2016/8/13  23:38

大同有害スラグ問題を斬る!・・・佐藤建設工業に対する行政処分は片手落ち!?  スラグ不法投棄問題

■平成28年盛夏、お盆を迎える今日この頃、皆様、残暑お見舞い申し上げます。さて、ブラック佐藤建設工業が2016年8月3日付けで、産業廃棄物の許可を取り消されるという行政処分を受けました。この処分は8月5日に群馬の地方紙・上毛新聞や毎日新聞群馬版、そして8月10日に朝日新聞群馬版でも報じられました。この行政処分のことについてはこちらをご覧ください。↓↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2095.html#readmore
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リットン調査団のブログにメールで情報提供された、佐藤建設工業の資材置き場の様子。この置き場では夕方になると、通常の盛り土材に、白い有害スラグを混ぜていたそうです。また現場では、突然、カラーコーンと黄色いチェーンでバリケードされているとのことです。GWやお正月でもこのような策はなかったので、「行政処分と何か関係があるのでしょうか?」とメール情報は締めくくられていました。情報提供ありがとうございます。


 群馬県は佐藤建設工業に対する行政処分についてホームページで次のように公表しています。↓
【8月4日】産業廃棄物処理業者に対する行政処分について(廃棄物・リサイクル課)
http://www.pref.gunma.jp/houdou/e1700091.html
その中で、処分の内容・理由を述べています。

**********
○処分の内容:
産業廃棄物収集運搬業、産業廃棄物処分業及び産業廃棄物処理施設設置の許可の取消し
○処分理由:
 株式会社佐藤建設工業は、平成21年7月から平成24年6月までの間、大同特殊鋼株式会社から委託を受け、産業廃棄物たるスラグ(種類:鉱さい)を運搬し、天然砕石と混合する行為を行った。
 また、平成24年7月から平成26年1月までの間についても産業廃棄物たるスラグの運搬を行った。
 株式会社佐藤建設工業が許可を受けている産業廃棄物収集運搬業の事業範囲に鉱さいは含まれていないほか、同社が許可を受けている産業廃棄物処分業は、がれき類の破砕のみであり、許可なく事業の範囲を変更した。
 当該行為は、法第14条の3の2第1項第5号(平成22年改正法施行前においては、法第14条の3の2第1項第2号)及び第15条の3第1項第2号に該当する。
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 佐藤建設工業は、産業廃棄物に対する許可を全て取り消されたわけですが、許可なく事業の範囲を変更したのがその理由だとされています。

■一方、大同特殊鋼は不法投棄を目的として有害スラグを細かく砕き、佐藤建設工業は天然石と混ぜ、再生砕石と偽装して不法投棄を実行した訳ですが、柔らかく理由付けされています。佐藤建設工業としては、天然石の販売を促進するため有害スラグを利用した訳ですから、天然石の採取許可も直ちに取り消されなければなりません。

それでは、許可の範囲を超えて処理されてしまった有害スラグはどうなるのでしょうか?

 まず、基本を押さえておきましょう。

 不正に処理された産業廃棄物埋設現場まず原状回復しなければなりません。撤去の上、フッ素が土壌を汚染する恐れのある有害スラグは遮断型最終処分場に処分することが廃棄物処理法の定めたルールだからです。

 このことについては、平成 25 年3月 29 日に環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部産業廃棄物課長が発出した、環廃産発第 1303299 号 行政処分の指針について(通知)という文章を環境省のホームページより見ることができます。
⇒末尾資料をご参照ください。

第2 産業廃棄物処理業の事業の停止及び許可の取消し(法第 14 条の3及び第 14 条の3の2)1 趣旨には以下のような記述があります。

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産業廃棄物処理業の許可制度は、産業廃棄物の処理を業として行うことを一般的に禁止した上で、事業の用に供する施設及び事業を行う者の能力が事業を的確かつ継続的に行うに足りるものとして一定の基準に適合すると認められるときに限って許可することにより、産業廃棄物の適正な処理を確保するものである。したがって、その基準に適合しないおそれがあると判断されるに至った場合には、直ちに事業の停止を命ずるとともに(法第 14 条の3)、その基準に適合しないと判断されるなど、法が許可を取り消すべき場合として定める要件に該当するに至った場合には、速やかに許可を 取り消す等の措置を講ずること(法第 14 条の3の2)。
なお、産業廃棄物処理業者が不法投棄等の重大かつ明白な違反行為を行っているにもかかわらず、原状回復責任を全うさせること等を理由に許可の取消処分を行わず、事業停止処分等にとどめる事例が見受けられるが、当該運用は、不法投棄等の違反行為を事実上追認するものであり、適正処理を確保するという許可制度の目的及び意義を損ない、産業廃棄物処理に対する国民の不信を増大させるものであるばかりか、違反行為による被害を拡大させかねないものであることから、著しく適正を欠き、かつ、公益を害するものである。したがって、こうした場合には、躊躇(ちゅうちょ)することなく取消処分を行った上で、原状回復については措置命令により対応すること
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 青字の部分を抜き出してみると、産業廃棄物の適正な処理を確保するため、その基準に適合しないと判断される場合には、躊躇することなく許可の取り消し処分を行った上で、原状回復については措置命令により対応すること。となっています

