東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…2度目の住民監査請求で県監査委員らに陳述と追加証拠を提出  前橋Biomass発電問題・東電福一事故・東日本大震災

■10月20日(木)午後2時から、群馬県庁26階にある群馬県監査委員事務局で、前橋バイオマス発電計画を巡る燃料用木質チップ製造施設への補助金の支払取消の為の2度目の住民監査請求にかかる陳述と追加証拠の提出を行いましたので、報告します。
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2016年10月20日午後2時から開催された住民監査請求の陳述会場となった県庁26階にある群馬県監査委員事務局の隣にある会議室。このあと、監査委員4名と事務局職員らが入室してきて陳述が開始された。が、始まる前にひと悶着。傍聴に来られた当会会員が傍聴席に座ろうとしたところ、事務局の職員から「ここはダメ。端のほうから詰めて着席すること」とクレームが付きました。「えっ、そんなこと規則できまっているの?」とたずねると、職員は「監査委員からそういわれている」の一点張り。前回、県議会議長公用車目的外使用の住民監査請求の陳述で、当会副代表からコテンパンに言われたため、監査委員側も相当ピリピリしていることが窺えた。詳しくは次頁で。



 当日は、正午前に千葉県北部で震度4の地震があり、東京駅から乗る予定だった新幹線が15分ほど遅れましたが、前橋県庁の住民監査請求にかかる陳述会場にはなんとか定刻に間に合わせることができました。

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26階エレベーターホールの壁に貼られた案内。
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受付で請求人や傍聴者は住所と氏名を記帳させられる。
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陳述開始の直前の会場内の様子。監査委員の左右に監査委員事務局の職員らが陣取る。

 当日は、前回と異なり、実施機関である環境森林部の関係職員らは立会人として参加せず、監査事務局の職員らしか出席しませんでした。また、監査委員のうち、代表監査委員だった横田委員は最近リタイヤしたらしく、弁護士の丸山幸男氏が代表監査委員として着席していました。このあたりの経緯は当会副代表の次のブログに詳しく掲載されています。
〇2016年10月05日:横田秀治群馬県監査委員長が監査委員会から逃げ出した・・・
http://ookawara.doorblog.jp/archives/48595186.html
〇2016年09年22日:群馬県の監査委員を手玉に取る群馬県庁職員共
http://ookawara.doorblog.jp/archives/48503454.html
(動画)大河原宗平リポートvol.002
https://www.youtube.com/watch?v=730bW084knI
(動画)大河原宗平リポートvol.001
https://www.youtube.com/watch?v=2BFuWlixWLI

■それでは本日の住民監査請求で行った陳述の内容を次に記します。

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            陳述と追加証拠の提出

                          2016年10月20日
                          請求人 小川 賢
                          同   羽鳥 昌行
 請求人らは追加の証拠として、次の事項を示す。

(1)補助事業の目的から逸脱していること
 農林水産省が平成27年1月28日に発表した「小規模な木質バイオマス発電の推進について」(事実証明書12)は、燃料チップとして、C材(大曲材)やD材(残材)が使用されることが想定されているのに対して(P4)、一方、10カ年計画の中間年の平成28年4月に改正された「群馬県森林・林業基本計画」(事実証明書13)においては、大規模な皆伐という文言が初めて登場し、東京ドーム64個分の皆伐計画(P18)は、燃やすための皆伐なので、本末転倒である。

