住民の生命・財産より企業利益を優先するガスパッチョ東京ガスと群馬県  東京ガス高圧パイプライン問題

■低炭素社会への貢献を口実に、安中市の信越半導体横野平工場から、東邦亜鉛安中精錬所、P&G、NSKなどを擁する八幡工業団地のような大口の法人需要家だけを経由して、高崎市下小塙町の既設ガスラインを結ぶ70気圧の超高圧ガス導管埋設工事に邁進するエネルギーフロンティア、東京ガスの本質については、既にこのブログでも報告済みですが、またもや、とんでもないことをやらかしてくれました。

 既にこのブログでも報告したように、現在、東京ガスは、北野殿地区に「バルブステーション」と呼ばれる施設を建設中ですが、この施設には高さ30メートルの巨大な煙突が設置されるという噂が流れています。この煙突は、70気圧の超高圧ガスを、非常時に大気中に放散することが目的のようです。そのため、可燃性の高い超高圧ガスが放散された場合、どのような事態が発生するのか、住民の間には不安の声が高まっています。しかし、東京ガスは、いつになっても、この施設について地元の住民に説明をする気配がありません。

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【写真上】放散塔と呼ばれる煙突状の構造物。安中市北野殿地区で東京ガスが築造中の高さ30mといわれるものもおそらくこれと似た外形になる模様。

■そこで、当会では、役所に、この施設に関する情報公開請求を平成21年1月21日付で行いました。開示を請求した公文書の内容は次のとおりです。

「平成20年11月6日付で群馬県建築主事佐藤雅彦名にて、東京瓦斯株式会社群馬幹線建設事務所に出した『H20確認―工群馬県000092』の建築基準法の手続きに係る一切の情報」

 ところが、群馬県西部県民局高崎土木事務所総務係(電話027−322−4186)は、平成21年2月2日付け高土第76−21号で、「開示請求に係る公文書の開示・非開示の審査が難しく、決定に時間を要するため」を理由に、本来平成21年2月5日までに開示決定期間のところ、平成21年3月19日までとした、決定期間延長通知書を送ってきました。

 このため、高崎土木事務所は、事業者の東京ガスと開示・非開示について何らかのやりとりをする必要があると判断したものと思われ、当会では、東京ガスの企業体質から、情報開示の邪魔をするのではないかと懸念しておりました。

■その懸念がまさに的中したのです。平成21年2月27日付け高土第76−24号で、高崎土木事務所は、わずか9ページしか開示しないとする公文書部分開示決定通知書を送りつけてきたからです。

 非開示とされた部分は次の文書と内容です。

1.確認申請書・第一面のうち、「申請者の建設事務所代表者の印影」
2.委任状のうち、「申請者の建設事務所代表者の印影」
(適用条項:条例第14条第3号イ)
(非開示理由:申請者の印影は、取引上重要なものであり、これを公にすることによって何人にも入手できることとなった場合に、当該法人の権利、競争上の地位その他の正当な利益を害するおそれがあるため)
3.建築士免許証の写しのうち「本籍地」
4.公図写しのうち、「住所・氏名、地目、面積、調査・製図者の氏名および印影」
5.付近見取り図のうち、「設計者の印影」
6.配置図のうち、「設計者の印影」
(適用条項:条例第14条第2号)
(非開示理由:特定の個人を識別することができるもの又は、個人の権利利益を害するおそれがあるため)

■驚いたのは、次の7から24まで全て非開示とされたことです。
7.放散塔全体外形図
8.杭伏図・柱状図・敷地断面図
9.放散塔基礎詳細図・構造特記仕様書
10.PHC杭用継手金具姿図
11.避雷設備設置概要
12.避雷設備設置概要図
13.避雷突針姿図
14.ダイヒカップリング姿図
15.鉄骨用接続端子姿図
16.導線取付金物姿図
17.ビニル管取付金物姿図
18.端子ボックス姿図
19.設置銅板姿図
20.基礎・地盤説明書
21.主要構造部材特記仕様書
22.仕様構造材料一覧表
23.放散塔構造計算書
24.放散塔基礎構造計算書
(適用条項:条例第14条第3号イ、第14条第4号)
(非開示理由:法人である設計者が設計に関する知識・技能を用いて作成した設計図書を公にすることによって何人にも入手できることとなった場合に、築造物の設計技術のノウハウ等が明らかになり、当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるため。また、申請者(瓦斯事業者)が築造する施設(公共公益施設)の設計図書を公にすることによって何人にも入手できることとなった場合、当該築造物への不法な侵入・破壊活動等に利用される可能性があり、もって公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあるため)

■つまり、群馬県も東京ガスも、超高圧バルブステーション施設の安全性を担保する情報は、地域住民には開示しないというのです。当会では、災害防止協定書の締結を、東京瓦斯と安中市・群馬県の間で締結し、地元住民を交えた委員会の設置を東京ガスに要望してきましたが、これも無視されてきました。

 当会では、これまで、超高圧ガス導管の敷設図や材料表については、安中市から開示してもらい、東京ガスによる地元説明会の際にも、地元住民に情報提供が出来て、非常に理解の助けになりましたが、東京ガスでは、これに懲りたのか、今回のバルブステーション施設の安全性を住民に確認させない方針のようです。群馬県も東京ガスの意向を斟酌して、住民には見せないつもりのようです。

 今回、全面非開示の対象とされた公文書は、高崎土木事務所が建築基準法に照らして、安全だというお墨付きを与えた根拠となる情報です。とくに、雷の多い地域なので、接地による避雷対策がどうなっているのか、また、地震対策として地盤強度や基礎構造などは十分に安全を確かめた上での設計基準となっているはずであり、非常時に超高圧ガスを放散するための塔は周辺住民の住居から十分な離隔距離が確保されているはずです。だから、群馬県は建築基準法による許可を出したはずです。ところが、これらは全て非開示とされました。

■しかも、その理由が、ノウハウ流出により東京ガスの利益を害し、さらにはテロ行為を誘発し、公共の安全と社会秩序を脅かすというのです。地域住民の生命や生活、財産は一体だれが守ってくるのでしょうか。こうした安全確保や災害防止はどこへやら、しかも、地域住民をテロリスト扱いしかねないのですから、群馬県行政ならではの暴論と言えましょう。さっそく、近日中に、部分開示された僅か9ページの書類を受け取る際に、異議申立を群馬県に提出したいと思います。

 日本のエネルギーフロンティアの都市ガス企業として、世界最大規模を誇る東京ガスですが、CSRやコンプライアンスの面では、その後進性が際立っています。あらためて同社の秘匿体質が浮き彫りになりました。

■当会では、異議申立を通じて、粘り強く、災害防止協定の締結を東京ガスと群馬県及び安中市に要請していく所存です。

 なお、2月17日に、地元岩野谷地区で行なわれた地区別懇談会で、東京ガスの施工した超高圧ガス導管の埋設作業後の仮舗装の処理が悪く、道路の凸凹で、あやうく交通事故を起こしかけたとする地元住民のクレームが、ようやく東京ガスの重い腰を動かしました。東岩井の若宮橋の少し先から、高崎市の鼻高町までの区間を、3月中に本舗装することになり、1年半ぶりにもとのスムースな路面がよみがえることになりました。

【ひらく会情報部・東京ガス高圧導管敷設問題研究班】
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