2016/9/18  20:41

大同有害スラグ問題を斬る!・・・スラグ存置で大同擁護?住民監査請求を却下した前橋市監査委員の非常識  スラグ不法投棄問題

■当会の事務局長が2016年7月8日付で前橋市監査委員に対して、市内にも存置されたままになっている有毒スラグの撤去と措置命令を市長に勧告するように求めた住民監査請求の監査結果が9月2日付で当会事務局に送付されてきました。この請求に関しては、2016年8月2日(火)に監査委員らに対して陳述しましたが、どうやら徒労に終わったことになります。さっそく、その驚くべき非常識度を点検してみましょう。

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                          前 監 第21号
                          平成28年9月2日

 鈴 木   庸 様

                 前橋市監査委員  赤 川 常 己
                    同     田 子 一 夫
                    同     横 山 勝 彦
                    同     小 林 岩 男

   前橋市職員措置請求に係る監査結果について(通知)

 このことについて、平成28年7月13日付けで受理した前橋市職員措置請求について、地方自治法第242条第4項の規定に基づく監査を実施しましたので、その結果を次のとおり通知します。

                記

 1 請求に対する判断
    監査請求できる要件を欠いており、却下する。
 2 監査結果
    別添のとおり

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              前橋市職員措置請求監査結果

第1 請求の受付 
1 請求人
  住所 前橋市文京町一丁目15番10号
  氏名 鈴 木   庸
2 請求書の収受日
  平成28年7月11日
3 請求の内容
  請求人から提出された請求書による主張の要旨及び措置請求は、次のとおりである。(但し事実証明の添付は省略した。)
(1)請求の要旨
  大同特殊鋼鰹a川工場より排出された有害鉄鋼スラグ(以下、大同スラグ)は、群馬県により「産業廃棄物」として認定されている。
  今回の不法投棄(産業廃棄物が法で規定された処分場以外の場所に処分され公共工事等に使われた)事件(以下、本件不法投棄事件)の当事者(大同特殊鋼(株)・大同エコメット(株)・(株)佐藤建設工業、以下、大同グループ)の処罰は司法の手に委ねられたが、大量にばらまかれた大同スラグの後始末は「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(以下、廃掃法)により行政処分を行うものとされている。群馬県において産業廃棄物処理を主管するのは「環境森林部・廃棄物リサイクル課」であり、行政処分の権限は群馬県知事にある。
  しかし、県土整備部、関東地方整備局、渋川市の三者は「鉄鋼スラグに関する連絡会議」(以下、三者連絡会議)と称する会合を、独自の規約まで定めて組織し、大同スラグを環境基準値で区分し、超過かつ「管理者において将来にわたり管理できない施工箇所等」のみ撒去、その他は「表面被覆」か「存置」する基本方針を示した。つまり将来訴訟を提起されるかもしれない民有地以外は一切撤去せずに、県環境部の助言を得ながら蓋をして放置するつもりである。
  このような状況下において、前橋市においても、大同スラグを含む再生砕石を使用した市発注工事が、平成27年11月17日公表された富士見地区内の8路線及び平成28年3月7日に新たに公表された6件で確認されている。
  ところが、前橋市長は、大同スラグの今後の対応として、国、県及び渋川市で構成される三者連絡会議の対応方針を確認の上、環境部局の助言を受けながら適切な対応を図ってまいります」という姿勢を示しただけで、大同スラグを撤去せずに存置する方針を示している。