 「森林整備加速化・林業再生事業費補助金等交付要綱」(事実証明書14)には、交付の目的として、補助金は、森林・林業・木材産業を取り巻く喫緊の課題の解決に向けた地域の創意工夫に基づく総合的な取組を支援すると。「森林整備加速化・林業再生事業実施要綱」(事実証明書15)には、東日本大震災からの復興を着実に推進するとともに、森林の多面的機能を発揮しつつ林業の成長産業化を実現することとする。
 「森林整備加速化・林業再生基金事業実施要領」(事実証明書16)には、4 都道府県知事は、事業計画を作成するに当たっては森林・林業基本法(昭和39年法律第161号)第11条第1項の規定に基づく森林・林業基本計画、森林法(昭和26年法律第249号)第4条に定める全国森林計画、同法第4条第5項に定める森林整備保全事業計画、同法第5条に定める地域森林計画、同法第10条の5に定める関係市町村の市町村森林整備計画、林業経営基盤の強化等の促進のための資金の融通等に関する暫定措置法(昭和54年法律第51号)第2条の2第2項の規定に基づく林業経営基盤の強化並びに木材の生産及び流通の合理化に関する事項についての基本構想、木材の安定供給の確保に関する特別措置法(平成18年法律第47号)第4条第3項の規定に基づく木材安定供給確保事業に関する計画、林業労働力の確保の促進に関する法律(平成8年法律第45号)第4条第1項の規定に基づく林業労働力の確保の促進に関する基本計画、関係する流域において策定されている流域林業活性化実施計画及び地域振興に関する基本的な計画又は方針との調和を図るとともに、関係行政機関、民間非営利団体及び地域住民等との必要な調整を図るものとする。(P1〜2)と規定されているが、地域住民等との必要な調整が全く図られていないことから、大澤知事は、その責務を果たしておらず、基金事業として成立していない。

(2)補助金交付を受ける資格がないこと
 そもそも、事業主体である関電工は、東証1部に上場する企業で有り、その平成27年3月期決算短信事実証明書30)を見ても信用力、財務力に懸念は微塵も見られず、東電グループの中核的企業として、なにひとつ事業推進における財務的な不安材料はあたらない。その関電工が出資する前橋バイオマス燃料鰍ェ、燃料用木質チップを製造するために補助金交付を受ける必要はなく、施設建設に必要な資金は既にFIT制度による売電収入で安定的に確保できるのであるから、金融機関の融資を受ける際にも、関電工の信用力をもってさえすれば、何の問題もない筈である。したがって、このような財務的に優良な企業が出資する前橋バイオマス燃料鰍ノ、FIT制度に加えて、さらなる補助金を交付することは、補助金の二重取りである。前橋バイオマス燃料には、群馬県森林組合連合会や群馬県素材生産流通組合も出資しているが、これらの団体も林業行政による補助金漬けであり、補助金の三重、四重取りとなる本事業への補助金交付は健全な事業活動を歪めるものであるから、直ちに白紙撤回されなければならない。

(3)地元及び周辺住民への事業に関する周知が不徹底であること
 前回、陳述時に追加証拠として提出した福島における子どもの甲状腺がんの発生率増加の証拠事実証明書10と11)に関しても、このような重大なリスクを無視している関電工はもとより、県民の安全・安心な生活環境等の保全義務と権限を持つ群馬県が率先して住民に事前に伝えるように指導をしてこなかったことは重大な不作為である。

(4)事業主体の出資者である関電工の社是や環境方針と合致しないこと
 関電工のホームページに、次のとおり明記されている。

炭素社会の実現に向けて、当社は、1995年に「関電工環境基本方針」を制定し、「建設副産物の発生抑制・再利用」「地球温暖化防止」「有害物質対策」「社員の環境教育」を重点的に推進する。また、環境基本方針の行動指針に法規制及び協定書を遵守するとともに、環境に関する自主基準を制定し、環境保全に取り組みます。

 にもかかわらず、本事業計画に対して、出資者である関電工は、自ら制定したはずの環境に関する自主基準を一切制定しようとしない。このようなCSR(企業の社会的責任)の欠落した企業に補助金を交付してはならない。

