2016/7/20  23:41

大同スラグ裁判・・・被告群馬県の調査嘱託申立に対抗して原告オンブズマンが調査嘱託2件を地裁に申立て  スラグ不法投棄問題


■2016年7月8日の第5回口頭弁論が終わった後、7月13日付で前橋地裁からFAXで、当該の口頭弁論調書の別紙部分として、次の連絡がありました。
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**********PDF ⇒ 20160713_.pdf
(別紙)
原告ら
1 平成28年7月15日までに、被告準備書面(平成28年7月1日付け)に対する反論書面を提出する。
2 立証方法について検討する。
裁判長
1 被告に対し、本日採用の調査嘱託の回答結果を踏まえ、準備書面を提出するのであれば、調査嘱託の回答が到着してから3週間以内に提出されたい。
2 原告らに対し、上記1の準備書面に反論する書面を提出する場合は、平成28年9月8日までに提出されたい。

**********

 このうち、「原告ら 1」に関する反論書面は、7月14日付で地裁に正本を、被告群馬県に副本を提出済みです。

 また、「原告ら 2」については、被告の調査嘱託申立が地裁に認められたことから、原告側としても何らかの対抗措置をとる旨、第5回口頭弁論で裁判長に陳述したことから、立証方法として、裁判長が勘案していただいたものです。

■そこで、当会として熟慮の末、次の2件について、調査嘱託を申し立てることにし、7月19日に地裁と被告群馬県にそれぞれ正本と副本を直接届けました。

 今回調査嘱託を申し立てたのは、被告群馬県が乙第14号証として提出してきた、プロファ設計鰍ノ対する環境調査業務報告書と、群馬県環境森林部廃棄物・リサイクル課に対するスラグ混合ブレンド材の廃棄物処理法に基づく扱い方についてです。

 はじめにプロファ設計に対する調査嘱託申立書を、次に群馬県廃棄物・リサイクル課に対する調査嘱託申立書をご覧ください。

*****プロファ設計に対する調査嘱託申立*****PDF ⇒
平成27年(行ウ)第7号 住民訴訟事件
原 告  小川賢 外1名
被 告  群馬県知事 大澤正明

             調査嘱託申立書

                         平成28年7月19日

前橋地方裁判所民事第2部合議係 御中

                     原告   小 川   賢
                     原告   鈴 木   庸

原告は、下記のとおり調査嘱託を申し立てる。

                  記

1 嘱託先
   〒379−2214
   群馬県伊勢崎市下触町629−1
   プロファ設計株式会社
   TEL 0270−62−2111

2 嘱託事項
(1)御社が2014年(平成26年)4月19、21、22日付けて調査し、同5月付けで発行した本申立書添付の環境調査業務報告書について、調査地点No.6「県営萩生川西地区 圃場整備 東吾妻町大字萩生地内」で実施した、それぞれの分析試験に用いられた試料の採取者、採取場所、採取条件、採取時間を明らかにしてください。
 採取場所については、地番等まで出来る限り具体的に特定していただき、採取場所を特定する図面や写真等がある場合はその写しをご提供ください。
 また、採取したコア試料の状態が13ページ目の図−8、および25ページ中段の図に、それぞれ@〜Dとして示されていますが、それぞれのコア試料が詳細にわかる写真をご提供ください。さらに、クローズアップした試料の写真がある場合はそれもご提供ください。
 コア試料の正確な直径及び長さについても明らかにしてください。
 次に、含有量試験における、ボーリング試料の写真、風乾したときの写真、破砕および篩い分け等したときの写真、5箇所(5本分)等量混合した時の写真、含有試験用試料の写真があればご提供ください。
 一方、溶出量試験における、ボーリング試料の写真、分析対象部分を分取したときの写真、5箇所(5本分)等量混合したときの写真、溶出試験用試料の写真があればご提供ください。
 鉄鋼スラグ混入砕石を用いた道路工事について有害物質の含有・溶出の実態を把握することを目的とした有害物質の検査について、路線ごとに5地点採取した試料を、偏りが無く、可能な限り平均的に採取できるよう間隔を調整して採取しているにも関わらず、各コア試料から分取した資料を等量ずつ混合した理由を、法律に基づくものなのか、群馬県からの指示によるものか、群馬県からの指示による場合には担当部署を付して明らかにしてください。
 また、上記環境調査業務報告書の17ページを見ると、「7.結果の整理と評価」のところで、「水資源機構の調査(平成26年3月)では溶出量試験0.90〜2.5(mg/L)、含有量試験13,000〜19,000(mg/L)で、調査してすべての試料が基準を超過するなど高い値であった。なお、これは使用された材料が鉄鋼スラグ100%のものであったことから、結果として高い値が検出されたものと推定される」と記載がありますが、今回の分析結果から、使用された材料に鉄鋼スラグは何%混合されていたと推定されるか、貴社の技術的な観点からの評価を教えてください。
 また同17ページでは国交省の調査(平成26年3月)の調査事例を挙げ、溶出量試験において基準値を超過して4.4mg/Lの結果が出ていることについて説明されていますが、貴社の技術的な観点からの評価を教えてください。
 なお、本照会を受けて改めて発注者に確認することはお控えいただき、御社のお手元にある情報のみに基づいてご回答ください。
(2)本申立書添付の環境調査業務報告書について、黒塗り部分の技術管理者の氏名および認証番号と思しき番号をご教示ください。具体的なご回答に代えて、御社のお手元にある控え等の写しをご提供いただいても結構です。

