の閣議後記者会見で、産業廃棄物をめぐるトラブル処理で環境省の担当課長らと甘利氏の秘書、建設会社関係者が面会していたとの週刊文春の記事について、課長らの同席を認めた上で、「口利きの事実はない」と述べているが、どういう根拠で発言しているのか。
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2021/10/24  8:53

投稿者:ひらく会情報部

 政治家にとって、自ら手を染めた不祥事件の時効は概ね5〜7年程度だと見なしているようです。2016年の甘利明代議士と同じく、2014年に地元群馬5区で公選法と政治資金規正法違反行為が発覚して当会が告発した小渕優子代議士も、今回の衆院選に先立ち成立した岸田内閣で、復権デビューを果たしました。
 有権者をなめきったこうした政治の現状に、風化をさせないよう有権者としてしっかりとしかるべき鉄槌を振り下ろしましょう。

  市民オンブズマン群馬事務局より

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