(5)安全な間伐材を県内から安定的に調達することは不可能であること
 群馬県は、平成27年3月に「群馬県森林・林業基本計画」(事実証明書13)を見直し、前橋バイオマス発電の燃料確保を主目的とする東京ドーム64個分の皆伐をする計画を決めた。本来、木質バイオマス発電は、林地残材を活用する目的で有ったはずが、いつの間にか、間伐材を加えても燃料の確保が出来ないことから、急遽、群馬県史上最大の皆伐計画を決めた。これは、本末転倒であり、群馬県の未来の森林や林業にとって良いこととは決して言えない。

(6)事業主体の信頼性に瑕疵があること
 「前橋木質バイオマス発電事業計画について」(事実証明書17)において、稼働までのスケジュール事実証明書17のP1)を見ると、平成27年10月に燃料製造施設の工事を着手すると、発電の本格稼働は平成29年6月になるというスケジュールは、補助金を一日でも早く支給させ、住民の反対運動が起こる前に稼働をさせてしまおうとするスケジュールになっている。なぜならば、実際に工事を着手したのは、平成28年9月であり、計画から11か月遅れているにも関わらず、本格稼働は平成29年6月と計画と変わらないということは、虚偽のスケジュールを画策した可能性が非常に高い。
 それは、「工程表」(事実証明書17のP11)に明確に現れている。表の下段に、平成28年3月までに燃料工場が完成していなければ、平成29年6月の発電開始に後れを生ずることになると。しかし、実際は、前述の状況であり、明らかに、群馬県知事をだまし、事業を早期に認めさせ、補助金を早期に受け取ろうとする計画である。事業主体の前橋バイオマス燃料鰍ヘ、「原木は、9か月間乾燥する必要がある」という一般論を掲げ、この嘘のスケジュールをでっち上げた。平成28年8月27日に関電工のバイオマスプロジェクトの責任者である福本氏に口頭で確認したところ、同氏は「間伐から燃焼までの平均期間は、3か月である」と明言した。関電工、トーセンは、大澤知事に対し、半年以上の日程を鯖読みして申請しているのは、本事業計画自体がずさんであることの証左であり、事業主体の信頼性に欠陥があることは事実としか言いようがない。
 それでは、こうした計画途中での変更の理由として、燃料用間伐材等の乾燥期間が短縮できるプレス式の脱水装置の導入が影響しているのであろうか? このことは、「平成27年度前橋チップ工場事業計画」(事実証明書17のP21)を見るとわかる。それは、「燃料乾燥施設」としか項目に書かれていないが、総事業費が平成28年6月に提出された本申請書である「平成27年度(繰越)群馬県林業・木材産業再生緊急対策事業補助金交付申請書」(証拠説明書24)のその総額と1円たりとも違っていないからだ。このことから、昨年6月の申請の時点で、すでにチップのプレスによる脱水方式が確定していたのは間違いないことがわかる。つまり、その時点で、「乾燥に9か月を要す」というのは、この前橋バイオマス燃料の工程としては、当時から実態として想定していなかったことがうかがえる。これは、「打合図」(証拠説明書17のP72・74)を見ても、「プレス」としっかり記載されている。
 補助金を受給する前橋バイオマス燃料は、トーセンが中心となり事業を行うわけであるが、第1回説明会が行われた平成27年10月の時点で初めて地域住民はトーセンの存在を知った。それまでは、関電工は、すべての事業を行う素振りをしギリギリまでトーセンの存在を隠していた。それは、トーセンという企業はチップ工場で山火事を起こしたり、福島の汚染されたチップ等を持ち込んだり、かなり評判の悪い企業だからである。また、『まだ仕様が確定していない』として詳しい説明を同年12月まで先延ばしした。しかし、その同年12月の説明会においても、説明用の提示資料事実証明書18)は1ページ程度の非常に簡単なものでしかなかった。その際、トーセンは2名出席したが、関電工が『しゃべるな』とトーセンの説明を封殺した。したがって、4億8000万円の補助金を支給されるトーセンは、住民に対して、一言も説明していないのは明白の事実である。しかし、群馬県の林業振興課は、「(トーセンが説明会の)席に着いた」ということで、それ以上の説明責任の欠如に関する追及をしようとしない。これは行政の怠慢という他にない。
 知事がだまされたという事実についてであるが、「平成27年9月補正予算知事査定」(事実証明書1)で、2の緊急性・必要性の中で、知事は「原木の調達・乾燥に9か月必要」のため早期に燃料製造施設整備を行う必要があると明記している。そのことにより、「群馬県の森林・林業基本計画の素材生産量が目標の1年前倒しで達成できる」として、知事は「木質バイオマス燃料・発電とウィン・ウィンの関係がここに成立した瞬間である」と評価した。しかし、この過程で、住民の不安や環境への配慮は置き去りにされたことは疑いもない事実である。
 また、知事はこの知事査定の中で、「燃料チップの需要が、県内の素材生産量の3割に相当する」と需要が拡大するとの判断であるが、未利用材を使ったバイオマス発電からかけはなれてしまい、燃やすための発電ありきの皆伐がここに成立してしまった。
 以上の事は、事業主体である関電工らによるこうしたズサンな事業計画を鵜呑みにしたことが原因で有り、未成熟な事業に補助金を交付してはならない。