3 申立ての理由
(1)本申立書添付の環境調査業務報告書は、本件訴訟において乙第14号証として提出されている証拠ですが、これを見ると、試料の採取の調査地点の位置については5ページ目の「No.6 県営萩生川西地区 ほ場整備 東吾妻町大字萩生地内(区間長:約196m)」とある不鮮明な地図しか記載がなく、具体的な採取場所が特定されていません。
 当該分析試験に用いられた試料の採取場所は、本件訴訟において非常に重要な意味があり、可及的に特定する必要があると思料されるところです。
(2)また、本申立添付の環境調査業務報告書の17ページの、「7.結果の整理と評価」のところで、水資源機構の調査(平成26年3月)結果が引用されていますが、鉄鋼スラグが100%であればすべての試料が基準を超過すると明記されています。このことは、現場にあるスラグのみをサンプリングして計測すれば、100%基準値をオーバーすることになります。したがって、今回の計測方法はボーリングにより、スラグのみならず、ほかの雑物も一緒にサンプリングしたものを試料として計測して、見かけの溶出量試験値および含有量試験値を、故意に低めに操作しようとしているようにも見受けられます。
 また御社は、「上述のように路盤材の調査結果として基準値を下回ったことから、路盤材下の路床土壌については調査の必要性が無かった。」と結論づけています。混合スラグ再生砕石の性状は、いずれの調査場所においても均一だという前提にたっての判断だったのでしょうが、このような報告書においては、固体同士は均一に薄まることはありえないという補足説明が記載されることがあると承知しています。
(3)発注者は「資料の採取地点は、25ページの【1.調査位置】欄記載の地図の@ないしD地点である。本件舗装工事が施工された支道27号は、同地図の左下の囲みに示されており、ここからは試料を採取していないが、この地図に記載されている農道整備は同時期に実施されており、使用された混合スラグ再生砕石はいずれも同時期に製造されたものと認められたことから、下層路盤に異物の混入がない既舗装の支道から試料を採取したものである。」としていますが、御社の調査場所は、本件訴訟で争われている農道とは異なる場所であること、また、スラグの有毒性調査にボーリングマシンで、スラグでないものも一緒に分析調査したことにより、固体同士では均一に薄まらないことが考慮されていないと思われ、スラグの混合濃度のばらつきが無視されてしまった格好になっており、本当に発注者の見解が正しいかどうかを確認するため,本申立に及ぶ次第です。
                                 以上

添付:環境調査業務報告書

*****県廃棄物・リサイクル課に対する調査嘱託申立*****PDF ⇒tcnr1.pdf
平成27年(行ウ)第7号 住民訴訟事件
原 告  小川賢 外1名
被 告  群馬県知事 大澤正明

             調査嘱託申立書

                         平成28年7月19日

前橋地方裁判所民事第2部合議係 御中

                     原告   小 川   賢
                     原告   鈴 木   庸

原告は、下記のとおり調査嘱託を申し立てる。

                  記

1 嘱託先
   〒371−8570
   群馬県前橋市大手町1−1−1
   群馬県環境森林部廃棄物・リサイクル課
   TEL 027−226−2851
   FAX 027−223−7292

