無登録で観劇ツアーを毎年実施していた小渕「姫」について東京第6検察審査会から不起訴処分相当の通知  政治とカネ

■旅行業の登録を行わずに、旅行を企画し、事業として報酬を得ると、旅行業法第29条に違反し、100万円以下の罰金に処せられます。しかし、これは、一般市民に対して適用されるだけで、政治家が地元選挙民を対象に観劇ツアーを実施したり、行政の息のかかった旅行業法協会に会費を払っていたり、ネットで企画旅行等の斡旋を行ったりした場合は、無登録であってもお咎めがないことがこの度はっきりしたので報告します。
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東京第六検察審査会事務局から3月19日に届いた議決通知書の入った封筒。


 ちなみに、旅行業の定義とは「旅行業とは、こういうものだ」というのと同時に、「こういうものは全部旅行業として扱う」という法律上のルールです。そのため、旅行業法で定められている定義に当てはまってしまうと、自分では旅行業のつもりがなくても、旅行業法の適用を受けて処罰されます。

 なぜなら、第1条に定めた「登録制度」が存在するので、旅行業を営むつもりがない人が無登録のまま旅行業に当てはまる行為をしてしまうと必然的に旅行業法に違反することになってしまうからです。

 旅行業の定義には、大きく見ると次の3つの要件があるとされています。
@ 報酬を得ること
A 事業であること
B 一定の行為(=旅行業務)を行うこと

 この3つ全てに当てはまるものは全て旅行業ということになります。

■この観点から、群馬5区の選挙民を毎年千人単位で東京・明治座までバスで観劇ツアーを行っていた小渕優子・元経産相が、実は旅行業法で定めた登録義務を行っていなかったことについて、市民オンブズマン群馬では、旅行業法違反で告発していましたが、東京地検が不起訴処分とされたため、2016年2月15日に検察審査会に審査申立てを行っていました。

 この度3月18日付で、東京第六検察審査会事務局から、議決通知書が簡易書留で送られてきました。さっそく内容を見てみましょう。

*****議決通知書*****クリックすると元のサイズで表示します
※PDF→201603186rcmiiusj.pdf
                         平成28年3月18日
審査申込人 小 川   賢 殿
      鈴 木   庸 殿
                   東京第六検察審査会
          議決通知書
 当検察審査会は、あなたが申し立てた審査事件について議決しましたから、別添の議決の要旨を送付します。

*****議決の要旨*****クリックすると元のサイズで表示します
平成28年東京第六検察審査会審査事件(申立)第2号
 申立書記載罪名  旅行業法違反
 検察官裁定罪名  旅行業法違反
 議 決 年 月 日  平成28年3月17日
         議 決 の 要 旨
 審査申立人  小 川   賢、鈴 木   庸
 被 疑 者  小 渕 優 子
 不起訴処分をした検察官  東京地方検察庁検察官検事 小 嶋 英 夫
 上記被疑者に対する旅行業法違反被疑事件(東京地検平成28年検第2002号)につき,平成28年1月26日上記検察官がした不起訴処分の当否に関し,当検察審査会は,上記審査申立人の申立てにより審査を行い,次のとおり議決する。
         議 決 の 趣 旨
 本件不起訴処分は相当である。
         議 決 の 理 由
 本件不起訴記録及び審査申立人提出資料を精査し,慎重に審査したが,検察官がした不起訴処分の最低を覆すに足りる理由がないので,上記趣旨のとおり議決する。
   平成28年3月17日
               東京第六検察審査会
**********

■当会では2016年2月15日に東京地検3階の検察審査会の窓口で審査申立ての手続をしていました。この度、1カ月後の3月17日(木)に議決が行われたことになります。ということは、何度も審査会で協議を重ねた結果、というわけではなさそうです。

 当会では、代議士や行政関係者への無法状態を是正している現在のルール運用面での二重基準を問題視して、審査申立てをしましたが、どうやら検察審査会のメンバーのかたがたは、事の本質を理解できなかったようです。