(7)放射能汚染対策に重大な不備があること
 森林の放射能除染対策の観点から次の重大な問題点を指摘しておかなければならない。
 除染情報サイトによると、森林全体の除染について、環境省と林野庁が連携し、各種取組を推進することになっている。環境省は、住民の安全・安心を確保するため、森林から生活圏への放射性物質の流出・拡散の実態把握と流出・拡散防止対策を推進する。
 具体的な取組は、住居等に隣接している森林の林縁から20m以遠の下層植生が衰退している箇所について、放射性物質の流出対策の効果や流出の影響等を調査するため、数箇所において木柵工の設置等試行的な放射性物質の流出・拡散防止対策事業を実施する。
 林縁において、風向計、連続自動線量測定装置を設置し、風向・風況による線量変動の調査、ダストサンプリングによる飛来物質の放射性濃度の測定を実施するとある。(環境省・除染情報サイト・森林除染についてより)。また、その中で、「森林における今後の方向性」として、林野庁は、放射物質の影響に対処しつつ、適正な森林管理を進めていくための方策の推進として、林業再生対策の実証、放射性物質の拡散防止等の技術の検証・開発を。環境省は、住民の安心・安全の確保のため、森林から生活圏への放射性物質の流出・拡散の実態把握と流出・拡散防止を推進とし、下層植生が衰退している箇所における試行的な流出防止対策の実施、森林からの放射性物質の飛来等の実態把握と役割の役割がある。しかし、環境省の有識者会議は昨年12月、住宅などの生活圏から約20メートル以上離れた森林は土壌流出の危険があるとして原則、除染はしない方針を決定している。さらに、群馬県等の放射性濃度が高い地域は、汚染状況重点調査地域に指定されているが、どこの自治体も森林除染については、里山(ほだ場)や奥山は一切除染が出来ていない。最近になり、一部の自治体から反対があり、福島県内ではモデル地区を設定し、ようやく人が出入りする里山については、除染する研究を始めたところである。そういった、除染対象にも関わらず、除染が出来ない森林の間伐材を、汚染された土壌の流出対策や飛散対策も行わないまま、自由に伐採し、移動し、燃やして発電し、営利を追求してよいのだろうか。まさに、住民や動植物の健康や田畑への被害、そして風評被害を犠牲にした間違った行いである。
 昨年10月の第一回説明会では、関電工は、使用する間伐材は、万が一材料に不足が生じた際のみ県外(長野県、栃木県、埼玉県)から入手するとしている。特に長野県や栃木県は群馬県と同じように汚染が酷く、やはり汚染状況重点調査地域に指定されている自治体が多く存在している。このため、県外から放射能汚染の木材が持ち込まれるリスクに晒されている。
よって、本事業のような危険な森林除染対策に、血税である補助金を投入することはありえない。
 また、チップの脱水による、排液や発電工場排水について、11トン/hrを山麓へ地下浸透することは食の安全(飲料水への汚染ポテンシャル)、防災面(斜面の地滑り加速因子)からも問題である。
 ちなみに、原木のまま土場等で数カ月自然乾燥させることで、水分が20〜30%程度まで下がると言われている(事実証明書28:林野庁・再生可能エネルギーを活用した地域活性化の手引きP31)。
 さらに、燃料用の原木では、国内・海外ともに人工乾燥を行っている事例は ほとんど見られない(事実証明書29:第3回信州しおじり木質バイオマス推進協議会・発電部会 調査経過報告のP8)。通常は季節により3か月〜6ヵ月の期間置いておく。より長期にわたって置いておけば含水率は更に低下するが、乾燥速度は急激に遅くなっていく(事実証明書29:第3回信州しおじり木質バイオマス推進協議会・発電部会 調査経過報告のP12)。

