2016/5/19  23:33

東電の毒牙から赤城山と県土を守れ!…前橋バイオマス燃料への補助金交付に係る住民監査で陳述と追加証拠を提出  東北関東大震災・東電福島原発事故

■市民オンブズマン群馬では、現在赤城山南麓の電力中央研究所の敷地内で東電グループ会社の関電工を主体に進められている前橋バイオマス発電計画で、昨年10月の群馬県議会で、発電燃料用の木質チップ製造施設を運営する前橋バイオマス燃料に対する補助金交付決定の取り消しを求めて、建設予定地周辺の住民を主体に構成される市民団体「赤城山の赤城山の自然と環境を守る会」のメンバーと連名で、2016年3月30日付で住民監査請求を提起しました。その後、群馬県監査委員から補正命令が出たため、回答書を提出したところ、同5月16日にようやく住民監査請求が受理されました。そして、同5月19日(木)10:30から1時間、住民監査請求に係る請求人の陳述と追加証拠提出及び説明のため、県庁26階の県監査委員事務局隣の陳述会場で、群馬県監査委員3名を前に、陳述等を行いましたのでその概要を報告します。
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監査委員から送られてきた陳述等案内通知が同封された封筒。
※陳述等案内:PDF ⇒ 20160517qioocixj.pdf


 当日は10時15分ごろ受付を済ませて、会場である会議室に入室し、監査委員の入場を待ちました。ちょうど、エレベーターで実施機関である林業振興課の担当職員2名と一緒になりました。26階でエレベーターを降りるので、「おやっ」と思っていたところ、なんと、立会人として陳述会場に出席することがわかりました。

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会場入り口の受付でくれた陳述会場の配置図。
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同じく受付で渡される陳述人の注意事項。

 当会の副代表と、守る会の他のメンバーらも傍聴席で待機していると、定刻3分前に監査委員事務局の職員6名と一緒に、監査委員3名が入場してきました。全員着席して、開催前に、当会副代表が場内を撮影しました。

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県庁26階行先案内板。
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監査委員事務局の隣部屋の陳述会場。
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監査委員(左から丸山委員、横田代表委員、久保田委員)。
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監査委員事務局職員ら(向かって右側に着席)。
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監査委員事務局職員ら(向かって左側に着席)。
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立会人として同席した実施機関の職員ら(向かって左側の手前に着席。録音器の持ち込みが許されている)。

 受付時に、追加証拠として3件の文書を事務局職員に渡してあったため、そのコピー作業に手間取り、監査委員3名の机の上にコピーが届けられた時は、定刻を5分ほど経過していました。

 冒頭に、監査委員事務局長から開会の辞が述べられ、陳述のルールについてひとしきり説明が行われた後、10時37分に陳述が開始されました。なお、群馬県監査委員は本来4名ですが、議会から選出された狩野浩志県議は、前橋市選出のため利害関係があるとして、欠席となったため、今回、監査委員は残りの3名になったのだそうです。

■最初に、当会の代表から、前橋バイオマス発電計画に関して、全般的な観点からの問題点を説明し、関電工の説明責任に関する不徹底の実情と、地元説明会での秘密主義優先発言などの実態について指摘しました。さらに当会の公開質問状に対してまともに回答してこないことや、この事業の背景として、原発事故を起こした東電の影が色濃く反映されており、放射能を含む間伐材や加工端材などを、群馬県のシンボルである赤城山麓の風光明媚な住宅地、営農地、観光地の真ん中に設置するこの事業施設に集荷して、20年間、大量に連続して燃焼させることによる放射能汚染と取り返しのつかない県土・県民へのダメージについて深刻な懸念を表明しました。

 さらに関電工は東電の子会社であり、これまでバイオマス発電には関与してこなかったにもかかわらず、安中市でトーセンが設立した「松井田バイオマス」による発電事業が頓挫した後、今度は「前橋バイオマス」と看板を掛け替え、関電工が急遽資本参加したことへの不信感や、この事業について環境アセスの対象外として県に認めさせた経緯、さらに住民側にはその根拠である排ガス量の算出内容について全く説明しようとしないなど、情報開示に極めて不熱心な事業者らの姿勢を指摘しました。

■11時をまわると、今度は、守る会の事務局長から、さらに具体的なデータをもとに、いかにこの発電施設が、付け焼刃で計画されているかについて論理的に説明が加えられました。

 印象に残ったのは、「なぜ、群馬県と関係のない事業者が、群馬県の自然を破壊して営利事業を行なえるのか」という指摘でした。郷土愛がない事業者だからこそ、地元説明会を形式的な通過儀式だと思っており、その結果、いい加減な説明しかできず、誠意のない対応に終始していることがうかがえるのです。

■11時25分を回ると、次に当会代表から、追加証拠として提出した次の3つの資料について説明をしました。

@平成28年5月17日付、滑ヨ電工の水江・取締役社長宛「公開質問状(2)」
 PDF ⇒ 20160517r1dhjiqjiazxj.pdf

A「甲状腺がん異常多発 津田論文と国際環境疫学会の書簡の意義」(2016年5月13日日本小児科学会自由集会報告 医療問題研究会)
 PDF ⇒ 20160517bbc_uw1148.pdf
 
B「明白な甲状腺がん異常多発と健康障害の進行」(2016年5月13日、こどもたちを放射線障害から守る全国小児科医の集い・実行委員会)
 PDF ⇒ 201605171bbnqis.pdf
201605172bbnqi.pdf

 @については、監査委員の前での陳述に先立ち、関電工に環境アセスメントの要否に関して確認を求めた経緯を説明し、結局、指定期限の5月19日午前9時30分までに当会の事務局のFAXで関電工からの回答を受信できなかった事実を説明しました。この理由として、前橋バイオマス発電計画は未成熟な段階にあるため、確固とした事業内容の説明ができないことから、補助金の交付は到底有り得ないと指摘しました。

 AとBについては、東電福島原発事故後、福島でのフィールド調査により、甲状腺がんの発生が多発しつつあり、チェルノブイリ事故後の周辺住民の被ばく後の甲状腺がん発生のパターンと類似していることが統計上、有意性の見られる現象が発現していることを指摘しました。AはBの論文内容をパワーポイントで要約しており、現在は群馬県の森林地帯にとどまっている放射能汚染木材が、この東電グループの関電工の事業により、放射能がひろく群馬県内に拡散してしまうことにより、県民の健康に重大な影響を及ぼす脅威について、今、事業を止めさせないと、後世代に申し訳が立たないことをアピールしました。

■約1時間に渡る陳述でしたが、最後に、横田・監査委員長から「監査請求の内容は良く理解した。この後、県側職員の陳述も聞くことになるが、適切な意見が出せるよう努力する」との異例のコメントがありました。

 最終的にどのような監査結果がでるのかは、予断を許しませんが、少なくとも、請求人による陳述で、監査委員はそれまで知らなかった数々の問題点を認識したことは間違いないと思われます。

 折から、東日本大震災で「トモダチ作戦」にあたった米国の原子力空母「ロナルド・レーガン」の乗組員らが多数、放射能被ばくによると考えられる健康被害を訴えており、小泉元首相が訪米してこれらの人たちに面談して涙を流したと報じられました。

 放射能汚染問題は依然として、我が国、とくに群馬県に住む私たちにとっても重大な健康リスクです。にもかかわらず、それを故意に無視したり、否定したりする関電工が推進するバイオマス発電事業は、到底容認するわけにはいきません。今後とも、この住民監査請求を通じて、東電グループの陰謀を暴いていきたいと思います。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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