 当会では、今後も官の都合で恣意的に旅行業法が運用されている現状の是正に向けて、また、我が国行政の二重基準の弊害の解消のために、微力ながら全力を尽くしてまいりたいと思います。

【市民オンブズマン群馬事務局から】

※参考
**********
         審 査 申 立 書
〒100-8920東京都千代田区霞が関1-1-4
(東京高等・地方・簡易裁判所合同庁舎内)
東京  検察審査会 御中

申立年月日:平成28年(2016年)2月15日

申 立 人:資格:告発人
住所:〒379-0114 群馬県安中市野殿980番地
      電話:090-5302-8312
      職業:会社員
      氏名:小川 賢(おがわ・まさる)            印
      生年月日:昭和27年(1952年)3月5日生
      その他の申立人は別紙備考欄のとおり

罪   名:旅行業法29条1号、3条、33条、同法施行令5条1項違反

不起訴処分年月日:平成28年(2016年)1月26日〔平成28年検第2002号〕

不起訴処分をした検察官:東京地方検察庁 検察官検事 小嶋英夫

被 疑 者:住  所:群馬県吾妻郡中之条町大字伊勢町1003−7
      職  業:代議士
      氏  名:小渕優子
      生年月日:昭和48年(1973年)12月11日

被疑事実の要旨:
 被疑者の被疑事実記載の所為は、旅行業法第3条に定める登録義務を欠いたまま、旅行業法第2条第1項第1号(運送のサービス提供に関わる企画・募集・手配等の業務)、同第2号(運送以外のサービス提供として食事の提供、観光施設等への入場など付帯サービス)を実施したことで同法違反に該当すると思料するので、同人に対する厳重なる処罰を求める。

<被疑事実>
 被疑者は公職である衆議院議員であるところ、旅行業法第3条に定める「旅行業又は旅行業者代理業を営もうとする者は、観光庁長官の行う登録を受けなければならない」とする登録を受けないまま、すなわち旅行業法の資格を持たないまま、被疑者自らが主宰・代表する「小渕優子後援会」及び「自民党群馬県ふるさと振興支部」をして、旅行業法第2条第1項第1号に定める「対価に関する事項を定めた旅行に関する計画を、旅行者の募集のためにあらかじめ、又は旅行者からの依頼により作成するとともに、当該計画に定める運送等サービスを旅行者に確実に提供するために必要と見込まれる運送等サービスの提供に係る契約を、自己の計算において、運送等サービスを提供する者との間で締結する行為」に該当する事業を行わせた。
 すなわち、募集要項を作って、代金を受け取るという行為が旅行業と定義づけられているのである。被疑者が後援会の名のもとに募集要項を作らせて、対価として一人当たり1万2000円を集めたのは明らかである。
 具体的には、被疑者自らが主催・代表する政治団体に「小渕優子後援会女性部大会」を企画させ、「群馬」「高崎」ナンバーの大型バス26台をチャーターさせて、群馬第5選挙区内の投票人ら約1000人を対象に、一人当たり1万2000円を会費名目で徴収させ、東京・日本橋浜町の「明治座」における天童よしみショーの観劇ツアーを平成26年10月8日に実行させた。
 明治座のエントランスに掛かっていたボードには「本日の御予約団体様」として、〈昼の部 小渕優子後援会女性部大会〉とされていた。
 なお、被疑者は2014年10月20日に経産相を辞任する際の記者会見では、昼と夜の2部にわけて小渕優子後援会女性部大会を企画したと説明している。
 また、観劇ツアーに参加した選挙人全員に対して、昼食として明治座の弁当を提供させていた。
 なお、観劇ツアーの会費は被疑者の後援会の地区ごとの代表者を通して被疑者の秘書が選挙人らから現金で集め、自らの後援会の事務所などで管理させていた。
 以上の事実によれば、無資格のまま、旅行業法第2条第1項第1号(運送のサービス提供に係る企画・募集・手配等の業務)の観点から、群馬バスなどのバス会社と運送サービスの提供に係るやりとりを行ったことや、同じく無資格のまま、同法第2条第1項第2号(運送以外のサービス提供として食事の提供、観光施設等への入場など付帯サービス)の観点から、明治座と観劇や食事など付帯サービスの提供に係るやりとりを行ったことは明らかである。
 なお、被疑者はそれ以前にも毎年同様の観劇ツアーを実施したり、後楽園球場での巨人戦の観戦ツアーも実施したりしたことが報じられている。