(8)本事業主体の運営・技術面に係るレベルと実績等がお粗末であること
 平成28年6月に提出された補助金交付申請書事実証明書17−2)には、平成27年10月21日に報告された「森林整備加速化・林業再生基金事業診断書」(事実証明書17−2のP8/23)が含まれている。この中の「4.群馬県における木質バイオマス活用推進策」で、D木材のチップ化等、利用方法の少ない低質材や中目材の活用に向けた加工施設の整備をうたっているが(P3)、低質材等では、年間8万トンの燃料チップを集荷するのは不可能であり、そのために、県は東京ドーム64個分の森林の皆伐を計画するに至った。つまり、関電工ら事業主体による本事業は、群馬県が打ち出した群馬県森林・林業基本計画に対して180度異なっていることになる。
 また、「5.前橋市における木質バイオマス活用推進策」についても、同市は平成32年までのバイオマス発電の増加量を、すべてのバイオマス発電量を足し合わせた場合でも400kWの増加しか見込んでいない(P3)。すなわち、6,700kWという大規模バイオマス発電は、前橋市の計画にはないことになり、前橋バイオマス発電計画は、県や市の計画に反している計画である。にも関わらず、「県の林業施策に沿った目的」と妥当性の診断を下している。情報公開では、この診断した事業所は公開されていないが、誤った診断をしており、中立・公正な診断が行われたとは言い難い。
 「事業主体及び推進体制の妥当性」の項目として、事業主体は、「前橋バイオマス株式会社」とし、販売先である企業を「前橋バイオマス株式会社」であるとしており、両社とも存在しない企業名である(P4)。本当に、正当な診断がなされたのかどうか、甚だ疑問である。また、「関電工を通して十分な意思疎通が図れる」としているが、これまでの三度の説明会や度重なる折衝の中でも、とても意思疎通が図れているとは言い難く、トーセンは、関電工を隠れ蓑にしているとしか感じられない。
 次に、計量装置の評価であるが、説明会等では、放射性物質の受け入れ管理を、このトラックスケールで行うと群馬県や前橋市にも説明しているが、この診断書には放射能測定や管理という文言は一度も出てこない(P6)。
 次に、脱水設備であるが、効果しか記載されておらず、廃液量や廃液管理、放射能管理など、まったく触れていない。これは、本当に、重大な問題である。