 この記述で分かる通り、

1. 産業廃棄物処理業や運搬業の許可を取り消す行政処分と
2. 原状回復の措置命令

はセットになっています。

 群馬県の環境部局は、2015年9月11日の「大同特殊鋼(株)渋川工場から排出された鉄鋼スラグに関する廃棄物処理法に基づく調査結果について」の公表から11か月も経過してやっと行政処分を行いました。環境省の通知にある「躊躇することなく許可の取り消し処分」と言えるのでしょうか?

 またその内容はセットで処分を行うべき原状回復の措置命令が含まれていません。環境省の指針を無視した、「適正処理を確保するという許可制度の目的及び意義を損ない、産業廃棄物処理に対する国民の不信を増大させるもの」と言わざるを得ません。群馬県環境部局は産業廃棄物制度を壊してしまうつもりなのでしょうか?

■環廃産発第 1303299 号 行政処分の指針について(通知)では、権限の行使を怠ることへの警鐘も鳴らしています。

第8 措置命令(法第 19 条の5)
1 趣旨
(1) 都道府県知事は、処理基準又は保管基準(以下「処理基準等」という。)に適合 しない産業廃棄物の処理が行われた場合において、生活環境の保全上の支障を生じ、又は生ずるおそれがあるときは、必要な限度においてその支障の除去又は発生の防止のために必要な措置を講ずるように命ずることができることから、これらの者による不適正な処分を把握した場合には、速やかに命令を行い、生活環境の保全上の支障の発生を防止し、又は除去されたいこと。なお、この場合において、処理基準 等に違反する状態が継続している(不法投棄の場合であれば、廃棄物が投棄されたままの状態が継続している。)以上、いつでも必要に応じ命令を発出することがで きること。
(2) 法第 19 条の5は、「命ずることができる」と規定されているところ、同条は生活環境の保全を図るため都道府県知事に与えられた権限を定める趣旨であるから、不適正処理された産業廃棄物の種類、数量、それによる生活環境の保全上の支障の程度、その発生の危険性など客観的事情から都道府県知事による命令の発出が必要であるにも関わらず、合理的な根拠がなく権限の行使を怠っている場合には、違法と される余地があること。

 佐藤建設工業の許可を取り消す行政処分のみで、合理的な根拠なく原状回復の措置命令の権限の行使を怠っている場合には、違法の余地があると環境省は指摘しています。

 環境省が指摘しているのですから、このままの状況が続くなら、当会は躊躇なく“お役人様を刑事告発する”などの対策を行使しなければならないでしょう。そうならないためにも群馬県環境部局はより一層の奮闘努力をしなければならないでしょう。

【市民オンブズマン群馬・大同有毒スラグ不法投棄特別調査チーム・この項続く】

※参考情報
*********朝日新聞2016年8月10日
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産廃運搬や処分許可を取り消し
県、佐藤建設工業に

 大同特殊鋼渋川工場から排出された有害物質を含む鉄鋼スラグの問題で県は、渋川市の佐藤家拙工業の産業廃棄物に関する収集運搬業や処分業、処理施設設置の許可を取り消す処分をしたと発表した。3日付け。
 県によると、同社は、許可を得ていないのにもかかわらず、2009年7月〜14年1月にスラグの運搬や破砕をした。
 県のまとめでは3月末現在、県内の公共、民間工事計373カ所でスラグの仕様が確認され、そのうち環境基準を超えたのは101カ所あった。土壌は57カ所で見つかっている。
**********

※参考資料:環廃産発第1303299号 平成25年3月29日
各都道府県・各政令市産業廃棄物行政主管部(局)長 殿
環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部産業廃棄物課長
行政処分の指針について(通知)

https://www.env.go.jp/hourei/add/k040.pdf


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