不起訴処分を不当とする理由:
 代議士だからと言って嫌疑不十分で不起訴処分は有り得ない。また、有ってはならない。
 旅行業法では、「運送」と「宿泊」のサービス提供に関わる、企画・募集・手配等の業務を「旅行業」と定義されている。(旅行業法第2条第1項第1号)
 また、運送・宿泊以外のサービス提供、たとえば「食事の提供」「観光施設等への入場」「体験プログラム」等については、運送・宿泊のサービスに付随して取り扱う場合に限って「旅行業」となる。(旅行業法第2条第1項第2号)
 被疑者が仮にこれらの行為を、利益を得ずに行っていたとしても、「旅行業法施行要領」により、(1) 事業者が法第2条第1項各号に掲げる行為を行うことによって、経済的収入を得ていれば報酬となり得る。また、(2) 企画旅行のように包括料金で取引されるものは、旅行者から収受した金銭は全て一旦事業者の収入として計上されるので、報酬を得ているものと認められる。
 さらに、行程全体に対して「参加費お一人様1万2000円」という形で、募集した時点で、包括料金での取引となる。
 この場合、利益が出なくても、たとえ赤字でも、一旦事業者の収入となるので、報酬を得ていると判断され、旅行業法の適用を受けるため、旅行業法の登録のない者が行うと違法と判断される。
 報酬を得て法第2条第1項各号に掲げる行為を行うのであれば旅行業の登録が必要になる。
 さらに、旅行業法では、不特定多数とか会員のみだとかの制約は特にないため、自分の後援会内のネットワークのみで募集とか、後援会女性部だけを対象に募集とかは、関係ないと思料される。
 これらのことから、被疑者の所為は、旅行業法違反で罰せられることになる。たとえ代議士だからと言って、不起訴特権が適用されることはできないはずである。
 旅行業法では、同法第2条で「旅行業」を次のとおり定義している。
「対価に関する事項を定めた旅行に関する計画を、旅行者の募集のためにあらかじめ、又は旅行者からの依頼により作成するとともに、当該計画に定める運送等サービスを旅行者に確実に提供するために必要と見込まれる運送等サービスの提供に係る契約を、自己の計算において、運送等サービスを提供する者との間で締結する行為」
 要するに、この法律では「募集要項を作って、代金を受け取る」という行為を旅行業と言っている。続いて、同法第3条には「旅行業又は旅行業者代理業を営もうとする者は、観光庁長官の行う登録を受けなければならない」と定めているのである。
 被疑者及びその関係する後援会は、いずれもこの登録を受けていないのは、明らかである。 まして、東京地検特捜部がその権限をもって調べれば容易に確認できたはずである。
 また、被疑者の後援会に対して、公開質問状で旅行業法の登録は行ったのかどうか、質問しましたが、未だに回答がない。
 検察審査会におかれては、公平な社会の実現に対して本事件が及ぼす影響の重大性を十分に考慮され、是非とも「起訴相当」の議決をしていただくことを切望いたします。
                                    以上
別紙

備   考:その他の申立人
資格:告発人
住所:〒370-0801 群馬県前橋市文京町1-15-10
      電話:090-9134-2942
      職業:自営業
      氏名:鈴木 庸(すずき・よう)              印
      生年月日:昭和26年(1951年)9月10日生
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