(9)環境アセスメントを実施しないまま計画を脱法的に進めようとしていること
 平成27年6月下旬から7月上旬頃に、群馬県の林業振興課に関電工・トーセンから提出された補助金申請に関する事前資料の事業経過によると、関電工が県環境政策課に「環境アセスメントの適応有無について協議を開始」し、同年3月に「適応対象とならない」ことを環境政策課に確認していると報告書に明記しています。そして、平成28年9月24日に関電工の福本氏らは、「排ガス量2割減はどちらから言い出したのか」との請求人羽鳥の質問に対し、環境政策課の方から「2割減という考え方がある」と言われたという。
 一方、環境政策課は、請求人羽鳥と3月4日から7月19日までのメールのやり取り(事実証明書19)では、関電工と異なることを言っている。関電工から、総排ガス量がアセスメント基準である40,000㎥/hを超え42,000㎥/hであることは、平成27年4月頃関電工の照会で知ったという。群馬県は、全国の状況、再生エネルギー導入の推進、社会情勢の観点から『2割減』を平成27年3月末に決定し、同年4月1日から運用を開始したという。
しかし、まず、時期の問題であるが、関電工が平成27年1月に協議を開始したのは、環境アセスメントをやらずに済む方法を群馬県に相談に言ったことは間違いないだろう。それは、群馬県環境アセスメント条例には、排ガス量40,000㎥/h以上の事業所は、第一種事業となり、『環境影響評価を実施しなければならない』と明記されているから、排ガス量が40,000㎥/hを超えている関電工は、条例にしたがい、環境アセスメントを実施しなければならないはずだからである。しかし、関電工は、環境アセスメントを行うと事業開始が2年から3年遅れ、採算がとれないことから、群馬県に協議と称し、圧力をかけた疑いもある。
 そして、環境政策課は、抜け道として、『運用の変更』という突拍子もない荒業を企てたことが推測される。環境アセスメントの基準を変更する、しかも、基準を緩和するという暴挙は、群馬県環境影響評価条例の目的である『現在及び将来の県民の健康で文化的な生活の確保に資する』という県民との約束を蔑ろにしたものであり、県民に対する裏切り行為である。東京ドーム64個分の森林の大規模な皆伐により、自分たちの森林・林業計画の達成と関電工の事業化を推進するというウィン・ウィンの関係で、県民の健康や信頼関係、環境破壊、風評被害、条例等は全く無視している。
 また、同条例の第2章では、知事の責務が明記されており、『科学的知見に基づき、環境影響評価の項目並びに当該項目に係る調査、予測及び評価を合理的に行うための手法の選定その他の環境影響評価を行うために必要な技術的事項に関する指針(以下「技術指針」という。)を定めるものとする』と明記されています。そして、常に必要な科学的判断を加え、変更を行わなければならならず、定めるに当たっては、あらかじめ群馬県環境影響評価技術審査会の意見を聴かなければならないとし、定めたときは、遅滞なく、その内容を公表しなければならないと明記されている。3.11の東日本大震災以来、群馬県の自然環境は放射能により大きく変わってしまった。にも関わらず、大沢知事は、責務を放棄し、技術指針の見直しや改定をまったくしておらず、今回の木質バイオマス火力発電等への対応が出来ずにいる。
 そして、運用を変更した目的の理由として、全国の状況を見てとメールで応えていますが(事実証明書19:平成28年6月3日の回答)、どこの自治体か問うと、今度は、再生エネルギー導入の推進の観点から(事実証明書19:平成28年6月22日の回答)と、理由を変えている。さらに問うと、社会情勢の観点から(事実証明書19:平成28年7月19日の回答)と三度、理由を変更した。この中で、全国の状況や社会情勢は、アセスメント実施基準を再生エネルギー推進のために緩めるなんて自治体は、恥ずかしながら群馬県以外見当たらない。長野県に確認したが、木質バイオマスに対して排ガス量の基準を緩和することは全く考えておらず、また、実施については、群馬県は「実施するしないは業者の判断」といい加減なことを言うが、長野県は「MAST要件である」と回答した。【事実証明書19:平成27年7月22日・25日のメールにて】
 一方、請求人小川は、平成28年3月31日に環境政策課を訪れ、職員の唐澤素子と面談した際、本件環境アセスメントについて県の環境影響評価条例が歪めて適用されていることが、同職員と上司の遠藤係長との話から分かった(事実証明書20)。さらに、このとき、遠藤係長に条例を歪めて適用した事実関係について情報公開をして確認したところ、平成28年5月7日付で公文書不存在決定通知事実証明書27)が環境政策課から発出され、文書での確認が行われなかったことが判明した。ところが、その後、請求人羽鳥が別件で情報開示請求を行ったところ、環境政策課内部文書として平成27年3月30日付で唐澤素子職員が起案し、飯塚幸生環境政策課長が翌3月31日に決裁したという文書が存在することが判明した(事実証明書26)。
 したがって、群馬県は、環境影響評価の実施基準を勝手に捻じ曲げ、だれの承認もなく、県民への公表もせず、関電工を助けたことは間違いのない事実としか言いようがなく、こうした行為は県民に対する背信行為である。よって直ちに関電工の本件事業は群馬県環境影響評価条例が適用されなければならず、環境アセスメントを行わない事業に対して補助金を支出してはならない。