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  三者連絡会議はその基本方針のなかで、「産業廃棄物」の文言は一切使わず、「鉄鋼スラグ」「鉄鋼スラグ製品」と表記し、有害鉄鋼スラグ即ち「大同スラグ」が、群馬県環境部により「産業廃棄物」と認定されていることを無視するがごとく、あたかも手違いで環境基準を超過する不適切な建設資材が、公共工事に使われてしまったので、建設部局で処理するのが相当であるかのように報道させ、有害産業廃棄物を全面撤去することなく県内各地に存置(放置)したまま「本件不法投棄事件」の行政処分を装って終結させようとしている。
  大同グループが県内各地はもとより、前橋市内の各所の公共工事現場(公有財産)に大量に不法投棄した「産業廃棄物・大同スラグ」を存置することは、公有財産を破壊し、住民の健康を害し、周辺土壌を汚染し「住民の生活環境の保全上重大な支障をきたす」ので、前橋市長は、権限者である群馬県知事に対して「廃掃法」「土壌汚染対策法」に基づき怠ることなく速やかに「措置命令」を発出するようにただ望んでいるだけでなく、中核市である前橋市の市長として、自ら、措置命令を発出するよう勧告を求める。なぜなら、措置命令は都道府県知事の権限に属する事務であるが(廃掃法第19条の5第1項、第19条の8第2項)、前橋市長は法令(廃掃法第24条の2第1項、同法施行令第27条、地方自治法第252条の22第1項及び同項の中核市の指定に関する政令)により、上記事務をすることができるとされているからである。
4 請求書の要件審査
  請求書については、地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第242条に規定する要件を具備しているものと認められたので、平成28年7月13日に受理を決定した。

第2 監査の実施
1 監査対象項目
  請求の要旨から、以下の事項を監査対象項目とした。
(1)怠る事実の確認
  本市発注工事で使用された鉄鋼スラグを倣去せずに存置する方針を示したことが、違法若しくは不当に公有財産の管理を怠る事実に当たるか。
(2)損害の有無の確認
  上記のことにより、市に損害が発生しているか、又は発生する恐れがあるか。
(3)求められた措置への対応                   、-
  請求人から求められた措置を行う必要があるか。

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2 監査対象部局
  本件監査請求に係る事務を所管している以下の部局を監査の対象とした。
  環境部環境政策課、環境部廃棄物対策課、農政部農村整備課ご都市計画部区画整理課、建設部道路建設課、水道局下水道整備課
3 請求人の証拠の提出及び陳述
  請求人に対し、法第242条第6項の規定により、平成28年8月2日に証拠の提出及び陳述の機会を与えた。
4 監査対象部局職員の陳述等
  監査対象部局から、監査対象事項に関する資料の提出を求め、書類審査を行うとともに、平成28年8月2日に環境部環境政策課長、環境部廃棄物対策課長、建設部道路建設課長から請求書に記載された内容に対する陳述の聴取を行った。

第3 監査の結果
  本件請求についての監査の結果は、合議により、次のように決定した。
1 事実関係の確認
  監査対象部局に対する監査の結果、次の事項を確認した。なお、請求人の指摘箇所
  は鉄鋼スラグを含む再生砕石(以下「スラグ砕石」という。)を使用した富士見地区内の8路線(以下「8路線」という。)と新たにスラグ砕石を使用していることが分かった市発注工事6箇所(以下「6工事」という。)の2つに大別できることから、それぞれに分けて確認した。
(1)8路線について
 ア 大同特殊鋼鰹a川工場への出荷記録等の聞き取り調査により、当該路線にスラグ砕石が路盤材として使われた可能性が高く、その対応のため、本市と大同特殊鋼鰍ニの協議が行われ、「鉄鋼スラグを含む材料の処理に関する基本協定書」が締結されていることを関係書類により確認した。
 イ スラグ砕石から、環境安全品質基準を超えるフッ素が検出され、その内の7路線の路盤材下の土壌でフッ素の溶出量が上壌汚染対策法の基準値を超えていた。
  このため、本市は周辺井戸水への確認調査を行ったが、いずれも地下水環境基準値以下であったことを関係書類により確認した。
 ウ 8路線に係る安全対策のための工事は、平成28年度から実施する予定であることを関係書類により確認した。
  エ 当該路線は、勢多郡富士見村(平成21年に前橋市と合併)当時に、役場が原材料を支給し、地元住民が敷き均し施工したものと推定されることを所管課への聞き取りにより確認した。なお、関係書類の提出を求めたが、書類の保存年限を

