東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…当会の公開質問に対して再び不誠実な返事をよこした電中研   前橋Biomass発電問題・東電福一事故・東日本大震災

■前橋市鼻毛石町の赤城ビュータウンの隣にある赤城試験センターを管理する電中研は、もともと科学的に真理を探究し電気事業と社会に貢献できる技術を創出するため、1951年に創設された電気事業共同の研究機関でした。設立の目的からすれば、東日本大震災で崩壊した原発の安全神話を謙虚に反省し、どうしたら放射能の被害で国民を苦しめないようにするのか、我が国の国民の生活の安全・安心を第一に掲げたうえで、経済・社会の復興を目指すべきはずです。
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電中研から当会宛に送られてきた9月14日付の回答書。


 ところが、未曽有の事故を起こした原発の技術的欠陥とその結果、我が国の国土に及ぼした甚大な放射能汚染被害に目を向けることなく、逆に、身内の東京電力の尻拭いのために、放射能汚染木材の大規模な焼却施設を「バイオマス発電施設」と称して、東電のグループ会社の関電工らにつくらせようとしています。

 しかもその場所たるや、群馬県のシンボルである赤城山の南麓にある電中研赤城試験センターに目を付けて、福島原発事故の張本人である東電のグループ会社の関電工に敷地の一部を割譲し、放射能汚染木材の焼却施設建設を目論んでいます。

 電中研本来の設立目的からすれば、営利目的の施設を敷地内に建設すること等、言語道断です。電中研の創設者で「産業研究は知徳の錬磨であり、もって社会に貢献すべきだ」との理念を唱えていた故・松永安左エ門がこの計画を知れば、当然却下するはずですが、今や実質的に国の天下り機関になり下がった電力会社の共同運営組織である電中研では、周辺住民への目線は既に持ち合わせていないようです。

■その電中研に対して当会は今年5月に電中研の真意を測るべく公開質問状を提出しましたが、トンチンカンな内容の回答が送られてきました。経緯は次のブログを参照ください。
○2016年5月6日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…前橋バイオマス計画に関し電中研、トーセン、群森連、素生協に公開質問
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1989.html#readmore
○2016年6月26日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…前橋バイオマス計画に関し電中研から4週間遅れで届いた公開質問回答書
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2041.html#readmore

そこであらためて第2回目の公開質問状を、先日電中研に提出しました。内容は次のブログを参照ください。
○2016年9月1日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…赤城山の森と大地を関電工に売渡した電中研に第2回公開質問状を提出
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2112.html#readmore

■その結果、9月14日付で次の内容の回答書が当会事務局に郵送されてきました。

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                    赤城発 第 25号
                    平成28年9月14日
市民オンブズマン群馬
 代表者 小川 賢 殿
                     一般財団法人電力中央研究所
                          赤城試験センター

冠省
 先般、貴団体の本年5月6日付「公開質問状」に対して私共の本年6月10日付「回答書」を提出させて頂きましたが、今般これに対して8月31日付にて再度「公開質問状」なる文書を頂きました。そこで、改めて私共の趣旨を申し上げてご理解をお願いしたく、ここに本書を差し上げます。
 私共一般財団法人電力中央研究所は、学術研究団体としてこれまで一貫して研究施設とその敷地環境の適正な整備保全に努めて参りました。当センターに於いても、この目的に沿うために、松枯れ対策、枝払い、植樹活動(約17、000本)などの維持管理を含む森林環境の適正な整備及び保全に尽力しております。ご指摘の当所保有地一部売却に於きましても、地球環境保全のためのバイオマス発電に寄与するものであるとの理解の下、当所の研究活動に於いても何ら影響なく支障もないことから、実施したものであります。なお、具体的な発電所とその事業内容につきましては事業主体様へご照会頂ければ幸いです。また、処分にあたり適正な対価を得て居りますが、これは研究資金に充当するためであり、ご指摘のような所謂「営利」目的のものではありません。
 以上の次第につき、何卒ご理解を賜りますよう、返答申し上げます。
 当所と致しましても、引き続き関係法令を遵守することはもとより、地域の皆様と共に環境保全に尽力して参りたいと考えて居ります。今後とも宜しくご支援ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
                           草々
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■この回答を当会の公開質問状の内容に照らしてみると、当会が行った次の質問に対して、個別に回答していないことが分かります。当会の質問項目は次のとおりでした。

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質問1
 前回の公開質問状に対して、「その文面に事実誤認・誤解がある」との貴殿からのご指摘を賜りましたが、どの箇所が誤認・誤解しているのでしょうか?貴殿が指摘された全ての箇所に対し、それぞれ、「事実誤認・誤解の内容」と、貴殿が考える「正しい事実認識・理解」とを対比させたうえで、正しい事実とは何か、について分かり易く明確にご教示ください。