 以上のさまざまな観点から、現在のところ森林内に隔離されている放射能汚染物質だが、本事業が実施されれば、これらの危険物質が人家の近くに大量に持ち込まれることになる。しかも焼却をすることにより、さらに放射線レベルが高くなり、一層危険度が増すことになる。この結果、放射能汚染の拡散と高レベルの放射能物質発生を招くという脅威に群馬県民がひろく晒されるのである。このため、憲法に定める多数の住民の生存権が脅かされているのであるから、被告知事大澤には、本事業に対する補助金の交付による財政支出を停止する措置をとる義務がある。

                事実証明書
   (下線項目は、既に提出済みのもの。その他は今回追加提出する証拠)
1.平成27年度9月補正予算検討案(知事査定)
2.椛O橋バイオマスの履歴事項全部証明書(平成27年9月27日以前)
3.椛O橋バイオマスの定款(平成27年9月27日以前)
4.椛O橋バイオマス燃料の路歴全部証明書(平成27年9月28日以降)
5.椛O橋バイオマス発電の履歴全部証明書
6.椛O橋バイオマス発電の定款
7.近隣住民への説明経過(林業振興課 開示資料)
8.地元説明会で関電工が配布した説明資料の一部「環境対策(放射能測定)」
9.その他、事業主体の説明不足やルール違反の経緯等を示す証拠

10.甲状腺がん異常多発津田論文と国際環境疫学会の書簡の意義:PDF ⇒ 10bbnqis.pdf
11.明白な甲状腺がん異常多発と健康障害の進行:PDF ⇒ 11bbc_uw.pdf
12.小規模な木質バイオマス発電の推進について:PDF ⇒ 12kocixdi.pdf
13.群馬県森林・林業基本計画
   平成23年11月版その1:PDF ⇒ 1311qnxevih2332nxjh23.11.pdf
   平成23年11月版その2:PDF ⇒ 1312qnxevih2332nxjh23.11.pdf
   平成28年3月改正版の要約版:PDF ⇒ 132qnxevvih2332nxjh28.3.pdf
   平成28年3月改正版その1:PDF ⇒ 1331qnxevih2332nxjh28.3.pdf
   平成28年3月改正版その2:PDF ⇒ 1332qnxevih2332nxjh28.3.pdf
14.森林整備加速化・林業再生事業費補助金等交付要綱:PDF ⇒ 14xetvj.pdf
15.森林整備加速化・林業再生事業実施要綱:PDF ⇒ 15xevj.pdf
16.森林整備加速化・林業再生基金事業実施要領:PDF ⇒ 16xev.pdf
17.前橋木質バイオマス発電事業計画について
   計画内容その1:PDF ⇒ 1711oocixdv.pdf
   計画内容その2:PDF ⇒ 1712oocixdv.pdf
   17−2.補助金申請書(平成28年6月28日):PDF ⇒ i28n628j.pdf
18.平成27年12月の関電工による説明会における説明用の提示資料:PDF ⇒ 18bvi12.20j.pdf
19.群馬県とのメールのやりとりの綴り:PDF ⇒ 19rkxqn.pdf
20.平成28年3月31日の環境政策課とのヒヤリングメモ:PDF ⇒ 20qo160331nvfqbe.pdf
21.H28.6.17渋川森林事務所「平成27年度(繰越)群馬県林業・木材産業再生緊急対策事業補助金の内報について」
22.H28.6.21渋川森林事務所「平成27年度(繰越)群馬県林業・木材産業再生緊急対策事業実施設計書について」
23.H28.6.27渋川森林事務所「平成27年度(繰越)群馬県林業・木材産業再生緊急対策事業補助金の内示について」
24.平成27年度(繰越)群馬県林業・木材産業再生緊急対策事業補助金交付申請書
25.平成27年度(繰越)群馬県林業・木材産業再生緊急対策事業補助金の交付決定について(通知)