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超過し、既に廃棄されていることから、関係書類を確認することはできなかった。
(2)6工事について
 ア 全ての工事箇所で、スラグ砕石が使われていることを工事関係書類において確認した。また、使用されたスラグ砕石については、メーカー発行の品質規格証明書(試験成績書)を所管課が確認したことを関係書類により確認した。
 イ 品質規格証明書(試験成績書)により、環境基準を満足していることが確認できたため、スラグ砕石を存置する方針決定したことを関係書類により確認した。
 ウ 工事箇所の工事請負契約及び施工については、財務規則、契約規則等にのっとり適正に行われていることを確認した。
2 監査委員の判断
  以上のような事実関係の確認、請求人の陳述、監査対象部局職員の陳述及び関係書類等から、本件請求について次のように判断する。
 法第242条第1項は、住民監査請求について、普通地方公共団体の住民は、当該普通地方公共団体の執行機関又は職員について、違法・不当な公金の支出、財産の取得又は契約の締結等の財務会計上の行為若しくは違法・不当に公金の賦課・徴収又は財産の管理を怠る事実が`あると認めるときは、これらを証する書面を添え、監査委員に対し、監査を求め、当該行為を防止・是正又は怠る事実を改めるか若しくは、当該行為又は怠る事実によって当該地方公共団体のこうむった損害を補填するために必要な措置を講ずべきことを請求することができる旨を規定している。
  ところで、請求人は、請求書及び陳述の内容から判断すると、当該スラグ砕石が産業廃棄物であり、国、群馬県及び渋川市で構成される「鉄鋼スラグに関する連絡会議」(以下「三者連絡会議」という。)の基本方針に準じて、本市がこれを存置する方針を示したことは、公有財産を破壊することから、市の財産管理に係る問題で、公有財産の管理を怠る事実に当たり、住民の健康を害し、周辺土壌を汚染し住民の生活環境の保全上重大な支障をきたすため、市長に対しスラグ砕石を撤去するように勧告することを主張しているものと解される。
  住民監査請求を前置要件とする住民訴訟の対象についての判決は、「その対象とされる事項は法242条第1項に定める事項、すなわち公金の支出、財産の取得・管理・処分、契約の締結・履行、債務その他の義務の負担、公金の賦課・徴収を怠る事実、財産の管理を怠る事実に限られるのであり、右事項はいずれも財務会計上の行為又は事実としての性質を有するものである。」また、道路建設工事について、道路建設行政の見地からする道路行政担当者としての行為(判断)は、「財産的価値に着目し、その価値の維持、保全を図る財務的処理を直接の目的とする財務会計上の財産管理行為には当たらないと解するのが相当である。」(平成2年4月12日最高裁判所判決)との

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判示を行っている。このことからすると、財産を一定の行政目的を実現するために支障のない状態に維持するような管理は、直接的には財産的価値の維持、保全を目的としていないことから、住民訴訟の対象にはならず、同様に住民監査請求の対象にもならないものと解される。
 これを本件についてみると、本市が三者連絡会議の基本方針に準じる対応(8路線は鉄鋼スラグを含む材料から環境基準値を超えるフッ素が検出されたため、安全対策を講じる。6工事は鉄鋼スラグを含む材料が環境基準を満足しているため、存置する。8路線及び6工事ともに市環境部の助言を受けながら適切に対応する。)を行うとしたことについては、環境保全という行政目的を実現するために行っているものであり、住民監査請求の対象となる、財産的価値に着目し、その価値の維持、保全を図る財務的処理を直接の目的とする財務会計上の財産管理行為には当たらない。
 以上のことから本件請求は、法第242条第1項に定める住民監査請求の対象に当たらないことから、これを却下する。
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■何ということでしょう。監査委員は、任意の三者連絡会議の基本方針を護持することにより、有毒スラグを存置することは環境保全の観点からも安全だし、財務会計的にもカネをかからないので問題ないから、住民監査請求をする資格が住民にはない、と判断したのです。

 これでは、環境保全のためにはスラグを放置するのが最適な方法だということになります。また、だからカネがかからないので、住民訴訟でいう財務会計上の行為には当たらないという、チグハグな論理で、我々の住民監査請求を却下してしまいました。

 これでは、市議会が議決した環境都市宣言は、監査委員の判断には全く影響を及ぼさなかったことになります。

 県都前橋市のシンボルである赤城山南麓に、東電グループにょる放射能汚染木材の燃焼のためのバイオマス燃料・発電施設に住民の意見も聞かずに県と一緒にゴーサインを出す自治体ならではの愚行だと言えます。

 当会としてはこのまま看過すると、これが前例となり全国的にサンパイの不法投棄を助長しかねないことを懸念しています。1か月以内に住民訴訟に踏み切るべきかどうか、慎重に検討したいと思います。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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