質問2
 土地の売買に対して、貴殿は「法令上の要請は無かったので、県等には相談しなかった」と前回回答されました。これに関連して、『群馬県水源地域保全条例』の「第6条」には、森林の所有者等の責務として、「森林の適正な整備及び保全に努めるとともに、県及び市町村が実施する水源地域の保全に関する施策に協力するよう努めなければならない」と書かれています。貴殿はこの観点にもとづき、「森林の適正な整備や保全すること務めるがゆえに、火力発電会社に土地を売った」のでしょうか?森林所有者の責務を放棄してまで行った理由をお聞かせください。
 また、「第12条」では、「土地売買等の契約を締結しようとする日の三十日前までに、知事に届け出なければならない。」と明記されています。しかるに、私たちの問題提起を無視した挙句に、なぜ1年近くも遅れて提出するに至ったのでしょうか?ぜひそのわけをお教えください。


質問3
 発電所が建設される場所は、鳥類飛翔観測システムのある場所で、今もなお、研究が続いていると聞いていますが、バイオマス発電所建設による悪影響は無いのでしょうか?
また、当該地番が火力発電所として相応しいと判断したのは、電中研殿ですか?それとも関電工殿ですか?電中研殿が判断したのであれば、その判断の根拠をお聞かせください。
 あるいは、関電工殿が判断したのであれば、電中研としてその場所の選定による鳥類飛翔観測システムへの影響がないという判断結果を受け入れた理由を教えてください。


質問4
 「売却は営利目的でもなく事業でもないから定款に反していない」と前回の回答書で貴殿からお答えしていただきました。しかし売却に際し、1円でも収入があれば営利なのではないでしょうか?
 また、電力中央研究所殿は電力各社が出資して行っている研究施設ですが、そのなかで、東京電力殿は最大の電力会社であり、その子会社である関電工殿への土地の譲渡と発電事業による除染事業はまさにグループ会社の一体的な取り組みと言われても仕方がないと考えます。このことについて、国民に対して胸を這って良いことをしていると言い切れますか?
 さらに、この発電所の建設で3.11の被害を拡散する恐れや土壌また地下水の汚染が懸念されます。このことについて、電中研殿は「まったくそのような懸念や恐れは有り得ない」と国民に対して言い切れますか?
 ちなみに私たちの会にも、自由に貴所から土地を売ってもらうことは可能ですか?その可否について、可能な場合の理由を、あるいは不可能であればその理由をお聞かせください。

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■これに対して電中研の十把ひとからげの回答の要旨は次の内容となります。

@ 敷地内に関電工に作らせるバイオマス燃料・発電施設について、地球環境保全に寄与すると考えていること。

A バイオマス燃料・発電施設に関する具体的な事業内容は、住民らが関電工らに聞けばよいこと。

B バイオマス燃料・発電施設のための土地売却の対価は研究資金に充当するから営利目的ではないこと。

C 電中研として引き続き関係法令を遵守することはもとより、地域の皆様と共に環境保全に尽力して参りたいと考えていること。


 以上の通り、極めて不誠実な回答であることがわかります。とりわけ次の点について上から目線の回答内容だと痛感させられます。

(1)バイオマス発電が環境保全に寄与するのであれば、なぜ放射能汚染のない西日本などの地域で実施しないのか?

(2)電中研を取り仕切る東電の子会社が行う事業について、なぜ環境保全に寄与するというのであれば、専門的な観点から住民側にその事業の内容を関電工に代位してわかりやすく説明すべきなのに、なぜシランプリをするのか?

(3)20年間の時限的なFIT事業であるバイオマス発電施設であれば、なぜ賃貸での土地提供による研究資金への充当という選択をしないのか?

(4)「地域のみなさまとともに環境保全に尽力したい」のであれば、なぜこのような誠意の見えない回答をよこすのか?


■このように東電が牛耳る電力業界の関連組織である電中研の対応からも分かるように、東電及びその関連企業が行う事業は、カネにあかせて政官業を自在にコントロールし、説明責任を果たすどころか住民不在の強引としか思えない手法優先で、手続きが進められてしまいます。

 住民の意見を代弁するはずの前橋市議会でも、9月9日の定例議会で、赤城山南麓の森林区域などで太陽光や風力、バイオマスなど再生可能エネルギーの発電施設の設置を規制するための「前橋市自然環境、景観等と再生可能エネルギー発電設備設置事業との調和に関する条例」案が可決されましたが、その原案の内容については既に申請済みの案件は対象外だとしているうえに、規制範囲も大甘になっていることから、地元住民の皆さんは条例の修正を求めていました。しかし、共産党から出された修正案に対して、次の3会派から反対説明がありました。

・創生前橋    窪田出市議
 http://maebashi.gikai-tv.net/dt_giin.html?id=1799
・市民フォーラム 角田修一市議(東電社員)
 http://maebashi.gikai-tv.net/dt_giin.html?id=1783
・公明党     石塚武市議
 http://maebashi.gikai-tv.net/dt_giin.html?id=1801