26.平成27年3月30日付起案、よく31日飯塚幸生課長決裁の環境政策課内部文書:PDF ⇒ 2620150330vfqn0331k.pdf
27.平成28年5月22日付の公文書不存在決定通知書:PDF ⇒ 2720160507sm.pdf
28.林野庁・再生可能エネルギーを活用した地域活性化の手引き(抜粋):PDF ⇒ glmpnij.pdf
29.第3回信州しおじり木質バイオマス推進協議会・発電部会 調査経過報告(抜粋):PDF ⇒ 293mbocixicdoij.pdf
30.関電工の平成28年3月期決算短信(抜粋):PDF ⇒ 30dh28n3zzmij.pdf
**********

■陳述はおよそ40分で終了しました。質疑応答として、代表監査委員の丸山幸男弁護士から、「(9)環境アセスメントを実施しないまま計画を脱法的に進めようとしていること、とあるが、この“脱法”というのは具体的にどのような法令を指しているのか?」という質問がありました。

 これに対して陳述人=請求人らは「一般的に言う行政を含む社会規範のルールを指している。その対象範囲は憲法から、行政法、要綱に至るまで、すべての関連する法をイメージしている」と答えました。

 しかし丸山代表監査委員はさらに「住民監査請求書でも(9)環境アセスメントを実施しないまま計画を脱法的に進めようとしていること、について、その項の最後に、“本事業は法令違反であることが明白である”と記されているが、この場合の“法令違反”とはどのような“法令”を指すのか?これもイメージというのか?」と畳みかけて質問をしてきました。

 これに対して陳述人=請求人らは「憲法で定める生存権、環境権はもとより、それから派生する行政法、環境基本法などを包含しており、大局的観点から表現したものである」と答えました。

 丸山代表監査委員は館林市内に法律事務所を持つ弁護士だけに、いわゆる講学的な質問が得意のようですので、前回のような住民監査請求を門前払いするようなトンデモナイ結果通知は、今度は出さないことが期待されます。

 なお、丸山委員以外の、公認会計士の林委員と、議会選出の前議長で安中市区の岩井均委員と、同じく議会選出で館林市区の須藤和臣委員は、今回の住民監査がデビューとなりました。道理で丸山委員からは、今回の住民監査に向けての熱意というか気合の入れ方が感じられました。

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群馬県監査委員4名の皆さん。

■9月23日付で監査委員に住民監査請求を提出してありますので、途中1週間ほど補正命令中の期間を除き、60日以内に監査結果が通知されることになることから、遅くとも11月末には通知が到来するものとみられます。

 前回の監査請求結果に基づく住民訴訟の第2回口頭弁論は11月18日(金)10:30から前橋地裁で行われますので、それまでには間に合いませんが、11月末までに出される監査結果通知を踏まえて、今後の訴訟プランを練ることにしています。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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