2 嘱託事項
(1)平成25年3月7日、萩生川西地区区画整理補完3工事(以下,「本件農道整備工事」という。)が起案され,同月18日に入札が行われ、同月19日、本件農道整備工事契約が締結されて、その後着工した本件農道整備工事においては、大同特殊鋼渋川工場由来の鉄鋼スラグが混合されたブレンド骨材が用いられています。
 このことに関連して、御課が2015年(平成27年)9月11日公表した「大同特殊鋼(株)渋川工場から排出された鉄鋼スラグに関する廃棄物処理法に基づく調査結果について」によると、「ふっ素の土壌環境基準等が設定されて以降、大同特殊鋼(株)渋川工場から製鋼過程の副産物として排出された鉄鋼スラグは、土壌と接する方法で使用した場合、ふっ素による土壌汚染の可能性があり、当該スラグは、その物の性状、排出の状況、通常の取扱い形態、取引価値の有無及び占有者の意思等を総合的に勘案し、廃棄物と認定される。」としております。
 そこで、本件農道整備工事に使用されたスラグも廃棄物にあたるか教えてください。
 その際、土壌に直接敷設された鉄鋼スラグが混合されたブレンド骨材が本件農道の直下の土壌を汚染させる可能性があるか教えてください。
 また、土壌汚染の可能性については、個別に農道を分析調査しなければ決められないのか、重ねて教えてください。
 加えて、本件農道整備工事が施工された平成25年3月〜7月の期間中に、御課は、大同特殊鋼渋川工場内で行われた月別製造ロット別のフッ素分析調査表の写を報告徴収していると思われますので、それらを見せてください。
 また、出荷先の佐藤建設工業を介して工事現場に搬入されたスラグの量と搬入場所についても、御課は大同特殊鋼などから記録を提出させて入手していると思われますので、平成25年3月〜7月の期間中の記録についても見せてください。
 なお、本照会を受けてあらためて群馬県の他の部署に確認することは絶対になさらないでいただき、御課のお手元にある情報のみに基づいてご回答ください。

3 申立ての理由
 御課が2014年(平成26年)1月27日から同2月27日にかけて調査し、同4月18日から2015年(平成27年)8月4日にかけて報告を徴収したものを取りまとめた「大同特殊鋼(株)渋川工場から排出された鉄鋼スラグに関する廃棄物処理法に基づく調査結果について」において、御課は

「(7)
ふっ素の土壌環境基準等が設定されて以降、大同特殊鋼(株)渋川工場から製鋼過程の副産物として排出された鉄鋼スラグは、土壌と接する方法で使用した場合、ふっ素による土壌汚染の可能性があり、また、平成14年4月から平成26年1月までの間、関係者の間で逆有償取引等が行われていたことなどから、当該スラグは、その物の性状、排出の状況、通常の取扱い形態、取引価値の有無及び占有者の意思等を総合的に勘案し、廃棄物と認定される。」

としています。
 この観点から、本件の農道整備工事に佐藤建設工業が納入し使用されたスラグ混合再生砕石が有害な産業廃棄物にあたるのか、しかるべき部署である御課の見解が決め手になると思料されるところです。
 その際御課では、含有量の基準値の10倍までの40,000mg/kgまでスラグ混合再生砕石に混合しても良いとする社内マニュアルや、実際に分析調査した製造月別ロット別の分析調査表を見ているはずです。ちなみに、平成25年(2013年)6月から8月までの間の各月に、大同特殊鋼グループ内が作成した「スラグ F含有量分析 管理表(6月度)」「同(7月度)」「同(8月度)」については、原告らが入手しており、これらと同様な様式の文書であると思われます。
 そのうえで、本件農道整備工事に使用されたスラグ混合再生砕石は、土壌と接する方法で使用されていることから、ふっ素による土壌汚染の可能性があるのかどうかを、しかるべき部署である御課の見解が決め手になると思料されるところです。
 また、土壌汚染の可能性については、本件農道等をそれぞれ、分析試験に用いられた試料の採取者、採取場所、採取条件、採取時間を明らかにして実施しなければならないのかどうか、しかるべき部署である御課の見解が決め手になると思料されるところです。
 さらに、試料の採取者、採取場所、採取条件、採取時間を明らかにして実施した分析試験で、仮に基準値以内であった場合に、当該スラグの廃棄物判断が覆るのかどうか、しかるべき部署である御課の見解が決め手になると思料されるところです。
 今回、本件訴訟で争われているスラグ混合再生砕石なる資材について、あたかもスラグを一定サイズに粉砕してそれを天然砕石と混合することにより、廃棄物としての取扱から有価物としての取扱になるような主張がまかりとおっている格好になっており、本当にそのような見解が正しいのかどうかを確認するために、本申立に及ぶ次第です。
                                 以上

添付:スラグF含有量分析 管理表(6月度)
   スラグF含有量分析 管理表(7月度)
   スラグF含有量分析 管理表(8月度)
※PDF ⇒ i68j.pdf
**********

■さっそく19日の午後4時過ぎに地裁から、「2件の調査嘱託申立について、裁判所として受理したので、直ちに被告群馬県に対してこの申立ての取扱いについて伺いを立てたうえで、しかるべき対応をする」という連絡がありました。

 原告としては、被告の調査嘱託申立が裁判所で認められたことから、公平性の観点から、原告の調査嘱託申立も問題なく裁判所で認められるものとみています。

 もし、被告群馬県が、申立てを忌避したとしても、原告オンブズマンでは、裁判所の権限で申立てが認められるものと期待しています。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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