 これら3会派とも「条例は再生可能エネルギーの開発と自然環境との調和を目指すもので開発を抑制するものではない。従って修正案に反対」との意見陳述でした。

 市民から寄せられた400件を超えるパブリックコメントについては、3会派からは全く発言がなく、市民目線の感じられない議会でのやりとりでした。何のためにパブリックコメントを求めたのか、傍聴していた当会副代表をはじめ、住民の皆さんは理解に苦しむほかありませんでした。

 しかも修正案の採決について、発議した共産党議員4名のみ賛成したものの、反対が多数となり、そのあと条例の原案採決では、修正案を発議したはずの共産党議員を含め全員が賛成するありさまで、傍聴していた住民らを困惑させる結果となりました。

■当会は、地元住民の皆さんとともに住民訴訟を通じて、ふるさと群馬に似つかわしくない亡国事業に支払われる補助金の差止めを求めて法廷で争ってゆく所存です。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※関連情報1:前橋バイオマス発電に関する読者投書記事
**********東京新聞「発言」欄2016年9月15日 PDF ⇒ v160915.pdf
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議員政活費を市民のために
      環境保護団体役員 羽鳥昌行54(前橋市)
 前橋市議会で先日、再生エネルギーの環境保全条例が成立した。放射能に汚染された間伐材チップも燃やすという木質バイオマス発電が来春には稼働する予定で、業者は一日四十トンもの汚染された廃液を、放射能を除去せず地下に流すという。環境との調和はどうなるのだろうか。
 チップ工場には国と県から多額の補助金が決まっている。私たちは群馬県や前橋市、議員や事業者に実証実験等を訴えてきたが、門前払いとなった。四百件超のパブリツクコメントを、市は問題なしと無視した。
 議員も役人の説明を鵜呑みにし、原案通り可決した。
 批判の多い政務活動費だが、議員はこうした案件にこそ、それを使い、問題の有無を調べてもらいたい。
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※関連情報2:前橋バイオマス発電に関する読者投稿記事
**********自然と人間2016.9月号
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赤城南麓の木質バイオマス発電計画はおかしなことばかり
     野原潤一
     赤城山の自然と環境を考える会
  ※赤城山の自然と環境を守る会(会長・横川忠重)ブログ
   http://blogs.yahoo.co.jp/akagibaiohantai

 私たちは、群馬県前橋市の赤城山南麓に住んでいます。再生エネルギー(太陽光、水力、風力、バイオマスなど)は、原子力発電の代替エネルギーとして積極的に活用すべきだと考えています。しかし、関電工(東京都)とトーセン(栃木県)は、赤城山南麓の前橋市苗ケ島町に巨大な木質バイオマス火力発電所を、住宅地に接する形で、住民の理解もなしに強引に建設しようとしています。
 計画内容を調べると大企業の傲慢と補助金にむらがる企業と行政の構図が浮かびあがります。

○燃料は放射能汚染された森林から?

 群馬県の北毛、束毛、西毛地区の森林エリアは福島第一原発事故の影響で放射能に汚染されています。特にみなかみ町、沼田市、川場村、桐生市・みどり市の北部は放射性セシウム沈着量が1平方メートルあたり6万〜10万ベクレルと報道されました。
 私たちは関電工に、間伐材はどのエリアの森林から調達するのか、間伐材に付着しているセシウム量はどの位なのか、調査して数値を公表してくださいと求めましたが、回答がありません。関電工は私たちの不安に対し説明責任を果たすべきです。
 一方、7月28日の日経新聞電子版「群馬で木質バイオマス発電燃料収集 トーセン、関電工向け」の記事で、群馬県北部のそれも放射能汚染がひどかった地域の森林から月1500トンの燃料用のチップを調達することが明らかにされました。森林の問伐材の汚染量や、燃料とした場合には焼却灰の放射能がどの位になるかきちんと調査し公表することが先決です。

○情報開示資料からびっくりポンの真実

 情報開示で明らかになった関電工が国・県の補助金申請した資料には、個別訪問形式で良いと前橋市が助言したと記載されています。住民説明会を求めることが市民の期待に応えるべき行政の姿ではないでしょうか。
 また、前橋市宅地開発指導要綱に基づく事前協議に関する覚書では、「周辺住民に事業内容を良く説明し、了解を得て現在及び将来においてトラブルを生ずることのないように努めなければならない」とあります。しかし、やっと開催された住民説明会も開発計画を承諾させるためのアリバイづくりにしか思えません。関電工は、議事録の発行もない、重要なことは企業秘密で開示しないという姿勢で、とても覚書を遵守しているとは思えません。
 さらに、群馬県環境評価条例には新設工場の総排ガス量が毎時4万立法メートルを超える場合、環境影響評価を実施しなければならないと規定されています。県環境政策課は基準値を超えていると思われるが20%の水分量を除外して計算して良いとし、環境影響評価は不必要との判断を下しました。このような条例変更ともいえる解釈改変を一担当課で判断してよいわけがありません。
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 風光明美で知られる百名山の赤城山、桜の名所100選のみやぎ干本桜の森公園、歴史のある赤城神社周辺の自然と環境は危機にあります。計画を中断し住民との誠意ある話し合いを求めます。
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